JPS6119229Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 第１図に示したように、一方向に連続回転する
円筒１の周面に、該円筒１上を所望の長さにおい
てスクリユー状の溝１０を無端状に設け、該溝１
０に滑嵌合する従動子２０により往復動体２に、
該往復動体２を支持し滑動させる軸３上を往復動
させるようにしたトラバースカム機構において
は、従動子２０は、スクリユー状溝１０を滑動す
るとき、該溝１０の端部においてその滑動する方
向を変換するために、従動子支軸２１は往復動体
２に対し自由に回転できるように組込んでいるの
が通例である。

ところで従動子２０は、溝１０内を滑動し、そ
の溝１０が交差する部分１１ではその交差する広
さに惑わされずにスクリユー溝１０を直進できる
ようにするために、第２図に符号２０で示す如く
溝１０方向に沿つた舟型に形成してあるが、それ
でも交差点１１に至ると、鎖線図２０′で示すよ
うに急激に転回して進行方向の溝を誤り、往復動
体２をして所定の距離の往復動を正確に繰返さな
い欠点があつた。これは従動子軸２１が往復動体
２に対し自由に回転できるように組込んであるた
めで、しかし従動子２０は、溝１０を滑動すると
き溝１０の左右側壁に接触して絶えずくびふり的
運動を繰返しながら滑動しており、また溝１０に
よつて従動子２０の進行方向角度が変わるときは
円滑に変更できるようにしなければならないか
ら、支軸２１にその円滑回転を阻止するような制
動を与えることは避けなければならない。

かくしてこの考案は、往復動体２の従動子軸２
１を支持する軸受部分２２に第３図の如きボール
プランジヤ４を設け、他方、従動子軸２１の周面
には、前記プランジヤ４のボール先端が十分に落
ち込める大きさのへこみ２３、２３の所要数を、
従動子２０が無端溝１０を滑動するときに生じる
滑動方向角度変更に応じる角度関係で設けたこと
を特徴とするもので、この構成により、従動子２
０の溝１０内を滑動するときに生じる僅小なくび
ふり的揺動は、ボール４とそれが落ち込むへこみ
２３とのわずかな遊びにより許容するが、従動子
２０が溝の交差点１１で第２図鎖線図２０′の如
く大きく方向転換しようとする動きに対しては、
へこみ２３にばね力４０で落ち込んでいるボール
４が、支軸２１の回動を阻止しているから阻止さ
れ、かくして従動子２０はスクリユー状溝１０の
とおりに進行するようになつたのである。

なお溝１０が従動子２０をしてその進行方向角
度を変換するときは、従動子２０の回動でその支
軸２１が回動すると、ボール４はそのばね力４０
に抗しへこみ２３から容易に抜け出し、支軸２１
の円滑な回動を許容するようになることは言うま
でもない。そのようにして溝１０に従い、従動子
２０の進行方向角度が定まると、支軸２１には別
のへこみ２３が設けてあつて、ボール４は今度は
それに落ち込み、かくして従動子２０の盲動は再
び阻止されるようになる。

以上のようにこの考案のトラバースカムにおけ
る従動子支持装置は、従動子軸の軽快な回転性を
阻害しないで盲動を阻止するようにしたから、ス
クリユー状溝１０での滑動作用は正確となり、実
用的に勝れた装置とすることができたのである。

符号４１はばね力４０調整ねじである。

【図面の簡単な説明】

第１図はトラバースカム機構の概要構成を示す
正面図、第２図は同カム溝交差部における従動子
動作関係を示す平面図、第３図は本考案従動子支
持装置の一部破断した正面図である。 １は回転円筒、１０はカム溝、１１は交差点、
２は往復動体、２０は従動子、２１は支軸、２３
はへこみ、４はボール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転する円筒周面に設けた無端状構内を、前記
   円筒の回転で滑動して前記無端状構の一端から他
   方の端へ往復動する従動子により、前記円筒の回
   転運動を往復動に変換するようにしたトラバース
   カムにおいて、前記従動子を支持する往復動体に
   ボールプランジヤを設け、該プランジヤのボール
   先端が落ち込めるへこみを前記従動子軸に設ける
   と共に、該へこみは、前記従動子が前記無端状構
   を滑動するときに生じる滑動方向角度変更に伴い
   生じる角度関係で従動子軸の周面に所要数設けた
   従動子支持装置。