JPS6129643Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ペーパータオルの抽出口が上、下、
正面いずれの方向に位置している場合でも、また
積層されたペーパータオルの残部が少なくなつた
ときでも、確実かつ円滑に、しかも安定して抽出
口から１枚ずつ抽出することができるようにした
ペーパータオル抽出容器に関するもので、本考案
者が先に開発した実公昭56−35116号考案の改良
に係るものである。

この、先に開発した考案においては、ペーパー
タオル抽出容器内に昇降自在に設置された箱状の
抽出案内体が、ペーパータオルの残部が少なくな
つたとき、抽出口を上に向けてペーパータオルを
抽出しようとすると、折り曲げられて積層された
ペーパータオルの折曲部で抽出案内体が上方に引
上げられることになるが、抽出案内体が引上げら
れる際、左右いずれかに傾けられて容器内面に引
掛り、ペーパータオルが抽出された後、抽出案内
体が円滑に自重により落下せず、引続きペーパー
タオルを円滑に抽出するには、この抽出案内体を
手で落下させねばならないことが稀に生じてい
た。また、抽出案内体は浅い箱形であつたため、
容器を立ててその抽出口が正面に向けられると、
前後いずれかに倒れ、ペーパータオルを円滑に引
き出すことがむつかしかつた。

本考案では、このような未解決の問題点を解決
し、容器内のペーパータオルの残部が少なくなつ
ても、また、容器の抽出口がいずれの方向に位置
していても、最後まで安定して円滑にペーパータ
オルが引出せるようにしたもので、多数のペーパ
ータオルが１枚ずつ連続して抽出可能に折り曲げ
られて収容されたペーパータオル抽出容器が、箱
状の容器と、この容器内に昇降自在に設置された
抽出案内体とからなり、容器の上面中央には広い
幅のペーパータオル抽出口が、抽出案内体の上面
中央には狭い幅のペーパータオル抽出口がそれぞ
れ形成されると共に、抽出案内体における対向す
る側面には揺れ止め片が設けられ、ペーパータオ
ルの折目側に位置する両下面には、上面と間隔を
配して形成されたペーパータオル支承板が形成さ
れたことを特徴とする。

つぎに、図面について本考案に係るペーパータ
オル抽出容器の実施例を説明すると、１は上面中
央長手方向の略全長に、楕円状で広い幅のペーパ
ータオル抽出口２が形成された箱状の厚紙製容器
で、この容器１内には、１枚ずつ連続して引出せ
るように折畳まれた、多数枚のペーパータオル３
が収容されると共に、ペーパータオル抽出案内体
４が、このペーパータオル３の上側に昇降自在に
設置される。

ペーパータオル抽出案内体４としては、上面中
央長手方向全長に亘つて、狭い幅のペーパータオ
ル抽出口５が形成され、その中央部分両側にペー
パータオル直立用耳片６，６が設けられ、かつペ
ーパータオル３の両折曲部が支承される狭い幅の
ペーパータオル支承部７，７が、上面と間隔Ａを
配して上面の両長手方向全長に形成されると共
に、両短辺方向側面に、ペーパータオル３が折曲
げられた幅より低い揺れ止め片８が一体に形成さ
れた、厚紙製の箱状のものが使用される。

そして、本実施例品の使用に際し、第３図およ
び第４図示のように、容器１の抽出口２を上側に
して使用する場合は、まず積層されたペーパータ
オル３の最初の一辺３ａを、容器１および抽出案
内体４の各抽出口２，５より取り出し、その端辺
を引き上げれば、そのペーパータオル３が取り出
されると同時に、次のペーパータオル３の一辺３
ａが容器１の外部に現われ、その折曲部は抽出案
内体４の間隔Ａ内に入つて次の引き出しに備える
状態となる。

また、外部に現われたペーパータオル３の一辺
３ａは、ペーパータオル直立用耳片６，６により
直立させられ、次の引き出しの際の摘持を容易に
する。

これらの機能は、ペーパータオル３が使用によ
り順次減少しても、これにともなつて抽出案内体
４も自重により下降するから、積層されたペーパ
ータオルの多寡には影響されない。

ここで、ペーパータオル３の使用により、抽出
案内体４が下降する際、その揺れ止め片８によ
り、抽出案内体が容器１内で傾斜し、その内壁に
引掛けることが防止され、自重により円滑に下降
する。

ペーパータオル３の積層量が、第４図示のよう
に、抽出案内体４の揺れ止め片８の高さより低く
なるほど少なくなつたときは、抽出案内体４は、
それ以上下降しないが、揺れ止め片８の高さは折
り曲げられたペーパータオル３の折り曲げ幅より
低いため、最後の１枚まで完全に抽出案内体４の
抽出口５まで摘出される。

また、第５図示のように、容器１の抽出口２を
下側にして使用する場合は、上記と同様に、ペー
パータオル３の最初の一辺３ａを抽出案内体４と
容器１の各抽出口５，２より外部へ引き出し、１
枚ずつペーパータオル３を抽出すればよい。

この場合、積層されたペーパータオル３は、す
べて折り曲げ部分である両側縁部がペーパータオ
ル支承部７，７で支承されているため、全重量は
２分され、しかも支承されているのは折り曲げ端
部のみであるから、ペーパータオル３を抽出する
に際しての引き出し抵抗は、折り曲げ部が一方の
支承部７から間隔Ａ内に引き出される間のわずか
な抵抗のみであり、したがつて、従来のように、
ほぼペーパータオル３の全面が容器内面に接する
ものや、抽出口に突条などを設けているものなど
に比し、はるかに引き出し抵抗が少ない。

さらに、第６図示のように、容器１を立てて、
その抽出口２を、正面を含む側面に立置させた状
態で使用する場合も、上記と同様に、ペーパータ
オル３の最初の一辺３ａを抽出案内体４と容器１
の各抽出口５，２より外部へ引き出し、１枚ずつ
ペーパータオル３を抽出すればよい。

この場合、ペーパータオル３は立てられた状態
であるため、引き出されるペーパータオル３に
は、他のペーパータオル３の重量が掛らず、円滑
に引き出されると共に、抽出案内体４は、その揺
れ止め片８により直立状態を維持し、倒れたり傾
斜することがないから、ペーパータオル３の残部
が少量となつた場合にも、引き出されるペーパー
タオル３により、次のペーパータオル８の折曲部
が抽出案内体４の間隔Ａ内に導き出され、その先
端は容器１外に引き出されるので、抽出案内体４
が奥に移動しなくてもペーパータオル３は１枚ず
つ抽出口２，５側に引き寄せられ、最後まで円滑
に抽出することができる。

なお、本実施例では、抽出案内片４にペーパー
タオル直立用耳片６，６が設けられたものが示さ
れているが、やや厚手のペーパータオルの場合
は、ペーパータオルの全長より抽出口５の全長を
少しばかり狭くし、抽出口５の幅も狭くすれば、
抽出口のみでペーパータオル３を直立させること
もできるので、直立用耳片６，６は必らずしも必
要ではない。

本考案は、上記した構成よりなり、使用される
ものであるため、ペーパータオル抽出容器の抽出
口が、上面、下面、正面のいずれの方向に位置し
ていても、あるいは積層されたペーパータオルの
残部が少量となつたときでも、ペーパータオルの
引き出し抵抗を可及的に少なくし、あるいは確実
かつ円滑にペーパータオルを抽出口から１枚ずつ
抽出できることはもちろん、特に、抽出案内体に
おける対向する側面に、揺れ止め片が設けられて
いることにより、ペーパータオル抽出容器の抽出
口が上に向けられてペーパータオルが抽出される
場合に、その残部が少なくなつたときでも抽出案
内体は容器の内壁に引掛ることなく、自重により
円滑にペーパータオル上に落下し、次のペーパー
タオル取り出しに備えられ、安定した抽出が行な
えるばかりでなく、容器を立て位置にして使用す
ることが可能となつた効果がある。

なお、実施例に示されるように、抽出案内体に
おけるペーパータオル抽出口が、ペーパータオル
直立用耳片を有する抽出口であるものにおいて
は、ペーパータオルが柔軟なものであつても、被
抽出端は常に抽出口に直立または垂下され、ペー
パータオルの抽出が容易であり、抽出案内体にお
ける揺れ止め片の高さが、折り曲げられたペーパ
ータオルの折り曲げ幅より低く構成されたものに
おいては、容器の抽出口を上にして抽出するに際
し、ペーパータオルの積層量が抽出案内体の揺れ
止め片の高さより低くなるほど少量となつた場合
でも、その引き出し端は常に抽出案内体の抽出口
まで引き出されると共に、容器が深い場合でも、
抽出案内体が底まで下降せず、その揺れ止め片の
高さ位置で停止しているから、ペーパータオルの
残りが甚少となつたときでも容器の底まで手を入
れなくとも取り出せて、その抽出が容易となる利
点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係るペーパータオル抽出容器
の実施例を示すもので、第１図は、ペーパータオ
ル抽出容器の斜視図、第２図は、ペーパータオル
抽出案内体の斜視図、第３図は、容器の抽出口を
上側にして使用する場合の使用状態断面図、第４
図は、第３図におけるペーパータオルの残量が少
量となつたときの使用状態断面図、および第５図
は、容器の抽出口を下側にして使用する場合の使
用状態断面図、第６図は容器の抽出口を縦位置に
して使用する場合の使用状態断面図である。 １……ペーパータオル抽出容器、２，５……ペ
ーパータオル抽出口、３……ペーパータオル、４
……ペーパータオル抽出案内体、６……ペーパー
タオル直立用耳片、７……ペーパータオル支承
部、８……揺れ止め片、Ａ……間隔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 多数のペーパータオルが１枚ずつ連続して抽
   出可能に折り曲げられて収容されたパーパータ
   オル抽出容器が、箱状の容器と、この容器内に
   昇降自在に設置された抽出案内体とからなり、
   容器の上面中央には広い幅のペーパータオル抽
   出口が、抽出案内体の上面中央には狭い幅のペ
   ーパータオル抽出口がそれぞれ形成されると共
   に、抽出案内体における対向する側面には揺れ
   止め片が設けられ、ペーパータオルの折目側に
   位置する両下面には、上面と間隔を配して形成
   されたペーパータオル支承板が形成されたこと
   を特徴とするペーパータオル抽出容器。 (2) 抽出案内体におけるペーパータオル抽出口
   が、ペーパータオル直立用耳片を有する抽出口
   である実用新案登録請求の範囲(1)記載のペーパ
   ータオル抽出容器。 (3) 抽出案内体における揺れ止め片の高さが、折
   り曲げられたペーパータオルの折り曲げ幅より
   低く構成された実用新案登録請求の範囲(1)およ
   び(2)いずれか記載のペーパータオル抽出容器。