JPS6124397Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプレス機械のオーバロードプロテクタ
装置に関するものである。

従来、この種の装置としては第１図に示すよう
な装置が知られている。

つまり、スライド駆動機構で上下動されるプラ
ンジヤａとスライドｂとの連結部分ｃにおける調
整ネジ杵ｄに嵌合したプロテクタラムｅとフラン
ジｆとの間に圧力室ｇを形成し、オーバロードプ
ロテクタバルブｈには大径ピストンｉと小径ピス
トンｊとを設けて大径受圧室ｋと小径受圧室ｌと
を形成すると共に、該小径受圧室ｌと前記圧力室
ｇとを連通しかつ油を封入し、大径受圧室ｋには
エア源ｍをレギユレータｎを介して接続すると共
に、小径ピストンｊと対向してリミツトスイツチ
ｏを設けた構造である。

そして、大径受圧室ｋと小径受圧室ｌとの受圧
面積はＡ：Ｂ（Ａ＜Ｂ）となり、圧力室ｇの受圧
面積からそのプレスの最大能力に応じたエアー圧
力をレギユレータｎによつて調整して大径受圧室
ｋに供給している。

したがつて、プレス機械にオーバロードが作用
すると圧力室ｇ内の圧力、つまり小径受圧室ｌ内
の圧力が上昇してピストンｉ，ｊが下降して圧油
をタンクｐに流出すると共に、リミツトスイツチ
ｏが働きプレス機械を停止する。

しかし、前述の構造であると次の不具合を有す
る。

つまり、機械式のプレス機械の場合には一般に
許用加圧能力はスライドが下死点から何mmの位置
にある時という様に決定される。

このために、スライドが下死点から離れる距離
が大きくなるにつれて許容加圧能力は第２図表図
に示すように順次小さくなる。

一方、オーバロードプロテクタバルブｈの設定
は許容加圧能力の100％に設定してある。

したがつて、第２図におけるイ点で異常な負荷
が作用した場合には、その時の許容加圧能力は75
％であるのでオーバロードプロテクタバルブｈは
作動せず、プレス機械の駆動系及び型等に無理な
力が作用し破損の原因となつてしまう。

本考案は上記の事情に鑑みなされたものであ
り、その目的はオーバロードプロテクタバルブの
設定圧力をプレス機械の最大加圧能力と中間加圧
能力に応じた値に２段階に調整できるようにした
プレス機械のオーバロードプロテクタ装置を提供
することである。

以下第３図以降を参照して本考案の実施例を説
明する。

スライド駆動機構で上下動されるプランジヤ１
とスライド２との連結部分３における調整ネジ杵
４に嵌合したプロテクタラム５とフランジ６との
間に圧力室７を形成し、オーバロードプロテクタ
バルブ８には大径ピストン９と小径ピストン１０
とを設けて大径受圧室１１と小径受圧室１２とを
形成すると共に、小径ピストン１０のロツド１０
ａに補助大径ピストン２０を嵌挿して補助大径受
圧室２１を形成しかつその内周壁２０ａに大径ピ
ストン９を嵌合させ、さらに前記ロツド１０ａに
螺合しかつ大径ピストン９のボス９ａに当接した
ブロツク２３と補助大径ピストン２０との間に隙
間S₁を形成しかつ大径ピストン２０には緩衝材２
２を設ける。

そして、前記小径受圧室１２と前記圧力室７と
を連通しかつ油を封入し、大径受圧室１１にはエ
ア源１３に接続した低圧レギユレータ１４_１を接
続し、補助大径受圧室２１は電磁弁２４、エアタ
ンク２５、高圧レギユレータ１４_２を介してエア
源１３に接続してある。

該電磁弁２４は補助大径受圧室２１を大気に開
口しエアタンク２５を閉塞する第１位置に常時
保持され、ソレノイド２４ａが励磁されるとエア
タンク２５と補助大径受圧室２１とを連通する第
２位置に切換えられると共に、ソレノイド２４
ａはスライド２が下死点付近にある時に励磁され
る。

前記低圧レギユレータ１４_１の設定圧力P₁はオ
ーバロードプロテクタバルブ８の設定能力がプレ
ス機械の中間加圧能力と対応する値となるように
設定され、高圧レギユレータ１４_２の設定圧力P₂
はオーバロードプロテクタバルブ８の設定能力が
プレス機械の最大加圧能力と対応する値となるよ
うに設定してある。

しかして、スライド２が下死点付近以外の位置
にある時にはオーバロードプロテクタバルブ８が
中間加圧能力に見合う設定能力となつているの
で、この状態でプレス機械に中間加圧能力以上の
オーバロードが作用すると圧力室７内の圧力、つ
まり小径受圧室１２内の圧力が上昇してピストン
９，１０が下降して圧油をタンク１７に流出する
と共に、リミツトスイツチ１６が働きプレス機械
を停止する。

また、スライド２が下死点付近にある時には電
磁弁２４が第２位置となつて高圧レギユレータ１
４_２の設定圧力P₂が補助大径受圧室２１に供給さ
れて補助大径ピストン２０が上方に押し上げられ
緩衝材２２及びブロツク２３を介して大径ピスト
ン９に当接するのでオーバロードプロテクタバル
ブ８の設定能力は最大加圧能力に見合う値とな
る。

したがつて、この状態でプレス機械に最大加圧
能力以上のオーバロードが作用すると前述と同様
に動作する。

本考案は以上の様になり、オーバロードプロテ
クタバルブ８の設定能力をプレス機械のスライド
位置に応じて最大加圧能力・中間加圧能力に見合
う値に２段階に切換えることができ、スライド２
が下死点付近およびそれ以外の中間位置にある時
にその加圧能力以上のオーバロードが作用しても
そのオーバロードを吸収緩和できるので、プレス
駆動系、型等に無理な力が作用して破損の原因と
なることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の断面図、第２図はプレス機械
の能力線図を示す表図、第３図は本考案の実施例
を示す断面図、第４図はオーバロードプロテクタ
バルブの拡大断面図である。 １はプランジヤ、２はスライド、３は連結部
分、７は圧力室、８はオーバロードプロテクタバ
ルブ、１１は大径受圧室、１２は小径受圧室、１
３はエア源、１４はレギユレータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プランジヤ１とスライド２との連結部分３に圧
   力室７を形成し、該圧力室７をオーバロードプロ
   テクタバルブ８の小径受圧室１２に連通しかつ油
   を封入すると共に、該オーバロードプロテクタバ
   ルブ８の大径受圧室１１をレギユレータ１４を介
   してエア源１３に接続したオーバロードプロテク
   タ装置において、前記大径受圧室１１内のエア圧
   を２段階に切換可能でかつスライド２が下死点付
   近の時には高圧、それ以外の時には低圧となるよ
   うにしたことを特徴とするプレス機械のオーバロ
   ードプロテクタ装置。