JPS6121639Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は複数のタービンを有する多段型トル
クコンバータの改良に関する。

従来の多段型トルクコンバータは、変速機の速
度段を少なくする目的で、高ストールトルク比が
得られるよう設計されている。このため第１図に
示すように低速比域（0.3〜0.5）で最高効率η
maxが得られる反面、速度比ｅの1.0まで性能が
達しないアンダドライブとなる欠点があつた。

この考案はかかる欠点を除去する目的でなされ
たもので、入出力軸の間にアンダドライブ付近で
オンする直結クラツチを設けると共に、上記直結
クラツチのオンと同時コンバータ本体内の作動油
をドレンするようにしたトルクコンバータを提供
して、アンダドライブの改良と伝達効率の向上を
図ろうとするものである。

以下この考案を第２図以下に示す一実施例につ
いて詳述する。図において１は多段型トルクコン
バータの本体で、内部に入力軸２により回転され
るポンプ３と、出力軸４とともに回転される複数
のタービン５及び６とステータ７が夫々設けられ
ており、入出力軸２，４の間には直結クラツチ８
が設けられている。９は作動油ポンプで、上記本
体１内に減圧弁１０及び切換え弁１１を介して作
動油を供給していると共に吐出圧の一部はアンダ
ドライブ点付近で発せられる電気信号により動作
される電磁弁１２及び絞り１３を介して直結クラ
ツチ８へ供給されている。また上記電磁弁１２の
下流の圧力は上記本体１に設けられた排油弁１４
及び上記切換え弁１１にパイロツト圧として導入
されていて、直結クラツチ８のオンとともに、上
記排油弁１４は本体１内の作動油をタンク１５へ
ドレンし、切換え弁１１は作動油ポンプ９の吐出
圧を潤滑系１６へ供給するようになつている。な
お１７は作動油ポンプ９の吐出圧を本体１へ流入
させているときでも、一部が潤滑系１６へ流れる
ようにするための絞りである。

この考案は以上詳述したようになるから入出力
軸２，４間に設けた直結クラツチ８がオフの状態
では第３図に示すようになり低速度比域で最高効
率ηmaxが得られるようになる。また効率がアン
ダドライブ付近になると、直結クラツチ８がオン
されて入出力軸２，４が直結され効率は100％と
なる。これによつて第３図斜線で示すように速度
比1.0まで性能が達してアンダドライブが改善さ
れると同時に、排油弁１４が開放して本体１内の
作動油を排出するため、本体１内の作動油を循環
させるとにより生じる動力損失もなくなることか
ら伝達効効率の向上も図れるようになる。

またトルクコンバータ本体１へ油圧を供給する
切換え弁１１と、トルクコンバータ本体１内の作
動油をドレンする切換え弁１４をそれぞれ別個に
設けたことから、大流量の油を流すことができ、
これによつてトルクコンバータ本体１内への潤油
や排油が短時間で行なええるようになるため、応
答性がよいと共に、直結クラツチ８が接続さされ
る前に絞り１３の上流圧により上記切換え弁１
１，１４が順次切換えられるため、トルクコンバ
ータモードから直結クラツチモードへの移行がシ
ヨツクなく円滑に行なえるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の多段型トルクコンバータの性能
曲線図、第２図はこの考案の一実施例を示す回路
図、第３図は同性能曲線図である。 １はトルクコンバータ本体、２は入力軸、４は
出力軸、５及び６はタービン、８は直結クラツ
チ、１４は排油弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のタービン５，６と固定されたステータ７
   を有する多段型のトルクコンバータにおいて、ト
   ルクコンバータ本体１の入力軸２と出力軸４の間
   に直結クラツチ８を設け、この直結クラツチ８と
   油圧ポンプ９の間に、上記トルクコンバータ本体
   １がアンダドライブ付近になつたのを検出する検
   出手段からの電気信号により動作して、油圧ポン
   プ９の吐出圧を絞り１３を介して上記直結クラツ
   チ８へ供給しこれを接続する電磁弁１２を設ける
   と共に、上記絞り１３の上流圧をパイロツト圧と
   して油圧ポンプ９とトルクコンバータ本体１の間
   に設けた切換え弁１１及びトルクコンバータ本体
   １とタンク１５の間に設けた切換え弁１１へそれ
   ぞれ供給して、前者の切換え弁１１をオフに、そ
   して後者の切換え弁１４をオンとなるよう制御し
   てなるトルクコンバータ。