JPS6121186B2 - - Google Patents

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JPS6121186B2
JPS6121186B2 JP54092847A JP9284779A JPS6121186B2 JP S6121186 B2 JPS6121186 B2 JP S6121186B2 JP 54092847 A JP54092847 A JP 54092847A JP 9284779 A JP9284779 A JP 9284779A JP S6121186 B2 JPS6121186 B2 JP S6121186B2
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JP
Japan
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diamond
sintered body
powder
group
cemented carbide
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Akio Hara
Shuji Yatsu
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Priority to FR7921331A priority patent/FR2434130A1/fr
Priority to SE7907095A priority patent/SE442962B/sv
Priority to DE19792934567 priority patent/DE2934567A1/de
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は工業用の天然ダイヤモンドを置換しう
るダイヤモンド焼結体、特に線引ダイス用部片と
して好適であり、その他の耐摩用部材や切断用と
しても用い得る安価な薄板状のダイヤモンド焼結
体の製造法を提供するものである。 近年、ダイヤモンド焼結体が市販されるように
なり、非鉄金属の切削用途と線引ダイス用に実用
に供されている。線引ダイス用のものは50〜60μ
のダイヤモンド粒子からなるダイヤモンド焼結体
がその外周を同心円的に超硬合金で取囲まれた形
をしている。 第1図a,bはそのような市販の線引ダイス用
ダイヤモンド焼結体の構造を示したものでaは斜
視図、bはその断面図であり、Sの部分がダイヤ
モンド焼結体であつて、その周囲のWC−Co超硬
合金のリングAと一体になつていることを示して
いる。 この構造は本市販品の技術に相当すると考えら
れる特開昭50−26746号によれば、外周の超硬合
金によつて内部のダイヤモンド焼結体に強い圧縮
応力が作用し、これにより線引ダイスとしての性
能が向上するためとされている。このようなダイ
ヤモンドを焼結するに際してダイヤモンドは高温
で黒鉛に逆変態するので、ダイヤモンドを合成す
るのと同じ高価な超高圧、高温装置を必要とす
る。前述の特許公開公報によれば、外周の超硬合
金もこの高価な超高圧、高温装置内にダイヤモン
ドを焼結する際に置かれる。この事もあり現在市
販されている線引ダイス用ダイヤモンド焼結体は
大変高価である。 一方、天然のダイヤモンド単結晶を用いたダイ
ヤモンド・ダイスが古くから使われている。この
天然ダイヤモンド単結晶の価格(Y)は、その大
きさ(X)によつてY=(AX+B)、(ここに
A、Bは定数)という関係で大体表わされるよう
で、大きさ(X)が大きくなると、著しく高くな
る。 近年、天然ダイヤモンドは産出量が増加せず、
その供給量が需要に追いつかず価格は急上昇して
いる。前述した市販のダイヤモンド焼結体は、こ
の天然のダイヤモンド単結晶を代替するものとし
て期待されているが、価格的にも高価であり、ま
たダイスとして使用した場合、性能面でも優れた
特徴を有するものの、まだ従来の天然ダイヤモン
ドダイスを全面的に置換しうるものではない。 市販の線引ダイス用ダイヤモンド焼結体は粒度
が50〜60μの粗粒のダイヤモンド粒子を金属コバ
ルトを主体とした結合材を用いて焼結したもので
ある。 本発明者等はこの粗粒の焼結体について実際に
線引してダイスとしての性能を調べた。 従来、超硬合金製の線引ダイスを用いていた分
野で使用してみて耐摩耗性が著しく改良される例
がいくつか得られたが、また問題点も明らかにな
つた。これは例えば線引加工された線の表面に傷
が残るといつた問題である。第2図、第3図には
写真でその一例を示した。第2図は天然ダイヤモ
ンドの単石で製作したダイスを用いて線引きした
直径0.5mmの銅線の表面状態を示すもので、第3
図は前述の市販ダイヤモンド焼結体を用いて製作
したダイスで、同一条件で線引きした場合の表面
状態である。 両者を比較して明らかなように、市販のダイヤ
モンド焼結体のダイスでは線の表面傷が非常に多
い。この原因を調べるために使用後のダイス内面
を観察したところ、第4図の写真に示すように焼
結されたダイヤモンド粒子の一部が破壊して欠け
落ちており、このような欠陥部に線引きされる金
属が喰い込んで傷の原因となるものと推定され
た。 市販の焼結ダイヤモンドの他の欠点として、線
引き時における被加工線材との間の摩擦係数が天
然ダイヤモンド単結晶ダイスに比して大きいこと
が挙げられる。線引き時の摩擦係数が大である
と、断線しやすく、また線径の制御が難かしい等
の問題が生じる。この焼結ダイヤモンドダイスの
摩擦係数が大きい理由は、その結合材が金属Co
を主体としたものから成つており、この部分が被
加工線材と凝着しやすく、またダイヤモンド結晶
粒子と結合材の耐摩耗性の差が大きく、伸線時に
結合材部が先に摩耗して凹部を形成し、ここに被
加工線材が喰い込むことなどが考えられる。 本発明者らは以上述べたような市販のダイヤモ
ンド焼結体の欠点を克服し、天然ダイヤモンド単
結晶を全面的に置換しうる性能を有し、且つ工業
的に安価に製造可能なダイヤモンド焼結体を開発
すべく種々検討した結果、本発明に到達したもの
である。 即ち、本発明によるダイヤモンド焼結体の材質
面での特徴は、ダイヤモンド結晶粒子が1μ以
下、好ましくは0.5μ以下と極めて微細であるこ
と、更にダイヤモンド結晶の結合材の主成分が金
属相でなく、これも1μ以下の周期律表第a
族、第a族、或いは第a族金属の炭化物、窒
化物、硼化物からなつており、焼結助剤として少
量の鉄族金属を含むものからなることであり、こ
のような極めて微細なダイヤモンド結晶の焼結体
とすることによつて前述した市販ダイヤモンド焼
結体のダイスで問題となつた被加工線材の表面傷
は著しく軽減されるのである。またダイヤモンド
結晶の結合材として金属単体ではなく周期律表第
a族、第a族或いは第a族金属の炭化物、
窒化物、硼化物といつた高硬度で耐摩耗性、耐溶
着性に優れた化合物を主成分としている。この化
合物は例えばWC、TiC、TaCというた耐化物で
あり、これらは超硬合金の主要な耐摩耗成分とし
て用いられているもので、このような超硬合金は
現在、切削工具や線引きダイス等に用いられてい
るものである。 本発明の焼結体はダイヤモンド結晶粒子の結合
材部がこのように主として耐摩耗性、耐溶着性に
優れた化合物を使用しており、鉄族金属の含有量
が少ないため、これを線引きダイスに使用した場
合、従来の市販ダイヤモンド焼結体よりも被加工
線材との間の凝着が少なく、摩擦係数も小さい。 本発明の他の大きな特徴は、その形状にある。
本発明のダイヤモンド焼結体は天然ダイヤモンド
単結晶を置換を目的としたものであり、特にこれ
を線引きダイス用として用いる場合は、現在使用
されているダイス用ダイヤモンドの所定形状に近
いものを焼結体で作成することができる。 ダイスとして使用される天然ダイヤモンド原石
の寸法は、ダイヤモンド工業協会規格(IDAS)
によれば、第5図に示したようなものである。即
ち必要とされる有効辺長Lは有効厚みTより大き
く、T≧1.2D+0.6(mm)、L≧1.5D+1.4(mm)
であり、焼結体としてはこのような要求を満たす
板状のものを製作すればよい。 現在天然ダイヤモンド単結晶で製作されている
線引きダイスは穴径で3mm程度までであり、この
場合必要とされる焼結体の寸法は、厚さ約4mm、
辺長約6mm程度である。実際に天然ダイヤモンド
ダイスが多く使用されている分野は更に穴径の小
さい分野である。 本発明者らは、このような板状の薄いダイヤモ
ンド焼結体を工学的に製造する方法を検討した結
果、剛性を富む超硬合金の板の間にダイヤモンド
の微粉末を含む焼結体原料粉末をはさみ込んで加
圧・加熱するならば薄いダイヤモンド焼結体が容
易に作成しうることを見出した。 この時の超硬合金はWC、(MoW)C、TiC、
TaCなどを主成分とし、これを金属で結合したも
ので、WC、(MoW)Cがその変形抵抗の高さか
ら特に好ましい。 このダイヤモンド微粉末を含む原料粉末層3を
超硬合金薄板1,2にはさんだサンドウイツチ構
造のもの(第6,7図)を第8図に示すように超
高圧・高温装置に装入する。圧力は上下一対のピ
ストン4,5で与えられる。 従つてサンドウイツチ構造の試料はピストンに
直角に装入することが好ましい。第8図から明ら
かな如くサンドウイツチ構造のものは複数個同時
に装入しても何ら差支えない。加熱はピストン
4,5を通して黒鉛ヒータ10に大電流を流して
なされるので上下方向に温度分布を生ずる。この
許容範囲内で複数個装入される。図中6,7はシ
リンダー、8,9は圧力媒体、11,12は仕切
材である。 なお本発明で用いるダイヤモンド焼結体の原料
粉末としては、ダイヤモンドの微粉末と結合材の
主成分である周期律表第a族、第a族、第
a族金属の炭化物、窒化物、硼化物の微細粉末と
の混合粉末を用いるか、または更にこれに焼結助
剤としての鉄族金属の微細粉末を加たものを用い
ることができる。 而して前者の場合においては、第6図に示すよ
うな配置をとり、超高圧装置中で加圧後加熱する
と上、下の超硬合金薄板1および2に共晶組成の
液相を生じ、これがダイヤモンドを含む原料混合
粉末層3中に少量浸入して焼結助剤となるのであ
る。 後者の場合は予め焼結助剤として鉄族金属粉末
の原料粉末中に所定量加えたものであり、この場
合は上、下の超硬合金薄板1,2からの液相の浸
入は必要としない。ダイヤモンド焼結体中の結合
材の組成を一定にするためにはこの後者の方法を
とり、第7図に示す如くダイヤモンドを含む混合
粉末3と上、下の超硬合金薄板1,2の間に焼結
時に生ずる液相の移動を遮蔽する仕切材11,1
2が設けるのが好ましい。この仕切材としては本
発明の焼結体の高圧、高温における焼結時に溶融
することのない材料、例えばTi、Zr、Hf、Ta、
Nb、Cr、Mo、W、Pt等の高融点金属あるいは
TiN、ZrN、HfN、BN、Al2O3等の高融点化合物
が使用できる。しかしてこの仕切材はその目的か
ら厚くする必要はなく、一般に0.5mm以下で十分
である。仕切材には前記した金属の箔を使用する
か、またはメツキ等の手段で超硬合金薄板に付着
してやればよく、また化合物を用いる場合には微
粉末状で超硬合金薄板に塗布しておくか、または
化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition、CVD
と略称される。)等の公知技術により付着せしめ
ればよい。 本発明のダイヤモンド焼結体は、焼結体中のダ
イヤモンド結晶粒子が1μ以下(好ましくは0.5
μ以下)の超微粒からなることであるが、本発明
者らの実験によると、このような微粉粒ダイヤモ
ンド焼結体は単に原料粉末として1μ以下のダイ
ヤモンド粉体と結合材としての鉄族金属粉末を混
合するか、またはこのダイヤモンド粉末に焼結時
に周囲の超硬合金から鉄族金属を含む液相を浸入
せしめて焼結する方法によつては製造できない。
この場合Co、Fe、Ni等の鉄族金属はダイヤモン
ドの溶媒として作用し、ダイヤモンドが安定な高
温、高圧下でこの溶媒中へダイヤモンドの溶解、
析出現象が生じる。また原料ダイヤモンド粉末と
して3μ未満特に1μ以下の微細粉末を使用した
場合は、ダイヤモンド結晶の異常粒成長が生じ、
均一な微細結晶のみからなる焼結体は得られな
い。 本発明者らは目的とする1μ以下の微細結晶焼
結体を製造する方法を種々検討した結果、原料ダ
イヤモンド粉末に周期律表第a族(Ti、Zr、
Hf)、第a族(V、Nb、Ta)、第a族(Cr、
Mo、W)の炭化物、窒化物、硼化物の微細な粉
末を混入すると、鉄族金属融液と共存した状態で
もダイヤモンドの粒成長が抑制されることを見出
した。 その理由としては、微細なダイヤモンド結晶粒
子の間にこれ等の化合物粒子が存在することによ
つてこれが結晶成長に対しては不純物として作用
することで成長が抑制されるか、またはこれ等の
化合物が高温下で一部鉄族金属融液に溶解し、ダ
イヤモンド結晶表面に炭化物として析出すること
で粒成長が抑制されることが考えられる。 このような作用を有するものとしては、微細な
ダイヤモンド結晶粒子間に介在していることが必
要であり、これ等化合物粉末も予めダイヤモンド
結晶と同等かそれ以下の粒度まで粉砕されてお
り、ダイヤモンド結晶粉末と均一に混合されてい
ることが必要である。 実験の結果によると、化合物としては周期律表
第a族、第a族、第a族金属の炭化物が最
も粒成長抑制効果が顕著であつた。また焼結体の
工具としての性能からみると、これ等の化合物は
鉄族金属と共にダイヤモンド結晶の結合材として
焼結体中に残るものであり、このもの自身の強
度・耐摩耗性が優れていることが必要である。こ
の面からても炭化物を用いた方が高強度で耐摩耗
性に優れた焼結体が得られる。 本発明の焼結体に使用するダイヤモンド原料粉
末としては1μ以下好ましくは0.5μ以下のミク
ロンパウダーであれば合成ダイヤモンド、天然ダ
イヤモンドの何れでも良い。このダイヤモンド粉
末と前記化合物粉末の1種又は2種以上および
Fe、Co、Niの鉄族金属粉末を均一にボールミル
等の手段を用いて混合する。この鉄族金属は予め
混合せずに焼結時に溶浸せしめてもよい。 また本発明者らの先願である特願昭52−51381
号の如くボールミル時のポツトとボールを混入す
る炭化物等の化合物と鉄族金属の焼結体で作成し
ておき、ダイヤモンド粉末をボールミル粉砕する
と同時にポツトとボールから炭化物等の化合物と
鉄族金属の焼結体の微細粉末を混入せしめる方法
もある。 このようにして作成した混合粉末を鉄族金属を
予め混入していない場合は、第6図の如く超硬合
金薄板に直接はさみ、また必要量の鉄族金属を予
め混合粉末中に含む場合は第7図の如く前述した
仕切材を介して超硬合金薄板にはさみ、このサン
ドウイツチ構造のものを第8図の如く一層でまた
は多段に積層して超高圧、高温装置に装入する。
加圧後、加熱して第6図の構成の場合は、上下の
超硬合金薄板1,2に共晶組成の液相を生じ、こ
れがダイヤモンドと炭化物等の混合粉末3中に浸
入する。第7図の構成の場合はダイヤモンドを含
む混合粉末中に使用した鉄族金属と炭化物等の化
合物間に生じる共晶液相の出現温度以上で焼結す
る。例えば化合物としてTiCを用い、鉄族金属と
してCoを用いた場合は常圧下では約1260℃で液
相が生じる。高圧下ではこの共晶温度は数十℃程
度上昇するものと考えられている。従つてこの場
合は1300℃以上の温度で焼結される。 これら全ての場合、焼結を行なう圧力、温度条
件は、第10図に示すダイヤモンドの安定領域内
で行なう必要がある。さもないと焼結時にダイヤ
モンドが黒鉛へ逆変態してしまう。かくして降
温、降圧後取り出すと強固に一体となつたサンド
ウイツチ構造が得られる。この上下面を例えばダ
イヤモンド砥石を用いて研削する。多少凹となつ
たところの超硬合金や仕切材を完全にとる必要は
ない。というのはダイス作成時に焼結体上下面の
平行度の高いことはダイスの製造を大変容易とす
るからであり、逆に多少の超硬合金の残りは殆ん
ど害がないためである。上下平行となつた大部分
がダイヤモンドの焼結体となつたものをダイヤモ
ンド切断砥石またはレーザーなどを用いて切断す
る。第9図はかくして得られた本発明のダイヤモ
ンド焼結体を示す斜視図である。 本発明のダイヤモンド焼結体の主用途は前述の
如く天然の単結晶の代替である。単結晶はへき開
破壊しやすく、強度が弱いが、この点本発明品は
微結晶の焼結体であるので強度的には有利であ
り、元々強度の弱い単結晶の代替であるので特開
昭50−26746号にのべられているような補強効果
も必要としない。強度が必要な時には焼結体の
縦、横寸法を大きくとるとか焼結体の形状を三角
形状とし強度を増加させることができる。 本発明のダイヤモンド焼結体の組成はダイヤモ
ンド含有量が容量で95〜50%の範囲である。95%
以上のダイヤモンド含有量では介在する化合物の
量が充分でなく、焼結中にダイヤモンドの粒成長
を抑制する効果がうすれる。またダイヤモンド含
有量が焼結体の50容量%未満では耐摩耗性が不足
して目的とする天然ダイヤモンドに匹敵する性能
は得られない。焼結体中のダイヤモンドの結合材
となる炭化物等の化合物と鉄族金属の割合は一義
的には定められないが、少なくとも焼結時に化合
物が固体として存在するだけの量は必要であり、
例えばWCを化合物として用い、Coを結合金属と
した場合はWCとCoの量的割合は前者を重量で約
50%以上含む必要がある。 本発明のダイヤモンド焼結体を線引きダイスと
して使用する場合は、ダイヤモンド含有量の多い
方が耐摩耗性が良く、容量で95〜70%のものであ
れば天然ダイヤモンドダイスよりも長寿命の線引
きダイスが得られる。 またこの場合はダイヤモンドの結合材の主成分
としてMoを含む炭化物好ましくはWCと同一結
晶構造を有する(Mo、W)Cを用いると性能が
更に大きく向上する。Moを含む炭化物を結合材
に使用した場合、線引きダイスとしての性能が改
善される理由は、これがWC等の他の化合物に比
較して被加工物と凝着し難い特性を有しているた
めと思われる。その理由は摩擦面に生じる酸化物
の特性によるものと考えられる。 即ち、Mo炭化物を酸化するとMoO3が生成する
が、この酸化物は層状構造を有し、酸化物中では
最も低い摩擦係数を有する部類にはいる自己潤滑
剤である。 以上本発明の焼結体の製造法について最も顕著
な効果を発揮する細物の線引きダイス用部片を例
にとつて説明したが、それより大きな線引きダイ
ス用や皮剥ダイス用等の耐摩用部片としても、さ
らにガラス切や建材切断プレード等の切断用部片
としても有効である。 次に実施例によつて本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例 1 第6図に示すようにWC−10%Co組成の径20
mm、厚み1.5mmの薄板1,2の2枚を用意し、粒
度1μ以下(平均粒度0.3μ)のラツピング加工
用の人工ダイヤモンド粉末90容量%と粒度1μ以
下のWC粉末10容量%の割合で混合した混合粉末
を薄板1,2の間に厚み1.7mmの粉末層3となる
ようにはさんでサンドウイツチ状とした。 次にこれを第8図に示すガードル装置と呼ばれ
る超高圧、高温装置内にピストン4,5と直角と
なるように装填した。そして圧力55Kb、1400℃
に10分間保持した。得られた焼結体は肉眼的なそ
りは認められなかつた。これをダイヤモンド層が
現われるまでその上下面をダイヤモンド砥石を用
いて平面研削し、1.2mm厚のダイヤモンド焼結体
を得た。その一部をラツプ仕上げし、光学顕微鏡
で観察したところダイヤモンド焼結体は全く緻密
であり、その結晶粒度は約0.3μであつた。これ
をYAGレーザーを用いて2.5mm角に切断し、第9
図に示すような0.5mm径の線が引ける線引きダイ
スを作成した。このダイスでSUS304を伸線した
ところ従来使用の単結晶ダイスの2倍の寿命を示
し、価格の比較においても線引業者に有利となる
結果を示した。 実施例 2 (Mo9、W1)C−10重量%Co−10重量%Ni合
金製の直径20mm、厚み2mmの2枚の薄板1,2の
間に実施例1で用たと同じダイヤモンド粉末と
(Mo9、W1)Cの1μ以下に粉砕された微粉末を
90%−10%の割合いに混合した混合粉末を厚さ
1.5mmとなるようにはさみ、実施例1と同様の超
高圧装置を用いて圧力52Kb、1250℃で10分間保
持した。焼結体は(Mo、W)C基合金にダイヤ
モンド焼結体部がサンドウイツチされたものであ
る。この(Mo、W)C基合金の片側を完全に除
去し、他方を厚み0.2mmとなるまで研削除去して
ダイヤモンド焼結体部の厚みが1.0mmで一方に
(Mo、W)C基合金の0.2mmの層が付着した板状
としたのちこれを2.5mm角にレーザーにより切断
し、その1個を使用して実施例1と同様のダイス
を作成し、同じステンレス線の線引きテストを行
つた。その結果は実施例1で得たダイスよりも性
能がすぐれており、天然ダイヤモンド単結晶を用
いたダイスの約3.5倍の伸線が可能であつた。 実施例 3 (Mo7、W3)C−10重量%Co−5重量%Ni合
金で内張りされたボールミルポツトと同一合金製
のボールを用い、アルコールを溶剤として1μ以
下の粒度のダイヤモンド粉末を24時間湿式ボール
ミル粉砕した。粉砕後アルコールを蒸発させて粉
砕粉末を回収した。これを分析したところダイヤ
モンドに粉砕時にポツトとボールより(Mo、
W)C、Co、Niが粉砕粉全体の15容量%混入し
ていた。 別に(Mo7、W3)C−5重量%Co−5重量%
Ni合金で直径20mm、厚さ2mmの円板を2枚準備
し、その円板の内側に厚さ0.1mm、直径20mmのTa
箔を置き、円板とTa箔の間に上記ダイヤモンド
の粉砕粉末を厚さ1.5mmにはさみこんだ。そして
実施例1と同様の装置を用いて圧力52Kb、1300
℃で10分間保持して焼結した。焼結体はダイヤモ
ンド焼結体部が厚さ約1mmで上、下にTaの0.1mm
の仕切材と(Mo7、W3)C−5%Co−5%Ni合
金の薄板が接合したものとして得られた。 次にこの上、下の(Mo7、W3)C合金部をほ
ぼ全部研削除去したのち、上、下にTaの約0.1mm
の層を有する円板状のダイヤモンド焼結体をレー
ザー切断して、2mm角で厚み1.2mmの焼結体を得
た。この焼結体の1個をステンレス製のリングに
銀ロウ材に鉄粉を混ぜたマウント材粉末を用いて
約750℃でホツトプレスして固定し、天然ダイヤ
モンドダイスの場合と同様の加工法により、穴径
0.18φのダイスを作成した。比較として同一穴径
のダイスを市販の粒度50〜60μのダイヤモンド結
晶をCoで結晶したダイス用のダイヤモンド焼結
体および天然ダイヤモンド単結晶を用いて作成し
た。この3種のダイスでCu線を300m/minの速度
で伸線し、伸線の摩擦係数を測定したところ、本
発明の焼結体では天然ダイヤモンド単結晶ダイス
とほぼ同じであり、市販のダイヤモンド焼結体で
はその約1.5倍の値を示した。 実施例 4 実施例1と様のWC−10%合金製の薄板を準備
し、別に粒度1μ以下の天然ダイヤモンド微粉末
と他の化合物および金属Coとを第1表の如く配
合した。
【表】 WC−10Co円板2枚の内側に仕切材としてMo
の0.1mm箔を置き、この間に第1表の組成の混合
粉末を約1.5mmの厚さにはさんで、以下実施例1
と同様にして焼結体を得た。得られた焼結体は何
れもダイヤモンド結晶粒度が1μ以下の強固なも
のであつた。これら焼結体のうち、第1表の
No.2の混合粉末を使用した焼結体の上下の超硬
合金を研削除去し、レーザーを用いて辺長3mm×
2mm、厚さ1mmの板に切断加工後これを鋼製のシ
ヤンクに天然ダイヤモンド単石バイトと同様の手
段で銀ロウを用いてロウ付けし、切削加工用のバ
イトを作成した。このバイトを用いて青銅の円柱
を切削加工したところ天然ダイヤモンドバイトに
劣らない美麗な仕上加工面が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図aは市販の線引きダイス用ダイヤモンド
焼結体の構造を示す斜視図、同じくbはその断面
図、第2図は天然ダイヤモンドダイスで線引きさ
れた銅線の表面の組織状態を示す250倍の顕微鏡
写真、第3図は市販のダイヤモンド焼結体を用い
て線引きした銅線の表面の組織状態を示す250倍
の顕微鏡写真、第4図は線引き加工後の市販のダ
イヤモンド焼結体を使用したダイヤモンドの内面
組織を示す75倍の顕微鏡写真、第5図はダイス用
天然ダイヤモンドの形状、寸法に関する説明図、
第6図乃至第8図は本発明の方法を説明するため
の模式図、第9図は本発明で得られたダイヤモン
ド焼結体の斜視図であり第10図は本発明ダイヤ
モンド焼結体の製造条件に関する図表で、温度、
圧力相図上におけるダイヤモンドの安定領域を示
すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 粒度1μ以下のダイヤモンド粉末と粒度1μ
    以下の周期律表第a族、第a族或いは第a
    族金属の炭化物、窒化物、硼化物およびこれらの
    固溶体粉末の1種または2種以上との混合粉末を
    作成し、これを直接超硬合金製の複数の板の間に
    はさみ、これをダイヤモンドが安定な高温、高圧
    条件下でホツトプレスしてダイヤモンドを含む混
    合粉末を焼結せしめた後、超硬合金板の一部また
    は全部をほぼ平行に除去することにより該焼結体
    の上下面がほぼ平行する板状となすことを特徴と
    するダイヤモンド焼結体の製造方法。 2 粒度1μ以下のダイヤモンド粉末と粒度1μ
    以下の周期律表第a族、第a族或いは第a
    族金属の炭化物、窒化物、硼化物およびこれらの
    固溶体粉末の1種または2種以上と鉄族金属粉末
    の混合粉末または予め合金化された前記化合物と
    鉄族金属の合金粉末との混合粉末を作成し、これ
    を直接または焼結時に液相の移動を妨げる遮蔽板
    を介して超硬合金製の複数の板の間にはさみ、こ
    れをダイヤモンドが安定な高温、高圧条件下でホ
    ツトプレスしてダイヤモンドを含む混合粉末を焼
    結せしめた後、超硬合金板の一部または全部をほ
    ぼ平行に除去することにより該焼結体の上下面が
    ほぼ平行する板状となすことを特徴とするダイヤ
    モンド焼結体の製造方法。
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