JPS6127058B2 - - Google Patents

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JPS6127058B2
JPS6127058B2 JP53149600A JP14960078A JPS6127058B2 JP S6127058 B2 JPS6127058 B2 JP S6127058B2 JP 53149600 A JP53149600 A JP 53149600A JP 14960078 A JP14960078 A JP 14960078A JP S6127058 B2 JPS6127058 B2 JP S6127058B2
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JP
Japan
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ascites
calcium
concentration
membrane
fibrin
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JP53149600A
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JPS5576654A (en
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Shiro Osada
Tsutomu Iguchi
Yoshimitsu Harada
Taizo Kirita
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は腹水の処理装置に関するものである。
より詳しく腹水中に含まれるカルシウム捕捉機構
を有する腹水の処理装置に関するものである。
肝硬変、内臓癌、あるいは腎不全等が原因して
腹水症に苦しんでにる患者は相当数にのぼり、国
内では増加傾向を示している。従来このような患
者に対し、しばしば腹水穿刺による排液法が適用
されてきた。しかしながら上記方法では腹水中の
蛋白質等の栄養分も同時に喪失するため、患者の
症状はかえつて悪化することが多く、又腹水が再
貯留し易いという問題があつた。これに対し、最
近自家腹水を再静注する治療法が臨床的に評価さ
れつつある。
自家腹水の再静注法は遠くはGallupら(1911
年)が試みているが、無修正の自家腹水再静注に
よるもので、効果も定かでなく一般に用いられる
に到らなかつた。その後E.Adlercreutz(Acta.
Med.Scand.161,1,1958),R.C.Britton
(Arch.Surg.83,364,1961)らが、人工腎臓用
透析装置を用いて、濃縮再静注を行ない過剰水分
負荷の問題を解決せんとしたが、操作が煩雑であ
り、装置の能力も問題で、非経剤的であること等
から顧みられなかつた。その後、更に蛋白成分濃
縮用限外過膜を組み込んだ腹水濃縮再静注装置
が特開昭47−8448号に提案された。しかしなが
ら、かかる装置は腹水中に細菌、巨大細胞等の不
要物が含まれる場合に、これらをも濃縮して、血
管内に戻すことになり問題である。これに対し最
近腹水をあらかじめ過して癌細胞や細菌を除去
した後、濃縮再静注する方法が試みられている。
かかる方法は従来の方法にくらべ安全に、かつ汎
用的に用いることのできる処法として注目されつ
つある。
上記治療方法を適用する装置が特開昭51−
140387号に提案されている。かかる装置は中空繊
維型モジユールによる過器と濃縮器を備えた腹
水処理装置である。
このような最近膜システムによる腹水再静注装
置の有用性が高く評価されつつある。しかし上述
の装置の実用化に際しては、いくつかの改善すべ
き問題があつた。中でも重要な問題点の一つは膜
システムによる腹水の濃縮再静注治療中、膜性能
が細胞類、フイブリン、蛋白成分等による目詰り
により損なわれ透過性能の急激な低下を来し、所
望の濃縮処理が行い得なくなることである。かか
る目詰りは、時には局部的な圧力上昇による膜あ
るいは装置の破損を引き起し患者の安全をも脅か
す恐れがあり、膜の目詰りをなくすことは重要で
ある。勿論目詰りした膜モジユールを新しいモジ
ユールに取り代えることは不可能ではないが、こ
の種の治療は完全密閉系で無菌的に操作すること
が必要であり、治療途中でのモジユールの取り替
えは極力避けることが望ましい。本発明者らは上
記目詰まりの原因について詳細に検討した結果、
腹水を体外に取り出した際、腹水中の水溶性蛋白
質であるフイブリノーゲンから非可溶性の線維素
であるフイブリンが生成され、かかる非可溶性の
フイブリンの膜表面への沈着が膜の目詰りをひき
起す極めて大きな要因の一つであることを見出し
たのである。
従来の腹水処理装置には膜性能の低下をもたら
す前記フイブリンの生成を抑制させる配慮は何ら
なされていないのが実状である。又腹水処理時、
血漿フイブリノーゲンの低下を導きフイブリンの
膜面の多量な沈着による損失が度重なれば患者に
出血傾向の増大などの重大な障害を引き起す懸念
があり、この意味からもフイブリンの生成を抑制
することは重要な問題である。
フイブリンの生成を抑制する対策の一つに腹水
の体外での滞溜時間を出来る限り短くし、フイブ
リンが発生しない間に迅速に処理する方法があ
る。しかし、かかる方法によりフイブリンの発生
を抑制することには限度があり、特に特開昭51−
140387号に開示された装置のように除菌除細胞
過及び脱水濃縮といつた複雑なシステムになれ
ば、ますます体外滞溜時間は長くならざるをな得
ず上記対策は実用上非常に困難である。又他の対
策の一つに、ヘパリンなどの抗血液凝固剤を腹水
中に注入する方法がある。かかる方法によつても
腹水中のフイブリンの生成は抑制されることが予
想される。しかし腹水症には肝硬変などの出血傾
向の著しい患者が多く、このような患者にヘパリ
ンを使用することを避けねばならないことはよく
知られている。
本発明らは上記の諸条件を充分考慮した上でな
おかつ腹水中のフイブリン生成を抑制し、その結
果、膜の目詰りが少なく長時間安全かつ安定な状
態で腹水再静注治療を行ないうる装置を提供する
ために、腹水中に含まれる各種多種な成分を徹底
的に検討した結果、従来より血液凝固の基本因子
の一つとして知られているカルシウムイオン(例
えば血液の生化学−基礎と臨床−。朝倉書店吉川
春寿、中尾喜久編、昭和47年発行P487〜P508)
が、特に腹水中のフイブリン生成の重要な因子の
一つであることを認め、更に検討の結果腹水を体
外に取り出した後、出来るだけ速やかにカルシウ
ム濃度を低下抑制することにより極めて効果的に
フイブリン生成が抑制され、円滑に膜システムに
よる腹水濃縮再静注治療を行ないうるという驚く
べき事実を見い出し本発明に到つたものである。
すなわち本発明は腹水を濃縮または過、濃縮し
た後、再静注する腹水の処理装置において、腹水
取り出しラインにイオン交換樹脂を収容したカル
シウム捕捉機構を設けたことを特徴とする腹水の
処理装置である。
本発明の新規な着想は、上述の説明で明かなよ
うに体外に取り出した腹水中のカルシウム濃度を
低下させることである。かかる低カルシウム濃度
腹水はフイブリンの生成が抑制されるため従来よ
り問題となつていたフイブリンによる膜の目詰り
が軽減されるため、本発明装置により始めて長時
間安全でかつ安定に腹水濃縮再静注治療が可能と
なつたのである。体外に取り出された腹水は速か
に腹水中のカルシウムを捕捉してフイブリンが生
成する前にその濃度を低下させておく必要があ
る。カルシウム濃度の低減効果については患者の
個体差によつても効果が異なり濃度レベルについ
ては必ずしも一義的に決定することはできない。
又カルシウム濃度を下げる場合、腹水を希釈する
方法とカルシウムのみをカルシウム捕捉機構によ
り捕捉して下げる方法があるが、前者の方法は腹
水を濃縮するという治療目的からいつて好ましい
方法ではなく効果も定かでない。一方後者の方法
は本治療には有効な方法である。他成分の濃度に
対しカルシウム濃度の低減化処理された腹水中の
カルシウム濃度の必要レベルは低くすればする程
度好ましいことは言うまでもないが、実用上は、
1.0mEq/以下に制御すれば有効である。しかし
ながら更に長時間安全に、かつ安定な治療を行う
ためには0.5mEq/以下、可能ならば零とするこ
とが好ましい。
かかるカルシウム濃度の低下した濃縮腹水をそ
のまま患者に戻してもよいが、患者の安全のため
には、体外循環中のカルシウム濃度の低下した腹
水を処理した後、血管内に再静注するに際し、必
要に応じてカルシウムレベルを正常値に回復させ
るための処理を行うことが好ましい。特に、短期
間に多頻度治療を実施する場合には考慮する必要
がある。その方法としては自動制御システムによ
り必要量を点滴再添加するか、注射器等を利用し
て適宜補正することができる。かかる再補正のた
めの添加薬としてはカルチコール等で知られるグ
ルコン酸カルシウム等のカルシウムイオン薬剤を
用いることができる。
次に本発明装置の一実施例を図面により説明す
る。第1図に示すように、本発明装置は生体から
または生体から取り出された腹水を貯蔵した容器
から腹水を取り出して輪送するポンプ1と、腹水
中に含まれるカルシウム捕捉機構2及びカルシウ
ムが捕捉され、カルシウム濃度の低下した腹水を
濃縮する濃縮器3とから構成されている。
ポンプ1は生体から腹水を取り出し各部分へ輪
送するものであるから、生体の腹水排出能力に応
じて自動的に腹水の取り出し量が制御できる機構
をもつたものが好ましい。またかかるポンプ1を
構成する材質及びポンプに付帯する部品類の構造
及び材質は、ポンプ中を流れる腹水に対して無
毒、無害なものでなければならない。
カルシウム捕捉機構2としては公知の方法を適
用することができる。その中でもイオン交換樹脂
を使用する方法はイオンの捕捉が確実でかつ装置
が簡単なため好ましい方法である。第1図はカル
シウム捕捉機構としてイオン交換樹脂を使用した
例が記載されている。本発明に使用するイオン交
換樹脂は陽イオン交換性のものでカルシウムイオ
ンを捕捉しうるものであればどのようなものでも
よく、例えばその一つに強酸性カチオン交換樹脂
などがある。またその使用形態としてはビーズ状
イオン交換樹脂を公知のカラムにつめ回路の一部
に組み込むのが便宜的である上記イオン交換樹脂
の場合も樹脂に由来する作用のないよう配慮しつ
つ使用することはいうまでもない。又必要ならば
樹脂の表面に生体適合性に優れた素材で被覆処理
を施してもよい。
第1図に例示したカルシウム捕捉機構であるイ
オン交換器2は、第2図に示すように、腹水の入
口4、腹水の出口5を有するノズル6,7と本体
8とが螺着された容器内にイオン交換樹脂9が収
容されており、この樹脂は容器外に流出しないよ
うにフイルター10,23で隔離されている。
濃縮器3は腹水中の生体に有用な蛋白質を濃縮
するものである。したがつて上記蛋白質は透過さ
せないでしかも水抜き性能の優れたものである必
要がある。この機能を備えた市販のメンブランフ
イルターや人工腎臓用透析膜等が使用できるが処
理能力の点から、特にポリビニルアルコール系
膜、ポリアクリロニレリル膜等が好ましい。上記
膜は中空繊維状、平膜状などであり、それらは公
知の方法でモジユール化される。第1図では中空
繊維状膜を使用した例を示している。
濃縮された腹水は貯留ピン11に蓄えられ、ほ
ぼ一定の速度で生体へ帰される。
上記装置の濃縮比率の制御は種々の方式により
行うことができる。例えば第1図に示す方式につ
いて説明すると、腹水取り出しポンプ1により取
り出された腹水はイオン交換器2で腹水中のカル
シウムイオンを捕捉された後、濃縮器3に送られ
る。濃縮器3の濃縮液出口及び液出口には濃縮
液計量容器12及び液計量容器13と、さらに
濃縮液及び計量容器の液体出口に接続して流路閉
止弁14,15が設けられている。濃縮液及び
液の計量容器12及び13の導出口の弁14及び
15が開いていると各液は計量容器に留らないで
素通りしてそれぞれ濃縮液ピン11及び液ビン
16に抜けて行く。計量開始信号が制御器17よ
り発せられると弁14及び15は同時に閉じ、そ
れぞれの計量容器12及び13に濃縮液及び液
がたまり始める。各計量容器12,13は容器内
での液面が上昇し第1液面検出器18を通過する
と制御器17に信号を送る。引続き該液面が上昇
し第2液面検出器19を動作させ制御器17に信
号を送ると同時に該制御器17から弁14,15
を開ける信号が発せられ弁が開く。各計量容器の
液面が第1液面検出器18より下つた時点で制御
器17より計量開始信号が発せられ再び同様の動
作を繰り返す。
液計量容器13を出た液は、液ビン16
に導かれてためられる。該液ビンは密封性のよ
いガラスビンが好ましい、該ビンは真空ポンプ2
0により陰圧に引くことにより、濃縮膜を介して
圧力勾配による限外過作用による腹水の濃縮を
行う。該ポンプの陰圧は圧力制御弁21により制
御されている。一方濃縮液計量容器12より出た
濃縮液は濃縮液貯留ビン11に導かれ該濃縮液ビ
ンより患者の静脈に戻される。濃縮比率制御は例
えば各計量容器の12及び13の内面積を一定と
し第1液面検出器18より第2液面検出器19ま
での容量比を希望濃縮比率と同一にしておく、そ
うすると希望濃縮比率が達成されると各計量容器
の第1液面検出器が作動して第2液面検出器が作
動するまでの時間は共に等しくなり、又濃縮率が
低いと濃縮液計量容器の動作時間が液計量容器
のそれより長くなり、逆に濃縮率が高いと反対に
作動時間が短くなる。動作時間差を制御器17で
計算しこの差が常に零になる様圧力調節器21に
制御設定信号を送り濃縮比率制御を行うことがで
きる。
第3図は他の例であり、生体から腹水を取り出
して輪送するポンプ1と腹水中に含まれるカルシ
ウムイオンを捕捉するイオン交換樹脂を内臓した
イオン交換器2と腹水中に含まれる細菌や癌細胞
を過して除去する過器22と、腹水を濃縮す
る濃縮器3から構成されている。かかる装置は腹
水中に含まれる細菌や癌細胞を血管内に戻すこと
がないため安全に使用でき好ましい装置である。
上記過器22は腹水中に含まれる細菌や癌細胞
など比較的大きい除去すべき物質は透過させず、
腹水中に含まれる水分や生体に有用なアルブミ
ン、グロブリン等の蛋白質を透過させ、かつ生体
に無害な材質であり、それらはセルロースアセテ
ート、セルロースエステルなどでつくられた孔径
約0.2μのメンブランフイルターやポリビニルア
ルコール系膜、ポリスルホン系膜などが使用でき
る。液及び濃縮液は第1図と同様な方式で制御
される。
次に、腹水取り出しラインに、カルシウム捕捉
機構を設け、次いで過器と濃縮器をこの順に接
続した第3図の装置を用いて腹水を処理した。
カルシウム捕捉機構は陽イオン交換樹脂(商品
名:アンバーライトIR−120)500gを用いた。
過器及び濃縮器にはポリビニルアルコール製中
空繊維を用い、総蛋白濃度が2.50g/dlである腹
水を15ml/minの速度で取り出して処理した。処
理中フイブリンの生成はみられず約5時間にわた
り円滑に過、濃縮することができた。濃縮され
た腹水には菌、細胞成分は認められず、蛋白質は
約3倍に濃縮された。
一方カルシウム捕捉機構を設けない装置では約
30分後にフイブリンの沈降により濃縮膜がフイブ
リンの沈降により目詰りしたため操作を中止し
た。
このように本発明のフイブリンの生成が制御さ
れた腹水を処理する装置を用いることにより、 (1) 腹水治療中、膜の目詰りにより膜性能の低下
が著しく軽減され、モジユールの取り代え頻度
が少なく、あるいは不要となる。
(2) 過膜の膜面積を少なくする効果が期待でき
る。
(3) 腹水中のカルシウム捕捉機構にプレフイルタ
ー効果をもたせることも可能で、このため、特
に細菌性及び癌性腹水症以外の患者の治療にお
いては過膜の役割は小さく、時には不要とな
る。
(4) 流路が簡単なため、組み立てが容易である。
(5) 膜の目詰りが少ないため安定にかつ安全な治
療ができる。
等の従来装置にない優れた効果を有しているので
ある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明装置の一実施例であり、第1図は
本発明の腹水の処理装置の模式図であり、第2図
はカルシウム捕捉機構の一つであるイオン交換器
であり、第3図は他の例を示す模式図である。 1……腹水取り出しポンプ、2……カルシウム
捕捉機構、3……濃縮器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 腹水を濃縮または過、濃縮した後、再静注
    する腹水の処理装置において、腹水取り出しライ
    ンにイオン交換樹脂を収容したカルシウム捕捉機
    構を設けたことを特徴とする腹水の処理装置。
JP14960078A 1978-12-01 1978-12-01 Treatment device of abdominal dropsy Granted JPS5576654A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14960078A JPS5576654A (en) 1978-12-01 1978-12-01 Treatment device of abdominal dropsy

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JP14960078A JPS5576654A (en) 1978-12-01 1978-12-01 Treatment device of abdominal dropsy

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JPS5576654A JPS5576654A (en) 1980-06-09
JPS6127058B2 true JPS6127058B2 (ja) 1986-06-24

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106999640A (zh) * 2014-12-26 2017-08-01 旭化成医疗株式会社 体腔液处理系统

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CN106999640A (zh) * 2014-12-26 2017-08-01 旭化成医疗株式会社 体腔液处理系统

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