JPS61286689A - 耐ゴ−リング性に優れた油井管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 （産業上の利用分野） 天然ガスや原油を産出する井戸は、近年になってその深
さが地下１万ｍにも達する傾向にある。

本発明は、このような井戸に竪て込まれる油井管用の管
継手に関するものである。

（従来の油井管継手） 地中深く掘られた井戸に竪て込まれる油井管は真人な数
にのぼり、これらの油井管はインテグラル式管継手やカ
ップリング式管継手によって一連に接続される。第５図
はカップリング式の管継手を一部切り欠いて示す正面図
である。このようなカップリングＡには、油井管Ｂや他
のカップリングＡの重量が累積されることによる管軸方
向への引張力、土庄による外周からの圧縮力、内部流体
による内周面への押圧力、その他の力の影響に対してよ
く耐え、しかも内部流体が決して漏洩しない確実な気密
性を有することが厳しく要請される。

従来、前記要請に応えるべく多くの提案がなされている
０例えば、管軸方向に作用する引張力に対しては、継手
部分のねじ部のピンチや基準山形等を改良することによ
り満足する結果が得られている。また、外周からの圧縮
力や内部流体による内周面への押圧力によって損なわれ
がちな気密性については、第６図に示す如き構成を採る
こ゛とによって好結果を得ている。

第６図は前記第５図中に矢符で示す部分を拡大視し、ボ
ックスａを有するカップリングと、端部にビンｂが形成
された油井管とが連結のため締付けられつつある状態を
示す図である。同図に示すようにビンｂの先端部す、と
ボックスａの奥部ａ、とは相互に対応するテーパー状に
形成されており、通常の場合、ピン先端部す、における
最小外径は、ボックス奥部ａ１の最大内径よりも僅かに
大きく形成されている。そして油井管Ｂとカップリング
Ａ（第５図参照）との螺合進行時には、ピン先端部ｂ１
はボックス奥部ａｌの切上部ａｔから漸次小径化された
テーパー内周面ａ、に沿って縮径されつつ挿入される。

この際該ピン先端部す、のテーパー外周面す、とボック
ス奥部ａｌのテーパー内周面ａ、との間では高面圧接触
によるメタル対メタルのメインシール部が形成されるよ
うになっている。またピン先端部す、の環状端面ｂ４は
、恰も軸先の如く管軸方向に対して約１００°に傾斜し
て形成されており、ボックス奥部ａ、の環状内面ａｄと
の間で高面圧接触によるサブシール部が形成されるよう
になっている。

なお該傾斜したサブシール部においては、ビンｂとボッ
クスａとを増し締めするときに生ずる分力によりピン先
端部ｂ＋がその外周方向へ拡管されるようになり、前記
メインシール部における気密性を一層効果的なものに助
勢するという作用をも営む。そしてまた、前記第５図に
示すようにカップリングＡのねじ部の一部にはテフロン
リングＣが嵌め込まれている。

（発明が解決しようとする問題点） ビンｂとボックスａとの連結は、手締めと機械締めとの
併合作業によって行われる。手締めによって行われる作
業範囲はピン先端部す、の周縁ｂ２がボックス奥部ａ、
の切上部ａ２へ当接してその螺合回転が停止するまで（
第６図に示す状態まで）であり、機械締めによって行わ
れる作業範囲はピン先端部す、がボックス奥部ａ１内へ
挿入されてピン先端部ｂ１の環状端面ｂ＃がボックス奥
部ａ、の環状内面ａ＃に突き当たり連結が完了するまで
である。つまり、ピン先端部ｂ１の環状端面ｂ４をボッ
クス奥部ａ、の環状内面ａ４に突き当たらせるにはピン
先端部ｂ１を縮径させるだけの多大な回転トルクが必要
であるため、この作業は機械に穎＾ざるを得ない。とこ
ろが、機械締めによってビンｂとボックスａとを項線め
するときには、前段作業の手締めによってボックス奥部
ａｌの切上部ａ２とピン先端部ｂ＋の周縁ｂｔとが当接
しているため、該周縁ｂ２に機械締めによる多大な締付
応力が集中した状態でピン先端部す。

が縮径されるようになり、従来においてはボックス奥部
ａ、のテーパー内周面ａ、の全周にわたってゴーリング
（焼付）が発生するという深刻な問題を有していた。ま
た、前述した如きテフロンリングＣ（第５図参照）をボ
ックスａのねじ部へ嵌め込んだものにあっては、締付時
にテフロンリングＣがねじ部へ流動することによってビ
ンｂとボックスａとの螺合センターが偏心し、前記ゴー
リングの発生を助長する要因となっていた。このように
してゴーリングが発生すると、シール不良による原油の
漏れ又は天然ガスの漏れが発生することは勿論、カップ
リングＡや油井管Ｂ（第５図参照）の再使用が不可能と
なり、甚だしい場合はカンプリングＡと油井管Ｂとの連
結を解くことさえも不可能となって井戸そのものを廃棄
しなければならないという場合もあった。

本発明は、上記の如き事情に鑑みてなされたものであっ
て、締付時におけるゴーリングの発生を防ぎシール部に
おける気密的シール性を充分に発揮させることができる
耐ゴーリング性に優れた油井管継手を提供することを目
的とする。

「発明の構成」 （問題点を解決するための手段） 本発明油井管継手の要旨とするところは、ピン先端部の
テーパー外周面とボックス奥部のテーバ−内周面とでメ
タル対メタルのシール部を構成する油井管継手であって
、ピン先端部には機械締め時にボックス奥部の切上部と
接触しないようにする面取りが施され、該面取りの曲率
半径は２（ｔ−ｔ＋） 但し、ｚ、ｚ、、ｔ、ｔ、はいずれもピン先端部に関す
る寸法であって、 ｌ；テーパー外周面の全長 ｊ！１：テーパー外周面のシール有効長さｔ：テーパー
外周面における最小肉圧 ｔ、：環状端面の肉厚 の式で求められるＲに基づいて決定されていることであ
る。

（作用） ピン先端部には、そのテーパー外周面と連続状にカーブ
する面取りが施されている。しかも該面取りによって、
ピン先端部の環状端面がボックス奥部の切上部に接触し
ないようになっている。従って手締めによってピンをボ
ックス内に螺入したときにその螺合回転が停止するのは
、ピン先端部の面取り部分とボックス奥部の切上部とが
曲面同士で当接する位置となる。つまり、機械締めによ
ってピンとボックスとが増締めされる際には、ピン先端
部がその面取り部分のカーブに沿いながら緩やかに縮径
されるようになり、締付応力が集中することによるゴー
リング発生を防ぐことができる。また、ピンとボックス
との手締めによる螺合回転の停止位置では、ピン先端部
がボックス奥部内へ幾分入り込んだ状態となっている。

従って機械締めによってピン先端部のテーパー外周面と
ボックス奥部のテーパー内周面とが押圧摺動させられる
同距離は短くなり、それだけゴーリングの発生率も低下
する。そのうえ、前記面取りの曲率半径は、ピン先端部
におけるテーパー外周面のシール有効長さ１１及び環状
端面の肉厚１＋を確保するように設定された式により求
められるＲに基づいて決定されるものであるから、これ
によってピンとボックスとの気密性が損なわれたり、締
付によってピン先端部が変形したりすることはない。

（実施例） 以下本発明を、その実施例を示す図面に基づいて説明す
ると次のとおりである。

第１図乃至第３図は、本発明油井管継手を示すものであ
って、ピン２とボックス１との連結状況を従来の管継手
（第５図）と比較し易く描いた拡大断面図である。

第１図に示すように本発明油井管継手の最も主要なとこ
ろは、ピン先端部２１に面取りが施されている点にあり
、そして該面取りの曲率半径及び形成状況が、ピン２及
びボックス１の相互寸法関係に基づいて求められている
点にある。なお、第３図に示すようにピン２がボックス
１に螺入された際に、ピン先端部２１のテーパー外周面
２１ａとボックス奥部１１のテーパー内周面１１ａとが
密着してメタル対メタルのメインシール部を営むように
なされ、ピン先端部２１の環状端面２１ｂとボックス奥
部１１の環状内面１１ｂとが密着してサブシール部を営
むようになされている点については、従来のものと回答
変わりはない。

第１図に示すようにピン先端部２１に設けられた前記面
取りは、そのテーパー外周面２１ａと滑らかに連続し、
該テーパー外周面２１ａと環状端面２１ｂとを結ぶよう
に所定の曲率半径を有してカーブするように設けられて
いる。従って、機械締めによってピン２とボックス１と
が増締めされる際には、第２図に示すようにピン先端部
２１がその面取り部分のカーブに沿いながら緩やかに縮
径されるようになり、締付応力が集中することによるゴ
ーリング発生を防ぐことができる。

面取りの曲率半径は、下記（１）式によって求められる
Ｒに基づいて決定される。なお、咳曲率半径を決定する
Ｒは、ピン先端部２１及びボックス奥部１１の内外径寸
法を使用して表すのが普通であるが、本発明においては
、ピン２とボックス１との連結時にピン先端部２１が縮
径されるものであること及びピン先端部２１とボックス
奥部１１との気密状態が周全体として総合的に評価され
るものではなく、無数の断面状況での気密状態が集合し
たものとして評価を受けるものであることから、あえて
断面部分での厚さ寸法を使用して表した。

但し、上式においてＬ　　ＩＩ、　ｔ、　ｔｌはいずれ
もピン先端部２１に関する寸法であって、！はテーパー
外周面２１ａの全長であり、Ｉｌ、はテーパー外周面２
１ａのシール有効長さであり、ｔはテーパー外周面２１
ａの最小肉厚であり、ｔ、は環状端面２１ｂの肉厚であ
る（第１図参照）、また前述した如く面取りは、ピン先
端部２１のテーパー外周面２１ａに連続してカーブする
ものであるから、該面取りの曲率半径の中心は、前記！
−！、によってピン先端部２１のテーパー外周面２Ｉａ
上に決定される剛製点を通り、当該テーパー外周面２１
ａと直交する線上に存在することはいうまでもない。

第４図は前記第１図に示すピン先端部２１を更に拡大し
て示すものである。同図に基づいて前記（１１式を説明
する。まず、面取りによる、ピン先端部２１におけるテ
ーパー外周面２１ａの仮想剛製減量！−１，は、面取り
カーブの仮想弧長を！２とお（とき、該ｌｔ寸法と殆ど
変わらない値であるといえるから、弧長を求める一般式
により、Ｊ、−Ｒ・θ均！−１１ を求めることができる。

また、ピン先端部２１における仮想三角形ＸＹＺを考え
るとき、面取りによる、ピン先端部２１における環状端
面２１ｂの仮想剛製減量１−１．は、前記仮想三角形Ｘ
ＹＺの底辺ＹＺと曲率半径Ｒとの差に近似しているもの
であるといえる。従って前記仮想剛製減量１−１．は、 ｔ−ｔ、＃Ｒ−Ｒ−ｃｏｓθ 、’−ｔ　−ｔ、４　Ｒ（１ｃｏｓθ”）　・＋３１と
表すことができる。そこで該（３）式に前記（２）式を
代入することにより、 が得られるから、これをテーラ−展開によってｉ　　　
（Ｉｌ−１！＋）” 一□　・ ２　　　　　Ｒ ｚ（ｔ−ｔｔ） が得られる。

ところで、ピン２とボックス１との締付時のゴーリング
発生を防ぐ措置として、その締付による接触距離を小さ
くするという観点からは、ピン先端部２１に施す面取り
の曲率半径は大きい程よい。

つまり、面取りの曲率半径が大きくなればなるほど、ピ
ン先端部２１におけるテーパー外周面２１ａ及び環状端
面２１ｂが前記面取りによって剛製される領域も大きく
なり、それだけピン先端部２１のテーパー外周面２１ａ
とボックス奥部１１のテーパー内周面１１ａ及びピン先
端部２１の環状端面２１ｂとボックス奥部１１の環状内
面１１ｂとの接触面積が夫々小さくなり、また接触する
機会も少なくなるからである。しかし、−ａに接触し合
う物体相互の接触面積が一定値以上を存する場合は、該
接触面積と面圧との関係が反比例となるものであるから
、前記面取りの曲率半径をむやみに大きくすると面圧過
剰によるゴーリングが発生してしまう。そこで本発明に
あっては、前記（１）式によって面取りの曲率半径を決
定するにあたって、下記（４）式に示す如くピン先端部
２１における環状端面２１ｂの肉厚ｔ、に、ボックス奥
部１１におけるテーパー内周面１１ａの最大厚さＴ（第
１図参照）を考慮に入れた条件を付すると共に、下記（
５）式に示す如くピン先端部２１におけるテーパー外周
面２１ａのシール有効長さ１１に、ボックス奥部１１に
おけるテーパー内周面１１ａの全長Ｌ（第１図参照）を
考慮に入れた条件を付した。

（４）式によって肉厚ｔ、に付される条件は、手締めに
よってピン２をボックス１内へ螺入したときにピン先端
部２１周縁がボックス奥部１１の切上部１２と接触しな
いようにすると同時に、その後の機械締めによってピン
先端部２１の環状端面２１ｂがボックス奥部１１の環状
内面１１ｂに押圧されたときに該ピン先端部２１が変形
しないようにするためのものである。また、（５）式に
よって長さｌ、に付される条件は、ピン先端部２１のテ
ーパー外周面２１ａにおけるシール有効長さを確保して
メインシール部における気密性が損なわれないようにす
るためのものである。ＡＰＩ規格によって規定されるピ
ン先端部２１の外形状を兼ね合せると、肉厚１．は略２
〜１２ｍｍとなり、長さ！、は略１〜６−となる。

ｔ＋−ｔ　−（０，０２〜０．４０）　Ｔ・・・（４）
ｌ　ｌ−１−（０，２５〜０．７５）　Ｌ・・・（５）
このようにしてピン先端部２１のテーパー外周面２１ａ
及び環状端面２１ｂにおける面取りの創製減量領域が制
限される。

本発明者らは、上記（４）式及び（５）式に基づく制限
内でピンにおける種々の供試体を製作し、該供試体によ
って実験を行ったのでそのときの具体的なデータをく表
〉に示す、尚、ボックス奥部１１の形状においては切上
部１２の曲率半径ｒを併記した。また前記（１）式によ
って求められるＲは端数となる場合が多く、該Ｒにおけ
る−の位の整数を四捨五入してこれを実際の面取りの曲
率半径とし、〈表〉中にはＲｏとして表した。そして比
較例として、ピン先端部２１における環状端面２１ｂの
肉厚ｔｌが上記（４）式から逸脱し且つピン先端部２１
におけるテーパー外周面２１ａのシール有効長さｌｌが
上記（５）式から逸脱する供試体を賦香１１及び１２に
示すと共に、肉厚１．のみが上記（４）式から逸脱する
供試体を賦香１３に示し、長さＩｌＩのみが上記（５）
式から逸脱する供試体を賦香１４に示した。実験に用い
たピン管部の外径は１３９．７ｍであり、肉厚は７．７
２ｍであり、降伏応力は６３．３ｋｇ／ｍ”である、ま
た、締付トルクは９００　Ｋｇｆ−ｍとし、内圧試験は
窒素ガスを用いて７００Ｋｇ／ｄの管降伏内圧を負荷し
て行った。

〈表〉によって明らかなように、ピン先端部１１におけ
る長さｌ、及び肉厚１１が前記（４）式及び（５）式に
よって制限される外形状のもの（賦香１〜１０）は、締
付試験において１０回以上の締付及び締戻しに耐えてお
り、内圧試験においても全く異常がないことが確認され
た。

（次頁へ続く） （別Ｌｉ様の検討） ピン先端部の環状端面とボックス奥部の環状内面とが当
接してサブシール部を形成することは本発明の要旨に同
等関係するものではなく、サブシール部を有しない管継
手にあってはピン先端部の変形防止及びボックス奥部に
おける切上部との接触回避に主点をおいて環状端面の肉
厚を決定すればよい、このように、本発明油井管継手の
細部にわたる形状は、実施のａ様に応じて適宜変更可能
である。

「発明の効果」 以上の説明で明らかなように、本発明に係る油井管継手
によれば、ピン先端部にゴーリングが発生する確率は極
めて低減されるから、ピン先端部のテーパー外周面とボ
ックス奥部のテーパー内周面とのシール部の気密性が損
なわれることなく充分発揮され、その内部を流通する原
油や天然ガスが漏洩することはない。また、ゴーリング
が発生しないことによって油井管や管継手の再使用も少
なくとも１０回は可能であるから、省資源化の観点から
も優れた結果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本発明油井管継手を示すものであっ
てビンとボックスとが連結のために締付けられつつある
状況を順をおって示す断面図、第４図はピン先端部を更
に拡大して示す図、第５図及び第６図は従来の油井管継
手を示すものであって、第５図は油井管とカップリング
との連結状態をその一部を切り欠いて示す正面図、第６
図は第５図中における矢符部を拡大して示す断面図であ
る。 １・・・ボックス　　　　　　１１・・・ボックス奥部
１１ａ・・・テーパー内周面　　１１ｂ・・・環状内面
２・・・ピン　　　　　　　　２１・・・ピン先端部２
１ａ・・・テーパー外周面　　２１ｂ・・・環状端面特
許出願人　　住友金属工業株式会社 代　理　人　　弁理士　　内１）敏彦 第５図 第６図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、ピン先端部のテーパー外周面とボックス奥部のテー
   パー内周面とでメタル対メタルのシール部を構成する油
   井管継手であって、ピン先端部には機械締め時にボック
   ス奥部の切上部と接触しないようにする面取りが施され
   、該面取りの曲率半径は Ｒ＝（ｌ−ｌ＿１）＾２／［２（ｔ−ｔ＿１）］但し、
   ｌ，ｌ＿１、ｔ、ｔ＿１はいずれもピン先端部に関する
   寸法であって、 ｌ：テーパー外周面の全長 ｌ＿１：テーパー外周面のシール有効長さ ｔ：テーパー外周面における最小肉圧 ｔ＿１：環状端面の肉厚 の式で求められるＲに基づいて決定されていることを特
   徴とする耐ゴーリング性に優れた油井管継手。