JPS6120954Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、合成樹脂製窓枠の下枠に関するも
のである。

二重窓の内窓には、弾熱性能及び着色性能が優
れていることから、合成樹脂製窓枠が使用される
場合がある。しかし、合成樹脂製窓枠は耐摩耗性
及び機械的強度に多少劣り、とくに、下枠の引戸
用レールは実用上問題があり、いわゆるプラスチ
ツクサツシの普及の隘路となつていた。また、合
成樹脂製窓枠はその基材が金属製窓枠の場合より
も柔軟性を有するため、各枠材をビスで接続する
場合の結合強度が弱く、建物の歪みなどに対する
抵抗力が小さいという欠点を有する。

この考案は、上記問題を解消し、かつ、欠点を
排除して、実用に耐えうる合成樹脂製下枠の提供
を可能とし、もつて、プラスチツクサツシの普及
を促進することを目的とする。

次に、この考案の実施例を図面に基いて説明す
る。１はこの考案に係る合成樹脂製下枠の下枠本
体であり、硬質合成樹脂材料で成形されており、
上面部２は屋内側よりも屋外側が低くされ、屋内
側端部に額縁部３を一体に有する。そして、前記
上面部２は、従来の下枠が有するようなレールを
有しておらず、その代りに、レール嵌着手段４を
備えている。

第１図に示す実施例ではレール嵌着手段４は、
前記上面部２の上方に開口する凹溝で構成されて
いる。そして、レール嵌着手段に金属製レール５
が嵌着されて、そのレールの突条部が前記下枠の
上面部から上方に突出させてある。金属製レール
５はアルミニウムの形材、又はスチールの加工材
などで作られ、第１図に示したものは突条部５ａ
と被嵌着部５ｂとからなり、レールの長手方向一
端部を下枠の嵌着手段を構成する凹溝に合致さ
せ、レールを下枠に向かつて長手方向に強く移動
させて挿入する。

レール５はビスホール５ｃを一体に有してい
る。第１図の例では被嵌着部５ｂの突条部５ａの
真下における下面に有しており、これにより、レ
ールを下枠本体の嵌着手段に押し込んだときに、
ビスホール５ｃが凹溝底部を押圧して、レールが
容易に長手方向に移動することを阻止する。

そして、下枠と縦枠６とを接続する場合は、縦
枠の外側から縦枠に貫通したタツピングビスを、
前記金属製レール５のビスホール５ｃにねじ込
む。レールが金属製で剛性、靭性を有するので、
ビスは強固かつ緊密にレール５にねじ込まれ、下
枠と縦枠とが強固に結合される。また、レールの
真下にビスホールを設け、そのビスホールにおい
て下枠を縦枠に組付けるので、障子の荷重をレー
ルによつて受ける状態となり、合成樹脂製の下枠
本体にかかる負荷が軽減され、破損等が防止され
る。さらに、レールの被嵌着部の両端が下枠本体
に係止されるので、下枠のたわみ等によりレール
と下枠本体との間に間隙が生じることがない。

第１図の実施例では、レールを各引戸d₁，d₂に
対応して一本ずつ独立して製造し、各別に下枠に
嵌着したものであるが、第２図に示すように、下
枠の上面部２の屋外側端部と屋内側端部に対向し
て開口する溝からなる嵌着手段４ａを設けるとと
もに、二つの突条部１５ａ，１５ａと連結部１５
ｂと、その両側端に設けた被嵌着部１５ｃ，１５
ｃとを一体に成形して、連結レール１５を作り、
被嵌着部を嵌着手段４ａに摺動嵌着することによ
り、一回の作業でレールを下枠に取付けることも
できる。そして、ビスホールは第２図に符号１５
ｄで示すように、突条部１５ａの真下内側に設け
ることもできる。連結レール１５を用いる場合
は、下枠本体１にもビスホール１ａを設けて、レ
ールと下枠本体の双方を縦枠に結合すれば、下枠
と縦枠の結合強度がさらに増大する。この実施例
の場合も、ビスホールの設置位置により障子の荷
重をレールで受けるから、下枠本体の負荷軽減な
どの効果が得られる。また、被嵌着部の両端が下
枠本体により係止されることによる隙間発生防止
の効果も同様である。

上述のように、この考案によれば、下枠本体は
合成樹脂製であるから、他の上枠、縦枠とともに
合成樹脂製窓枠を構成して、窓の断熱性能を高
め、結露を防止するほか、下枠本体に設けたレー
ル嵌着手段に金属製レールを嵌着するから、レー
ルの取付けが容易にでき、かつ、レールの早期摩
耗や破損が防止され、長期にわたつて引戸の円滑
な走行が維持される。また、レールの真下にビス
ホールを設け、そのビスホールにおいて下枠を縦
枠に組付けるので、障子の荷重をレールによつて
受ける状態となり、合成樹脂製の下枠本体にかか
る負荷が軽減され、破損等が防止される。さら
に、レールの被嵌着部の両端が下枠本体に係止さ
れるので下枠のたわみ等によりレールと下枠本体
との間に間隙が生じることがない。また、金属製
レールにビスホールを設けたから、下枠と縦枠の
結合強度を増大させることができ、引戸閉時の衝
撃によつて縦枠の下端部が下枠の長手方向端部か
ら離れるようなことが防止されるとともに、建物
の歪みに対しても窓枠が大きな抵抗力を発揮す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第一実施例を示す縦断面
図、第２図は同じく第二実施例を示す要部の縦断
面図である。 １……下枠本体、４，４ａ……レール嵌着手
段、５，１５……金属製レール、５ｃ，１５ｄ…
…ビスホール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (イ) レールを有せずに、レール嵌着手段を備えた
   下枠本体を合成樹脂で成形するとともに、 (ロ) 前記下枠本体の上面より突出する突条部と前
   記下枠本体のレール嵌着手段に嵌着される被嵌
   着部と及び下枠と縦枠とを接続するビスをねじ
   込むビスホールを有するレールを金属で成形
   し、 (ハ) 前記下枠本体のレール嵌着手段に前記レール
   の被嵌着部を嵌合し、被嵌着部の両端を下枠本
   体に係止してなる合成樹脂製下枠。