JPS6121972B2

JPS6121972B2 -

Info

Publication number: JPS6121972B2
Application number: JP57229844A
Authority: JP
Inventors: Kyoshi Shinozuka; Koichi Ootsu; Hiroshi Fukumoto
Original assignee: Onahama Sakai Kagaku KK
Current assignee: Onahama Sakai Kagaku KK
Priority date: 1982-12-28
Filing date: 1982-12-28
Publication date: 1986-05-29
Also published as: JPS59122528A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は樹脂組成物に関し、詳しくは、板状硫
酸バリウムを含有して、機械的強度にすぐれる樹
脂成形品や、強度、硬度、耐摩耗性、耐チツピン
グ性等にすぐれた塗膜を与えることができる樹脂
組成物を提供することを目的とする。硫酸バリウムは一般に塩化バリウム、硫化バリ
ウム、硝酸バリウム等のバリウム塩水溶液に硫酸
塩又は硫酸の水溶液を反応させる水溶液反応によ
つて生成され、このような硫酸バリウムは、一次
粒子が普通、0.3〜2.0μ程度の球状粒子であり、
濾過、水洗後、得られた湿潤ケーキを乾燥、粉砕
して、製品として種々の用途に供される。従来、硫酸バリウムは一般に、シート、フイル
ム、容器、工業部品、装飾品等の樹脂成形品や、
塗料、インキ等の製造等の種々の分野で樹脂系に
配合されて使用されているが、かかる使用は、強
度等の物性の改善を目的としたものではなく、本
来、硫酸バリウムが化学的、物理的に安定である
特性を利用した体質顔料としての使用であり、製
品の美観を損わない顔料特性が重要視されてきて
いる。従つて、その形状も従来は、立方最密充填
構造をとりやすい球状が最適であるとされてきて
いる。しかしながら、本発明者らは、上記とは異な
り、板状硫酸バリウムを樹脂成形品に配合した場
合、その機械的強度、特に曲げ強度が著しく改善
されると共に、樹脂成形品の寸法安定性が良くな
る。塗料、インキに配合した場合、塗膜の耐摩耗
性や耐チツピング性被塗物に対する付着性、塗膜
のひび割れ等の塗膜物性が著しく改善されること
を見出した。このように樹脂成形品や塗膜の性質
が改善される理由は必ずしも明らかではないが、
板状硫酸バリウムが樹脂成形品や塗膜等の樹脂系
内で層状に配向するためであると考えられる。従つて、本発明は、改善された物理的特性を有
する樹脂成形品や塗料等を与えることができる樹
脂組成物を提供することを目的とする。本発明による樹脂組成物は、樹脂に対して50重
量％以下の板状硫酸バリウムを含有することを特
徴とする。本発明において用いる板状硫酸バリウムの寸法
は、長さ0.2〜20μ、幅0.2〜20μ、厚み0.05〜２
μの範囲にあることが好ましく、特に長さ２〜５
μ、幅２〜５μ、厚み0.1〜１μの範囲にあるこ
とが好ましい。板状硫酸バリウムの寸法が上記よ
りも大きいときは、樹脂組成物における分散性に
劣るようになると共に、つぶとして肉眼で認めら
れるような場合も生じるので、成形品や塗膜の品
質低下を招き、また、余りに小さいときは、板状
性自体が小さくなることもあつて、成形品や塗膜
における前記効果が十分に発現されないからであ
る。上記のような寸法の板状硫酸バリウムは、硫化
バリウム水溶液と硫酸水溶液とを連続的に反応槽
に供給して反応させる水溶液反応において、PHを
３〜６に制御することにより得られる。生成する
板状硫酸バリウムの粒子径は、硫化バリウムと硫
酸水溶液の濃度及び温度によつても制御すること
ができるが、好ましくは、反応槽からの反応液の
一部を反応槽に循環させ、繰返して反応させるこ
とにより調整される。上記寸法の板状硫酸バリウムを樹脂及び必要に
応じてその他の添加剤、溶剤等と共に樹脂組成物
となして、これを成形品又は塗膜としたとき、前
記のようにすぐれた物性を有する。しかし、硫酸
バリウム表面は化学的、物理的に不活性であるた
め、樹脂によつては親和性に乏しく、例えば、塗
料において凝集し、塗料粘度を高めるため、所要
の塗料物性が得られないこともある。従つて、本
発明においては、必要に応じて、表面処理により
その樹脂親和性を高めた板状硫酸バリウムを用い
ることができる。硫酸バリウムの表面処理は、例えば、バリウム
イオンを含有する硫酸バリウムの水スラリーにケ
イ酸アルカリを加えて、硫酸バリウムの表面にケ
イ酸バリウムを生成させ、次いで、この水スラリ
ーに鉱酸を加えて、上記ケイ酸バリウムを加水分
解して含水シリカとすれば、含水シリカが表面に
沈着した硫酸バリウムを得ることができる。ま
た、かかる含水シリカを沈着させた硫酸バリウム
を更にシランカツプリング剤にて処理したり、或
いは含水シリカを沈着させた硫酸バリウムの水ス
ラリーにアルミン酸ナトリウムのような水溶性の
金属化合物の水溶液を加えた後、アルカリを添加
して分解すれば、硫酸バリウム粒子上には含水ア
ルミナが沈着する。このような表面処理板状硫酸
バリウムは樹脂との親和性にすぐれ、本発明にお
いて好ましく用いることができる。本発明において使用される樹脂は、特に制限さ
れるものではないが、樹脂組成物が成形品の製造
を目的とするときは、例えば、塩化ビニル樹脂、
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹
脂、アクリル樹脂、ポリウレタンエラストマー等
の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ジ
アリルフタレート樹脂等の熱硬化性樹脂が好まし
く用いられ、また、樹脂組成物が塗料やインキの
製造を目的とするときは、熱硬化型アクリル樹
脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂等が好ましく用いられる。尚、本発明の樹脂
組成物において、樹脂に応じて従来より配合され
る添加剤、例えば、可塑剤、充填剤、補強剤、硬
化剤、触媒、着色剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤等
を適宜に含有してもよいのは勿論である。本発明による樹脂組成物は、以上のように、板
状硫酸バリウムを含有し、前記したように、樹脂
組成物が成形品に成形されたとき、又は塗膜を形
成したとき、板状硫酸バリウムが層状に配向する
ためであると考えられるが、成形品においてはそ
の曲げ強度が著しく改善され、また、塗膜におい
てはその耐摩耗性、耐チツピング性、強度、硬度
等が著しく改善される。以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本
発明はこれら実施例により何ら限定されるもので
はない。尚、以下において、部及び％はそれぞれ
重量部及び重量％を示す。実施例 (a) 板状硫酸バリウムの製造撹拌機を備えた容量250の反応槽に濃度125
ｇ/、温度20℃の硫酸水溶液を200／時の割
合で供給すると共に、濃度125ｇ/、温度50℃
の硫酸バリウム水溶液を反応槽内のPHが４とな
るように連続的に供給して、硫酸と等モル反応
させた。このようにして得られた板状硫酸バリ
ウムの平均寸法は、長さ５μ、幅５μ、厚み
0.5μであつた。この板状硫酸バリウムをフイルタープレスに
て濾過、水洗して、湿潤ケーキを得、これを乾
燥後、衝撃式粉砕機により粉砕して、本発明品
板状硫酸バリウム１を得た。別に、上記水スラリーに、生成硫酸バリウム
に対して0.5モル％の硫酸バリウムを添加溶解
させた後、70℃に加温し、10％ケイ酸ナトリウ
ム水溶液をSiO₂換算で1.0％添加して、ケイ酸
バリウムを硫酸バリウム粒子表面上に生成させ
た。この後、塩酸を加えてPHを２として、ケイ
酸バリウムを含水シリカに分解し、30分間熟成
した。次いで、PHを６に調整した後、硫酸バリ
ウムに対して、Al₂O₃換算で1.0％のアルミン酸
ナトリウムを添加した後、約10％塩酸水溶液で
PHを7.0に調整して、硫酸バリウム上に含水ア
ルミナを沈着させた。この後、濾過水洗、乾
燥、粉砕して、本発明品硫酸バリウム２を得
た。 (b) 樹脂成形品の製造及びその機械的強度の評価上で得た各板状硫酸バリウム粒子20部とアイ
ソタクチツクポリプロピレン樹脂80部とをヘン
シエルミキサー中で混合した後、押出機で造粒
し、更に射出成形機にて試験片を作製し、JIS
K6758に準じてその機械的強度を測定した。結
果を表に示す。比較のために、市販の平均粒子
径0.3μの球状硫酸バリウムを用いて、上記と
同様にして樹脂成形品を製作した。この成形品
の機械的強度も併せて表に示す。本発明による
樹脂組成物からの成形品が曲げ弾性率及びアイ
ゾツト衝撃値のいずれにおいてもすぐれている
ことが明らかである。 (c) 塗料組成物の調製及び塗膜物性の評価ポリエステル樹脂（大日本化学工業(株)製Ｍ−
6003）／メラミン樹脂（大日本化学工業(株)製Ｊ
−820）（固形分比85／15）の樹脂混合液に溶剤
ソルベツソ＃150／ｎ−ブタノール／ブチルセ
ロソルブ（重量比70／20／10）を加え、樹脂固
形分50％の樹脂溶液を調製した。この溶液100部に前記本発明品板状硫酸バリ
ウム１、２又は市販球状硫酸バリウム10部、カ
ーボンブラツク0.7部及び酸化チタン40部を混
合、分散させて塗料を調製した。この塗料をスプレー粘度に調整し、寸法70×
150×0.6mmのリン酸亜鉛処理軟鋼板に乾燥膜厚
が30μとなるようにスプレー塗装し、160℃で
30分間加熱して焼き付け、ポリエステル樹

【表】脂塗膜を形成した。この塗膜の機械的強度を
JIS Z2247（Ａ法）によるエリクセン試験及び
JIS K5400−6.13（Ｂ法）による耐衝撃性試験
にて調べた。また、耐チツピング性を鋼球シヨ
ツト法にて調べた。即ち、塗膜に空気吹き付け
圧３Kg/cm²で20mgの鋼球を吹き付け、塗膜の損
傷状態を目視により比較した。結果を表に示す
が、◎は非常に良好、〇は良好、×は不良を示
す。本発明による樹脂組成物からなる塗料はいずれ
も強度、耐チツピグ性にすぐれる塗膜を与える
が、市販の硫酸バリウムを含有する塗料は機械的
強度も耐チツピング性も劣ることが明らかであ
る。

Claims

【特許請求の範囲】１樹脂に対して50重量％以下の板状硫酸バリウ
ムを含有することを特徴とする樹脂組成物。２板状硫酸バリウムの寸法が、長さ0.2〜20
μ、幅0.2〜20μ、厚み0.05〜２μの範囲にある
ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の樹
脂組成物。