JPS6127316B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はクレーン装置に関する。

自走型のクレーン装置の荷重処理能力は使用者
の要望に応じて次第に高められている。この荷重
処理能力を向上する際、多様の条件に対応させな
ければならないが、特にクレーン装置の自重およ
び荷重の総合重量が安定して地表面に支承され、
かつ荷重体を旋回するためクレーン装置を旋回す
るときクレーン装置を確実かつ安定に地表面に保
持する必要がある。

米国特許第3485383号並びに同第3878944号等に
はブームを保持するブーム支承体が装着される上
部本体と、地上において移動可能になす装置が装
着された下部本体とが具備され、且上部、下部本
体間に大径のリングが間装された自走型のクレー
ン装置が開示されている。これらの従来のクレー
ン装置において大径のリングを介在させることに
より、ブーム支承体のブームに吊り下げられた荷
重体の荷重を下部本体において広い範囲で支承す
ることができ、荷重処理能力を増大することがで
きる。また荷重体の処理時には大径のリングの周
部に沿つて配列された複数のジヤツキを接地せし
めることによつてクレーン装置を固定するように
構成されている。

しかしながらこれらの米国特許では相対的に重
量の大きな荷重体を処理する際にクレーン装置の
前方に大なる荷重が加わるとき、地上に固定手段
を介してクレーン装置を固定してしまうため特に
荷重体を吊り下げた状態で走行することができな
い問題があつた。

しかして本発明の目的は相対的に大きな荷重の
処理時にも走行可能で、荷重体を吊下げた状態で
移送可能であり、且荷重処理能力を増大し得ると
共に、大巾な設計変更を伴うことなく上記米国特
許等の従来の装置に直ちに適用可能な構成を有し
たクレーン装置を提供するにある。また特に本発
明においてはブーム支承体側の一端部に別途の支
承移動装置を組み込むことによつて、クレーン装
置の前方に加わる大荷重をこの支承移動装置に分
担させ得るから、荷重の処理時にも走行可能とな
る。

従つて本発明によれば支承フレームを主部とす
る下部本体に固定される一組の支承ビームに連結
され地上において移動可能になす移動装置と、前
記支承ビームに固設されかつ前記下部本体を水平
方向において囲繞し、軌道を形成するリングと、
下部本体に対しローラ軌道部を介し連結された、
別の支承フレームを主部とする上部本体と、上部
本体に垂直面内において移動可能に枢支されかつ
前記リングに回転可能に取付けられたブーム支承
体と、前記ブーム支承体に装着され荷重体を上昇
させるブームと、前記上部本体に垂直面内におい
て揺動可能に枢支されかつ前記リングに対し回転
可能に取付けられた釣合錘支承体と、前記釣合錘
支承体と前記ブームとを連結する装置と、支承移
動走置とを備え、前記支承移動装置は前記の一組
の支承ビームの、ブーム支承体側の一端部に近置
された巾方向に離間する一組の無限軌道装置と、
前記無限軌道装置を連結し前記支承ビーム間にお
いて前記リングを支承する複数のフレーム部材を
有しかつ前記ブームに荷重体を保持した状態で地
上を移動可能に設けられてなることを特徴とす
る、下部本体およびこの下部本体にローラ軌道部
を介して回動可能に搭載される上部本体を具備し
てなるクレーン装置が提供せしめられる。

以下、本発明を好ましい実施例に沿つて説明す
る。

第１図および第２図に、上部１１本体がローラ
軌道部１３を介し、下部１２本体に回動可能に搭
載された自走型のクレーン装置１０を示す。前記
クレーン装置１０は通常地上を走行するため下部
１２本体に移動装置をなす無限軌道装置１４が装
着されている。

クレーン装置１０の処理能力を高めるため、軌
道を形成するリング１５が支承ビーム１６，１７
の端部に、水平方向において下部１２本体を囲繞
するよう支承される。前記リング１５はその断面
がＩ字状であり、その軌道面をなす上面は硬化処
理されることが好ましい。前記支承ビーム１６，
１７は互いに平行に延びる無限軌道装置１４の外
側に位置するように、下部１２本体に固設されて
おり、下部１２の一部をなしている。

前記上部１１本体にはブーム支承体２５が垂直
移動可能に枢支される。前記ブーム支承体２５に
はリング１５に枢支されるローラ装置２６が具備
されている。また前記ブーム支承体２５にはブー
ム２７がブーム２７の支点２８において枢支さ
れ、荷重を受けるブーム２７を前記支点２８にお
いて上昇する綱線２９がブーム２７に沿いかつブ
ーム２７の端部を越えて延びている。釣合錘３４
を支承する釣合錘支承体３１が前記上部１１本体
の枢支部３２において垂直移動可能に枢支されて
おり、かつブーム支承体２５と反対方向に延び複
数のローラ装置３３（１のみが図示されている）
を介しリング１５上に架乗されている。釣合錘３
４は適宜錘支承体３１に積み重ねられる。

ブーム２７の支点２８と反対側の全構造体はク
レーン装置１０を釣り合わせ安定化するように機
能する。マスト３６がブーム支承体２５に装着さ
れ、ブームを上昇させるリギング３７を介しマス
ト３６とブーム２７との各頂部（図示せず）が連
結されかつ好ましくはブーム２７は垂直方向に移
動可能に設けられている。また前記マスト３６は
ペンダント３８を介し上部１１本体のガントリ装
置３９に連結されており、かつ別のペンダント４
１を介し錘支承体３１とマスト３６の頂部とが強
固に連結されている。支柱４２はマスト３６に対
しほぼ一定の角度をなして配設される。この構成
によりクレーン装置の安定性および処理能力が高
められ得る。

支承移動装置４５が支点２８の下位においてリ
ング１５を支承しかつブーム２７により大荷重体
を上昇させている時リング１５を包有するクレー
ン装置１０が円滑に移動出来るよう装備されてい
る。好適な実施態様によれば、前記支承移動装置
４５には、支承ビーム１６，１７の前方端部に近
置され相互に巾方向に離間された一組の無限軌道
装置４６，４７が包有されている。前記無限軌道
装置４６，４７は無端の軌道部を有すると共にフ
レーム部材４８を介し連結されており、一方フレ
ーム部材４８はその両端部の近傍に付設された一
組のフレーム部材５１，５２を介し下部１２本体
に連結され、前記フレーム部材５１，５２上にリ
ング１５の一部が架乗せしめられている。またフ
レーム部材５１，５２の一端部は下部１２本体に
ピンにより連結され、フレーム部材５１，５２の
他端部は支承ビーム１６，１７間において次第に
巾が増大するよう前方へ延びフレーム部材４８に
好ましくはピンにより連結される。

大荷重体がブーム２７により上昇される場合、
大荷重体の上動により生ずる力はブーム２７およ
びマスト３６を経て支点２８近傍のリング１５上
のブーム支承体２５へと伝わる。またこの力はペ
ンダント４１を介し錘支承体３１に載せられてい
る釣合錘へと伝達されて錘支承体３１をリング１
５より上位へ移動させるよう作用する。支承移動
装置４５のフレーム部材５１，５２により支点２
８近傍においてリング１５が支承されるので、上
記の力は主にリング１５を経て支承移動装置４５
へ向つて下方に伝わり、地表面に接している無限
軌道装置４６，４７により受け止められる。荷重
体を保持した状態で移動したい場合には、主無限
軌道装置１４が動力により駆動されてリング１５
を包有するクレーン装置１０が前進され、この時
荷重は主に無限軌道装置４６，４７を具備する支
承移動装置４５により支承されている。無論、ク
レーン装置１０は荷重体を保持した状態で主無限
軌道装置１４の駆動方向を逆転して後退させるこ
ともできる。

更に上記無限軌道装置４６，４７は好ましくは
夫々ヨーク部材５５，５６および垂直な枢支ピン
５７，５８を介しフレーム部材４８の補強端部５
３，５４に枢支される。又補強端部５３，５４と
無限軌道装置４６，４７との間に油圧シリンダ６
１，６２が連結され、前記油圧シリンダ６１，６
２により無限軌道装置４６，４７が旋回可能にさ
れ、荷重体を保持した状態でも曲路をとりつつク
レーン装置１０を容易に移動できる。

無限軌道装置４６，４７は多くの場合独立の動
力源により駆動する必要がないが、荷重体を保持
した状態でクレーン装置１０の操縦性および移動
性を更に高めたい場合、無限軌道装置４６，４７
に別個の油圧モータ６５，６６を設けて選択的に
無限軌道装置４６，４７を独立して駆動しうる。
荷重が主に無限軌道装置４６，４７にかかるので
別途に油圧モータ６５，６６を具備することによ
りクレーン装置１０のけん引力が強くなる他、ク
レーン装置１０が曲路をとつて移動する際操縦性
が大巾に向上する。

錘支承体３１には車輪付の支承装置６７が付設
されており、ブーム２７に大荷重が支承されてい
ない場合にリング１５を包有するクレーン装置１
０が後方に傾くことを防止している。またこの構
成により荷重に応じて錘支承体３１に対し釣合錘
３４の数を、重量調整すべく増減する要がなくな
る。支承装置６７はピン６８のような実質的に垂
直な支軸を介し錘支承体３１に枢支されているの
で、クレーン装置１０が旋回又は移動する時支承
装置６７の車輪は好適な足車として機能する。

上記支承移動装置４５ないしは支承装置６７は
周知のクレーン装置に円滑かつ容易に脱着しうる
ことも理解されよう。また、複数の支承アーム７
１が下部１２本体に垂直に揺動可能に枢支されて
おり、かつリング１５の円周方向に沿つて互いに
離間せしめられリング１５の下部において半径方
向外向きに延びる。ジヤツキ７２が各支承アーム
７１の端部に夫々配設されており、前記ジヤツキ
７２は延伸時に地表面に当接し、リング１５、下
部１２本体および無限軌道装置１４を上動するよ
う機能する。

リング１５等の組立性を良好にするため、油圧
ジヤツキ７３が支承ビーム１６，１７の各端部に
装備されている。即ち前記油圧ジヤツキ７３を操
作しリング１５を上動して水平になし、次いで手
動でジヤツキ７２を伸張せしめてリング１５の周
部を強固に保持し、支承移動装置４５ないしは支
承装置６７を容易に脱着できる。

上述のように構成された本発明によれば、総じ
てクレーン装置の処理能力を増大すると共に、荷
重処理時にも走行可能であるから、荷重体の移送
範囲を大巾に増大できる等々の顕著な効果を達成
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるクレーン装置の部分側面
図、第２図は第１図の線２―２に沿つて見た平面
図である。 １０……クレーン装置、１１……上部本体、１
２……下部本体、１３……ローラ軌道部、１４…
…無限軌道装置、１５……リング、１６，１７…
…支承ビーム、２５……ブーム支承体、２６……
ローラ装置、２７……ブーム、２８……枢支点、
２９……綱線、３１……錘支承体、３２……枢支
部、３３……ローラ装置、３４……釣合錘、３６
……マスト、３７……リギング、３８……ペンダ
ント、３９……ガントリ装置、４１……ペンダン
ト、４２……支柱、４５……支承移動装置、４
６，４７……無限軌道装置、４８，５１，５２…
…フレーム部材、５３，５４……補強端部、５
５，５６……ヨーク部材、５７，５８……枢支ピ
ン、６１，６２……油圧シリンダ、６５，６６…
…油圧モータ、６７……支承送置、６８……ピ
ン、７１……支承アーム、７２，７３……ジヤツ
キ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下部本体に固定された一組の支承ビームに連
   結され地上において移動可能になす移動装置と、
   前記支承ビームに固設されかつ前記下部本体を水
   平方向において囲繞し、軌道を形成するリング
   と、下部本体に対しローラ軌道部を介して連結さ
   れた上部本体と、上部本体に垂直面内において揺
   動可能に取付けられかつ前記リングに水平面内に
   おいて回転可能に取付けられるブーム支承体と、
   前記ブーム支承体に装着され荷重体を上昇させる
   ブームと、前記上部本体に垂直面内において揺動
   可能に枢支されかつ前記リングに対し水平面内に
   おいて回転可能に取付けられた釣合錘支承体と、
   前記釣合錘支承体と前記ブームとを連結する装置
   と、支承移動装置とを備え、前記支承移動装置は
   前記の一組の支承ビームのブーム支承体側の一端
   部に近置された巾方向に離間する一組の無限軌道
   装置と前記無限軌道装置を連結し前記支承ビーム
   間において前記リングを支承する複数のフレーム
   部材を有し、かつ前記ブームに荷重体を保持した
   状態で地上を移動可能に設けられてなることを特
   徴とするクレーン装置。 ２ 無限軌道装置が垂直な枢支ピンを介しフレー
   ム部材に連結され、前記ピンを中心に前記無限軌
   道装置を旋回する装置が設けられてなる特許請求
   の範囲第１項記載のクレーン装置。 ３ 各無限軌道装置には無端の軌道部と前記軌道
   部に駆動可能な油圧モータとが包有されてなる特
   許請求の範囲第１項記載のクレーン装置。