JPS6127638Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電気集塵装置に係り、特にダスト掻取
り用回転ブラシが改良された移動電極式の電気集
塵装置に関するものである。

一般にダストの電気固有抵抗は、電気集塵装置
の集塵性能に大きな影響を及ぼす。乾式の電気集
塵装置が、安定して性能を発揮できるのは、対象
となるダストの電気固有抵抗が、10⁴Ω・cmから
10¹¹Ω・cmの間とされ、10¹¹Ω・cmを越える電気
固有抵抗をもつダストは、特に高抵抗ダストと呼
ばれるものであつて捕集されにくい。即ちこの高
抵抗ダストを、従来の乾式電気集塵装置で捕集す
ると、捕集ダストが集塵極表面を覆つた状態とな
る。この状態のまま運転を続けると、放電極から
出されるコロナ電流が減少したり、集塵極に堆積
したダスト層が絶縁破壊を起し、高抵抗障害や逆
電離現象が発生して、著しくダストの補集が困難
となる。

移動電極式の電気集塵装置によればこのような
高抵抗ダストも容易に捕集することができる。

この移動電極式電気集塵装置は、第１図及び第
２図に示されるように、従来形では固定されてい
た集塵極の極板を、複数の小極板１０に分割し、
その両端をリンクチエーン１２に取付け、集塵装
置の中で放電極１４の間を上下に移動させる構造
となつている。１６は駆動用スプロケツト、１８
は下部ローラ、矢印Ａはガス流れ方向を示す。ま
た、捕集ダストは、集塵域外で回転ブラシ２０に
より集塵極板１０を両面からはさみながら確実に
払い落され、集塵域内には、つねに清浄な集塵極
が送り込まれるよう構成されている。

第３図は回転ブラシ２０の斜視図である。図示
の如く回転ブラシ２０は、回転円筒体２２の周面
にブラシ素線２４を殖設してなるものである。し
かして従来はブラシ素線２４は、回転円筒体２２
の軸心に沿つて同一方向の螺旋模様２６を形成す
るように殖設されている。

ところがブラシ素線２４をこのように殖設する
と、回転ブラシ２０の回転に伴つて集塵極板１０
には回転ブラシ軸線方向（矢印Ｂ方向）の力が作
用し、集塵極板１０が傾いたり一方向に偏つてし
まうという問題があつた。

本考案の目的は上記従来の問題点を解消し、回
転ブラシに挾まれた集塵極板に回転ブラシ軸線方
向の推力が作用せず、集塵極板が回転ブラシ軸線
方向へ動かずに垂直方向に安定して移動する電気
集塵装置を提供することにある。

平行に配置された放電極、複数の小極板がエン
ドレスに連結されてなり前記放電極の間を移動さ
れる集塵極、及び、回転円筒体の周面にブラシ素
線が殖設されてなり該集塵極の極板を挾むように
対置されたダスト掻取り用回転ブラシ、を備えて
構成された移動電極式電気集塵装置において、前
記ブラシ素線が殖設されて形成される模様が、回
転円筒体の略中央部における軸線方向と垂直な面
について対称な螺旋模様からなるように、前記ブ
ラシ素線を回転円筒体に殖設したものである。

以下図面に示す実施例を参照しながら本考案を
更に詳細に説明する。

第４図は本考案の実施例に係る電気集塵装置に
用いられる回転ブラシ２８の正面図である。図示
の如く、この回転ブラシ２８においては、ブラシ
素線が殖設されて形成される模様は、回転ブラシ
２８の略中央部における回転ブラシ２８の軸線と
垂直な面Ｃについて対称な第１の螺旋模様３０
と、第２の螺旋模様３２とからなる。そのため回
転ブラシ２８の回転に伴つて第１の模様３０が集
塵極板に与える推力と第２の模様３２が集塵極板
に与える推力とは方向が反対でかつ大きさが等し
いものとなる。そのため回転ブラシ２８全体とし
ては集塵極板に回転ブラシ２８軸線方向の推力を
与えない。なお第５図はこの回転ブラシ２８の拡
大傾視図であつて、ブラシ素線２４は回転ブラシ
２８の軸線方向に４列設けられている。

第６図は本考案の異なる実施例に係る回転ブラ
シ３４の斜視図であつてブラシ素線３６を千鳥模
様となるように殖設したものである。この実施例
においても、回転ブラシ３４が回転しても集塵極
板には回転ブラシ軸線方向の推力は作用しない。

なお本考案においてはその他の殖設方式も可能
であり、例えばランダム模様が形成されるように
に殖設しても良い。

以上の通り本考案によればブラシ素線が殖設さ
れて形成される模様が、回転円筒体の略中央部に
おける軸線方向と垂直な面について対称な螺旋模
様からなるように、前記ブラシ素線を回転円筒体
に殖設したため、電極面が汚れたり、集塵極板が
傾いたりすることなく、安定した状態で集塵極板
を垂直方向に移動させることができるという優れ
た効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は移動電極式電気集塵装置の電極部の斜
視図、第２図は同側面図、第３図は従来の回転ブ
ラシの斜視図、第４図は本考案の実施例に係る回
転ブラシの正面図、第５図は同拡大斜視図、第６
図は異なる実施例に係る回転ブラシの要部斜視図
である。 １０……小極板、１２……リンクチエーン、１
４……放電極、１６……スプロケツト、１８……
下部ローラ、２０……回転ブラシ、２２……回転
円筒体、２４……ブラシ素線、２６……螺旋模
様、２８……回転ブラシ、３０……第１の模様、
３２……第２の模様、３４……回転ブラシ、３６
……ブラシ素線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 平行に配置された放電極、複数の小極板がエ
   ンドレスに連結されてなり前記放電極の間を移
   動される集塵極、及び、回転円筒体の周面にブ
   ラシ素線が殖設されてなり該集塵極の極板を挟
   むように対量されたダスト掻取り用回転ブラ
   シ、を備えて構成された移動電極式電気集塵装
   置において、前記ブラシ素線が殖設されて形成
   される模様が、回転円筒体の略中央部における
   軸線方向と垂直な面について対称な螺旋模様か
   らなるように、前記ブラシ素線を回転円筒体に
   殖設したことを特徴とする電気集塵装置。 (2) 前記ブラシ素線は、回転円筒体軸線に沿つて
   ４列設けられていることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の電気集塵装置。