JPS6119228Y2 - - Google Patents

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JPS6119228Y2
JPS6119228Y2 JP1980173575U JP17357580U JPS6119228Y2 JP S6119228 Y2 JPS6119228 Y2 JP S6119228Y2 JP 1980173575 U JP1980173575 U JP 1980173575U JP 17357580 U JP17357580 U JP 17357580U JP S6119228 Y2 JPS6119228 Y2 JP S6119228Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、2個の油圧クラツチを装備する油
圧クラツチ式変速装置において、各油圧クラツチ
に作用せしめられる油圧の立上りを制御して各油
圧クラツチのスムーズなエンゲージングを得させ
る油圧制御装置に、関するものである。
油圧クラツチ式変速装置の油圧クラツチをシヨ
ツク無くスムーズにエンゲージングさせるために
は一般に、油圧クラツチに対する作用油圧を設定
する調圧弁として油圧漸増型の調圧弁が使用され
て来ているが、このような調圧弁によつて油圧ク
ラツチ式変速装置の複数油圧クラツチの各々に対
する作用油圧の立上りを個別的に制御するような
ことまでは従来行なわれていない。しかしながら
上記の複数油圧クラツチはそれぞれ変速比を異す
る複数変速ギヤ列を伝動にあずからせるためのも
のであるから、各油圧クラツチごとに最適とする
油圧立上り特性が異なり、同特性を油圧クラツチ
ごとに変更できるようにするのが理想的である。
また容量を異にする油圧クラツチ間ではスムー
ズなエンゲージングを得させる油圧立上り特性が
互に異なるが、単一の油圧漸増型調圧弁を用いつ
つ容量を異にする油圧クラツチに対応できること
とすれば、便利であることは言うまでもない。
そこでこの考案は2個の油圧クラツチを装備す
る油圧クラツチ式変速装置用の油圧制御装置にお
いて単一の油圧漸増型調圧弁を利用しつつ、油圧
クラツチごとに油圧立上り特性を変更することと
容量を異にする油圧クラツチが用いられる変速装
置間で上記調圧弁を兼用可能とすることとを、簡
単な構造で達成しようとするものである。
図示の実施例について、この考案に係る油圧制
御装置の構成を説明すると、第1−5図に示す第
1の実施例において、先ず油圧クラツチ式変速装
置1は、第1図に示すように、変速ケース2に互
に平行させて支持させてある入力軸3と出力軸4
間に配置されている。そして同変速装置1は、入
力軸3上に2個の変速歯車5,6を遊嵌設置する
と共に、出力軸4上に2個の変速歯車7,8を固
定設置して、変速歯車5,7を噛合せることで1
速歯車列を、また変速歯車6,8を噛合せること
で2速歯車列を、それぞれ構成し、入力軸3上の
各変速歯車5,6に配して該入力軸3上に多板式
の油圧クラツチ9,10を設け、各油圧クラツチ
9,10の選択的なエンゲージングにより各変速
歯車5,6を選択的に入力軸3に結合して、1速
域は2速の変速比を選択的に得るものに、構成さ
れている。各油圧クラツチ9,10は、周知のも
の同様に、各変速歯車5,6と入力軸3に固定せ
るクラツチハウジング11とに一方及び他方の摩
擦エレメント12,13を、相対回転不能ではあ
るが摺動自在に支持させ、図示省略のリターンば
ねにて後退附勢されているピストン14の背後に
油圧を作用させ、ピストン14を前進させて摩擦
エレメント12,13間の圧接を得て、クラツ
チ・エンゲージングを得るものに、構成されてい
る。油圧クラツチ9,10に対し油圧を供給する
ための油圧ポンプ15は、入力軸3の入力端反対
側で変速ケース2外面上に設置され、入力軸3に
より駆動を受けるものとされている。第1図にお
いて16,17はそれぞれ、入力軸3及び出力軸
4に変速ケース2外で嵌着した入力Vプーリ及び
出力Vプーリである。
第1の実施例に係る油圧制御装置の構成を、先
ず第2図に示す油圧回路図に基いて説明する。前
記変速ケース2は、第2図に示す油タンク20に
兼用させてあり、この油タンク20から前記油圧
ポンプ15により油圧クラツチ9,10方向に作
動油を供給する給油回路21には、図示のような
電磁切換弁22、つまり両油圧クラツチ9,10
から作動油を排出させ両油圧クラツチ9,10を
切る中立位置Nと、1速用油圧クラツチ9に作動
油を供給すると共に2速用油圧クラツチ10から
作動油を排出させ1速用油圧クラツチ9をエンゲ
ージングさせる1速位置と、2速用油圧クラツ
チ10に作動油を供給すると共に1速用油圧クラ
ツチ9から作動油を排出させ2速用油圧クラツチ
10をエンゲージングさせる2速位置との、3
位置を備えた電磁切換弁22を、接続してある。
また給油回路21から分岐させたリリーフ回路2
3には、油圧クラツチ9,10に対する作用油圧
を設定する一次調圧弁24と潤滑油圧を設定する
二次調圧弁25とを、この順で挿入してあり、両
調圧弁24,25間のリリーフ回路23部分から
は潤滑油供給回路26が導き出されている。
以上の構成は通例の通りであるが、この考案に
従つて特に、上記した一次調圧弁24における油
圧設定用スプリング27の先端を、該スプリング
27の軸線方向に沿い直列配置した2個の制御ピ
ストン28,29であつて上記スプリング27側
に位置する制御ピストン29の前進量を規制して
ある2個の制御ピストン28,29に、受けさせ
ている。そして一方の制御ピストン28の背後に
は1速用油圧クラツチ9を絞り30を介して、ま
た他方の制御ピストン29の背後には2速用油圧
クラツチ10を絞り31を介して、それぞれ接続
している。そしてさらに、同様にこの考案に従つ
て、電磁切換弁22の位置に応じ選択的に、各制
御ピストン28,29の背後から油圧をアンロー
ドするアンロードバルブ32が、設けられてい
る。このアンロードバルブ32は、両側1対のス
プリング33,34により両方向から移動附勢さ
れているスプール35であつて、両端部にランド
35a,35bを形成してあるスプール35を、
備えている。各制御ピストン28,29の背後
は、各ランド35a,35bの側外方位置でアン
ロードバルブ32へと接続されており、両ランド
35a,35b間のアンロードバルブ32内は、
油タンク20へと接続されている。以上によりア
ンロードバルブ32は、電磁切換弁22が1速位
置にあり1速用油圧クラツチ9に油圧が作用し
ている状態では、スプリング33設置空間に同油
圧が作用することでスプール35が第2図でみて
右方向に移動し、ランド35bによる、制御ピス
トン29背後と油タンク20間のブロツクが解か
れることで、2速用油圧クラツチ10に接続され
ている制御ピストン29背後から油圧をアンロー
ドし、逆に電磁切換弁22が2速位置にあり2
速用油圧クラツチ10に油圧が作用せしめられて
いる状態では、スプリング34設置空間に同油圧
が作用することでスプール35が第2図でみて左
方向に移動し、ランド35aによる、制御ピスト
ン28背後と油タンク20間のブロツクが解かれ
ることで、1速用油圧クラツチ9に接続されてい
る制御ピストン28背後から油圧をアンロードす
るものと、されている。
またこの考案に従い同様に第2図に示すよう
に、1速用油圧クラツチ9に前記絞り30を介し
接続された油圧アキユムレータ36と、2速用油
圧クラツチ10に前記絞り31を介し接続された
他の油圧アキユムレータ37とを、設けている。
各油圧アキユムレータ36,37自体は、アキユ
ムレータ・ピストン36a,37a前面に作用せ
しめられる油圧により、該ピストン36a,37
aがアキユムレータ・スプリング36b,37b
力に抗し規制された位置まで後退せしめられるこ
とで、油圧を蓄積するように構成された、通例構
造のものとされている。そして各油圧アキユムレ
ータ36,37を、各制御ピストン28,29背
後同様に前記アンロードバルブ32に、接続して
いる。したがつて、各制御ピストン28,29背
後からの油圧アンロードについて前述したのと同
様の作用で、電磁切換弁22が1速位置にあり
1速用油圧クラツチ9がエンゲージングしている
状態では、2速用油圧クラツチ10に接続されて
いる油圧アキユムレータ37の油圧がアンロード
され、逆に電磁切換弁22が2速位置にあり2
速用油圧クラツチ10がエンゲージングしている
状態では、1速用油圧クラツチ9に接続されてい
る油圧アキユムレータ36の油圧がアンロードさ
れる。すなわち、第1の実施例ではアンロードバ
ルブ32が、各制御ピストン36,37背後の油
圧を選択的にアンロードすると共に各油圧アキユ
ムレータ36,37の油圧を選択的にアンロード
するバルブに、構成されている。
次に、第1の実施例に係る油圧制御装置の具体
構造を、第3−5図に基いて説明する。第2図に
図示の一次調圧弁24、アンロードバルブ32及
び油圧アキユムレータ36,37は、第1図に示
すように変速ケース2の上面にバルブアセンブリ
ー38として設置されているが、該アセンブリー
38のケーシングは、第3,4図に示すように、
第1のケース39と第2のケース40とに分割さ
れ、これらのケース39,40は、両面にシール
板を有する鉄板41を挾んで接合されている。同
様に第3,4図に示すように、一次調圧弁24の
弁体42は、第1のケース39にバルブアセンブ
リー38軸線方向に沿い形成された弁穴に嵌合し
たバルブケース43に嵌挿されている。第1のケ
ース39とバルブケース43とには、ポンプポー
ト39a,43aとリリーフポート39b,43
bを形成してあり、弁体42は、この弁体42内
の油通路42aを介し該弁体42の背後に作用せ
しめられるポンプポート39a,43aの油圧に
より前進せしめられ、ポンプポート39a,43
aとリリーフポート39b,43b間を連通させ
て、一次調圧弁24にリリーフ動作を行なわせ
る。前記した油圧設定用スプリング27は、2重
の圧縮コイルスプリングでもつて構成されてお
り、該スプリング27の先端を受ける前記制御ピ
ストン28,29は、制御ピストン29を第1の
ケース39の弁穴内に、また制御ピストン28を
上記弁穴に直列させて第2のケース40に形成し
た弁穴内に、それぞれ嵌挿して、設けられてお
り、鉄板41には、制御ピストン28のロツド状
先端部が第1のケース39の弁穴内にまで突入す
ることを許容するための穴41aを、形成してあ
る。ピストン29の前進量は、第1のケース39
の弁穴内周面上に設けた段部44に該ピストン2
9が接当することで、規制される。一次調圧弁2
4のバルブケース43背面には、該バルブケース
43ごと弁体42を前後に変位させ一次調圧弁2
4による設定油圧を変更調整するための調整螺杆
45を、当ててある。
同様に第3,4図に示すように、前記油圧アキ
ユムレータ36,37は、第2のケース40に並
列させてバルブアセンブリー38軸線方向に沿い
形成された2個の穴に前記ピストン36a,37
a及びスプリング36b,37bを、ピストン3
6a,37aを第1のケース39に近い側に位置
させてそれぞれ嵌挿して、設けられている。各ピ
ストン36a,37aの後退量は、上記した穴に
嵌合されたスリーブ46,47の内端にて形成さ
れた段部46a,47aにピストン36a,37
aが接当することで、それぞれ規制される。各ス
プリング36b,37bの後端はそれぞれ、調整
螺杆43,49により進退調節される可動バネ受
50,51に受けさせてあり、これにより各スプ
リング36b,37bの強度を変更調整可能とさ
れている。また前記アンロードバルブ32は、油
圧アキユムレータ36,37よりも第1のケース
39に近い側で該両油圧アキユムレータ36,3
7を横切る方向に沿い第2のケース40に形成さ
れた穴52に前記したスプール35及びスプリン
グ33,34を嵌挿して、設けられている。アン
ロードバルブ32のタンクポート53は、上記し
た穴52の長さ方向中央位置で第2のケース40
に設けられている。
第3−5図に示すように、第1のケース39に
は、1速用油圧クラツチ9に接続される油通路5
4と2速用油圧クラツチ10に接続される油通路
55とを、設けてある。このうち、前者の油通路
54は、鉄板41に形成された小孔でもつて構成
された前記絞り30を介し、また鉄板41背面上
のシール板56の油通路穴56aを介し、第2の
ケース40に設けられた軸線方向油通路57へと
連らねてあり、該油通路57は、アンロードバル
ブ32のスプール35に形成した油通路穴58を
介し、アンロードバルブ32のスプール35一端
位及び油圧アキユムレータ36へと連通させてあ
ると共に、第2のケース40に形成された横断方
向油通路59を介し、制御ピストン28の背後に
連通させてある。また第1のケース39の他の油
通路55は、鉄板41に形成された小孔でもつて
構成された前記絞り31を介し、また鉄板41背
面上のシール板56の油通路穴56bを介し、第
2のケース40に設けられた軸線方向油通路60
へと連らねてあると共に第2のケース40内で制
御ピストン29の背後に連通させてあり、上記し
た第2のケース40の油通路60は、アンロード
バルブ32のスプール35に形成した油通路穴6
1を介し、アンロードバルブ32のスプール35
他端位及び油圧アキユムレータ37へと連通させ
てある。そして、アンロードバルブ32の前記タ
ンクポート53は、第2のケース40に設けた軸
線方向油通路62、鉄板41及びその両面上のシ
ール板に形成した油通路穴63、及び第1のケー
ス39に設けた軸線方向油通路64を介し、第1
のケース39に設けたドレンポート65へと、連
通させてある。
以上よりして、第3−5図に図示のバルブアセ
ンブリー38に組込まれている一次調圧弁24、
アンロードバルブ32及び油圧アキユムレータ3
6,37とその間の接続が、第2図に図示の油圧
回路図に基いて先に説明した通りのものとなつて
いることが、理解されよう。なお第5図において
66は、第1及び第2のケース39,40間を連
結する連結螺杆であり、また第3図に示すように
前記二次調圧弁25も、バルブアセンブリー38
中に組込まれている。
次に、第1の実施例に係る油圧制御装置の作用
を説明すると、図示の油圧クラツチ式変速装置1
は、変速段を1速変速段と2段変速段間で適宜に
切替えて、用いられるものとされ、そのような変
速段の切替えは、電磁切換弁22のソレノイド2
2a,22bの励解磁制御によつて行なわれるわ
けであるが、変速段切替え時のクラツチ9,10
作用油圧の立上りは、次のように行なわれる。す
なわち、電磁切換弁22が1速位置または2速
位置に変位せしめられると、油圧ポンプ15か
らの作動油が相当する油圧クラツチ9または10
に供給されると共に、絞り30または31を介し
て相当する制御ピストン28または29の背後と
相当する油圧アキユムレータ36または37とに
供給される。そして、制御ピストン28背後に作
動油が供給されるときは該制御ピストン28と他
の制御ピストン29とが一体的に前進せしめられ
ることで、また制御ピストン29背後に作動油が
供給されるときは該制御ピストン29のみが前進
せしめられることで、一次調圧弁24における油
圧設定用スプリング27の強度が高められて行
き、該調圧弁24による設定油圧が高められて行
くが、油圧アキユムレータ36または37に作動
油が供給され、そのピストン36aまたは37a
が前記段部46aまたは47aにて規制される最
後退位置まで後退する間は、油圧アキユムレータ
36または37への作動油の供給が継続するか
ら、制御ピストン28または29背後への作動油
の供給割合がそれだけ低く保たれ、アキユムレー
タ・ピストン36aまたは37aが上記の最後退
位置まで後退せしめられて油圧アキユムレータ3
6または37への作動油の供給が無くなつた時点
から、制御ピストン28または29背後への作動
油の供給割合がより高められる。したがつて、第
6図に示すように、電磁切換弁22の変位時点か
らの時間tに対するクラツチ作用油圧Pの立上り
は、一次調圧弁24の前記弁体42がリリーフ動
作位置まで前進したときのスプリング27力に相
当する初期圧P0から先ず、油圧アキユムレータ3
6または37へと作動油が供給され制御ピストン
28,29または29が極く低速でしか前進せし
められないことに相当して、関係線C1に沿つて
極くゆつくりと行なわれ、次いで、ピストン36
aまたは37aの最後退で油圧アキユムレータ3
6または37への作動油供給が無くなつた時点t1
の油圧P1から制御ピストン29が前記段部44に
て規制される最前進位置をとつたときのスプリン
グ27力に相当する定常圧P2までは、もつぱら制
御ピストン28または29の背後のみに作動油が
供給されることから、クラツチ作用油圧Pが関係
線C2に沿つて比較的速やかに立上る。以上のよ
うな油圧Pの立上り特性は、電磁切換弁22が運
転開始時に中立位置Nから1速位置または2速
位置に移されたときも定常運転中に1速位置
と2速位置間で変位せしめられたときも、同様
に得られ、このようにクラツチ作用油圧Pが徐々
に立上ることで、各油圧クラツチ9,10のスム
ーズなエンゲージングが達成される。なお油圧立
上りの終期に、関係線C2のようにクラツチ作用
油圧Pを比較的速やかに立上らせることによつて
は、油圧クラツチ9,10のエンゲージングが時
間t1までの油圧力で行なわれるのに対し、速やか
に定常圧P2が確保されて、摩擦エレメント12,
13の摩耗とか油温上昇による作動油の早期劣化
とかにつらなるクラツチスリツプが防止され、安
全である。
上で説明した第6図に図示の油圧立上り特性
は、第3,4図に図示の前記各調整螺杆48,4
9を操作して変更できる。すなわち各調整螺杆4
8,49を、前記各可動バネ受50,51を前進
変位させる向きに螺廻操作し各スプリング36
b,37bの強度を高めるときは、対応して各油
圧アキユムレータ36,37に対する作動油の流
入速度が減らされると共に各ピストン36a,3
7aが最後退したときの油圧が高められるから、
第6図に図示の前記関係線C1の勾配がより緩や
かとなるとなつて時間t1がより長くされると共に
該時間t1で得られる油圧P1がより高められる。し
たがつて各油圧クラツチ9,10ごとに油圧立上
り特性を、最もスムーズなクラツチ・エンゲージ
ングが得られるように変更できる。図示の場合と
異なり可動バネ受50,51を設けない構造であ
れば、スプリング36b,37bの交換により上
記のような油立上り特性の変更を行なえる。
油圧クラツチ9,10として容量を異にする油
圧クラツチが用いられる複数の油圧クラツチ式変
速装置間においても同様であつて、エンゲージン
グに際しシヨツクを起し易い容量大の油圧クラツ
チを用いた変速装置ほど各油圧アキユムレータ3
6,37のスプリング36b,37b強度を高め
ることで第6図に図示の関係線C1をより緩やか
とすると共に油圧P1を高めめて、スムーズなクラ
ツチ・エンゲージングを得るように対応できる。
そして、前記のアンロードバルブ32が設けら
れていることから、上記のような油圧上り特性が
常に確実に得られることとなる。すなわち、定常
運転中において電磁切換弁22は、1速位置と
2速位置との間で変位せしめられるとき中立位
置Nを経過するも、該中立位置Nを急速に経過す
ることから、そして絞り30,31が設けられて
いることから、それまでとつていた作用位置ま
たはにおいて制御ピストン28または29の背
後に供給されていた油圧及び油圧アキユムレータ
36または37に蓄積されていた油圧は、電磁切
換弁22の中立位置N経過時に抜かれず、また同
電磁切換弁22が新たな作用位置またはに移
つた後にも、制御ピストン28または29の背後
と油圧アキユムレータ36または37とからの油
圧の排除は、絞り30または31を介して行なわ
れることから徐々にしか行なわれない。そして制
御ピストン28または29の背後から油圧が抜か
れないままで電磁切換弁22が新たな作用位置
またはに移ることは、とりもなおさず制御ピス
トン28,29または29が前進位置をとつたま
まで新たな油圧クラツチ10または9に油圧が供
給されることを意味するから、該油圧クラツチ1
0または9に対し直ちに定常圧P2が作用すること
となつて、意図するスムーズなエンゲージングが
達成されなくなる。また何らかの手段を講じて、
制御ピストン28または29の背後から速やかに
油圧が抜かれるようにしたとしても、上記のよう
に電磁切換弁22が新たな作用位置またはに
移された後にも油圧アキユムレータ36または3
7から絞り30または31を介しゆつくりとしか
油圧が抜かれないことから、次に電磁切換弁22
が再び別の作用位置またはに移されるとき
に、油圧アキユムレータ36または37から油圧
が抜けきつておらず、意図するアキユムレータ作
用が不完全にしか達成されず、第6図の関係線
C1の中途から油圧が立上つて行く可能性があ
る。これに対し、図示油圧制御装置には前記のよ
うなアンロードバルブ32が設けられていて、電
磁切換弁22が新たな作用位置またはに移さ
れると、同位置またはで新たな油圧クラツチ
10または9に作用せしめられる油圧により前記
のようにアンロードバルブ32がアンドロード作
動して、制御ピストン28または29の背後から
油圧がアンロードされると共に油圧アキユムレー
タ36または37の油圧がアンロードされるか
ら、上記のような不都合が起きず、意図する油圧
立上り特性が常に確実に得られることとなるので
ある。
次に、第7図に図示の第2の実施例について説
明すると、この第2の実施例では、前記した電磁
切換弁22相当の電磁切換弁22Aを、中立位置
を有しないバルブに構成すると共に、前記アンロ
ードバルブ32相当のバルブを電磁アンロードバ
ルブ32Aに構成し、電磁切換弁22Aのソレノ
イド22aが励磁せしめられると電磁アンロード
バルブ32Aのソレノイド32bが励磁せしめら
れて、電磁アンロードバルブ32Aが制御ピスト
ン29背後の油圧をアンロードする位置aへと
移され、逆に電磁切換弁22Aのソレノイド22
bが励磁せしめられると電磁アンロードバルブ3
2Aのソレノイド32aが励磁せしめられて、電
磁アンロードバルブ32Aが制御ピストン28背
後の油圧をアンロードする位置aへと移される
ように、図つている。
第7図に図示の第2の実施例の他の部分の構造
は前述した第1の実施例におけるのと同様とされ
ており、したがつて第2の実施例も前述した第6
図に図示のような油圧立上り特性を得させる。ま
たこの第2の実施例でも電磁切換弁22Aが一の
作用位置またはから他の作用位置または
に移されると、電磁アンロードバルブ32Aが連
動して、それまで油圧を供給されていた油圧クラ
ツチ9または10に接続されている制御ピストン
28または29の背後及び油圧アキユムレータ3
6または37から油圧をアンロードする位置a
またはaに移されるから、制御ピストン28ま
たは29の背後から速やかに油圧が抜かれること
として、第6図に図示のような油圧立上り特性を
常に確保させる。
以上の説明から明らかなように、この考案の油
圧クラツチ式変速装置用の油圧制御装置は、2個
の油圧クラツチ9,10を装備する油圧クラツチ
式変速装置1用の油圧制御装置であつて、油圧ク
ラツチ9,10に対する作用油圧を設定する調圧
弁24における油圧設定用スプリング27の先端
を、該スプリング27の軸線方向に沿い直列配置
した2個の制御ピストン28,29であつて上記
スプリング27側に位置する制御ピストン29の
前進量を規制してある2個の制御ピストン28,
29に受けさせると共に、2個の油圧アキユムレ
ータ36,37を設けて、一方の制御ピストン2
8の背後と一方の油圧アキユムレータ36とを一
方の油圧クラツチ9に対し絞り30を介し、また
他方の制御ピストン29の背後と他方の油圧アキ
ユムレータ37とを他方の油圧クラツチ10に対
し他の絞り31を介し、それぞれ接続し、また油
圧クラツチ9,10に対する油圧の給排を切換え
制御する切換弁22,22Aの変位に連動して変
位せしめられて油圧非作用側の油圧クラツチ9ま
たは10に接続された制御ピストン28または2
9の背後及び油圧アキユムレータ36または37
から油圧をアンロードするアンロードバルブ3
2,32Aを設けたことを、特徴としてなり、次
の効果を奏する。
すなわちこの考案の油圧制御装置に設けられた
調圧弁24は、その油圧設定用スプリング27端
を受ける各制御ピストン28,29の背後を各油
圧クラツチ9,10に対し絞り30,31を介し
て接続してあるものとされていることから、各油
圧クラツチ9,10に対し切換弁22,22A操
作で油圧が作用せしめられるとき、絞り30,3
1を介しての各制御ピストン28,29背後への
徐々の作動油の流入により各制御ピストン28,
29が徐々に前進して油圧設定用スプリング27
の強度を徐々に高めることで、クラツチ作用油圧
を漸増させる油圧漸増型調圧弁として機能するも
のとなつているが、この考案はそのような単一の
油圧漸増型調圧弁24を利用しつつ、それに附設
の制御ピストンを直列配置の2個28,29とし
た上で、2個の油圧アキユムレータ36,37を
設けて、1個宛の制御ピストンと油圧アキユムレ
ータとを1個宛の油圧クラツチに各別の絞りを介
して関連させ、各油圧クラツチ9,10に対する
作用油圧の立上り特性を各別に制御することとし
ている。
そしてこの考案は、各油圧クラツチ9,10の
作動開始に際し、調圧弁26の初期リリーフ動作
による低油圧P0(第6図)の成立後、絞りを介し
ての各油圧アキユムレータ36,37に対する作
動油の流入で或る時間t1(第6図)の間は各制御
ピストン28,29の前進が遅らされて、調圧弁
26単独による場合より油圧の上昇を緩かとす
る、第6図に例示のような関係線C1が得られた
上で、各油圧アキユムレータ36,37に対する
油圧の蓄積完了で調圧弁26のみによる比較的急
な油圧上昇(第6図に例示する関係線C2に沿
う。)が得られるように、各油圧クラツチ9,1
0と各制御ピストン28,29及び各油圧アキユ
ムレータ36,37間を関連させている。
したがつて第6図に例示するような緩やかな関
係線C1に沿つた油圧上昇で各油圧クラツチ9,
10をシヨツク無くスムーズにエンゲージングさ
せることができるのであるが、この考案は単一の
油圧漸増型調圧弁24の油圧漸増作用を遅延させ
ることとする油圧アキユムレータ36,37を2
個の油圧クラツチ9,10の各々に対応させて各
別に設けていることから、各油圧アキユムレータ
36,37のスプリング強度の変更により2個の
油圧クラツチ9,10に対する作用油圧立上り特
性を各別に変更可能とする。そして上記のスプリ
ング強度の変更は、一実施態様と示した可動バネ
受50,51及びその進退調整具48,49を設
ける構造とか、スプリングの交換とかで簡単に行
なえる。
したがつてこの考案によれば単一の油圧漸増型
調圧弁24を利用しつつ、2個の油圧クラツチ
9,10について油圧クラツチごとに油圧立上り
特性を最もスムーズなエンゲージングが達成され
るように変更することもできれば、容量を異にす
る油圧クラツチが用いられる変速装置で上記の調
圧弁24を兼用できることとなる。
そして上記の油圧アキユムレータ36,37は
油圧漸増型調圧弁24による油圧漸増作用を遅延
ないし緩和する機能のものであるから極く小型の
ものでよく、油圧非漸増型の調圧弁を用いつつ2
個の油圧アキユムレータのみで2個の油圧クラツ
チに対する作用油圧の立上りを緩やかとする場合
ように大型の油圧アキユムレータを用いる必要は
なく、また油圧漸増型調圧弁24と組合された油
圧アキユムレータは、高油圧のみを設定する油圧
非漸増型の調圧弁と組合された油圧アキユムレー
タとは異なり、アキユムレータへの作動油の流入
中も調圧弁のリリーフ動作を停止させないことか
らして調圧弁のリリーフ油を潤滑油として常に利
用可能とし潤滑油供給機構を複雑としない。した
がつてこの考案は前述の長所を、簡単な構造で得
させたものとなつている。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の第1の実施例を装備した油
圧クラツチ式変速装置の概略縦断側面図、第2図
は同第1の実施例の油圧回路図、第3図は同第1
の実施例要部の横断平面図、第4図及び第5図は
それぞれ、第3図−線及び−線に沿う断
面図、第6図は同第1の実施例の作用を説明する
模式的なグラフ、第7図はこの考案の第2の実施
例を示す油圧回路図である。 1……油圧クラツチ式変速装置、3……入力
軸、4……出力軸、5,6,7,8……変速歯
車、9,10……油圧クラツチ、15……油圧ポ
ンプ、22,22A……電磁切換弁、24……一
次調圧弁、27……油圧設定用スプリング、2
8,29……制御ピストン、31,31……絞
り、32……アンロードバルブ、32A……電磁
アンロードバルブ、33,34……スプリング、
35……スプール、35a,35b……ランド、
42……弁体、44……段部、53……タンクボ
ード。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 2個の油圧クラツチ9,10を装備する油圧
    クラツチ式変速装置用の油圧制御装置であつ
    て、油圧クラツチに対する作用油圧を設定する
    調圧弁24における油圧設定用スプリング27
    の先端を、該スプリング27の軸線方向に沿い
    直列配置した2個の制御ピストン28,29で
    あつて上記スプリング27側に位置する制御ピ
    ストン29の前進量を規制してある2個の制御
    ピストン28,29に受けさせると共に、2個
    の油圧アキユムレータ36,37を設けて、一
    方の制御ピストン28の背後と一方の油圧アキ
    ユムレータ36とを一方の油圧クラツチ9に対
    し絞り30を介し、また他方の制御ピストン2
    9の背後と他方の油圧アキユムレータ37とを
    他方の油圧クラツチ10に対し他の絞り31を
    介し、それぞれ接続し、また油圧クラツチに対
    する油圧の給排を切換え制御する切換弁22,
    22Aの変位に運動して変位せしめられて油圧
    非作用側の油圧クラツチに接続された制御ピス
    トンの背後及び油圧アキユムレータから油圧を
    アンロードするアンロードバルブ32,32A
    を設けたことを、特徴としてなる油圧制御装
    置。 2 実用新案登録請求の範囲第1項に記載の油圧
    制御装置において、前記両油圧アキユムレータ
    36,37のスプリング36b,37bの基端
    をそれぞれ、該スプリング36b,37bの軸
    線方向に沿い変位可能に設けた可動バネ受5
    0,51に受けさせると共に、該可動バネ受5
    0,51を進退させる進退調整具48,49を
    設けたことを特徴とする油圧制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5131364A (ja) * 1974-09-10 1976-03-17 Toyota Motor Co Ltd Sharyoyojidohensokuki no yuatsuseigyosochi

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