JPS6129745B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内部にフアンおよび外面に出口開口
を有する、手術エリアの外側にある基本要素によ
り手術エリアをおおう無菌の空気の流れを発生さ
せる方法に関する。

周知の通風系によつて、手術エリアの範囲内の
空気中の細菌が減少されている。しかしながら、
従来の通風系は、手術を行う人や装置が清浄空間
空気流の中に存在するので、それらから空気流に
よりはぎ取られて沈降する細菌ならびに空気の渦
により投け出された細菌が手術エリアに落ちる可
能性が排除されていない。

従つて、本発明の課題は、手術エリアの上の非
常に大切な空間を細菌が侵入しないようにしてお
くことである。

この課題を解決するには、本発明により、患部
を上に向けて人体を手術台上に載せ、無菌の空気
流が、手術台に所定の高さに配置された基本要素
から、手術エリアに接触しないで手術エリアの中
心の上に最も近い点での接線方向にほぼ平行にか
つ周囲を含む手術エリアのみをおおつて流れるよ
うに無菌の空気流を吐出すれば良い。

手術エリアとは、狭義には、その都度の手術の
傷、または手術が実施される人体の範囲を意味す
る。また、無菌の空気流を手術エリアの中心上に
最も近い点での接線方向に平行に流すのは、手術
の傷を、汚染された周囲から清浄空気流でおおう
ためであり、手術の傷を空気流の中に一緒に入れ
てはならないことに留意しなければならない。傷
を清浄空気流の中に入れると、手術により切開さ
れた全ての部分が乾燥する危険が生ずる。

周囲を含めた手術エリアのみをおおつて流れる
空気は手術エリアに接触しないが、手術エリアの
中心上に最も近い点での接線方向にほぼ平行にそ
のできるだけ近くを流れる。

この空気流があると、沈降する細菌ならびに空
気の渦により手術エリアに投げ出される細菌に対
する障壁が無菌の空気で形成される。

本発明の方法において無菌の流れを発生させる
ために、手術台に所定の高さに配置された基本要
素は、縦方向に延びているスリツト状の出口開口
を有する管からなる。この基本要素内のフアンに
より出口開口から空気流が管の縦軸心に対し横方
向に流出し、それによつて手術エリアに対し所望
の接線方向に向けることができる。

本発明のさらに詳細な点は次の実施例の記載お
よび添附図面から明らかになる。図面には、本発
明の方法を実施するための装置が具体化されてい
る。

以下、本発明の方法を実施する装置を示す図面
を参照して本発明を説明する。

手術台は、脚部として形成された下部１と手術
台２からなる。この手術台２の上方には、手術が
行なわれる手術エリア３の領域がある。この手術
エリア３の両側には手術台２に所定の高さに配置
された送風機またはフアン４，５が設けられてお
り、それらのうち一方が無菌の空気を供給し、他
方がそれを排気するのに役立つ。

フアン４，５は、給気フアン４から空気を排気
フアン５の方へ流出させるように配設されてい
る。このようにして、整列されたエアカーテン６
は、手術エリア３の上方を手術エリアに接触しな
いで手術エリアの中心上に最も近い点での接線方
向に平行にかつ周囲を含む手術エリアのみをおお
つて流れる無菌の空気からなる。このエアカーテ
ン６は、細菌がエアカーテンを突き抜けて手術エ
リア３に侵入できないように阻止する。エアカー
テン６は多数の路７，８からなるのが合目的であ
る。

空気供給用のフアン４はスリツト状出口開口１
０を有する基本要素９からなり、その出口開口か
らエアカーテン６が排気用フアン５の方向へ流出
する。スリツト状出口開口１０には、エアカーテ
ン６をフアン５の方向に向けかつ多数の路７，８
に分割することができる装置１１を設けることが
できる。基本要素９はスリツト状出口開口１０を
用いてエアカーテン６を正確に形成するのに役立
つ。これは、それぞれ患者または実施する作業の
状態や大きさによつて種々に形成することができ
るように手術エリア３のその都度の形状に適応し
なければならない。それ故、エアカーテン６を正
しく形成するために、基本要素９が可変にしかも
変形可能に形成されている。基本要素９と共に、
スリツト状出口開口１０を手術エリア３の形状に
対応して変えたりかつ変形させたりすることがで
きるので、種々の彎曲部や寸法の手術エリアを無
菌の空気でおおうことができる。

また、排気用フアン５はエアカーテン６を形成
するのに好都合な形を有するのが合目的である。
これは、エアカーテンの鋭い縁部を形成するため
に、その外側域がフアン５の前方に弓形になつた
部分によつて特に強く吸引されることにある。

基本要素９と同様にして、スリツト状出口開口
１０もまた可変に形成されている。その可変性は
装置１１を用いて達成される。基本要素９は、実
質的に例えば50cmの長さの一本の管からなる。こ
の管には、スリツト状出口開口１０を形成するた
めに管の縦軸心に沿つて例えば36cmの長さにスリ
ツトがつけられている。基本要素９の可変性によ
つて、この管およびスリツト状出口開口１０をそ
の都度の要求に適合させることができる。

なお、管状の基本要素９に塵や菌のない空気の
フイルターを直列に連結すれば、好適である。

本発明では、無菌の空気の流れが基本要素か
ら、手術エリアに接触しないで手術エリアの中心
上に最も近い点での接線方向に平行にかつ周囲を
含めた手術エリアのみをおおつて流れるように無
菌の空気流を吐出するので、周囲を含めた手術エ
リアのみが外気から遮蔽される。すなわち、外気
から遮蔽されるのは、手術が実際に行われる人体
の範囲のみであり、手術台全体でもなく、しかも
患者の身体全体でもない。従つて、本発明によれ
ば、手術チームおよび大抵の余分な技術的装置が
空気流の外方にあるので、手術チームの衣服また
は毛髪からもまた装置からも菌が手術エリアに運
び込まれることはあり得ない。

また本発明の方法を実施する装置は、従来の装
置と比較して、小さくて安価であり、移動空気量
がいつそうわずかであり、しかも小さくて交換可
能なフイルタしか必要でない。さらに、本発明の
方法を実施する装置は、乗物に、例えば移動手術
室に携帯することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は手術エリアを有する手術台に設けられ
た本発明の方法を実施する装置を示す図である。 ２……手術台、３……手術エリア、４，５……
フアン、６……エアカーテン、９……基本要素、
１０……出口開口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 内部にフアンおよび外面に出口開口を有す
   る、手術エリアの外側にある基本要素により手術
   エリアをおおう無菌の空気の流れを発生させる方
   法において、患部を上に向けて人体を手術台上に
   載せ、無菌の空気流が、手術台に所定の高さに配
   置された前記基本要素から、手術エリアに接触し
   ないで手術エリアの中心の上に最も近い点での接
   線方向にほぼ平行にかつ周囲を含む手術エリアの
   みをおおつて流れるように無菌の空気流を吐出す
   ることを特徴とする方法。