JPS6127723Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は波形耳桟付コンベヤベルトのベルト基
帯に波形耳桟を接着する際に用いる波形耳桟取付
用ハンドプレスに関する。

従来、波形耳桟が取付板部より波形耳桟部が立
設されてなり、該波形耳桟の取付板部がベルト基
帯の左右側縁付近に接着されてなる波形耳桟付コ
ンベヤベルトを製造する場合において、波形耳桟
の取付板部をベルト基帯に接着するには、木づち
による打圧か、あるいは電動ハンマーによる打圧
により行われていた。しかしながら、木づちによ
る打圧の場合は、波形耳桟の取付板部の波形凹部
内の部分を十分に打圧できず、人力によることか
ら生ずるムラがあるし、時間がかかり作業者の疲
労が甚しいという欠点があつた。さらに、打圧に
よる瞬間接着のため、歪のある部分ではその反発
力により離反するという不具合がある。

一方、電動ハンマーによる打圧の場合は、震動
が激しく、時間がかかるため、作業者の疲労が甚
しいという欠点がある。また、打棒に細いものを
使用すれば、波形凹部内の部分まで打圧できる
が、その打棒に切損を生じることがしばしばある
という不具合があつた。

そこで、考案者は、波形耳桟の波形桟部の波形
形状に略合致する波形形状の前縁部を有する押圧
板で押圧すれば、波形耳桟の取付板部の所定部分
をベルト基帯への一回の押圧で接着できることに
着想し、本考案波形耳桟取付用ハンドプレスを開
発するに至つたのである。

本考案は、波形耳桟の波形耳桟部の波形形状に
略合致する波形形状の前縁部を有する押圧板を用
いることにより、波形耳桟の取付板部をベルト基
帯に容易に押圧できる波形耳桟付コンベヤベルト
の波形耳桟取付用ハンドプレスを提供することを
目的とする。

本考案ハンドプレスは、プレス本体と、該プレ
ス本体に固設されベルト基帯が上面に載置される
基板と、該基板の上面に設けられたベルト基帯の
滑り止め手段と、前記プレス本体に前記基板に対
向して上側に設けられ前縁部が波形耳桟の波形耳
桟部の波形形状に略合致する波形形状で、前記基
板と略平行に上下動可能である押圧板とを備え、
波形耳桟のベルト基帯への接着時に、前記押圧板
の側縁部を波形耳桟の取付板部に合致させた状態
で、前記基板と押圧板とで波形耳桟の取付板部と
ベルト基帯とを挾持し押圧することを特徴とする
ものである。

以下、本考案の実施例を図面に沿つて説明す
る。

第１図に示す波形耳桟取付用ハンドプレス１
は、ベルト基帯ａの左右側縁付近に、取付板部ｂ
より波形耳桟部Ｃが立設されている波形耳桟ｄの
取付板部ｂを接着してなる波形耳桟付コンベヤベ
ルトＡの波形耳桟ｄの取付板部ｂをベルト基帯ａ
に接着する際に用いるものである。

このハンドプレス１のプレス本体２は、ブロツ
ク状の基体３の左右に側板４，４が固設されてい
る。側板４は、上側部４ａと、該上側部４ａより
も前方に前端が突出する下側部４ｂと、該両部４
ａ，４ｂを後側で連設する連設部４ｃと、前記両
部４ａ，４ｂの間に切欠き部４ｄとを有する。

前記左右の側板４，４の下側部４ｂ，４ｂの突
出した前端部分間に上面５ａにベルト基帯ａが載
置される矩形状の基板５が架設され、該基板５の
上面５ａ前縁に滑り止め部材６である断面矩形の
角材が固設されている。

７は押圧板で、プレス本体２を構成する基体
に、基板５に対向して上側に設けられている。こ
の押圧板７の前縁部７ａは、波形耳桟ｄの波形耳
桟部ｃの波形形状に略合致する波形形状に形成さ
れている。

８，８はプレス本体２の基体３に上下動自在に
嵌挿されたピストンで、その下端部が取付板９に
固着されている。取付板９の後縁部には嵌合突条
９ａが突設され、押圧板７の後縁部に形成された
嵌合凹溝７ｂに嵌合突条９ａが嵌脱自在に取り付
けられ、該押圧板７は、基板５と略平行に上下動
可能となつている。それとともに、押圧板７は、
接着される波形耳桟ｄの波形形状に応じて交換可
能である。なお、１０は押圧板７の下側に該押圧
板７の形状に一致して接着された弾性材で、押圧
時に歪が生じるのを防止し、一様な圧着効果の得
られるものである。

１１は側板４，４の上端部間に架設された支持
軸で、加圧ハンドル１２が回動自在に取り付けら
れている。１３，１３は連結部材で、加圧ハンド
ル１２のアーム１２ａとピストン８上端部の取付
部８ａとを連結している。１４は側板４，４の略
中央位置に固設された把持ハンドルである（取付
位置は図示の場合よりもさらに下側でもよい）。

１５は側板４，４の下側位置に設けられたロー
ラで側板４，４の下端縁よりも若干下方に突出し
て回動自在に枢支され、ハンドプレス１全体が左
右方向Ａに移動可能なるように構成されている。
１６はローラ１５の枢軸、１７，１７は枢軸１６
を支持するブラケツトである。

次に、上記ハンドプレス１の使用方法について
説明する。

先ず、波形耳桟ｄの取付板部ｂの裏面に接着剤
を塗布する。続いて、波形耳桟ｄを取り付けるベ
ルト基帯ａをハンドプレス１の側板４，４の切欠
き部４ｄ，４ｄへ所定長さだけ挿入するととも
に、取り付けられる波形耳桟ｄの波形耳桟部ｃの
波形（凹凸）に押圧板７の前縁部７ａを合致さ
せ、（第３図参照）該波形耳桟ｄの取付位置を調
整しながら、第２図に示すように波形耳桟ｄをベ
ルト基帯ａ上に載置する。

次いで、加圧ハンドル１２を下方に回動する
と、押圧板７が下方に平行移動し、弾性材１０を
介して波形耳桟ｄの取付板部ｂを押圧して取付板
部ｂをベルト基帯ａに加圧接着する。このとき、
滑り止め部材６によつてベルト基帯ａのうち押圧
される部分よりも前側部分が上方に浮上つている
ため、ベルト基帯ａの左右方向の移動が防止され
るとともに押圧板７により十分に押圧（加圧）さ
れる。すなわち、押圧板７のうち波形部分は、波
形耳桟ｄの取付板部ｂに圧力がかかりにくいが、
前記のように、ベルト基帯ａを若干浮上げること
により、波形部分の加圧力が増加する。

かくして、ベルト基帯ａの片側に波形耳桟ｄが
加圧接着され、その後、ベルト基帯ａのもう一方
の側に波形耳桟ｄが同様に加圧接着されて波形耳
桟付コンベヤベルトが形成される。

上記実施例では、ピストン８，８の上下動は加
圧ハンドル１２の回動を手操作で行うことにより
行われるが、プレス本体２内にピストン８，８を
常時上方に付勢するスプリング部材を設け、ピス
トン８，８を下方に移動させた後、加圧ハンドル
１２を離せば、ピストン８，８が上方の元の位置
に戻るようにすることもできる。

本例では滑り止め部材として、断面矩形の角材
が用いられているが、複数の突起にても同様な効
果をもたせることもできる。

本考案は、上記のように、波形耳桟の波形耳桟
部の波形形状に合致する波形形状の前縁部を有す
る押圧板を基板の上側に上下動可能に設け、該押
圧板と基板とで波形耳桟の取付板部とベルト基帯
とを挾持し押圧するようにしたため、従来のよう
に労力を要することなく、極めて態率よく波形耳
桟のベルト基帯への接着ができるという優れた効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示するもので、第
１図はハンドプレスの斜視図、第２図はハンドプ
レスの使用状態を示す側面図、第３図は押圧板と
波形耳桟との関係を示す図である。 １……波形耳桟取付用ハンドプレス、２……プ
レス本体、４……側板、５……基板、７……押圧
板、ａ……ベルト基帯、ｂ……取付板部、ｃ……
波形耳桟部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 波形耳桟は取付板部より波形耳桟部が立設され
   てなり該波形耳桟の取付板部がベルト基帯の左右
   側縁付近に接着されてなる波形耳桟付コンベヤベ
   ルトの波形耳桟の取付板部をベルト基帯に接着す
   る際に用いるもので、プレス本体と、該プレス本
   体に固設されベルト基端が上面に載置される基板
   と、該基板の上面に設けられたベルト基帯の滑り
   止め手段と、前記プレス本体に前記基板に対向し
   て上側に設けられ前縁部が波形耳桟の波形耳桟部
   の波形形状に略合致する波形形状で、前記基板と
   略平行に上下動可能である押圧板とを備え、波形
   耳桟のベルト基帯への接着時に、前記押圧板の側
   縁部を波形耳桟の波形耳桟部に合致させた状態
   で、前記基板と押圧板とで波形耳桟の取付板部と
   ベルト基帯とを挾持し押圧することを特徴とする
   波形耳桟付コンベヤベルトの波形耳桟取付用ハン
   ドプレス。