JPS6128398Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は家庭用あるいは業務用電子レンジ等の
高周波加熱装置の特にマグネトロンの小型化に関
するものである。

従来の一般的な高周波加熱装置を第１図に示
す。

図において、加熱室１に対向してドア２を開閉
自在に設け、加熱室１には導波管３を連結して設
けている。。マグネトロン４はアンテナ５を導波
管３内に位置して取付けられアンテナ５からの電
波は導波管３を通り加熱室１内に入り被加熱物６
を加熱する。第２図はマグネトロン４と導波管３
の取付部を拡大した斜視図であり、マグネトロン
４は下方向にずらせた状態で示している。

これらの高周波加熱装置に使用されるマグネト
ロンは、その発振部に磁界を加えることを特徴と
している。このためマグネトロンは磁気回路構成
を持つており、この磁気回路はマグネトロンの外
側に設けた継鉄によつて構成している。当然他の
ことながらこの磁気通路が短い程磁気効率が高ま
るので継鉄の寸法はできる限り小さくすることが
望ましいが最近の技術向上によるマグネトロンの
発振効率の向上が発熱量を少なくし、冷却構造の
簡素化が結果的に磁気回路のに小型化につなが
り、マグネトロン寸法の小型化が実施されてきて
いる。

しかしながら、第１図に示すような導波管タイ
プの場合には、導波管３の幅寸法_１は発振周波
数、電波波長によつて決まるので、マグネトロン
４にあわせて小型化することができず、おのずと
導波管３とマグネトロン４との関係寸法に大小関
係が生じてしまう。したがつて第２図に示すよう
に取付板７の上面には導波管３を設けマグネトロ
ン４を取付けた状態でアンテナ５からの電波を加
熱室１に導いている。高周波加熱装置で最も多く
使用されている電波は2450MHzであり、この場合
導波管３の幅_１は普通11cm程度になる。これに
比べてマグネトロン４の幅_２は約８cm程度で導
波管３の幅_１よりも狭い。このためマグネトロ
ン４に張出部８を設けこれにビス９を突出して設
け、このビス９間の幅_３を導波管３の幅_１よ
りも広くして、導波管３の外側で取付板７に設け
た取付孔１０によつてマグネトロン４を固定す
る。

また一方、導波管を使用しない第３図に示すよ
うな直付けタイプの場合にはこのような寸法上の
制約は少ない。しかしマグネトロン４の取付部で
ある張出部８に設けたビス９に加熱室壁面１１の
内側からナツト２１で締付ける構成のため、結果
的には大形のマグネトロンと同じ取付けスペース
を必要とし、小型マグネトロンにした効果が全く
発揮されなくなつてしまつていた。さらにマグネ
トロンと加熱室壁面との結合が不十分になりこの
部分から電波漏洩を起すなどの危険もあつた。

このような締付難さを解消するには、第３図に
いてナツト２１を加熱室壁面１１に固定し、ビス
９を別にして上から締付ける方法でもよいが、こ
の場合は導波管結合による装置への取付が困難に
なり、結局、導波管結合タイプの装置用と直付け
タイプの装置用の２種類の構造の違うマグネトロ
ンが必要であり、生産性が悪く、製造コストが高
くなる。またサービス面ではかなり高価なマグネ
トロンを２種類用意しておくことは極めて不経済
である。

さらにまた継鉄の一部である張出部８によつて
継鉄の寸法が大きくなり、その結果磁気通路を長
くし、磁気効率を低下させていた。

そこで本考案は簡単な構成により上記欠点を解
消しようとするものであり、本考案の一実施例を
第４図により説明する。

第４図は導波管結合による高周波加熱装置のマ
グネトロン取付部の構造を示す斜視図であり、マ
グネトロンは下方向にずらせた状態で示す。

第４図において、取付板７の上面には導波管３
を設け、マグネトロン４を取付けた状態でアンテ
ナ５からの電波を加熱室に導いている。マグネト
ロン４の取付足の部分には取付金具１２を図のよ
うに装着する。この取付金具１２は取付孔の下部
にナツト１３を溶接で固定しており、ビス１４で
上面から締付けることによりマグネトロン４を取
付板７に固定する構成である。ここで取付金具１
２の一側に設けた取付孔ピツチ_３は導波管３の
幅_１よりも広くし、ビス１４が導波管３に近接
したり導波管３内の位置になることを防いでい
る。

マグネトロン４自体の取付孔ピツチ_４は導波
管３の幅_１よりも小さくても、図のように導波
管３に邪魔されない部分では支障ない。従つてこ
の実施例の取付金具１２は一側に取付孔ピツチ
_３を導波管３の幅_１より大きくしておけばよ
い。

第５図は第４図に示す本考案によるマグネトロ
ンから取付金具１２をとり外した状態のマグネト
ロン４を加熱室壁面１１に直接取付けた状態を示
し、この場合は取付金具１２を用いることなくマ
グネトロン４自体の取付孔ピツチ_４のままでビ
ス１４にて取付けることができる。１６は冷却風
を加熱室１内に導くガイドであり風が漏れないよ
うにマグネトロン４に近接して設けている。

このような本考案によると導波管タイプの装置
も、直付けタイプの装置も同じ形のマグネトロン
を使うことができ、締付は全て上面からできるの
で締付が容易にでき、生産性が良くなるばかりで
なく、締付やすいことは締付不良がなくなること
につながり、マグネトロンと加熱室壁面との結合
が完全になり、この部分から電波漏洩を起す危険
がなく安全性の高いかつ磁気効率のよい装置を得
ることができる。またマグネトロンは装置の形が
異なつても一種類で済むのでマグネトロンの大量
生産が可能になり生産コストが安くなる。またサ
ービス面でも高価なマグネトロンを数種類も在庫
しておくことなく一種類ですむので極めて経済的
である。

さらにマグネトロン直付タイプの場合には、マ
グネトロンに余分な張出し部がないので例えばガ
イドなどが近接していてもマグネトロンの着脱は
取付ビスを外すだけでガイドなどに邪魔されずに
マグネトロンを取外すことができるのでさらに組
立、サービスが容易になるなど数多くの実用的な
効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な高周波加熱装置の断面図、第
２図は従来の高周波加熱装置のマグネトロン取付
部を示す斜視図、第３図は同じく従来の装置のマ
グネトロン取付部の他の例を示す断面図、第４図
は本考案による高周波加熱装置のマグネトロン取
付部の一実施例を示す外観分解斜視図、第５図は
本考案によるマグネトロンから取付金具をとり外
した状態のマグネトロンの他の取付例を示す斜視
図である。 ４……マグネトロン、７……取付板、１２……
取付金具、１５……ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室の内
   部に導波管を介して高周波を給電するマグネトロ
   ンとを備え、前記マグネトロンには張出部を有す
   る取付部を設け、前記取付部には前記取付部の幅
   _２および前記導波管の幅_１のいずれよりも大
   きい取付孔ピツチ_３を少なくとも一側に有し略
   コの字形の取付金具を張出部の外面に着脱自在に
   装着し、前記取付金具を介して前記マグネトロン
   を前記導波管に設けた取付板に固定する構成とし
   た高周波加熱装置。