JPS6127709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は射出成形機における射出シリンダーの
油圧制御回路の改良に関するものである。

従来、公知のこの種の油圧制御回路において
は、第１図に示すようにメイン方向切換弁５の射
出側５ａに通電してポンプＰよりの圧力油を差圧
一定型メインリリーフ弁３及びメイン方向切換弁
５を介して射出シリンダー１のヘツド側へ送つて
原料樹脂の射出、充填を行い、このときポンプＰ
側の一次圧は、射出シリンダー１の負荷及びメイ
ンリリーフ弁３のスプリング力によつて制御され
るが、差圧一定型リリーフ弁の特性として、射出
シリンダー１の負荷を検知しながらポンプＰ側の
一次圧が上昇するので、射出開始時に射出シリン
ダー１における圧力上昇の立上り速度が遅くなる
欠点があつた。この圧力上昇特性は負荷に必要な
だけの一次圧が得られ、省エネルギーに役立つ長
所があるが、反面、薄肉物成形の場合には初速が
遅くなつて射出充填が不充分となるという致命的
な欠点をもつていた。

金型キヤビテイ内に原料樹脂が充満すれば、ポ
ンプＰの一次側圧力は無限大に増大するので比例
電磁式リリーフ弁１０でその上限を規制するよう
になつている。

又、原料樹脂チヤージ工程においては、メイン
方向切換弁５のチヤージ側５ｂに通電すれば、ポ
ンプＰよりの圧力油がオイルモーター１５に流れ
てオイルモーター１５が回転し、原料樹脂をチヤ
ージするに伴つて、樹脂圧で射出シリンダー１の
ピストンが後退し、このときの一次圧はオイルモ
ーター１５の負荷とメインリリーフ弁３のスプリ
ング力によつて制御され、樹脂背圧（射出シリン
ダーのヘツド側の圧力）は別個の背圧専用の比例
電磁式リリーフ弁１７によつて制御するようにな
つている。

本考案は上記実施例における射出開始時におけ
る射出シリンダーのヘツド側の圧力上昇の遅延を
なくするために、上記の油圧回路におけるメイン
リリーフ弁とメイン方向切換弁とを連絡する回路
に別の切換弁を接続することによつて、原料樹脂
の射出開始時に、射出シリンダーの負荷に関係な
く比例電磁式リリーフ弁で設定された最大値まで
一次圧を急激に上昇させて射出立上り速度の遅延
をなくするようにした射出成形機における油圧制
御回路を提供するものである。

本考案の実施例を第２図によつて説明すれば、
公知のようにポンプＰよりの圧力油を管路２を介
して差圧一定型メインリリーフ弁３に送り、該メ
インリリーフ弁３よりメイン管路４を介してメイ
ン方向切換弁５に送り、さらに該メイン切換弁５
より管路６を介して射出シリンダー１のヘツド側
に送つて該シリンダー１を作動させるようにして
ある。７は別の方向切換弁で、分岐管路８を介し
てメイン管路４に接続すると共に、管路９を介し
て比例電磁式リリーフ弁１０に接続し、さらに管
路１１を介して前記の差圧一定型メインリリーフ
弁３に接続してある。

１２は背圧用のリリーフ弁で管路１３を介して
メイン方向切換弁５に接続すると共に管路１４を
介したて別の方向切換弁７に接続してある。１５
はチヤージ用オイルモーターで管路１６を介して
前記メイン方向切換弁５に接続してある。

上記のように構成した実施例についてその作用
を説明すれば、図においてメイン方向切換弁５の
射出側５ａに通電して射出シリンダー１のヘツド
側のポンプＰよりの圧力油を送り原料樹脂を金型
キヤビテイ（図示せず）に射出充填する。このと
きのポンプＰ側の管路２における一次圧は射出シ
リンダー１の負荷圧と差圧一定型メインリリーフ
弁３のスプリング力で制御される。充填完了して
射出圧力が上昇するとき別の方向切換弁７の射出
立上り側７ａに通電すれば、射出シリンダー１の
負荷回路が閉じてポンプＰ側の一次圧は射出シリ
ンダー１の負荷に関係なく、比例電磁式リリーフ
弁１０で設定された最大値まで急激に上昇するの
で射出開始時の射出シリンダー１の圧力上昇の立
上りが速くなる。射出シリンダー１が充分な初速
でスタートした後に方向切換弁７を中立にしせ、
メイン方向切換弁５を射出シリンダー１の圧力で
制御しながら、ポンプＰの一次圧は負荷に必要な
最小限度の値となつて経済運転を続ける。すなわ
ち、急激な圧力上昇よる高速射出と経済運転と両
方の長所を有する理想的な射出特性となる。

次に原料樹脂のチヤージ工程では、別の方向切
換弁７のチヤージ側７ｂに通電すれば、ポンプＰ
側の一次圧はオイルモーター１５の負荷とメイン
リリーフ弁３のスプリング力によつて制御され、
樹脂の背圧は比例電磁式リリーフ弁１０で制御す
るものであるが、電磁比例式であるから、このと
きは電気信号によつて低くして背圧設定をする。

上述のように本考案は、ポンプＰよりの圧力油
を差圧一定型メインリリーフ弁３とメイン方向切
換弁５を介して射出シリンダー１に送つて射出シ
リンダー１を作動させるようにした油圧回路にお
いて、前記メインリリーフ弁３とメイン方向切換
弁５とを接続するメイン管路４に、分岐管８を介
して別の方向切換弁７を接続すると共に該方向切
換弁７を比例電磁式リリーフ弁１０及び前記メイ
ンリリーフ弁３に接続したことを特徴とする射出
成形機における油圧制御回路に係るものであるか
ら、原料樹脂の射出開始時に別の方向切換弁によ
つて射出シリンダーにおける負荷に関係なく、比
例電磁式リリーフ弁の最大設定値までポンプ側の
一次圧を急上昇させて、射出圧立上りの遅延をな
くすることができ、その後の射出工程は差圧一定
型メインリリーフ弁の正常な作動によつて経済的
運転を行わせることができる。又、原料樹脂のチ
ヤージ工程では、射出圧の設定に用いた比例電磁
式リリーフ弁を利用してチヤージ背圧を制御する
ようにしたので、従来の回路における背圧専用の
比例電磁式リリーフ弁を省略することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を従来の実施例との比較
において示すもので、第１図は従来の回路図、第
２図は本考案の回路図である。 １……射出シリンダー、３……差圧一定型メイ
ンリリーフ弁、４……メイン回路、５……メイン
方向切換弁、７……別の方向切換弁、８……分岐
管路、１０……比例電磁式リリーフ弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ポンプＰよりの圧力油を差圧一定型メインリリ
   ーフ弁３とメイン方向切換弁５と介して射出シリ
   ンダー１に送つて射出シリンダー１を作動させる
   ようにした油圧回路において、前記メインリリー
   フ弁３とメイン方向切換弁５とを接続するメイン
   管路４に分岐管路８を介して、別の方向切換弁７
   を接続すると共に該方向切換弁７を比例電磁式リ
   リーフ弁１０及び前記メインリリーフ弁３に接続
   したことを特徴とする射出成形機における油圧制
   御回路。