JPS6121163B2

JPS6121163B2 -

Info

Publication number: JPS6121163B2
Application number: JP6749282A
Authority: JP
Inventors: Shizuho Watanabe
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1982-04-23
Filing date: 1982-04-23
Publication date: 1986-05-26
Also published as: JPS58185403A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、酸素溶存量及びPHの経時変化のない
恒PH性酸素水及びその製造方法に関するものであ
る。本出願人は、板状ガラスの両面に網状電極を配
置してなる放電装置を容器内に収容し、空気が該
容器内を通り抜けるようにしてなる、簡単な構成
でありながら高能率でオゾンを発生させることの
できるオゾン発生器を既に出願している（実開昭
55−15203号）。本発明者は、上記オゾン発生器により製造され
るオゾン含有空気を、一定の精製処理を経た特定
のPH範囲にある高比電導度の水に吸収させること
により、 (i) 水が上記オゾン含有空気によつてイオン化さ
れ、負の電気を帯びた水酸イオンを多量に含む
イオン水が得られること、 (ii) 該イオン水は、酸素溶存量及びPHの経時変化
がなく、PHを外的因子によつて変動させても元
のPHへ回復する力を有すること、 (iii) さらに、該イオン水は、皮膚の角層を軟化さ
せ、肌の新陳代謝を活発化させ、皮膚の血行を
高め皮膚機能を正常化するなどの優れた効能を
有することを見い出した。本発明は、上記知見に基づきなされたものであ
り、前記特異的性質及び効能を有する酸素水及び
その製造方法を提供するものである。まず、本発明で使用するオゾン発生器につい
て、添附図面を参照しながら説明する。第１図及び第２図は、オゾン発生器の一実施態
様の構成を示す断面図であり、容器１は上部に入
口１ａ、下部に出口１ｂを有する。この容器１内
には、平板ガラスからなるスペーサ２が等間隔で
数層分配置され、スペーサ２相互間の空隙には金
網状の電極３ａ，３ｂが挿入されている。電極３
ａと３ｂは交番状に配置され、それぞれ交流電源
の端子に接続されている。ここで、より具体的に
説明すれば、発生器の一構成例においては、厚さ
２mm程度のソーダガラスをスペーサとして用い、
スペーサ間のスペーサの厚み程度の距離の空隙内
にステンレス綱製で網状に構成された電極を配置
し、この電極間に5000V程度の正弦波交流電圧を
印加する。そして、入口１ａから空気を送り込め
ば、出口１ｂからオゾンを大量に含んだ空気が得
られる。その他、実開昭55−15203号公報に記載
されているように、横断面形状が円形の容器を用
いかつスペーサを円筒状に形成したオゾン発生器
も用いることができる。要するに、容器内に一定の間隔を置いて配置さ
れたスペーサを挾むように網状電極が配置され、
かつ該電極に高電圧が印加されている放電装置中
に、空気を通すことによつて、オゾン含有空気を
得る。次に、このようにして得られたオゾン含有空気
を用いて水をイオン化処理するわけであるが、こ
の水は予め精製しておく必要がある。すなわち、水道水または井戸水をイオン交換樹
脂及び／または活性炭によつて処理し、不要成分
を除去し、比電導度約15〜35μ/cm、好ましく
は30μ/cm程度、PH約7.2〜7.4の高比電導度の
水を得る。上記精製処理は、イオン交換処理及び
活性炭処理を併用して行なうのが好ましい。それ
ぞれ単独処理のみを行なうことも可能ではある
が、特に活性炭処理のみでは比電導度が不安定と
なるため好ましくない。イオン交換処理は通常ア
ニオン交換樹脂による処理のみで充分である。こ
のようにして得られた精製水は、容器に入れて０
〜15℃、好ましくは４℃前後の温度に維持して静
置しておく。ついで、このようにして得られた精製水に前記
オゾン含有空気を吸収せしめるわけであるが、例
えば精製水を前記オゾン含有空気と共に噴霧状化
し、吸収させる。第３図はそのための概略説明図
を示し、噴霧機４のノズル５前面には円筒状の捕
集容器６が配置されている。精製水は管７を経て
噴霧機４に圧入され、その際にオゾン含有空気は
噴霧機４に接続された管１１から噴霧機４中に入
り、ノズル５から捕集容器６中に噴霧され、捕集
容器６中で凝縮した水は捕集タンク８に集められ
る。一定量に達した後は、捕集タンク８内の水が
ポンプ９によつて、管１０，７、噴霧機４及び捕
集容器６を経て捕集タンク８に戻る回路を循環さ
れる。一定時間循環させることにより、PH約7.5
〜8.0、酸素溶存量約８〜11ppmの酸素水を得
る。循環時間は、所望のPH及び酸素溶存量に応じ
て設定すればよく、通常循環水量20当り15〜50
分、頭髪用化粧水など高い酸素溶存量（約8.5〜
10ppm）が要求される場合には循環水量20当
り40分程度循環すればよい。噴霧機としては通常
のスプレーガンが使用でき、特にスクリユー状の
ものが内蔵され液流に渦巻運動を与えるものが噴
霧水中へのオゾン含有空気の吸収が効果的に行な
われるので好ましい。このようにして得られた水は、オゾン発生器か
ら製造されたガスによりイオン化され、負の電荷
を帯びた水酸イオンが多量に存在するイオン水で
あるが（電離度はあまり大きくない）、酸素が溶
存しており、酸素水と呼んだ方が理解され易いの
で、以下酸素水という。この酸素水は、赤外分折
の結果、酸素の他にも生体に有効な燐酸コバルト
、トリス（トリエチレンジアミン）、アデノシ
ン及びテトラバイドロハルマンの各有効成分が検
出された。上記酸素水は、PH及び酸素溶存量の経時変化が
なく、またPHを外的因子により変化させた場合に
元のPHに戻るという特異な性質（以下、恒PH性と
いう）を有する。前記のようにして得られた恒PH性酸素水を、そ
れぞれ60℃及び70℃に加温して冷却した後のPH及
び酸素溶存量の経日変化を下記第１表に示す。使
用した酸素水は、いずれもPH7.6、酸素溶存量
8.98ppmのものである。

【表】

【表】上記第１表から明らかなように、酸素水を加温
した後冷却すると、PH及び酸素溶存量は若干高く
なるが、その後は殆んど一定である。次に、酸素水に酸（10％酢酸、PH2.2を使用）
を添加して酸性とした後の経日PH変化を、下記第
２表に示す。なお、比較のために、水道水及び蒸
留水についても示す。

【表】上記第２表から明らかなように、酸素水の場合
にはPH移動が認められ、元のPHに回復する性質が
認められるが、水道水、蒸留水においては変化が
認められない。また、酸素水の場合にも酸度によ
りPHの回復力に差が認められる。このような特異の性質を有する酸素水は、人の
皮膚に対し、 (1) 皮膚のトラブルを解消し、皮膚機能を正常に
戻す。 (2) 皮膚を柔軟にする。 (3) 皮膚の新陳代謝を活発にする。 (4) 皮膚の血液の循環がよくなる。 (5) 皮膚呼吸を活発にする。 (6) シミ、ソバカスがなくなる。 (7) 頭皮のトラブルをなくす。 (8) 育毛しやすい状態をつくる。などの有用な効能を有する。本発明に係る酸素水が何故に上記のような各種
効能を有するかについては、空中イオンの生体作
用あるいはイオン導入の原理によつて説明するこ
とが可能と考えられる。空中イオンの発生原因としては、宇宙線、紫外
線、天然放射性物質、空中放電落（雷）などのイ
オン化作用によるものの他、降雪の際の摩擦電
気、水適の表面積変化に伴う作用、レナード効果
などが挙げられる。このような各種原因によつて
発生した空中イオンの生体作用としては、陰イオ
ンアルカリ性大気は鎮静的、爽快感、催眠、食欲
増進などの全身作用、血圧下降作用、血糖減少作
用、血管拡張作用、利尿促進作用などの作用を有
すると言われており、一方陽イオン酸性大気は興
奮的、不快感、不眠、食欲減退などの全身作用、
血圧上昇作用、血糖増加作用、血管収縮作用、利
尿抑制作用などの作用を有すると言われている。
本発明に係る酸素水は、前述したようにアルカリ
イオン水であるため、上記陰イオンアルカリ性大
気と同様の作用を有すると考えられる。また、イオン導入の原理を一言で言えば、電気
分解作用を応用していろいろな物質をイオン化
し、そのイオンを媒介として、目的とする物質そ
のものを皮下組織まで浸透させようとする方法で
ある。しかし、表皮の角層の下部にはバリアゾー
ンと呼ばれる電気的な層があり、この層によつて
外部の水分が体内に浸入するのを防ぐしくみにな
つている。このバリアゾーンについて一応の説明
を試みたのはロスマンである。彼の説明は、人間
の皮膚の角層はPH4.5〜６の酸性であるが、その
下マルピギー層（顆粒層より下層）はPH7.2〜7.3
の弱アルカリ性である。つまり、角層は酸性だか
らH⁺イオン濃度が高くマルピギー層はアルカリ
性ゆえOH^-イオン濃度が高いわけで、この事実
から彼は、角層とマルピギー層の間には一種の緩
衝帯が形成されていて、角層側にプラスのH⁺イ
オンを他方にマイナスのOH^-イオンを持つた電
気的二重層でイオンの透過を阻止し、水の浸入も
防いでいると考えたのである。事実、陰イオン
（cl^-など）は表面に近い層で吸着されるのに対し
て、陽イオン（K⁺など）はこの層を透過し、特
にNa⁺が透過し易いことが実験的にも証明されて
いる。バリアゾーンの生成には水和作用が密接な
関係を有し、細胞膜のイオン透過性についても重
要な役割を果していると考えられるが、この点の
説明は省略する。本発明に係る酸素水は、前述したようにマイナ
スのOH^-を多量に含むアルカリ性のイオン水で
あるため、上記イオン導入の原理に従つて皮膚の
表面に近い層で吸着され、人の各細胞になくては
ならぬ空気中の有効成分と酸素が吸収され、また
酸性の角層を中和し軟化し、皮膚の新陳代謝を活
発化し、皮膚機能を正常に戻すものと考えられ
る。イオン導入では、体内の奥深くまでイオンを
浸透することはできず、せいぜい皮下１ｍｈ〜２
ｍｈ程度である。しかし、それで充分であつて、
皮下１ｍｈも浸透すれば、真皮乳頭層の皮膚血管
に吸収され、血流にのつて全身に選ばれるからで
ある。以上のようなイオンの生体作用から、本発明に
係る酸素水は、美容及び健康上の各種用途に供す
ることができ、例えば本発明に係る酸素水を美容
用スチマーに適用した場合には、角層を軟化さ
せ、毛孔から皮脂や汚れを浮きたたせ、清浄化を
容易にすると同時に、皮膚にうるおいを与え、肌
の新陳代謝を活発にするために役立つ。また、マ
イナスイオンは皮膚の血行を高め、自律神経の機
能を調整し、血液をアルカリ性化して細胞機能を
賦活するから、肌の老化予防やトラブル解消に積
極的に作用し、また皮膚機能を正常化する結果、
脱毛予防や育毛にも極めて効果がある。なお、本
発明に係る酸素水は、空気中の有効成分を微量含
有し、また酸素溶存量が通常の水より高いという
点を除けば、通常の水と何ら異なることなく、従
つて、皮膚に対して無刺激であり、副作用や連続
使用によるアレルギー反応なども全く起さない。
従つて、化粧水、クリーム、ローシヨン、洗浄
料、ヘヤートニツク等の化粧品の他に、医療用に
も例えば筋収縮症湿布薬等各種の用途に供するこ
とができる。前記特異的性質及び効能を有する恒PH性酸素水
を化粧料基剤の稀釈水として利用し、化粧水等の
基礎化粧品に使用した場合には、皮膚の新陳代謝
を活発にすることにより、皮膚機能を正常に戻す
と共に、皮膚に柔軟性、弾力性、滑らかさを付与
し、また血液の循環がよくなることにより、皮膚
の色艶が良くなり、さらに日焼け肌荒れ等の皮膚
トラブルに対してはそれを治慮し、シミ、ソバカ
ス等もなくなる。化粧水に使用する場合の酸素水
は、溶存酸素量８〜8.5ppmのものが好ましい。
また、本発明に係る恒PH性酸素水を頭髪用化粧品
に使用した場合には、上記作用の他に、頭皮のト
ラブルをなくし育毛し易い状態を作り、従つて白
髪の発生がなくなるなどの効果がある。頭髪用化
粧品に使用する酸素水は、酸素溶存量8.5〜
10ppmのものが好ましい。以下に、本発明に係る恒PH性酸素水を化粧品に
応用した例を幾つか示す。なお％は重量％を示
す。応用例１（トーニングローシヨン） (A) アルコール 8.00％ｒ−オリザノール 0.50 香料 0.10 を混合溶解する。 (B) PCA−Na 3.00％グリチルリチン酸ジカリウム 0.10 酸素水 88.14 を混合溶解する。この混合液(B)に上記(A)の混合液
を加えて撹拌し、さらに、 MgCO₃ 0.10％を加えて撹拌した後、濾過し、その後コハク酸 0.06％を加えて中和し、容器に充填し、製品とする。応用例２（ヘヤートニツク） (A) アルコール 40.00％Ｌ−メントール 0.07 Ｄ−カンフル 0.07 香料 0.03 を混合溶解する。 (B) １、３−ブチレングリコール 4.00％酸素水 55.56 を混合溶解する。この混合液(B)に上記(A)の混合液
を加えて撹拌し、濾過した後、容器に充填し、製
品とする。

【図面の簡単な説明】

第１図はオゾン発生器の一実施例を示す縦断面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線で切断した縦断面
図、第３図は本発明の酸素水の製造方法の１例の
概略説明図である。２はスペーサ、３ａ，３ｂは電極、４は噴霧
機、５はノズル、６は捕集器、８は捕集タンク。

Claims

【特許請求の範囲】

１水をイオン交換樹脂及び／又は活性炭により
処理し、比電導度約15〜35μ/cm、PH約7.2〜
7.4の範囲にある精製水を得、一方、容器内に間
隔を置いて配置されたスペーサを挾むように網状
電極が配置され、かつ該電極に高電圧が印加され
ている放電装置中に空気を通すことによつてオゾ
ン含有空気を得、ついで前記精製水に該オゾン含
有空気を吸収させることによつてPH約7.5〜8.0、
酸素溶存量約８〜11ppmの範囲にある恒PH性の
酸素水を得ることを特徴とする恒PH性酸素水の製
造方法。