JPS6122826Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は食品等の包装に用いられる合成樹脂シ
ート或いはアルミホイールシートの如きロール巻
きされた各種シートの使用の便宜に供されるロー
ルシート収納容器を組み立てるためのブランクに
関する。

この種容器において箱内に収容されたロールか
らシートを引き出すに際し、ロールの飛び出しを
防止すべく、ロール係止機構が設けられることが
普通である。このロール係止機構として公知のも
のとしては、容器の長手方向両端面に半月状の舌
片を設けこれを巻回したフイルムの巻芯内に進入
し得るようにしたもの、或いは、容器の長手方向
両端面に容器の正面側に臨む縦長の舌片を設け、
これを巻回したロールの巻芯内に進入し得るよう
にしたもの等がある。しかしながら上記のいずれ
も収納されたロールに対する係止効果は十分では
なく、ロールにある程度以上の引つ張り力が働く
とロールが容器外に容易に飛び出すおそれがあ
る。

また実公昭46−7006号に所蔵の収納ケースは上
記のものに比して受片の収納ロールに対する係合
は若干補強されるが、該受片は２枚の接続片の一
部に設けられた部分を重合させるようにしたもの
であること、さらにその重合状態を保持させるた
めに箱体を構成する左右両端面に相当する端面片
に連続形成した押え片の部分を折り返してその切
込み部により上記した二枚の受片を挾持させるよ
うにしたものであるために構造が複雑となるばか
りでなく、受片を突出させるためには接続片と端
面片とを種々折曲げた後組込みをしなければ成ら
ない等作業性の面においても問題があつた。

以上のような従来例の諸欠点を解決するものと
して、本考案者は既に第１図に示す構成のロール
シート収納容器を開発した。即ちその具体的な構
成は、ロールシートの巻芯内に進入しうる突片
と、該突片を次第に起立せしめるべく傾倒係合が
可能な係合舌片を対設させたものであり、底面部
１の両側に折目を介して設けられた左右の両側面
部６，６に突出用舌片７を設け、背面部３、正面
部２の左右両側糊代８ａ，８ｂには、45度の角度
をなす折目ｑを介して突片ｐを設けてこれを組み
立てたものである。そして使用時には、容器の側
面外方から突出用舌片７を指先等により押圧して
その頂点７ａの側面部６，６との係止を解除し容
器の内方へ進入させると、突出用舌片７は突片Ｐ
を折目ｑより起立させ、該起立させられた突片ｐ
はロールシートの巻芯内に進入し、ロールの飛び
出しを防止させるようにしたためにロールの飛び
出し防止及び、構成の簡略化に格段の進歩をみる
ことができた。

ところが平面的なブランクを立体的な容器に組
み立てる場合、まずブランクを該ブランクの底面
部を十分に受容できる開口凹部を有した雌型上に
載置し、最初に糊代８ａ，８ｂを僅かに折り曲げ
つつ底面部１上に該底面部の面積に略等しい雄型
を挿入し、さらに上記雌型の開口凹部内に向けて
進入させると、該雄型の四囲に存する背面部３お
よび正面部２、そして左右の両側面部６，６が略
同時的に直角方向に折曲げられる。このようにし
て糊代８ａ，８ｂを側面部６，６の内側に位置さ
せるのであるが第２図に示した如く突片ｐを形成
するために生ずる切欠部ｓが前記した容器の組み
立てに際し側面部６の端部をまたいだりして係合
してしまうことがあり、これを機械的に製造する
場合においては糊代８ａ，８ｂが破損しやすいな
つて製品歩留まりが低下するという問題を残して
いた。本考案はかかる点をも解決し、さらに提案
した考案と同様に簡易な構成にして収容ロールに
対する十分な係止効果を有し、かつ製函適正に一
層優れたロールシート収納容器組み立て用のブラ
ンクを提供することを目的とする。

本考案ロールシート収納容器組み立て用ブラン
クの具体的な構成は、底面部１の上下端側に背面
部３および正面部２を、底面部１の左右両端側に
側面部６，６を、さらに正面部２および背面部３
の左右両端側には糊代フラツプ８ａ，８ｂを、そ
れぞれ折目を介して連設させたロールシート収納
容器用のブランクであつて上記側面部６，６には
折目ｇ寄りに折目ｋを介し外方向を頂点７ａとす
るテーパー７ｂを有するところの突出用舌片７
が、少なくとも該頂点７ａと側面部６との係止を
残して打ち抜かれており、また糊代フラツプ８ａ
および８ｂにはその略中央部寄りの位置から上記
両側面部６寄りの角度に向けたスリツト９と、該
スリツト９と交叉し上記テーパー７ｂに対応する
角度の折目１０を設けて上記スリツト９と折目１
０で区画される折曲片９ａを有せしめたことを特
徴とするものであり、以下これを図面に示す一実
施例に従つて詳述する。

第３図以下において、Ａは容器を構成するため
の本件考案のブランクを示し、１は底面部であつ
てその下端側には正面部２が、また上端側には背
面部３が、該背面部３には平面部４が、該平面部
４には前面板部５がそれぞれ折目ａ，ｂ，ｃ，ｄ
を介して連設されている。

又底面部１の左右両端側には、各々折目ｇ，ｈ
を介して側面部６および差し込み部６が連設さ
れ、かつ側面部６には折目ｇ寄りに存する折目ｋ
を介し、差し込み部６寄りの外方向を頂点７ａと
するテーパー７ｂを有するところの突出用舌片７
が頂点７ａと側面部６との係止である折目ｋの連
設部を残して打ち抜かれている。また正面部２の
左右両端側には折目ｅを介して糊代フラツプ８ａ
が、側面部６の略２分の１幅にて設けられてい
る。又背面部３の左右両端側には折目ｉを介して
糊代フラツプ８ｂが前記糊代フラツプ８ａ同様に
設けられている。

この糊代フラツプ８ａ，８ｂの左右の側面部６
寄りに存する角部には該角部の頂部から略45度の
角度にてスリツト９が設けられ、後述する折目１
０と交叉する部分を始端部９ｃとしている。すな
わちこのスリツト９はブランクＡを組み立てた
後、使用時には該スリツト９によつて区画形成さ
れた折曲片９ａが、前記スリツト９の始端部９ｃ
と交叉する方向に設けられた折目１０の部分から
容器の内方へ折り曲げられた際に、収納物たるロ
ールシートの側面巻芯内に十分に入り込み、しか
もシートの使用時において該シートを強く引き出
した際にロール自体が上方に引き上げられるのを
阻止すべく、前記折曲片９ａの先端部を鋭角状と
すべく、前記角度にて設けられているのである。

以上の構成に係ぬ本実施例において、組み立て
作業に際し、折曲片９ａは、スリツト９を介して
他の糊代部分と同一平面上にあり、したがつて糊
代フラツプ８ａ，８ｂには切欠部分が存在しない
ことから、組み立てに際し、糊代フラツプの特定
部分が容器の左右両側面部に誤つてまたがつて係
合するようなことがない。

すなわち糊代フラツプ８ａ，８ｂが両側面部
６，６の内面側に無理なく折り込み案内され、糊
代フラツプ８ａ，８ｂの角部が側面部６，６の内
面側の位置に少しでも係合していれば前記した不
都合を生じることなくスムーズな組み立て作業を
行うことができるとともに、製品歩留りも著しく
向上する。

また使用時には購入者は容器の側面外方から側
面部６，６の突出用舌片７，７を指等により内方
へ押圧して頂点７ａと側面部６，６との係止を解
除し、容器の内方に進入させると、突出用舌片７
はテーパー７ｂにより折曲片９ａを折目１０より
起立させ、ロールシートの側面巻芯内に進入させ
て、折曲片９ａの前記作用をおこなわしめる（第
４図参照）。

なお第５図Ａ，Ｂ，Ｃ，ＤはブランクＡの左右
糊代フラツプ８ａ，８ｂに施したスリツトの別の
実施例を示すもので、Ａはスリツトの下端部が頂
角部まで達していないもので、これによれば組み
立て時に折曲片９ａが同一糊代フラツプ面より離
れて側面部６の端部がスリツト内に入り込み破損
が生ずることを完全に防止し得る。

Ｂはスリツト９の下端部が角部まで達している
ものである。

Ｃはスリツトの構成についてはＡと同様である
が、その位置を左右両側面部６より若干遠ざかる
位置に設ける場合を示したもので、また場合によ
つては逆に左右両側面部６に若干近い位置（鎖線
に示す位置）に設けるようにしてもよい。

またＤは頂角部の方向に向けたスリツト９を略
直角に近い角度で途中から折り曲げて該スリツト
９の端末を糊代部分の接線方向寄りの位置に臨ま
せることにより保護片９ｂを設けたものであつ
て、該保護片９ｂの存在は容器の組み立てに際し
糊代フラツプ８ａ，８ｂが左右の側面部６に不用
意に引つ掛かるのを防止する作用をなすものであ
る。

本考案は、上記した通り糊代フラツプに形成さ
れるところの巻芯内に挿入される部分（折曲片）
は、既述した第１図の構成のように一定形状に切
り欠いて成形するのではなく、単にスリツトを設
けることによつてのみ行うものであるから、組み
立て時に切り欠き部分が側面部端部に係合して前
記巻芯内に挿入される部分が破損するという製造
上の不都合を解消することができるものであり、
かつ使用機能に関しては、切欠いて巻芯内への挿
入部を構成したものと同様であることから、いわ
ゆる製函適正を有し、機械による大量生産にも適
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、先行技術を示す展開図、第２図は、
同組立状態の要部斜視図、第３図は、本考案の一
実施例を示すブランクの平面図、第４図は、本考
案のブランクの組立状態を示す一部斜視図、第５
図は、スリツトの実施例を示す平面図である。 １……底面部、２……正面部、３……背面部、
４……平面部、７……突出用舌片、８ａ，８ｂ…
…糊代フラツプ、９……スリツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底面部１の上下端側に背面部３および正面部２
   を、底面部１の左右両端側に側面部６，６を、さ
   らに正面部２および背面部３の左右各両端側には
   糊代フラツプ８ａ，８ｂを、それぞれ折目を介し
   て連設させたロールシート収納容器用のブランク
   であつて、上記側面部６，６には折目ｇ寄りに折
   目ｋを介し外方向を頂点７ａとするテーパー７ｂ
   を有するところの突出用舌片７が、少なくとも該
   頂点７ａと側面部６との係止を残して打ち抜かれ
   ており、また糊代フラツプ８ａおよび８ｂにはそ
   の略中央部寄りの位置から上記両側面部６寄りの
   角部に向けたスリツト９と該スリツト９と交叉し
   上記テーパー７ｂに対応する角度の折目１０を設
   けて上記スリツト９と折目１０で区画される折曲
   片９ａを有せしめたことを特徴とするロールシー
   ト収納容器のブランク。