JPS6121052Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はマイクロサージヤリー用器具に関する
ものであり、先端部材を着脱自在となし、把手の
形状を変えることなく、使用目的に合わせた〓
子、持針器、剪刀等にすることができ、直曲、有
鈎等も問題なく、又〓子、持針器とした場合、結
紮〓子としても有用なマイクロサージヤリー用器
具を提供するものである。

最近の眼科、脳外科、血管縫合等の手術は手術
顕微鏡を使用してのマイクロサージヤリーが非常
に普及しており、顕微鏡の限られた視野の中でデ
リケートな手術操作を行うためには細かい操作に
適する形状のマイクロサージヤリー用器具が要求
されている。

しかるに従来の個々の〓子、持針器、剪刀等で
は下記の様ないくつかの問題点があつた。

例えば第４図に示す様な従来の持針器に於て
は、把手１６を押えると持針部１５は支点１４に
近い部分より閉じてゆくので血液等が付着してい
ると針や糸等を挾持する際に逃げが生じ操作しに
くい場合があつた。

又、支点１４を有する構造上、挾持部の断面は
第６図に示す様に、手術用針に対して断面の面積
を比較的大きくとらなければならなかつた。剪刀
でも上記せる持針器の場合と同じように支点に近
い部分より刃部が閉じてゆくので糸や組織の切断
時に逃げを生じて操作しにくい場合があつた。

又、支点を有する構造上刃部の寸法に限界があ
り、この構造では現状より小さくすることができ
なかつた。

従来の〓子では支点から先端部までの距離があ
るために先端がずれやすいものであつた。

又、先端を閉じる時、先端部が筒状部材に引き
込まれる方法のものがあるが、これは先端部が対
象部分の組織等から離れてゆくように作動して閉
じるので使用しにくいものであつた。

これに対して本考案のマイクロサージヤリー用
器具は上記せるような問題点を解決したものであ
り、以下、図面に基づきその構成を説明する。先
端部材１は弾性を有する金属又はプラスチツク製
であり、筒状部材２に嵌挿され、該筒状部材２は
更に保持部材３に嵌挿されている。

先端部材１の基部は止着用ビス５によつて保持
部材３に止着され、従つて先端部材１と保持部材
３は一体的に止着され、後述する操作によつて筒
状部材２が前進すると第３図の如く先端部材１が
閉じられる。筒状部材２の基部は止着用ビス５に
当たらないようにスリツト１１が設けられ、更に
後端部はピン１３にて連結部材６に固定されてい
る。

連結部材６の他端は枢軸７，７にてアーム部材
９，９に枢着され、該アーム部材９，９は枢軸
８，８にて把手１０，１０の内側に枢着されてい
る。

把手１０，１０の先端は枢着４，４によつて保
持部材３に枢着され後端部はバネ１２で連結され
ている。バネ１２に抗して把手１０，１０を押え
るとアーム部材９，９が連結部材６を矢印ａ方向
へ押し、従つて筒状部材２が前進し第３図の様に
先端部材１が閉じられるので手術用針１７を挾持
することができる。

第４図に示す従来の持針器は把手１６，１６を
押えマチ１４を支点として持針部１５を閉じるも
のであり、この形状では第６図に示す様に手術用
針１７に対して持針部１５の断面が大きく、構造
上それより小さくすることができない。しかし本
考案ではマチ（ヒンジ）がないため先端部材１を
第５図の如く非常に小さく、細く構成しても強度
と挾持力を保つことができ、手術用針を変形させ
ることがない。マチ（ヒンジ）がないため縫合糸
が引掛つて切れることがない。

本考案の構造によれば、先端部材１を細長くす
ることができるので内眼手術に適し、特に顕微鏡
下における前房内、後房内、硝子体など眼底に至
るまで小さな創口、又は切開口より先端部を挿入
し切開、切除ができる。

把手は一般的に普及している製品の把手とほと
んど同じ形状で、軽量、小型であり重量バランス
もとれているため、従来使用しているものと同じ
感覚で使用できる。

先端部材１は止着用ビス５１本で自由に着脱で
きるので把手の形状が変ることなく使用目的に合
わせた〓子、持針器、剪刀等にすることができ、
直、曲、有鈎、無鈎等も問題なく使用できる。こ
の考案の構成によれば、金属又はブラスチツクを
材料とする先端部材１の加工形状により先端部を
従来のように基から閉じるもの、従来のマチ（ヒ
ンジ）式のものではできない平行に閉じるもの、
又は先から閉じるようにすることができる。

平行に閉じる場合は、手術用針、糸及び組織等
を平行に保持又は組織を押し切り状態に切ること
ができる。先から閉じるように構成すれば、手術
用針や糸等が逃げ（滑り）がなく、先端がずれず
にどのような組織も安全に保持することができ
る。

又、細い糸や小さい針でも完全に保持すること
ができる。

本考案は以上説明したような構成と特徴を有す
るマイクロサージヤリー用器具であり、特に眼
科、脳外科、血管縫合等の手術顕微鏡下に於ける
マイクロサージヤリーに使用して極めて有用であ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
先端部材を持針器とした本考案マイクロサージヤ
リー用器具の平面図、第２図は第１図の部分拡大
断面図、第３図は先端部材が閉じた状態の部分拡
大図、第４図は従来の持針部の斜視図、第５図は
第１図のＡ−Ａ線に於ける断面図、第６図は第４
図のＢ−Ｂ線に於ける断面図である。 １……先端部材、２……筒状部材、３……保持
部材、４……枢軸、５……止着用ビス、６……連
結部材、７……枢軸、８……枢軸、９……アーム
部材、１０……把手、１１……スリツト、１２…
…バネ、１３……ピン、１４……マチ、１５……
持針部、１６……把手、１７……手術用針。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 保持部材に嵌挿された筒状部材に更に着脱自
   在の先端部材が嵌挿され該先端部材の基部が保
   持部材に止着され、筒状部材の後端部が連結部
   材とアーム部材とを介して把手に連結され、該
   把手をバネに抗して押さえると筒状部材が前進
   し先端部材の先端部が閉じるように構成したこ
   とを特徴とするマイクロサージヤリー用器具。 (2) 筒状部材に嵌挿される先端部材が弾性を有す
   る金属又はプラスチツク製の〓子、持針器、剪
   刀の先端部材からなり、かつ着脱自在になした
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のマイクロサージヤリー用器具。