JPS6121930Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トラクタ等の移動車輌に作業機を連
結する三点リンク式作業機連結装置に関し、作業
機の着脱時、取分け連結時の取扱いを容易にする
ことを目的とする。

トラクタ車体の後方に作業機を連結する形態と
して、三点リンク式のが広く利用されている。し
かし、従来の連結装置は、ロアリンクをトラクタ
車体の両側に枢支軸を介して上下揺動自在に枢着
し、かつ中間部をリフトロツドを介して油圧装置
のリフトアームに連結しただけの構成であるた
め、作業機を連結する際の作業が困難であつた。
つまり、従来のロアリンクは屈折及び伸縮不能で
あるため、その後端の連結部（ボル接手部）が完
全に作業機側の取付ピンと一致しなけば、両者を
連結することができず、従つて、トラクタと作業
機との内、一方側を他方に合わせて移動させる必
要があり、何れを移動させるにしても、両者の完
全な一致を図るのは非常に煩雑であり、作業機の
連結時に大きな問題があつた。

そこで、ロアリンク自在を本体部と可動部とに
２分割し、両者を伸縮・屈折自在に結合して、作
業機連結時の取扱いを容易にする装置等も考えら
れている。しかし、この種のものは可動部が枢軸
廻りに上下に揺動自在であるため、可動部を後方
に突出させた際に、下方に垂れ下がり、従つて、
そのままトラクタ車体を作業機側に後進させた場
合に、可動部が他の障害物、或いは作業機と接触
して折損する等の問題がある。

本考案は、このような従来の問題点を解消する
ものであつて、その特徴とするところは、ロアリ
ンク本体先端の筒状部に、作業機用の連結部を有
す可動リンクを長手方向出退自在に内嵌すると共
に、可動リンクの上縁に、該可動リンクの突出時
に上方側で屈折を許容するように長手方向に切欠
部を設け、筒状部の先端側上部に、切欠部の範囲
内で可動リンクの出退動作を許容しかつ可動リン
クの突出時に切欠部一端に係合する抜止ピンを設
け、筒状部の基部側上面に筒状の保持部と、長手
方向両側で保持部を補強する補強リブとを設け、
この保持部に、可動リンクを退人位置で係脱自在
にロツクするロツク部材を上下摺動自在に設け、
筒状部先端に、その上下を補強する補強部材を設
けた点にある。

以下、図示の実施例について本考案を詳述する
と、第１図において、１はトラクタ車体、２は後
輪、３は運転席である。４はトラクタ車体１の後
部に搭載された油圧装置で、左右一対のリフトア
ーム５を有する。６は作業機としてのロータリ装
置であつて、三点リンク７を介してトラクタ車体
１の後方に装着され、かつ油圧装置４により昇降
自在である。三点リンク７は１本のトツプリンク
８と左右一対のロアリンク９とを備えて成る。各
ロアリンク９はロアリンク本体１０と、該ロアリ
ンク本体１０後端の筒状部１１に長手方向出退自
在に挿入された可動リンク１２とを有し、そのロ
アリンク本体１０はトラクタ車体１に枢支軸１３
により枢支されると共に、リフトロツド１４を介
してリフトアーム５に連結されている。勿論、チ
エツクチエーンもロアリンク本体１０に連結され
ている。筒状部１１は、第２図乃至第４図に示す
ように左右一対の側板１５と、この側板１５間を
つなぐ上下一対の上板１６及び下板１７とを矩形
筒状に結合して成り、その後端部はＵ字状の補強
材１８により上下から夫々補強されている。また
筒状部１１には、上板１６の長手方向略中央より
若干前方に偏位した位置に保持筒１９が突設さ
れ、この保持筒１９に後述するロツク部材２０が
挿入し保持されている。可動リンク１２は前端の
上下角部を欠除して成る傾斜部２１，２２を有す
ると共に、その上縁側の傾斜部２１の後方側にロ
ツク用係合凹部２３と抜止用切欠部２４とが切欠
形成され、また該係合凹部２３と切欠部２４との
間には、上側面と同一高さの突出部２５が設けら
れている。更に可動リンク１２はロータリ装置６
の取付ピン２６に対して着脱自在なボール接手構
造の連結部２７を後端に有する。２８は抜止ピン
であつて、筒状部１１の上部側後端部に側板１５
間に跨つて打込まれており、この抜止ピン２８は
切欠部２４の範囲内で可動リンク１２の出退動作
を許し、かかつその後方突出時に、該可動リンク
１２がロアリンク本体１０に対する直線状態の位
置より上方側でのみ屈折するように、前記切欠部
２４に係合せしせられている。ロツク部材２０は
第５図に示すように左右両側面に偏平面２９を有
し、側板１５間に回動不能でかつ挿抜自在とされ
ると共に、係合凹部２３の起立面２３ａに係脱自
在に面接触する係合面３０を有する。また、ロツ
ク部材２０は保持筒１９に上下摺動自在に内嵌さ
れると共に、その上端に嵌着された蓋体３１に上
下摺動自在に内嵌する軸部３２を有し、その軸部
３２の上端には把持リング３３が設けられてい
る。またロツク部材２０はバネ受３４との間に介
在されたコイルバネ３５により下方に付勢され、
そのバネ受３４は止輪３６により係止されてい
る。なお蓋体３１はプラスチツク等により成形さ
れる。３７は補強リブで、保持筒１９を長手方向
両側から補強するように筒状部１１上に設けられ
ている。

次に作用を説明する。通常、可動リンク１２は
ロアリンク本体１０の筒状部１１内に退入状態に
あり、その係合凹部２３に係合するロツク部材２
０によりロツクされている。この時、ロツク部材
２０はコイルバネ３５により係合状態に保持され
ており、また偏平面２９が各側板１５に、係合面
３０が可動リンク１２の起立面２３ａに面接触、
或いはそれに近い状態で接触している。

三点リンク７を介してロータリ装置６を連結す
る際には、トラクタ車体１をロータリ装置６側に
後進させた後、油圧装置４を下降方向に作動さ
せ、ロアリンク９を取付ピン２６より下方に下げ
る。次に把持リング３３を持つてロツク部材２０
をコイルバネ３５に抗しながら上方に引上げ、可
動リンク１２のロツクを解除した後、この可動リ
ンク１２を切欠部２４の範囲内で後方に引出して
突出させる。すると可動リンク１２は前端下部に
傾斜面２２があり、かつ切欠部２４が上縁側にあ
るので、筒状部１２に連結されたままの状態で第
２図仮想線Ａのように上方側へ屈折させることが
でき、従つて、その連結部２７を容易に取付ピン
２６に対応させて連結できる。この場合、ロアリ
ンク９を取付ピン２６より下方に下げすぎても、
油圧装置４が単動型であつて、ロアリンク９を容
易に持上げることができるので、取扱い上、別段
支障はない。このようにして左右の連結が完了す
れば、次にトラクタ車体１を後進させると、可動
リンク１２がロアリンク本体１０に対して直線状
になりながら筒状部１１内に退入し、ロツク部材
２０が係合凹部２３に係合して可動リンク１２を
ロツクする。この可動リンク１２の退入動作時
に、可動リンク１２の後端側に下げ方向の力が加
わつても、突出部２５が筒状部１１の上板１６に
接当するので、可動リンク１２は第２図仮想線Ｂ
のようになる程度であつて、その前端上縁部が保
持筒１９内のロツク部材２０を必要以上に押上げ
ることはなく、従つて、可動リンク１２は筒状部
１１内に円滑に退入し、かつロツク部材２０によ
り自動的にロツクされるのである。

第６図は他の実施例を示し、これでは側板１５
上端の山形部１５ａと、上板１６に一体の起立部
１６ａとの間で角孔状の保持部３８が形成され、
その保持部３８の角形の鍔部３９を持つたロツク
部材２０が摺動自在に挿入されている。また一
方、側板１５側には、支軸４０を介して操作レバ
ー４１が枢支され、この操作レバー４１とロツク
部材２０の軸部３２の上端部とがピン４２及び長
孔を介して連結されている。なお蓋体４３はボル
ト等により固定されるいる。また可動リンク１２
は上下略対称に係合凹部２３、突出部２５、切欠
部２４を有し、一方側の摩損時に、可動リンク１
２を反転して使用可能である。なお、山形部１５
ａが保持部３８の補強リブとしての役目を果すよ
うになつている。

この場合、ロツク部材２０を操作レバー４１で
解除操作すれば良く、その他は前述と同様であ
る。

なおトラクタ車体１の前方に作業機を装着する
前装式の三点リンクにおいても同様に実施でき
る。

本考案では、ロアリンク本体の筒状部に可動リ
ンクを長手方向出退自在に内嵌し、該可動リンク
を退入位置でロツク部材により係脱自在にロツク
すると共に、突出時に上方に屈折自在しているの
で、可動リンクの連結部を作業機に連結する際に
は、可動リンク側を出退、屈折操作することによ
り容易に連結できる。また可動リンクは上方側で
屈折自在としているので、突出状態での垂れ下が
りによる問題もなく、しかも油圧装置が一般に単
動型であつて、ロアリンクは容易に持上げること
ができるので、可動リンクの屈折が上方側のみで
あつても、取扱い上、何等支障はない。また切欠
部が可動リンクの上縁側にあるので、可動リンク
の屈折角を大にできる。またロツク部材は、筒状
部の上面側に設けた筒状の保持部に上下摺動自在
に設けると共に、保持部をリンク長手方向両側の
補強リブで補強するようにしているので、可動リ
ンクを介してロツク部材に作業機側から突出方向
の衝撃力が断続的に作用しても、それによつて筒
状部が変形してロツク状態が損なわれることがな
く、耐久性に優れ確実なロツクが行なえる。更
に、筒状部の先端に、これを上下から補強するよ
うに補強部材を設けているため、作業機の連結に
際しての可動リンクの屈折動作、或いは可動リン
クの退入状態での作業機の昇降動作によつて、筒
状部の先端側が上下に変形するようなことがな
く、従つて、取扱いに際して特別な注意を払う必
要がない等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す側面図、第２
図は同要部の断面図、第３図は第２図のＸ−Ｘ矢
視図、第４図は第２図のＹ−Ｙ矢視図、第５図は
第２図の部分拡大図、第６図は他の実施例を示す
断面図である。 １…トラクタ車体、４…油圧装置、６…ロータ
リ装置、７…三点リンク、９…ロアリンク、１０
…ロアリンク本体、１１…筒状部、１２…可動リ
ンク、２０…ロツク部材、２４…切欠部、２７…
連結部、２８…抜止ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロアリンク本体１０先端の筒状部１１に、作業
   機用の連結部２７を有する可動リンク１２を長手
   方向出退自在に内嵌すると共に、可動リンク１２
   の上縁に、該可動リンク１２の突出時に上方側で
   の屈折を許容するように長手方向に切欠部２４を
   設け、筒状部１１の先端側上部に、切欠部２４の
   範囲内で可動リンク１２の出退動作を許容しかつ
   可動リンク１２の突出時に切欠部２４の一端を係
   合する抜止ピン２８円設け、筒状部１１の基部側
   上面に筒状の保持部１９，３８と、長手方向両側
   で保持部１９，３８を補強する補強リブ３７，１
   ５ａを設け、この保持部１９，３８に、可動リン
   ク１２を退入位置で係脱自在にロツクするロツク
   部材２０を上下摺動自在に設け、筒状部１１先端
   に、その上下を補強する補強部材１８を設けたこ
   とを特徴とする三点リンク式作業機連結装置。