JPS61219387A - 新規な酵母プラスミドおよびその形質転換体 - Google Patents

新規な酵母プラスミドおよびその形質転換体

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JPS61219387A
JPS61219387A JP60060843A JP6084385A JPS61219387A JP S61219387 A JPS61219387 A JP S61219387A JP 60060843 A JP60060843 A JP 60060843A JP 6084385 A JP6084385 A JP 6084385A JP S61219387 A JPS61219387 A JP S61219387A
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JP
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yeast
gene
plasmid
ras2
sporulation
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JP60060843A
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Takehiro Oshima
大島 武博
Kazuma Tanaka
一馬 田中
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Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/80Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi
    • C12N15/81Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi for yeasts

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な酵母プラスミドおよび形質転換体に関
する。さらに詳しくは、新しいタイプの抗癌または制癌
剤のスクリーニングに有用な新規な酵母プラスミドおよ
び該プラスミドが導入された形質転換酵母、並びに該形
質転換酵母の利用に関する。
〔従来の技術〕
近年、分子生物学の進展に伴い、発癌または悪性腫瘍形
成に関与する遺伝子(以下発癌遺伝子と呼ぶ)について
多くの知見が蓄積されてきている。
例えば、これまで、多くの種類の発癌遺伝子がヒトを含
む溢血動物から見出され、現在もさらに新たな発癌遺伝
子の発見が続いている。特に最近は、ニワトリのレトロ
ウィルスから見出された発癌遺伝子の他に、NIH3T
3と呼ばれるマウスの線維芽細胞を形質転換するという
系を用いて、新たな発癌遺伝子が見出されている。発癌
遺伝子には多くの種類(ras+src、a+yc、等
)が知られているが、上記のような系を用いて見出され
る発癌遺伝子にはras系のものが多い(由来によりさ
らにに−ras+H−ras、N−rasなどに分けら
れている)。また、ras遺伝子(実際はras遺伝子
が変異により活性化されたもの)による発癌が実際にヒ
トで頻ばんにおきていることが知られている。興味ある
ことは、これらの遺伝子の多くは、ras!白(ras
遺伝子からの生産物)のN末端より12番目のグリシン
(Gly) 、あるいは61番目のグルタミン(Gin
)に対応する塩基配列(コドン)に変異がおきており、
それらのアミノ酸が他のアミノ酸に変っていることであ
る。そして、このような変異蛋白が正常細胞を異常な増
殖をする癌細胞に転換する引金になっていると考えられ
ている。また、このような変異ras遺伝子は特定の癌
種に限らず多くの癌の組織や細胞に見出されている。
一方、近年米国のコールドスプリングハーバ−研究所の
一1g1erらのグループとMerk社の5colni
ckらにより、酵母にもヒトのras遺伝子と高い類似
性(ホモロジー)を有する遺伝子が2個(RASIとR
AS2)存在することが見出され、それらの遺伝子の塩
基配列も決められている(Powers、S、等、セル
(Cell)36,607.1984;およびDefe
o−Jones等、ネイチay −(Nature)、
306,707.1983) 、またこれら酵母の遺伝
子から生産される蛋白は、ヒ) ras蛋白に対して調
製された抗体と交叉反応することも明らかにされている
。そして興味あることには、サツカロマイセス困赳堕肛
姐匹見)属(以下単に酵母と略す)では、これら2個の
酵母のRAS遺伝子を不活性化するとその酵母は増殖で
きなくなること(Ta tche 11.等、ネイチ+
 −(Nature)、309゜523.1984) 
、さらに興味あることには、I?AS2蛋白(酵母のR
AS2遺伝子からの産物)のN末端から199番目グリ
シン(これはヒトras蛋白の12番目のグリシンに相
当する)がバリン変わるとその酵母は胞子形成能がなく
なることが見出された( Kataoka、 T等、セ
ル(Ce11)37,437.1984 )。
また、RAS2遺伝子が上記のように変異した場合、そ
の酵母を胞子形成条件下(通常、細胞の増殖はできない
)においても増殖のcell cycleは働くが、増
殖に必要な栄養源がないため結果的にその酵母は死滅す
ることもわかった。つまり酵母のRAS遺伝子(或いは
RAS蛋白)は、酵母の増殖に必須ではあるが、その遺
伝子にある変異、例えばRAS2遺伝子の場合はN末端
から199番目グリシンがバリンに変わるような変異が
おきると、分化の機構(酵母では胞子形成が“分化”と
考えられている)が働かなくなり増殖のみが促進される
ことを示している。ヒトの癌細胞が分化することなく異
常な増殖すること、そしてそれがras遺伝子の変異に
よることから考え、酵母におけるRAS遺伝子の変異に
よる上記のような現象は酵母の“癌化”と考えることが
できる。このように酵母のRAS遺伝子は学問上興味あ
るばかりでなく、ヒトの癌化の生物学的機構を解明する
上でも興味深い。
一方、ras蛋白(特に動物由来)の生物学的機能につ
いても種々の知見が得られている。例えば、ras蛋白
が、細胞表面レセプターに結合して細胞の機能や代謝に
変化もたらす信号の働きをするグアニントリフォスフエ
イト輸uanine triphosphate:GT
P)結合蛋白(G蛋白と呼ばれている)と同様な機能を
有することが示唆されている(Hurleg+ J、B
等サイエンス(Science)226,860.19
84 )−また、ras蛋白はATPからcAMPへの
反応をもたらすアデニル酸シクラーゼ(adenyla
te cyclase)の活性を調節(実際は活性化)
し、cAMP量の増加はcAMP依存性プロティンキナ
ーゼの活性をもたらし、その結果リン酸化された蛋白が
何らかの形で細胞の増殖またはcell cycle、
さらには分化の調節を行っていることが推察されている
。そして、酵母のRAS遺伝子も上記と同様なカスケー
ドにより酵母のcell cycleや胞子形成(分化
)の調節に関与しているのではないかと考えられている
(Toda。
T6等、セル(Cell)40.27.1985)。
近年、ヒトや動物における発癌のメカニズムは急速に明
らかにされつつあるが、癌の治療は今世紀に残された医
学上解決されなければならない問題の1つである。
癌の化学的治療の面からみると、これまでの治療剤には
、細胞特に細胞の増殖に対して強い毒性を示すものが多
い。これは、生後ある期間を過ぎると正常な細胞は特定
の細胞を除きほとんど増殖しないのに対し、癌細胞は異
常な増殖をすることに基づいている。細胞に毒性を示す
ものとして、蛋白合成阻害剤、転写阻害側、DNA合成
阻害剤などが考えられているが、これらの薬剤の作用は
、非特異的であり正常細胞の機能まで阻害し、これらを
投与した場合重大な副作用をもたらす危険性がある。従
って、癌細胞のみに作用する薬剤が強く望まれる。近年
、免疫学的な面から癌細胞に特異的に作用する抗体や免
疫関連物質の開発が進められているが、化学療法剤にお
いては癌細胞にのみ特異的に作用するよう薬剤はこれま
で開発されておらずまたそのような薬剤をスクリーニン
グするシステムも開発されていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従ってこの発明は、癌に対する新しいタイプの化学療法
剤をスクリーニングするための新規なスクリーニングシ
ステムを提供することを目的とする。
本発明者らは、既述の癌に関する分子生物学的知見即ち
、ヒトのras遺伝子の変異により癌が誘発されること
、ヒトのras遺伝子と類似性(ホモロジー)のある酵
母のRAS遺伝子の変異が、ヒトの癌化の状態と類似す
る現象(即ち、分化の機構である胞子形成過程が働かず
常に増殖の状態にあるという現象)をもたらすという知
見をもとに、酵母を用い癌細胞に特異的に作用する薬剤
のスクリーニングシステムができるのではないかと考え
鋭意研究に取り組んだ。即ち本発明者らは、酵母のRA
S遺伝子の変異によって失われた胞子形成能を回復でき
るような薬剤、つまりRAS異変蛋白の活性を不活性に
するかあるいは正常な機能に戻すような薬剤■を選べば
、その中には、ras変異をもったヒトや動物の癌細胞
または癌組織に特異的に作用する薬剤が見出されるので
はないかと考えた。
従ってこの発明の一層具体的な目的は、前記の変異RA
S遺伝子、酵母の胞子形成に関与する遺伝子等を遺伝子
工学的手法により巧みに利用して、癌に対する化学療法
剤の検出容易なスクリーニングシステムを提供すること
である。
〔問題点を解決するための手段〕
上記のような考え方に基づいて抗癌剤のスクリーニング
系を確立するためには、まず通常の胞子形成条件下で胞
子が形成され、それが容易に検出できる系を入手する必
要がある。
しかしながら、胞子の形成それ自体を検出することは必
ずしも容易ではない。従って本発明においては、胞子の
形成に関与する遺伝子の下流に大腸菌β−ガラクトシダ
ーゼの構造遺伝子を連結することによって前記胞子形成
に関与する遺伝子が発現されればそれに伴って前記β−
ガラクトシダーゼの遺伝子が発現されるようにし、β−
ガラクトシダーゼ遺伝子の発現を公知の呈色反応で検出
することにより間接的に胞子形成に関与する遺伝子の発
現が検出できるようにした。従ってこの発明はまず、酵
母の胞子形成に関与する遺伝子の下流に大腸菌β−ガラ
クトシダーゼの構造遺伝子領域が連結されたDNA断片
が組み込まれた酵母プラスミドを提供する。
本発明のスクリーニング系は上記の胞子形成系に加えて
変異RAS遺伝子系を含まなければならない。従ってこ
の発明はさらに、酵母の胞子形成に関与する遺伝子が発
現されるとそれに伴って大腸菌β−ガラクトシダーゼの
構造遺伝子領域も発現されるように酵母の胞子形成に関
与する遺伝子と大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝
子領域が連結されたDNA断片および動物の発癌遺伝子
とホモロジーを有し且つ突然変異を含む遺伝子が組み込
まれた酵母プラスミドを提供する。このプラスミドにお
いては、変異RAS遺伝子の発現生成物(蛋白)の作用
に起因して胞子形成遺伝子の発現が抑制されているが、
該発現生成物に対してなんらかの態様で拮抗する物!(
候補抗癌剤)が添加されれば前記発現生成物の機能がブ
ロックされ胞子形成遺伝子が発現し、この発現がβ−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子の発現を介して検出される。
上記のようなプラスミドの機能は言うまでもなく宿主酵
母中で発揮されるが、前記胞子形成に関与する遺伝子が
発現するためには前記宿主はへテロ型2倍体酵母でなけ
ればならない。従ってこの発明はさらに、酵母の胞子形
成に関与する遺伝子が発現されるとそれに伴って大腸菌
β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子領域も発現されるよ
うに酵母の胞子形成に関与する遺伝子と大腸菌β−ガラ
クトシダーゼの構造遺伝子領域とが連結されたDNA断
片、および動物の発癌遺伝子とホモロジーを有し且つ突
然変異を含む酵母由来の遺伝子が組み込まれた酵母プラ
スミドによって形質転換された MATa/MATα型
2倍体酵母形質転換株を提供する。これにより、この発
明の第1のスクリーニング系が確立される。
しかしながら、宿主が1倍体酵母又はホモ型2倍体酵母
であっても、これらの酵母が染色体上に有しない方の接
合型対立遺伝子をプラスミドにより導入すれば胞子形成
遺伝子を発現せしめることができる。従ってこの発明は
さらに、動物の発癌遺伝子とホモロジーを有し且つ突然
変異を含む酵母由来の遺伝子と、MATaまたはMAT
aで表される酵母の接合型支配対立遺伝子とが組み込ま
れた酵母プラスミドを提供する。
このプラスミドを、β−ガラクトシダーゼ構造遺伝子に
連結された胞子形成に関与する遺伝子を含有する前記の
プラスミドと共にMATa型又はMATa型の1倍体酵
母に形質転換することにより前記とは異る第2のスクリ
ーニング系が確立される。従ってこの発明はさらに、酵
母の胞子形成に関与する遺伝子が発現されるとそれに伴
って大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子も発現さ
れるように酵母の胞子形成に関与する遺伝子と大腸菌β
−ガラクトシダーゼの構造遺伝子とが連結されたDNA
断片が組込まれた酵母プラスミドと、動物の発癌遺伝子
とホモロジーを有し且つ突然変異を含む酵母由来の遺伝
子とMATaまたはMATaで表される酵母の接合型支
配対立遺伝子とが組み込まれた酵母プラスミドとによっ
て形質転換された1倍体酵母形質転換株を提供する。
同様にしてこの発明は、酵母の胞子形成に関与する遺伝
子が発現されるとそれに伴って大腸菌β−ガラクトシダ
ーゼの構造遺伝子領域も発現されるように酵母の胞子形
成に関与する遺伝子と大腸菌β−ガラクトシダーゼの構
造遺伝子領域とが連結されたDNA断片、および動物の
発癌遺伝子とホモロジーを有し且つ突然変異を含む酵母
由来の遺伝子が組み込まれたQ母プラスミドと、MAT
aまたはMATaで表わされる酵母の接合型支配対立遺
伝子とが組み込まれた酵母プラスミドとによって形質転
換された1缶体酵母形質転換株を提供する。
前記のいずれのスクリーニング系においても、変異RA
S遺伝子をプラスミドにより宿主に導入したが、染色体
上にRAS変異を有する宿主を用いることもできる。す
なわち、核内染色体上にRAS変異を有する1倍体酵母
を、β−ガラクトシダーゼ構造遺伝子に連結された胞子
形成に関与する遺伝子を含有するプラスミド及び MA
TaまたはMATα遺伝子を含有するプラスミドによっ
て形質転換するか、あるいは核内染色体上にRAS変異
とsir3変異(1倍体であるが、接合型かへテロの状
態になっているために接合能を示さない変異)を有する
宿主をβ−ガラクトシダーゼが構造遺伝子に連結された
胞子形成に関連する遺伝子を含有するプラスミドによっ
て形質転換することにより第3のスクリーニング形が確
立される。
従ってこの発明はさらに、酵母の胞子形成に関与する遺
伝子が発現されるとそれに伴って大腸菌β−ガラクトシ
ダーゼの構造遺伝子領域も発現されるように酵母の胞子
形成に関与する遺伝子と大腸菌β−ガラクトシダーゼの
構造遺伝子領域とが連結されたDNA断片が組み込まれ
ている酵母プラスミド、およびMATaまたはMATa
で表わされる酵母の接合型支配対立遺伝子が組み込まれ
たプラスミドによって形質転換された、核内染色体上に
RAS変異をもつ1倍体形質転換株−並びに、酵母の胞
子形成に関与する遺伝子が発現されるとそれに伴って大
腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子領域も発現され
るように酵母の胞子形成に関与する遺伝子と大腸菌β−
ガラクトシダーゼの構造遺伝子領域とが連結されたDN
A断片が組み込まれている酵母プラスミドによって形質
転換された、核内染色体上にRAS変異とsir3変異
とをもつ1倍体形質転換株を提供する。
この発明に最後に、上記の種々の形質転換株をSPO−
X−GAL培地上で培養してコロニーを形成せしめ、被
験物質の存在下で該コロニーを青色にすることができる
該被験物質を選択することを特徴とする抗癌または制癌
作用を有する物質のスクリーニング法を提供する。
〔具体的な詳明) 次に前記のプラスミドを作製するための方法を具体的に
説明する。
酵母サン力ロマイセスセレビシエ(Saccharo−
肚些し並■旦虹憇:以下酵母と略す)には、哺乳動物の
ras遺伝子と高いホモロジーを有する2種類の酵母R
AS遺伝子(以下、RASI 、 RAS2と略す)が
知られているが、本発明者らは既に報告されている論文
(Powers、 S、等セル(Cell)36,60
7.1984およびDefeo−Jones、等ネイチ
7−(Nature)  306゜707、1983)
を参考にして酵母(X2180−IB株)からRAS2
遺伝子を単離する(第2図)。次に、M13ファージを
用いたin vitro mutation法(Zol
ler。
M、J、及びSmi Lh、 M、 ニュウクレイック
・アシド・リサーチ(Nucl、Ac1d、Re5)1
0.6487.1982)により、RAS2蛋白のN末
端から19番目のグリシン(Gly)がバリン(Val
)に或いは68番目のグルタミン(Gin)がロイシン
(Leu)になるようにRAS2遺伝子上の塩基配列に
変異をもたらしく以下、各々の変異をRAS2”目9.
RAS2”uth” テ表わす:第2図から第4図参照
)、これを大腸菌・酵母シャトルベクターに挿入したプ
ラスミド(以下、各々をpLAS2”■’、 pLAS
2L−u68で表わす:第5図、第6図参照)を造成す
る。
一方、胞子形成(つまり酵母における“分化”)の有無
を容易に判定できるような酵母を作製するため、第1図
に示すように、酵母の胞子形成に関与する遺伝子の1つ
であるSPOT7が、プラスミドYBF13にクローン
化されたプラスミド125L−184(大阪市立大壷井
博士より譲渡)を種々の制限酵素およびエキソヌクレア
ーゼBa131で処理することによりSPOT7遺伝子
を小片化後(^、B、C,Dグループ:第1図−B)第
1図−片と、YEP13(7)AI)’ (7ンピシリ
ン耐性遺伝子)、LEU2 (酵母のLEU2遺伝子)
およびIRI(酵母のレプリコンの1つ)を含む5al
−Hindl[断片、並びにプラスミドpMc1403
 (Ca−sadabanプラスミドとも呼ばれる:ジ
ャーナル・オブ・バクテリオロジ−(J、Bacter
iol、)143,971゜1980)の°1acZ 
(β−ガラクトシダーゼ遺伝子の1部)を含むSmal
−SalI断片を連結させたプラスミドYE、A〜yE
I、Dを造成し、LEU2マーカーを指標にこれをa/
α型2倍体酵母に導入する。次に、胞子形成できる条件
となる酢酸カリウムを含み、40 p g/lnlのX
−GALおよび50mMリン酸カリウム緩衝液を含むX
−GAL寒天培地(以下SPO−X−GAL培地と略す
)上で青色のコロニーとなる形質転換体を分離し、該形
質転換株からSPOT7遺伝子断片を含むプラスミド例
えばYEpB3を回収する。なお、プラスミドYEJ3
は大腸菌JA221株に導入され、この菌株J^221
/YEpB3は58M277と命名され、工業技術院微
生物工業技術研究所に微工研菌寄第8147号(FER
M P−8147)として寄託されている。このプラス
ミドをもつ形質転換酵母株は、胞子形成条件下。
ではSPOT7遺伝子が発現されるとSPOT7からの
read throughによりβ−ガラクトシダーゼ
も産生されその結果X−GAL寒天培地で青色のコロニ
ーとなる( ’ 1acZはSPOT?構造遺伝子中の
下流部に読み枠が合うように連結されている)。即ち、
5po−X−GAL培地で青色になるか否かにより、胞
子形成(“分化”)の有無を容易に判別することができ
る。尚、SPOT7の構造遺伝子領域は、胞子形成条件
下で発現されるものであればSPOT7遺伝子のプロモ
ータ以外の適当なプロモータによって発現させてもよい
続いて、このYEpB3と先に造成した酵母の変異RA
S2遺伝子を含むプラスミドpRAS2VmL l 9
またはpRAS2L@u&8、とシャトルベクターであ
るYE、13とから第7図に示すような工程で、本発明
の1つであるプラスミドYEpB3−RAS2 (具体
的にはYEpB3− RAS2”■’とYEl、B3−
RAS2Leu68: コの2つのプラスミドを総称し
YEpB3− RAS2と呼ぶこともある。
)を造成する。コ(7) 7’ ラスミF YEpB3
− RAS2”口9は大腸菌JA221株に導入され、
この菌株JA221 /YEpB3−RAS2”口9ハ
SMB279と命名され、工業技術院微生物工業技術研
究所に微工研菌寄第8149号(FERM P−814
9) として寄託されている。
尚、第7図のYEpB3− RAS2においては、SP
OT7−’ 1acZ遺伝子に隣接して、変異RAS2
遺伝子(第7図ではRAS2で表わされている)が連結
されているが、該RAS遺伝子の位置は必ずしもこれに
限るものでない。例えば、後述するように染色体DNA
に組み込まれたものであってもよい。また、該変異RA
Sの構造遺伝子は他の適当な酵母のプロモータ支配下に
発現されてもよい。さらに、ここでは胞子形成に関与す
る遺伝子としてはSPOT7を用いているが、胞子形成
条件下に発現される遺伝子であればこれに限るものでは
ない。
また、酵母の変異RAS遺伝子としてRAS2V−L 
+ 9およびRAS2”u6’を用いているが、既述し
たように胞子形成条件下で胞子形成せず細胞が死に至る
ような変異RAS遺伝子であればこれらに限るものでは
ない。
酵母にはMATaとMATa(或いはaとα)で表わさ
れる接合型が存在するが、酵母が胞子形成するにはこれ
らの接合型を支配する対立遺伝子(各々MATaとMA
Taで表わす)がへテロ型(例えば遺伝子型としてMA
Ta/MATα型:a/αで表わされることもある)に
なっていることが必須である。従って、1倍体酵母(通
常1倍体はMATaまたはMATaのいずれか1つの遺
伝子をもつ)や同型接合型2倍体(M^TaまたはMA
Taのいずれかを2個もつ)などでは通常胞子形成能を
有しない。従って、第1図で造成されるプラスミドYE
pBa上のSPOT7遺伝子は、該プラスミドをa/α
型2倍体宿主に導入しないと発現しない。従って、第7
図に示したプラスミドYEpB3− RAS2もa/α
型2倍体に導入する必要がある。
そこで、本発明者らは、1倍体酵母を宿主して使用して
本発明の目的のために使用できるようなプラスミド群を
造成した(第8図および第9図)。
まず、形質転換体の選択マーカーとなる[IRA3遺伝
子と酵母のMATaまたはMATα遺伝子を含むプラス
ミドYCpMATaおよびYCpMAT exを、プラ
スミドDX(MATa)または2.5(MATa)(い
ずれもコールドスプリングハーバ−研究所のJ、Hic
ks博士より大阪大学・工学部大嶋泰治博士経由で譲渡
)およびシャトルベクターYCp19 (Stinch
comb、 D、T、ジャーナル・オプ・モレキュラー
・バイオロジー(J、Mol。
Biol 、) 158.157.1982)から造成
する(第8図)。
このプラスミドは、これを導入することにより1倍体酵
母の接合型支配対立遺伝子型をヘテロ(遺伝子型として
MATa/MATα)にするためのもので、MATaの
1倍体に対してはYCpMATaを、MAT ctの1
倍体に対してはYCpMATaを導入することにより該
遺伝子型をヘテロにすることができる。つまり、1倍体
酵母にYCpMATaまたはYCl、MATaと第2図
に示したYE、83− RAS2とを形質転換すれば本
発明の目的の1つとする形質転換酵母が得られる。
MATaまたはMATα遺伝子は、酵母の変異RAS遺
伝子’lcモツフラスミFpRAS2VaL19マタハ
pRAS2””@(第7図参照)に組み込んでもよい。
第9図は、MATa遺伝子と変異RAS2遺伝子(RA
S2”目9又はRAS2Leu68)を組み込んだブー
yスミドYCpMATa −RAS2(YC,MATa
−RAS2”口9とYCpMATa−RAS2Leu6
8 (D総称)の造成の概略を示したものである。第8
図のように、該プラスミドは、先に造成したpRAS2
”” ’ マタはpRAS2L111J&ll (第7
図参照)、Dx (MATa)およびVC,19から容
易に造成することができる。このプラスミドを、胞子形
成に関与する遺伝子例えばSPOT7をもってプラスミ
ドYEpB3(第1図参照)とともにMATaの1倍体
酵母に導入すれば、本発明の目的に適した形質転換株を
得ることができる。なお、プラスミドYCpMATa−
RAs2VaL9は大腸菌JA221株に導入され、こ
の菌株JA221/YCpMATa−RAS2”” ”
 はSBl’127Bと老台され、工業技術院微生物工
業技術研究所に微工研菌寄第8148号(FERM P
−8148)として寄託されている。
次に、上記のようにして造成された一連のプラスミドに
よって形質転換された酵母を用いて、はたして酵母の胞
子形成即ち“分化”がSPO−X−GAL培地上で判別
できるか否かを検討した(第1゜第2.第3表参照)。
以下余白 筆1表 R1−61A MATa/MATαYEpB3    
   青色R3−6^ MATa     YE、R3
白色R3−6A  MATa     YE、83 +
 YCpMAT cx  青色R3−40MATa  
  YEpB3       白色R3−4D  MA
T ex    YEpB3 + YCpMATa  
青色第1表は、形質転換株の接合型支配対立遺伝子かへ
テロ型になると、プラスミドYEpB3上の胞子形成に
関与する遺伝子(SPOT7)が発現され(即ち“分化
”の系が働き)それに伴うβ−ガラクトシダーゼの産生
により、該形質転換株はSPO−X−GAL培地上で青
色コロニーとなり、接合型支配対立遺伝子かへテロでな
い場合は該形質転換株の5po−x−GAL培地上で白
色のままであることを確認したコントロールの実験の結
果を示したもので、期待通りの現象が得られたことを示
している。
第2表 活性型RAS変異におけるSPOT7− ” 1acZ
の発現?1−61A M^Ta/MATa YE、R3
−RAS2青−〃YEpB3−RAS2Leu 白 〃〃YEpB3−RAS2Leu白 23−4D MATa YE−83”YCpMATa−
RAS2青〃       〃       Yti、
R3+YC,MATa−RAS2””雫  白’   
#   YE、R3+ YC,MATa−RAS2Le
u白’  ” YE、R3−RAS2+YCpMATa
青〃s   YE、R3−RAS2”” ” + YC
,MATa白”   〃YEpB3−RAS2”II&
” + YC,MATa白率注:染色体上にRAsV−
LI9遺伝子をもつ宿主第2表は、酵母の変異RAS2
遺伝子をもつプラスミ)’ 、 YEpB3−RAS2
VaL19 t+ L < ハYEpB3−RAS2V
aL19、またはYCpMATa−RAS2”L12も
しくはYCpMATa−RAS2Leu68。
が導入された形質転換株では、たとえ該形質転換株の接
合型支配対立遺伝子かへテロ型になっても、RAS2遺
伝子の変異(RAS2VaL19またはRAS2”u′
’ )により (実際は変異RAS2蚕白の産生により
)、胞子形成に関与する遺伝子(SPOT7)が抑制さ
れ結果的に該形質転換株はSPO−X−GAL培地上で
白色コロニーとなることを調べた実験の結果を示し、期
待通りの結果が得られたことを示している。
尚、第2表中のYEpB3−RAS2およびYCpMA
Ta−RAS2は、未変異の正常な酵母のRAS2遺伝
子を各々第2図および第9図の工程に準じて造成された
プラスミドであることを示す。同表中の宿主酵母R3−
4D(RAS2”L12)は、酵母の変異RAS遺伝子
RAS2%’−L l 9が染色体に組み込まれた(実
際は染色体上の正常なRAS2遺伝子と変異RAS2遺
伝子とが組み替わった)1倍体酵母であり、YEpB3
とYCpMATaの両プラスミドで形質転換された該宿
主酵母は、SPO−X−GAL培地上で白色となること
から(宿主酵母が野生型ならば青色となる)、変異RA
S2遺伝子は必ずしもプラスミド上に存在することが必
須ではないことを示している。尚、この場合ある条件で
接合型かへテロ型になるような変異をもつ酵母、例えば
air3−8変異1倍体株(低温ではMATa又はMA
T αの接合型を示すが高温では接合型かへテロの状態
になり接合能を示さない変異株)を宿主として用いれば
、YEpB3のようなプラスミドを導入するだけで目的
とする形質転換株を得ることができる。即ちYCpMA
Taのような接合型支配遺伝子をもつプラスミドをさら
に導入する必要はない。
いずれにせよ、接合型かへテロ型になり、RAS2変異
遺伝子をもち、酵母の胞子形成能(分化)の有無が容易
に判別できるようなものであれば本発明の形質転換株は
上記のような形質転換株に限らなくてもよい。
〔発明の効果〕 上記の第1表および第2表の結果は、本発明のプラスミ
ドおよび形質転換体が、例えばSPO−X−GAL培地
上のコロニーの色(青色)の有無を判別するだけで、新
しい薬剤特にras遺伝子の変異に伴う発癌または癌化
を抑制するような特異的な薬剤をスクリーニングする系
として利用できる可能性があることを示している。即ち
、SPO−X−GAL培地上での白色を青色に変えるよ
うな薬剤を選ぶことにより、新しいタイプの抗癌または
制癌剤を見出しうる可能性があることを示している。
また、前記のcell cycleli節に関与するカ
スケードから考え、上記のような酵母のRAS変異を利
用する以外に、松本ら(Matsumoto、に、等プ
ロシーディンゲス・オブ・ザ・ナショナル・ナカデミー
・オブ・サイエンシス・オブ・ザ・ユナイテッド・ステ
イト・オブ・アメリカ(、Proc、Natl、Aca
d。
Sci、)USA79.2355.1982)によって
報告されている酵母のbcyl変異(cAMPの生産を
増加させるような変異で、この変異をもつ酵母はRAS
変異の場合と同様、cell cycleに異常が生じ
胞子形成ができない)を用いても、制癌または抗癌剤の
スクリーニングが期待されよう。即ち、bcyl変異に
起因する異常な代謝を正常に戻す即ち胞子形成能を回復
させるような薬剤を選べばよい。この場合、RAS変異
の代りに、染色体上にbcyl変異をもつ酵母を宿主と
し、これに例えば酵母の胞子形成遺伝子と大腸菌” 1
acZ遺伝子とか連結されたDNA断片をもつプラスミ
ド(例えばYEpB3)を導入した形質転換株を造成す
る。但し、bcyl変異を用いる場合当然のことながら
発癌の原因の1つと考えられている癌遺伝子の産物(例
えば変異ras蛋白)に影響を及ぼす薬剤のスクリーニ
ングではない。
尚、変異RAS蛋白はGTP加水分解活性(GTPag
e)を低下させること(McGrath、等、ネイチ+
 −(Nat−ure)310,644.1984)か
ら、変異RAS蛋白を精製しく例えば組換えDNA技術
を用いてつくられた大腸菌の培養物から精製)、試験管
内でGTPase活性が回復するような薬剤を探索する
ことも考えられるが、インビトロ(試験管内)系よりも
本発明のようによりインービボに近い系の方が目的とす
る薬剤のスクリーニングには適していると考えられる。
次に実施例によりこの発明をさらに詳細に説明する。
It例」ユ   ・ に 与する遺伝子の発現がこれま
で、酵母のある種の遺伝子の支配下に大腸菌のβ−ガラ
クトシダーゼの構造遺伝子である1 acZ遺伝子を発
現させ、その結果生成するβ−ガラクトシダーゼの活性
(β−ガラクトシダーゼが生成するとその酵母はX−G
AL培地上で青色コロニーとなる)を指標に酵母細胞中
での該遺伝子の発現の有無を調べることに関しては種々
の報告がみられる〔例えば、Rose、 M、等、プロ
シーデインダス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ−・
オプ・サイエンシス・オプ・ザ・ユナイテッド・ステイ
ト・オブ・アメリカ(Proc、Natl、Acad、
Sci、USA)78.2460.1981)。本発明
者らは、この系を利用し:酵母の胞子形成に関与する遺
伝子の発現が容易に判別できるようなプラスミドの造成
を行った。即ち、これまで酵母の胞子形成に関与する多
くの遺伝子が知られているが、その1つであるSPOT
7遺伝子がクローニングされているプラスミド125L
 −184(SPOT7遺伝子を含む約5KbのDNA
断片が、プラスミドYE、13のBamHI切断部位に
挿入されているプラスミド)を、大阪市立大・理学部壷
井基夫博士より入手し、SPOT7遺伝子の発現に伴い
β−ガラクトシダーゼが生成するようなプラスミド、す
なわちSPOT7遺伝子支配下に°1acZ遺伝子(β
−ガラクトシダーゼの構造遺伝子の5′端側か1部欠除
しているが活性あるβ−ガラクトシダーゼ活性を有する
蛋白質を生成する遺伝子をいう)が発現するプラスミド
の造成を行った(第1図A。
B、およびC)。
プラスミド125L−18450μgを、制限酵素5a
lIおよびPstIを用いて完全に分解し、SPOT7
遺伝子を含む7.6KbのDNA断片を寒天電気泳動に
より分離後、電気泳動(electroelute)法
により遊離しエタノ−、ル沈澱により回収した。得られ
た?、 6 KbのDNA断片の標品を2等分し、一方
をXbalを用いて完全に分解し、XbaI粘着末端を
両端に有する4、 I KbよりなるDNA断片、及び
2.IKbよりなるXbal−5ail粘着末端を有す
るDNA断片を得、もう一方をEcoRIを用いて限定
分解することにより5ail−EcoRI粘着末端を有
するDNA断片及びPstl−EcoRI粘着末端を有
するDNA断片を得る。それぞれを4unitのエキソ
ヌクレアーゼBa131を用い30℃で各々1分間、2
分間、又は3分間反応させた後混合しフェノール抽出し
、DNA断片をエノール沈澱により回収した。次に旧n
dI[[を用いて完全に分解し、寒天電気泳動により分
離した後それぞれ約4 Kb、約1.5Kb 、約2.
5Kb及び約3Kbよりなる一方の端に旧ndIII粘
着末端もう一方はBa131分解により生じた非粘着末
端を有するDNA断片を得、それぞれをA、B、C及び
Dグループ断片とした(第1図AおよびB参照)。
次にプラスミドYEP13を旧ndI[[で完全に分解
し、5alIで限定分解して得られる約10KbのDN
A断片と、プラスミドpMc1403を5IIIaI及
び5alIで完全に分解して得られる約6Kbの断片を
前述のA、B、C及びDグループ断片とそれぞれ混合し
、T4DNAリガーゼを用いて結合した。このリガーゼ
反応液を大腸菌JA221に形質転換しアンピシリン耐
性を示す形質転換体を得た。それぞれ約1000個の形
質転換体を混合培養し、それより常法に従いプラスミド
DNAを分離精製した。得られたプラスミド群(YH,
A、YEpB、YEpC及びYEpD)をそれぞれ2倍
体酵母X531 (MATa/MATα、1eu2/1
eu2.his3/his3.ura3/ura3. 
trpl/1rpl)をItoらの方法〔ジャーナル・
オプ・バタテリオロジー(J −Bacteriol、
) 153.163゜1983)により形質転換し、ロ
イシン非要求性形質転換体を得た。生じたロインシン非
要求性コロニーを40 μg/1m 12のX−Ga1
 (5−ブロモ−4−クロロ−3−インドール−β−D
−ガラクトシド)を含む胞子形成培地(1%酢酸カリウ
ム、0.1%酵母エキス、0.05%クルコース、2%
寒天ヲ50mMリン酸カリウム緩衝液でpH7,0に調
整した寒天培地(塩1sPo−X−GAL寒天培地と呼
ぶ)にレプリカし、30℃で10日間培養を続けた。
もし’ 1acZ遺伝子が発現すればそのコロニーは青
色となる。YEpBを供与DNAとした酵母形質転換体
群より青色を示すコロニーが4個得られた(約1%の頻
度)。それぞれ酵母形質転換体よりプラスミドDNAを
分離し、それらを供与DNAとして大腸菌JA221に
形質転換を行いアンピシリン耐性コロニーについてプラ
スミドの解析を行った。
その結果、いずれも約18Kbのプラスミドであること
、さらに制限酵素解析の結果それらのプラスミドは約1
.5KbのSPOT?遺伝子由来の断片と約6KbのI
acZ遺伝子由来の断片がYHP13の旧ndI[I、
5alI部位に挿入されたものであることが明らかとな
った。4個の酵母形質転換体由来のプラスミドをそれぞ
れYEpBl、YEpB2、YEpB3及びYEJ4と
名付けた(第1図C参照)。
次にこの4種のプラスミドを胞子形成能の良い2倍体酵
母R1−6R1−61A(/MAT ex 、 Iys
2/1ys2.1eu2/1eu2. ura3/ur
a3)に形質転換し、得られたロイシン非要求性形質転
換体をSPO−X−GAL寒天培地を用いて解析したと
ころ、いずれのプラスミド(YE、81〜YEpB4)
 (7)場合においてもSPO−X−GAL培地上で2
〜3日培養することにより青色コロニーを形成シた。
また、この青色コロニーの細胞はいずれも胞子形成して
いた。また、40μg/mff X−GALを含む栄養
増殖寒天培地C0,67%Yeast Nitroge
nbase(Difco)。
2%グルコース、2%寒天、36/1g/m1L−リジ
ン、29/m lウラシル〕上では3日培養後も青色を
示さず、胞子形成も認められなかった。
次に上記形質転換体のうち、YEp83形質転換体(R
1−61A (YEpB3) )を選び、栄養増殖液体
培地で培養した対数増殖後期の細胞を水で洗滌後1%の
酢酸カリウム、水、栄養増殖液体培地それぞれに約5 
XIO’細胞/細胞1取l様に懸濁30℃で3日間培養
した。続いて、クロロホルムとSOSで処理した細胞を
用いてβ−ガラクトシダーゼ活性をJ。
H,Millerの方法に準じて行った〔エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ゼネティクス(Exper
i−ment in Mo1ecular Genet
ics)Cold Spring HarborLab
oratoryz Co1d Spring Harb
orr NY)+ pp、352355、1972)。
その結果、1%酢酸カリウムに懸濁した場合にのみ活性
が認められた。その活性は2.4unit/mj!懸渇
液1 unit/nmolの0−ニトロフェノール−β
−D−ガラクトシドを28℃、1分間に分解する量)で
あった、又胞子形成も1%酢酸カリウムを用いた場合の
み認められた。
次に1倍体酵母の場合について検討した。YEpB3を
用い1倍体酵母R3−4D (MAT ct 、 1e
uz+ uras”)を形質転換した。得られたロイシ
ン非要求性形質転換体を前述の5po−に−GALに移
し30℃で培養した。1週間後でもそのコロニーは青色
を示さなかった。
しかしクローン化されたMATaの遺伝子を含むプラス
ミドYCpMATa (第8図)を共存させた形質転換
ではSPO−X−GAL上で3日後青色を示した。又こ
の2種のプラスミドを有する酵母形質転換体よりYCp
MATa (ウラシルの要求性で選択)を脱落させたク
ローンについて検討した結果やはり青色を示さなかった
。この結果はYEpB3の” 1acZの発現にはMA
TaおよびMATα両MAT遺伝子の存在が必要である
ことおよびYEpB3の’ 1acZ遺伝子はSPOT
7遺伝子の支配下で胞子形成時に特異的に発現している
を示している。
W側ヱユ RAS2゛  云 のクローニング(2゛)
サツカロミセス酵母χ2180−IB(MATα5UC
2ma1gaj! 2 CUPL;Yeast gen
etic 5tock centerカリフォルニア大
学バークレー校から入手可能)の染色体DNAをCry
erらの方法〔メソド・イン・セル・バイオロジー(M
ethod in Ce1l Biology)、Vo
l、12゜39−44.1975)に従って分離した。
RAS2遺伝子はEcoRI及び旧ndm分解により生
じる約3KbDNA断片上にあることはすでに報告され
ている(S、Powers等:セル(Ce11)36.
607−612.1984;およびり、DeFeo−J
anes等:ネイチャ−(Nature)306゜70
7−709.1983 ) 、そ、:、 テX2180
−IBより得られた染色体DNAをficoRI及び旧
ndllrで分解したDNA断片を寒天ゲル電気泳動法
により分離し、約3KbのDNA断片を含む寒天ゲルを
切り出し電気溶出法(e lee troe 1 u 
te)により遊離させ、エタノール沈殿によりDNAを
回収した。一方、pBR322をEcoRIとHind
I[[で分解後、4.3KbよりなるDNAを分離精製
した。この両DNA断片を混合しT4DNAリガーゼを
用いて結合し、大腸菌JA221を形質転換した。又S
、Powersらの報告(前述)によるとRAS2遺伝
子を含む3KbDNA断片には1ケ所のEcoRV、P
stI切断部位、2ケ所のHpaI切断部位がある。従
って先に得られた大腸菌形質転換体のプラスミドを解析
し、クローニングした約3KbDNA断片上に1ケ所の
EcoRV、PstI、2ケ所のHpaI切断部位を有
するものを得た。そのうちの1つのプラスミドを、RA
S2とした。この、RAS2をEcoRI とPstI
で分解し、RAS2遺伝子を含む1.9Kb DNA断
片を得た。このDNA断片をM13〜.18RFT(P
harmacia p−t、 Biochemical
sより入手)のPs tlとEco I切断部位にクロ
ーニングし、M2S−p18−RAS2(RI/Pst
l)を得た。M2S、、1B−RAS2(RI/Pst
I)の大腸菌JM103形質転換体よりファージ1本鎖
DNAを分離し、M13シーケンシングブライマー(M
13ペンタデカマー・シーケンシングプライ?−:Ne
w England Biolabs社製)を用いてF
、Sangerの方法〔サイエンス(Science)
 、 214.1205−1210.1981)に従っ
て塩基配列を決定した。PstI切断部位よりEC0I
に向っての塩基配列はS、Powersらの報告(前述
)と一致した。
実施例2で得られたM13+wp18 RAS2(R1
/Pst[)を用いて、T、 Kataokaらの報告
〔セノ喧Ca1l)37゜437−445.1984)
と同様の方法によりRAS2蛋白のN末端より19番目
のアミノ酸残基(グリシン)をバリンに変換させるため
の、該グリシンのコドンの2番目の塩基対をC/Gから
A/Tに化学合成プライマーDANを用いて試験管内変
異を行った(第3図参照)。つまり化学合成したAB1
12−15r*er DNA (5’−^^CACCA
ACACCACC−3’ ”)  とM13mp18−
RAS2(R1/Pstl)ファージDNAを混合し、
アニールさせた後ポリメラーゼKlenow断片及び4
dNTP(dATP。
dCTP、dGTP、TTP)を加えDNA合成した後
、T4 DNAリガーゼを加え反応させた。反応溶液を
用いて大腸菌JM103を形質転換し、生じたプラーク
をニトロセルロースフィルター(S&S社製BA85)
に移した。フィルターを0.IN NaQH,1,5M
 NaC1を含む溶液に30秒間浸し、ペーパタオル上
に置き溶液を除いてから0.2M Tris−HCI 
(pH7,4)、2XSSC(1x sscは0.15
M NaC1、0,015Mクエン酸ナトリウム、 p
H7,0)に30秒間浸した後ペーパタオル上に置いた
。次に2XSSCに30秒間浸した後ペーパータオル上
に置き水分を除いた。次に室温で1時間乾燥させ、続い
て80℃で3時間加熱することによりファージDNAを
固定した。
次に5′末端をr ”−P−ATPとポリヌクレオチド
キナーゼを用いラベルしたAB112をプローグとして
ハイブリダイゼーションを行った。方法はJeffre
ysとFlauellの方法〔セル(CellH2:4
29−439 、1977)に準じて行った。ハイブリ
ダイゼーションは45℃で18時間行ない、反応終了後
、フィルターを0. I X5SC−0,1χSDS溶
液を用い45℃で40分間洗滌を2回行った。フィルタ
ーを乾燥し、ラジオオートグラフした後、ハイブリダイ
ズしたプラークを検討した。ハイブリダイズしたプラー
クよりファージをとり大腸菌JM103に感染させ再び
プラークを形成させた。生じたプラークを前述の方法に
より再びラベルしたAB112をプローブとしてハイブ
リダイゼーションを行ない、ハイブリダイズしたプラー
クを検出した。このプラークよりファージを得、大腸菌
JM103に感染させた後培養した。培養終了後遠心分
離を行ないその上清よりファージDNA 、沈澱した細
胞より二重鎖DNAを分離した。ファージI)NAを用
いて前述の方法によりDNAの塩基配列を検討した結果
目的の塩基配列変化が起っていた(19番目のグリシン
に相当するコドン中でバリンに相当するコドンに変化)
このプラスミツド(M13+ap1B−RAS2”L1
2(R1/Pstl))二重鎖DNAをEcoRI及び
Pstlで分解し得られる1、9 KbのDNA断片及
びpRAS2をPstl及びEcoRIで分解したとき
に得られる0、75Kb、  4.7Kb断片を混合し
、連結処理し、pRAS2V−Ll’lを得た(第5図
)。
続いて、上記と同様な手法を用いてpRAS2L″u6
″の造成を行った(第4図および第6図参照)。即ち、
pRAS2をPstlと旧ndI[Iを用いて分解した
ときに得られるRAS2遺伝子領域を含む約1.IKb
のDNA断片をM13mp18のPstI及び旧ndI
[I切断部位にクローニングし、M13mp18−RA
S2 (Pstl/Hindl[[)を得た。このM1
3mp18−RAS2 (PstI/HindI[[)
と化学合成したAB12715merDN^(5’ −
TTCTTCCAGCCCTGC−3’ ”)を用いて
RAS2蛋白のN末端より68番目のグルタミン残基に
相当するコドンであるCAGからCTG (口イシンに
相当する)の変換を前述と同様の方法で行った(第4図
)。得られたRAS2蛋白のN末端より68番目のアミ
ノ酸残基のコドンがグルタミンのコドンからロイシンの
コドンに変化したM13mp18−RAS2VaL19
を得た。尚、DNA (7)塩基配列をそのRFI型二
重鎖DNA 、及びM13リバーズ・シーケンシングブ
ライマー(New England Biobabs社
製)を用いて前述の方法で確認した。次にこの二重鎖D
NAをPstl及び旧ndnIを用いて切断し得られる
約1.IKb DNA断片とpRAS2をPstI及び
旧ndn[を用いて切断し得られる2、65Kb及び3
.6KbのDNA断片を混合し連結処理し目的とするプ
ラスミドpRAS2L@Il&Iを得た(第6図)。
i  YEPB3−RAS2(YEpBa−RAS2v
0””。
YEPB3−RAS2Leu) 17)  製(第7 
)続いて胞子形成時の特異的発現を検討できるSPOT
7遺伝子支配下に°IacZ遺伝子を発現できる領域(
実施例1参照)、及びRAS2 (3IRAS2Leu
もしくはRAS2Leu)遺伝子を共に含むプラスミド
を以下のようにして作製した(第7図)、プラスミドY
Ep13 (J、Broach等、ジーン(Gene)
 8 、121−133、1979)をBamHTで分
解後、T4ONAポリメラーゼ及びdNTPを用いてB
amHI粘着末端を平滑末端にし、さらにPvu II
で完全分解後連結処理することにより、YE、13のB
amHI切断部位とPvu II切断部位との間の1.
7Kb DNA断片が欠落したYEp13ΔBam旧を
作製した0次に、実施例1で得られたYEpBaをSa
l Iを用いて完全に分解した後T4DNAポリメラー
ゼ及びdNTPを用いて5all粘着末端を平滑末端と
旧ndI[[を用いて分解し、SPOT?遺伝子及び’
 1acZ遺伝子を含む約7.5KbのDNA断片を前
述の方法で分離した。一方、pRAS2 (実施例2参
照)、又はpRAS20目9もしくはpRAS2””@
(実施例3〜6参照)をEcoRIを用いて分解した後
、T4ONAポリメラーゼ及びdNTPを用いてEco
RI粘着末端を平滑末端としさらにBamHIを用いて
分解し、RAS2遺伝子(又はus2VaL19もしく
はRAS2Leu遺伝子)を含む約3.3KbのDNA
断片を前述の方法で得た。
一方、先に作製したYHp13ΔBamHIを旧ndI
[I及びBamHIを用いて完全に分解し、9.OKb
のDNA断片を得た。そして、先に得たDNA断片を含
めこれらの3種のDNA断片を混合し連結処理すること
により目的とするプラスミドYEpB3−RAS2 、
YEpBa−RAS2VaL19、およびYEpBa−
RAS2Leuを得た。
ここで得られた3種のプラスミド及びYEpBaをそれ
ぞれ2倍体酵母R1−61Aに形質転換し得られたロイ
シン非要求性形質転換体をSPO−X−GAL寒天培 
地を用いて解析したところ、YEpB3、YEpBa 
−RAS2(野性型RAS2)による形質転換体は青色
コロニートナーy タカYEpB3− RAS2”” 
’、YEp83−RAS2”uh”は白色コロニーであ
り(第2表参照)、後者の形質転換体でのSPOT7の
発現は阻害されていた。
lfL例5.  YCMATaSYc MATaの 1
(第8皿) MATa又はMAT α遺伝子を含むEcoRI−Hn
id I[[DNA断片がpBR322のEcoRI−
Hind III切断部位にクローニングされたプラス
ミドDX (MATa)および2.5 (MATa)(
コールドスプリングハーバ−研究所、J、Hicksよ
り成人・工学部・醗酵工学科大島教授経由で入手)をそ
れぞれEcoRIで分解後、T4DNAポリメラーゼ及
び4dNTPを用いてEcoRI粘着末端を満たすこと
により平滑末端とした。次にそれぞれにSal Iリン
カ−を加え連続処理することによりSat I切断部位
を挿入したpBR322−MATa−3al Iおよび
pBR322−MAT a−3alを得た− pBR3
22−MATa−Sal IおよびpBR322−MA
Ta−3al IをそれぞれSal IとBa1III
Iで分解し、MATaまたはMATα遺伝子を含むDN
A断片を得た。一方、YC,19(D、T、Sinch
comb、C。
MannおよびR,11,Davis:ジャーナル・オ
プ・モノキエラーバイオロジー(J、Mo1.’Bio
l)158.157−179゜1982)をSal r
とBamHIで分解し、CEN4+ arsl+URA
3を含むDNA断片を得、先に得たMATa又はMAT
α遺伝子を含むDNA断片と混合後連結処理することに
より目的とするプラスミドYCpMATaおよびYCP
MATαを得た(第8図)。
1倍体宿主においてRAS2遺伝子のSPOT?遺伝子
発現に及ぼす影響をみる為にMAT遺伝子とRAS2遺
伝子とを共に有するプラスミドを作製した。ベクターと
して低コピー数プラスミドであるVC,19を用いた。
pRAS2 (又はpRJS2VaL l 9もしくは
pH6S2Lau&@)をEcoRI及びBaa+HI
で分解しRAS2遺伝子を含む約3.3KbのDNA断
片を得た。次に、VC,19を旧ndnIを用いて部分
的に切断し、生じた粘着末端を74DNAポリメラーゼ
及び4dNTPを用いて満たし平滑末端にした後T4D
NAリガーゼで結合し、yc、19のTRPI遺伝子上
にある旧ndlll切断部位の消失したYCp19 (
H)を得た。このVC,19(H)をHindlI[お
よびBal1llを用いて完全に分解し、URA3遺伝
子、ARSI遺伝子及びCEN4遺伝子を含むDNA断
片を得た。一方DX(MATa)をEcoRI及びHi
ndl[[を用いて完全に分解し、MATa遺伝子を含
むDNA断片を得た。これらの3種のDNA断片を混合
し連結することにより目的とするプラスミドYC,MA
Ta −RAS2゜YCpMATa−RAS2Leu 
、およびYCpMATa−RAS2Leuを得た。
ヌJF倒jユSPOT7− ’ 1acZ   におけ
る 八実施例1で得られたYEpBaを用いてa/α型
2倍体酵母R1−61A (MATa/MATα)、 
α接合型1倍体酵母R3−R3−6A(a: 、 Le
u2.ura3)及びα接合型1倍体酵母R3−4R3
−40(、Leu2+ ura3)を形質転換しロイシ
ン非要求性形質転換体を得た。それぞれをプラスミド選
択寒天培地(Yeast Nitrogen base
 Wlo amin。
acid (Difco社製”) 0.67%、グルコ
ース2%、寒天2%、L−リジン36μg/mj! 、
ウラシル29 tt g/ml〕で30℃、3日間増殖
させた後生じたコロニーをSPO−X−GAL寒天培地
に移し、30℃で培養した。
培養3日後、a/α2倍体酵母体酵母R1Aを宿主とし
た場合は、その形質転換体のコロニーは青色を示した。
しかしR3−6AおよびR3−40を宿主とした場合は
、いずれの形質転換体も7日後も呈色しなかった。一方
、R3−6Aを、実施例4で得られたMATα遺伝子を
有するYCpMATαとYli、Baとで同時に形質転
換体した、あるいはR3−4Dを、MATa遺伝子を有
するYCJATaとYI!pB3とで同時に形質転換体
したロイシン及びウラシル非要求性形質転換体クローニ
ン1よ、SPO−X−GAL寒天寒天上地上0℃培養3
日後、青色のコロニーを与えた。しかし、R3−6A 
(YEpB3゜YC,MATα〕をウラシルを含む選択
場培地で培養し、ウラシル要求性となったクローン、即
ちVC,MATαプラスミドが脱落したクローンについ
て検討した結果、SPO−X−GAL寒天寒天上地上呈
色反応はみられなかった。又それらのウラシル要求性ク
ローンはすべてa接合型を示したがウラシル非要求性ク
ローンは無接合型であった。R3−4D  (YEpB
a。
Y Cp M A T a )についても同様な結果が
得られた。これらの結果は、SPOT7−1acZ遺伝
子は、接合型に依存しており、MATaおよびMATα
両遺伝子を有する宿主においてのみ発現されることを示
している。
続いて、RAS2遺伝子の変異によるSPOT7− ’
 1acZの発現への影響を調べるため、SPOT?−
’ IacZが発現されSPO−X−GAL培地上で青
色コロニーを呈するような形質転換株となる宿主(第1
表参照)に、変異RAS2遺伝子を含むプラスミドの導
入を行い、該形質転換株のSPO−X−GAL培地上で
のコロニーの呈色の有無を実施例7で述べた同様な方法
で調べた。その結果を第2表に示す。
実施例4でも述べたように、野生型のRAS2遺伝子を
含むプラスミドYl!、B3−RAS2で形質転換され
たMATa/MAT a型2倍体は、SPO−X−GA
L培地上で青色のコロニーを与えたが、変異RAS2遺
伝子を含むプラスミド、YEpBa−RAS2”” 9
まタハYEpB3−RAS2”“8で形質転換された上
記2倍体のコロニーは白色を呈し、SPOT7− ’ 
1acZの発現が阻止されていた。また、第2表に示す
ように、野生型のRAS2遺伝子を含むプラスミドYC
,MATa−RAS2によって形質転換された1培体形
質転換体は、SPO−X−GAL培地上で青色のコロニ
ーを与えるのに対し、変異RAS2遺伝子をもつプラス
ミドYCpMATa−RAS2”■”またはYCpMA
Ta−RAS2””@によって形質転換された上記と同
じ宿主の1倍体形質転換株は白色コロニーを与えた。ま
た、同様な結果は、YEpB3−RAS2関連のプラス
ミドによって形質転換される1倍体宿主酵母においても
得られた。即ち、野生型のRAS2遺伝子をもつYEp
B3−RAS2プラスミドの代りに、変異RAS2遺伝
子をもツYEpB3−RAS2”’ ”またはYEpB
3−RAS2L″u” テ形質転換された1倍体宿主は
、SPO−X−GAL培地上で前者が青色を呈したのに
対し、後者では白色を呈した。
さらに、YEpB3とYCpMATa両プラスミドによ
って形質転換されSPO−X−GAL培地上で青色を呈
するようになるMATα型宿主R3−40(第1表参照
)の染色体上の野生型RAS2遺伝子の代りに、変異R
AS2遺伝子(RAS2VaL19)が挿入された宿主
〔第2表)R3−40(RAS2V■19)〕に上記と
同じ2種類のプラスミドが導入された形質転換株はSP
O−X−GAL培地上で白色を呈した。
【図面の簡単な説明】
第1図A、B、及びCは、プラスミドYEpB3の作製
方法を示す図であり; 第2図は、RAS2遺伝子の分離方法を示し、第3図は
、M13ファージを用いた試験管内変異法によるRAS
2”LI 9遺伝子の作製方法を示し;第4図は、M1
3ファージを用いた試験管内変異法によるRAS2”u
&”遺伝子の作製方法を示し;第5図は、プラスミドp
RAS2”’ + 9の作製方法を示し: 第6図は、プラスミドpRAS2L11+1&11の作
製方法を示し; 第7図は、プラスミFpB3−RAS2(YE、R3−
RAS2”’ ”YEpB3−RAS2LL■6”)の
作製方法を示し;第8図は、プラスミドYCpMATa
及びYC,MAT ffの作製を示し;そして、 第9図はプラスミド1’CI、MATa −RAS2、
YCpMATa −RAS2VaL19及びYCpMA
Ta−RAS2Leu (7)作製方法を示す。 以下余白 第5図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、酵母の胞子形成に関与する遺伝子の下流に大腸菌β
    −ガラクトシダーゼの構造遺伝子領域が連結されたDN
    A断片が組み込まれた酵母プラスミド。 2、酵母の胞子形成に関与する遺伝子が発現されるとそ
    れに伴って大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子も
    発現されるように、酵母の胞子形成に関与する遺伝子と
    大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子が連結されて
    いることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の酵母
    プラスミド。 3、酵母の胞子形成に関与する遺伝子がSPOT7で表
    わされる特許請求の範囲第1項又は第2項記載の酵母プ
    ラスミド。 4、大腸菌β−ガラクトシダーゼ構造遺伝子領域が‘l
    acZで表わされる特許請求の範囲第1項又は第2項記
    載の酵母プラスミド。 5、酵母がサッカロマイセス(Saccharomyc
    es)属に属する特許請求の範囲第1項〜第3項のいず
    れか1項に記載の酵母プラスミド。 6、YE_pB3で表わされる特許請求の範囲第1項〜
    第5項のいずれか1項に記載の酵母プラスミド。 7、酵母の胞子形成に関与する遺伝子が発現されるとそ
    れに伴って大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子領
    域も発現されるように酵母の胞子形成に関与する遺伝子
    と大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子領域が連結
    されたDNA断片、および動物の発癌遺伝子とホモロジ
    ーを有し且つ突然変異を含む酵母由来の遺伝子が組み込
    まれた酵母プラスミド。 8、動物の発癌遺伝子がヒトras遺伝子である特許請
    求の範囲第7項記載の酵母プラスミド。 9、発癌遺伝子とホモロジーのある酵母由来の遺伝子が
    酵母の由来のRAS2遺伝子である特許請求の範囲第7
    項記載の酵母プラスミド。 10、酵母由来の遺伝子上の突然変異が酵母の胞子形成
    を抑制するような点突然変異(point muta−
    tion)である特許請求の範囲第7項記載の酵母プラ
    スミド。 11、点突然変異が、RAS2^V^a^L^1^9ま
    たはRAS2^L^e^uで表わされる変異である特許
    請求の範囲第10項記載の酵母プラスミド。 12、YEpB3−RAS2^V^a^L^1^9また
    はYEpB3−RAS2^L^e^u^6^8で表され
    る特許請求の範囲第7項〜11項のいずれか1項に記載
    の酵母プラスミド。 13、酵母の胞子形成に関与する遺伝子が発現されると
    それに伴って大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子
    領域も発現されるように酵母の胞子形成に関与する遺伝
    子と大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子領域とが
    連結されたDNA断片、および動物の発癌遺伝子とホモ
    ロジーを有し且つ突然変異を含む酵母由来の遺伝子が組
    み込まれた酵母プラスミドによって形質転換されたMA
    Ta/MATα型2倍体酵母形質転換株。 14、上記新規な酵母プラスミドがYEpB3−RAS
    2^V^a^L^1^9またはYEpB3−RAS2^
    L^e^u^6^8である特許請求の範囲第13項記載
    の形質転換株。 15、動物の発癌遺伝子とホモロジーを有し且つ突然変
    異を含む酵母由来の遺伝子と、MATaまたはMATα
    で表される酵母の接合型支配対立遺伝子とが組み込まれ
    た酵母プラスミド。 16、YCpMATa−RAS2^V^a^L^1^9
    またはYCpMATa−RAS2^L^e^u^6^8
    で表される特許請求の範囲第15項記載の酵母プラスミ
    ド。 17、酵母の胞子形成に関与する遺伝子が発現されると
    それに伴って大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子
    も発現されるように酵母の胞子形成に関与する遺伝子と
    大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子とが連結され
    たDNA断片が組込まれた酵母プラスミドと、動物の発
    癌遺伝子とホモロジーを有し且つ突然変異を含む酵母由
    来の遺伝子とMATaまたはMATαで表される酵母の
    接合型支配対立遺伝子とが組み込まれた酵母プラスミド
    とによって形質転換された1倍体酵母形質転換株。 18、YEpB3で表されるプラスミドと、YCpMA
    Ta−RAS2^V^a^L^1^9またはYCpMA
    Ta−RAS2^L^e^u^6^8で表されるプラス
    ミドとによって形質転換された特許請求の範囲第17項
    記載の酵母形質転換株。 19、酵母の胞子形成に関与する遺伝子が発現されると
    それに伴って大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子
    領域も発現されるように酵母の胞子形成に関与する遺伝
    子と大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子領域とが
    連結されたDNA断片、および動物の発癌遺伝子とホモ
    ロジーを有し且つ突然変異を含む酵母由来の遺伝子が組
    み込まれた酵母プラスミドと、MATaまたはMATα
    で表される酵母の接合型支配対立遺伝子とが組み込まれ
    た酵母プラスミドとによって形質転換された1倍体酵母
    形質転換株。 20、YEpB3−RAS2^V^a^L^1^9又は
    YEpB3−RAS^L^e^u^6^8で表わされる
    プラスミドと、YCpMATaまたはYCpMATαで
    表わされるプラスミドとにより形質転換された特許請求
    の範囲第19項記載の酵母形質転換株。 21、酵母の胞子形成に関する遺伝子が発現されるとそ
    れに伴って大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子領
    域も発現されるように酵母の胞子形成に関与する遺伝子
    と大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子領域とが連
    結されたDNA断片が組み込まれている酵母プラスミド
    、およびMATaまたはMATαで表される酵母の接合
    型支配対立遺伝子が組み込まれたプラスミドによって形
    質転換された、核内染色体上にRAS変異をもつ1倍体
    形質転換株。 22、RAS変異がRAS2^V^a^L^1^9また
    RAS2^L^e^u^6^8で表される変異である特
    許請求の範囲第21項記載の形質転換株。 23、酵母の胞子形成に関与する遺伝子が発現されると
    それに伴って大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子
    領域も発現されるように酵母の胞子形成に関与する遺伝
    子と大腸菌β−ガラクトシダーゼの構造遺伝子領域とが
    連結されたDNA断片が組み込まれている酵母プラスミ
    ドによって形質転換された、核内染色体上にRAS変異
    とsir3変異とをもつ1倍体形質転換株。 24、RAS変異がRAS2^V^a^L^1^9また
    RAS2^L^e^u^6^8で表される変異である特
    許請求の範囲第23項記載の形質転換株。 25、動物の発癌遺伝子とホモロジーを有し且つ、突然
    変異を含む酵母由来の遺伝子を有するために胞子形成に
    関与する遺伝子の発現が抑制され結果的にSPO−X−
    GAL培地上で白色コロニーを形成する酵母形質転換体
    を、被験物質の存在下でSPO−X−GAL培地上で青
    色のコロニーを形成することができるようにある該被験
    物質から選ばれることを特徴とする抗癌作用または制癌
    作用を有する物質のスクリーニング法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015528110A (ja) * 2012-06-26 2015-09-24 バイオデシックス・インコーポレイテッドBiodesix Inc 質量スペクトルを用いて免疫応答発生治療剤で治療する癌患者を選択または除外する方法

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US9653272B2 (en) 2012-06-26 2017-05-16 Biodesix, Inc. Mass-spectral method for selection, and de-selection, of cancer patients for treatment with immune response generating therapies
US10593529B2 (en) 2012-06-26 2020-03-17 Biodesix, Inc. Mass-spectral method for selection, and de-selection, of cancer patients for treatment with immune response generating therapies

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