JPS61258037A - 摩擦仮撚用施撚体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、摩擦仮撚用施撚体の改良に関し、長期間にわ
たり、安定した施撚作用を与え、高品質の仮撚加工糸を
得ることを可能にする摩擦仮撚用施撚体に関するもので
ある。

〔従来技術〕

摩擦仮撚は、走行糸条を直接的に摩擦力によって撚転す
るため、極めて高速での仮撚加工が可能である。この特
徴を生かして、近年、摩擦仮撚が一般化してきたが、施
撚体の材質については、まだ多くの問題を残している。

す゛なわち、スピンドルタイプの仮撚加工の場合に匹敵
する高品質な加工糸を得るためには、高レベルの仮撚数
が必要となり、ここで旋撚体材質としてはポリウレタン
が一般的に使用されているものでおるが、特に摩擦力の
大きなポリウレタンを採用する必要がある。しかし、こ
の場合、走行糸との摩擦によって、施撚体表面形状の変
化、ウレタンの脆化などの経時変化が生じ、長期間安定
に使用することが困難で、短期間での交換を余儀なくさ
れるため、経済性に著しく劣るものである。

そして、これらの改善の方策が種々試みられているが十
分なものではない。

例えば、特開昭５５−１０３３２８号公報には、ポリウ
レタンの組成の改良が提案されているが、ポリウレタン
としてはかなりの改善ができるも、金属材料の如き耐久
性には及ばない。他方、耐久性を重視したものとしては
、セラミックを摩擦仮撚用施撚体として使用する試みが
ある。この場合、摩耗性良好なセラミックの効果が得ら
れ耐久性は大幅に向上するが、硬質の粒子で形成されて
いるため、繊維が損傷されやすく、施撚作用を犠牲にせ
ざるを得ない。この両者を満足するために、特開昭５３
−１１１１４８号公報では粒子径と表面粗度を最適化す
る提案があるが、十分なものではない。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明の目的は、摩擦仮撚加工において、安定性、耐久
性に良好で、しかも高品質の仮撚加工糸を得ることを可
能にする新規な施撚体を提供するものである。すなわち
ポリウレタンと、セラミック両者の従来技術施撚体の欠
陥を改善した施撚体を提供せんとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記した目的は、走行する糸条と外周面で直接的に接触
しつつ、糸条に撚転作用を与える摩擦仮撚用施撚体にお
いて、糸条と接触する部分を、ポリウレタンと硬質の金
属酸化物の混合物で成型し、かつその表面粗度を１Ｓ〜
１０Ｓとなしたことを特徴とする摩擦仮撚用施撚体とす
ることによって達成される。なお、ここで表面粗度は、
ＪＩＳＢ　　０６０１によるものである。なお、さらに
かかる構成とする本発明の摩擦仮撚用施撚体において、
その好ましい実施態様例は、金属酸化物が、２μ〜５０
μの直径を有する粒子であることを特徴とするものであ
り、あるいは金属酸化物が、その直径に対して１０倍以
上の長さを実質的に有する繊維状のものであることを特
徴とするものであって、またざらに、該繊維状金属酸化
物の長手方向が施撚体の回転軸に対して実質的に放射状
になる如くして施撚体中に該繊維状金属酸化物が配置さ
れてなることを特徴とするものである。

〔作用〕

以下、ざらに詳しく本発明について説明する。

本発明の摩擦仮撚用施撚体にて用いられるポリウレタン
は、ポリエーテル系のもの、あるいはポリエステル系の
ものいずれでもよいが、耐摩耗性、水に対する耐膨潤性
に優れるポリエステル系の方が好ましい。例えば、ポリ
エステル系ポリウレタンはアジピン酸とエチレングライ
コールから生成した鎖状ポリエステルとトリジンジイソ
シアネートを主原料とするものである。また、本発明に
おいて、金属酸化物とはアルミニウム、チタン、ジルコ
ニウム等の酸化物で硬度の極めて高い、耐摩耗性良好な
ものであって、セラミックなどで一般に使用されるもの
である。本発明では、このような金属酸化物を、ポリウ
レタンと目的に合った割合で混合して施撚体を成型する
ものである。　本発明の施撚体の成型に際しては、その
方法が特に限定されるものではないが、金属酸化物の粒
子をポリウレタンが包み込むように均一に該金属酸化物
が分散されていることが重要である。

このようにして得られた施撚体の、ポリウレタン中に分
散配置された金属酸化物は、従来のセラミックなどの高
摩耗性ｍ撚体の如く、走行糸条の単糸をひっかけながら
撚転する作用があるが、該金属酸化物がポリウレタンで
保持されているため、走行糸条に与える衝撃的な作用を
大幅に軽減、緩和させながら撚転させることができる。

従って、従来のセラミックなどの施撚体で問題になる繊
維の損傷、糸切れなどが改善されるものである。また、
ｉｉ体の表面に突出した金属酸化物の粒子の大きさ、ポ
リウレタンとの混合割合の変更によって、施撚体の表面
粗度を適宜選択し、前述の効果を最大限に発揮すること
ができるものである。かかる点に関して、本発明者らの
知見によれば、走行系の撚転作用と繊維の損傷のバラン
スから判断して、施撚体の表面粗度は１Ｓ〜１０３の範
囲が好ましい。１８以下では、施撚体の表面に突出する
金属酸化物の単糸をひっかける作用が小さいため十分な
仮撚を付与することができない。また１０８以上になる
と繊維の損傷が問題となる。さらには金属酸化物の粒子
の大きざについても重要であって、走行糸条の単糸デニ
ール、仮撚条件等によっても変化するものであるが、好
ましくは２μ〜５０μでおる。２μ以下では前述の施撚
体の表面粗度を満足することが困難である。また、５０
μ以上では、走行糸条の単糸の直径を大幅に越えるため
撚転作用が低下する。

さらにはこのように金属酸化物の粒子の大きさ、施撚体
の表面粗度を選択することによって、ポリウレタンの高
摩擦力による撚転作用も引き出すことが可能となるもの
であって、金属酸化物の粒子間のポリウレタンが走行糸
と適度に接触するようになるものである。

金属酸化物の形状については、粒状に限らず、多様なも
のが採用できるが、施撚体表面に突出した金Ｒ酸化物を
ポリウレタンで安定に保持するためには直径に対して１
０倍以上の長さを有する繊維状物が好ましい。このよう
なｌＩｉ維状金属酸化物は施撚体の回転軸に対して実質
的に放射状に該繊維状物長手方向が位置する如く配置さ
れることが好ましい。これは、金属酸化物の施撚体表面
での安定性が向上すると同時に、長期間使用して表面が
摩耗しても施撚体表面には新しい金属酸化物の突出した
状態が形成されて、たえず変化の少ない撚転作用が得ら
れるためでおる。金属酸化物の繊維状物は、一般的に用
いられる製造方法で得られるもので、特に限定されるも
のではない。例えば、アルミニウム等の金属化合物を作
り溶剤で溶解して乾式紡糸で繊維状物を形成する、いわ
ゆる前駆体法で得ることができる。

次に本発明を図面に基いて説明する。

第１図は、本発明による施撚体の１例を示す概略断面図
で、１は支持体でプラスチックで構成される。この支持
体の外周部をポリウレタン２と金属酸化物の粒子３の混
合物で成型する。ポリウレタン２と金属酸化物の粒子３
の混合状態はできるだけ均一に分散しているものが望ま
しいものである。第２図イは施撚体の走行糸条との接触
部の拡大模式図であって、ポリウレタン２の素地の中に
金属酸化物の粒子３が混在して、表面に突出して、凸凹
状態を形成している。施撚体の表面には走行糸条が接触
し、表面に突出している金属酸化物の粒子３に対して繰
返し摩擦力が作用するが、ポリウレタン層の中に該金属
酸化物粒子がはまり込んでおり、剥ぎとられることなく
、柔軟で、しかも外力に耐える如く安定した表面形態を
有する。第一２図口は金属酸化物の繊維状物を混在せし
める場合を示すもので、ポリウレタン２の素地の中に金
属酸化物の繊維状物４が施撚体の回転軸に対して放射状
に直立した状態で配置され、該繊維状金属酸化物４の１
端が表面に突出している。この場合、表面の施撚効果は
粒子３を使う場合と同等の効果を有するが、繊維状金属
酸化物４の他端がポリウレタン層に深く入り込んでいる
ため、長期間使用しても該金属酸化物が脱落することも
なく、表面形態が安定でおる。第３図は本発明に係る施
撚体の一実施態様を示すもので、複数個の施撚体５を有
する回転軸６，７．８を平行に配して、施撚体５を回転
せしめ、その外周面に糸条１０を接触走行させて、撚転
させる仮撚装置の外観概略を示したものである。

〔実施例〕

トリジンジイソシアネートとアジピン酸ポリエステルを
重合反応して得られたポリウレタンと直径７μ、平均長
さ９０μのアルミナ繊維を混合して、第１図に概略を示
す施撚体を成型した。ざらに、その施撚体の表面を研磨
して表面粗度を３８とした。この施撚体を第３図に示す
仮撚装置として用い、複屈折Δｎが３７Ｘ１０”３の１
２７Ｄ−３６Ｆのポリエチレンテレフタレート糸条を延
伸仮撚加工に供した。その結果を第１表に示す。

撚数、張力の変化が明確になった時点で判断したもので
ある。

かかる第１表からも明らかな通り、本発明による摩擦仮
撚用施撚体は、アルミナの粒子を焼成したセラミックを
用いた比較例■に対して、耐久性がほぼ同等であって、
高い仮撚数が得られるとともに、繊維の損傷に基づく毛
羽の発生が大幅に改善されている。また、ポリウレタン
を用いた比較例■に対しては耐久性の差が明確である。

仮撚数、毛羽の発生の面でやや劣るが、耐久性の改善効
果が大であり、本発明によれば、総合的に良好な施撚体
が得られるものである。

〔発明の効果〕

本発明では、ｔｆＡｉＭ体として用いられるポリウレタ
ンとセラミックの材質の長所を引き出し、欠点を補い合
って、構成したことによって、施撚体の耐久性が大幅に
向上し、しかも高仮撚数の付与、繊維の損傷の軽減によ
る高品質の仮撚加工糸を得る効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の施撚体の１例を示す概略断面図である
。第２図は第１図に示した施撚体表面を拡大して示した
模式図であり、同図イは金属酸化物の粒子を混合した場
合、同図口は金属酸化物の繊維状物を混合したものをそ
れぞれ示す。第３図は本発明の７３Ｉ？！体を使用する
仮１！！装置の１例を示す外観概略図である。 ２：ポリウレタン ３：金属酸化物の粒子 ４：ＩＩＩ維状金属酸化物 ５：施撚体 １０：糸条 特許出願人　　東　し　株　式　会　社背１１因　　　
　　第２０ イ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　。 ￥　：ｚｔｆｉｌ。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）走行する糸条と外周面で直接的に接触しつつ、糸
   条に撚転作用を与える摩擦仮撚用施撚体において、糸条
   と接触する部分を、ポリウレタンと硬質の金属酸化物の
   混合物で成型し、かつその表面粗度を１Ｓ〜１０Ｓとな
   したことを特徴とする摩擦仮撚用施撚体。（ただし、表
   面粗度はＪＩＳＢ　０６０１による。）
2. （２）金属酸化物が、２μ〜５μの直径を有する粒子で
   あることを特徴とする特許請求の範囲第（１）項記載の
   摩擦仮撚用施撚体。
3. （３）金属酸化物が、その直径に対して１０倍以上の長
   さを実質的に有する繊維状のものであることを特徴とす
   る特許請求の範囲第（１）項記載の摩擦仮撚用施撚体。
4. （４）繊維状金属酸化物の長手方向が、施撚体の回転軸
   に対して実質的に放射状になる如くして施撚体中に該繊
   維状金属酸化物が配置されてなることを特徴とする特許
   請求の範囲第（３）項記載の摩擦仮撚用施撚体。