JPS6127305B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は光ケーブル等の長尺物を一方向へ送り
出すケーブル送り出し装置に関する。さらに詳し
くはケーブルを挾持するタイミングベルトの内側
に配置された中間受けロールと前記タイミングベ
ルトとの形状を改良し、送り出す長尺物に対する
押圧力の変動を防止し送り出し装置の機械効率を
向上させたケーブル送り出し装置に係る。

ケーブル送り出し装置は概略第１図に示すよう
に構成されている。

すなわち、一対の駆動プーリ１と従動プーリ２
との間に内周面に矩形歯形を有するタイミングベ
ルト３を張架した回転体４を対向配置し、この回
転体４，５間にケーブル等の長尺物６を挿入し、
図示しないスライド機構によりいずれか一方の回
転体を鉛直方向にスライドさせ、長尺物６に適当
な押圧力を付与した後、同期的に回転する駆動プ
ーリ１，１を同じく図示しないモータによつて動
力伝達機構を介して駆動し長尺物６を一方向へ送
り出す機構となつている。そして、上記送り出し
装置における回転体４，５の内部、すなわち、タ
イミングベルト３の内側でかつ駆動プーリ１及び
従動プーリ２間には複数の中間受ロール７が対向
して配置されている。この中間受ロール７は、回
転体４，５の両端に位置する駆動プーリ１及び従
動プーリ２のみで長尺物６に押圧力を付与した場
合、長尺物６に対する挾持力が弱く、長尺物６と
タイミングベルト３の外周との間でスリツプ現象
を起し、長尺物６の送り出しがスムーズに行なわ
れないことがあるために、駆動プーリ１及び従動
プーリ２との間の複数箇所においても長尺物６に
押圧力を付与し、スリツプに伴う送り出し時のエ
ネルギ損失を防止するために設けたものである。

従来の中間受ロール７は第２図及び第３図に示
すようにタイミングベルト３の幅に略一致した幅
を有し、かつ円筒状に形成され、タイミングベル
ト３の内周に設けて歯形３ａの歯高よりも前記ロ
ール７の外周が内側に位置するように配置されて
いる。すなわち、タイミングベルト３の歯形３ａ
が中間受けロール７を通過する際に、該ロール７
の外周によつて歯形３ａを押圧し、長尺物６に部
分的に押圧力が付与されるように構成されてい
る。この場合、長尺物６に対する押圧力は歯形３
ａと中間受ロール７との接触位置によつて変動
し、歯形３ａの頂点と中間受ロール７の中心軸と
が一致した点で押圧力は最大となるが、タイミン
グベルト７の歯底３ｂとは接触しない構造となつ
ているので、この歯底３ｂが中間受けロール７を
通過する際には長尺物６に押圧力が付与されな
い。また、中間受ロール７はタイミングベルト３
によつて囲まれた空間内に設置するという寸法上
の制約を受け、タイミングベルト３の歯形３ａに
係合する歯部を外周に形成し得るほどの外径の大
きなものを用いることは不可能である。

以上のように従来の中間受けロールではタイミ
ングベルトの歯形が中間受けロールの外周を通過
する際に長尺物に対する押圧力の変動を惹起し、
エネルギ損失により送り出し装置の機械効率を低
下させている。

本発明は上記の事情にかんがみてなされたもの
で、中間受けロールとタイミングベルト内周の形
状を改良し、長尺物に対し、押圧力の変動のない
機械効率の優れたケーブル送り出し装置を提供す
る。

以下に、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。

第４図〜第６図に示すように、中間受けロール
７の幅方向の略中央に中高押圧部７ａを形成する
とともにこの中高押圧部７ａに対応して互いに相
補形状をなす凹溝８をタイミングベルト３の幅方
向の略中央に設ける。凹溝８の深さは中間受けロ
ール７の中高押圧部７ａが前記凹溝８内に嵌入し
た際に中間受けロール７の小径部７ｂの外周がタ
イミングベルト３と接触せず、若干の間隙を保持
し得る程度の深さとする。またタイミングベルト
３の外周面にはその長さ方向全周に亘つて長尺物
６を受ける半円弧状の凹溝９が、前記の内周側の
凹溝８に対応する位置に設けてある。

上記の構成によつて本発明は以下のように作用
する。すなわち、タイミングベルト３によつて挾
持される長尺物６に対し、中間受けロール７の中
高押圧部７ａの外周によつて押圧力が集中的かつ
連続的に付与され、中高押圧部７ａとタイミング
ベルト５の凹溝８との上下方向の位置変動がなく
従来、生じていた中間受ロール７をタイミングベ
ルト３の歯形３ａが越える際のエネルギ損失がな
くなり、長尺物６の把持力を略一定に維持するこ
とができ、結局、長尺物６とこれを挾持する回転
体とのスリツプ現象を防止し、送り出し装置の機
械効率を向上させることができる。

また、外径の異なる長尺物を送り出し装置によ
つて送り出す場合でも、中間受けロール７の中高
押圧部７ａによつて長尺物６の中心軸線に対し、
鉛直に、かつ集中的に押圧力が付与される構成と
したので、把持力が弱められることなく、スリツ
プ現象を呈せずスムーズに送り出すことができ
る。

なお、本発明の実施例では、駆動プーリ及び従
動プーリとして外周にタイミングベルト３の歯形
に係合する歯形を設けたものを使用したが、これ
に加えて中間受けロール７と同様の中高押圧部を
設けたものを使用しても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のケーブル送り出し装置の概略を
示す正面図、第２図は第１図のＡ―Ａ線に沿う断
面図、第３図は中間受けロールとタイミングベル
トとの関係を示す部分拡大図、第４図は本発明の
一実施例を示す第２図同様の断面図、第５図は、
本発明による長尺物に対する押圧力の作用状態を
示す説明図、第６図はタイミングベルトの横断面
図である。 １……駆動プーリ、２……従動プーリ、３……
タイミングベルト、４，５……回転体、６……長
尺物、７……中間受けロ…ル、７ａ……中高押圧
部、８……凹溝、９……凹溝。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一対の駆動プーリ及び従動プーリと、このプ
   ーリ間に張架した内周面に歯形を有するタイミン
   グベルトと、前記プーリ間に配置され、前記タイ
   ミングベルトを外方へ押圧する複数の中間受ロー
   ルとから成る一対の回転体を対向配置し、この回
   転体間にケーブルを挾持して一方向へ送り出すケ
   ーブル送り出し装置において、前記中間受けロー
   ルに中高押圧部を設けるとともに前記タイミング
   ベルトの長さ方向に前記中間受けロールの前記中
   高押圧部の外形と相補形状をなす凹溝を設けたこ
   とを特徴とするケーブル送り出し装置。