JPS6118090Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

この考案は住宅の騒音防止工事における天井部
分の遮音性能を向上させることを目的とした遮音
天井パネルの連結構造に関するものである。 従来、住宅の騒音防止工事における天井部分は
主として現場施工されており、設計および施工共
に専門的技術を必要としていた。又遮音天井パネ
ルを敷設する方法もあつてが、パネル相互の連結
部の遮音性能が劣る為、遮音天井パネルの特性を
生かせない問題点があつた。 然るにこの考案は、棧木と合板および遮音硬質
板よりなる骨組盤の空隙内に吸音繊維材が充填
し、骨組盤の一側外面に遮音シートを、他側外面
に表面材を層着した遮音天井パネルを端面が対向
するように連設し、対向端面にパネルの長手方向
に沿つて形成した目地溝に遮音目地板を装着する
と共に、一方のパネルの遮音シートを他方のパネ
ルの遮音シートに重ね、かつ前記表面材はパネル
の端面に形成した目地溝に至るまで延長して遮音
天井パネルの連結部を構成したので、連結部は二
重遮音の構造により、遮音性能の良い天井の構成
を可能にした。然して遮音天井パネルも工場生産
により均質なものを廉価かつ多量に提供し得るよ
うにしたのである。 この考案における遮音硬質板としては、音の透
過を阻止する材質よりなる板体であつて、例えば
プラスターボード、繊維入りセメントボード、ア
スベストボードなどが使用できる。また遮音シー
トとしては、発泡合成樹脂シート、サンダムシー
トKM（日本ゼオン株式会社製）、合成樹脂フイ
ルムと鉛箔とのラミネートシートなどが考えられ
る。更に吸音繊維材としては、グラスウール、岩
綿又は石綿などが使用できる。然して前記遮音硬
質板を室内側に向けて使用すれば、前記のように
遮音性能を向上させるのみならず、耐火性能も著
しく向上させることができる。 即ちこの考案を実施例について説明する。 遮音天井パネルは、矩形の合板１と、矩形のプ
ラスターボード２との間に縁棧木３および補強棧
木４を配して下地骨組盤を構成し、前記合板１の
外面に遮音シート５を層着すると共に、その一側
縁５ａ（パネルの接続側）を隣接パネルとの間隙
６を覆い更に隣接パネルの側端の一部を覆う程度
の長さ（例えば30mm位）だけ突設し、前記プラス
ターボード２の外面および縁棧木３の側面に表面
材７（例えば化粧材）を被着し、前記下地骨組盤
の内部空隙８にグラスウール９を充填したもので
ある。縁棧木３の端綿にはパネルの長手方向に沿
つて目地溝１０が形成してあり、前記表面材７は
目地溝１０に至るまで延長して被着してある。 前記実施例においては、下地骨組盤を構成した
後グラスウールを充填すると記載したが、実際製
造に際しては、下地骨組盤の構成時にグラスウー
ルを充填することになると考えられ、製造法に限
定を受けるものではない。前記パネルの施工に際
しては、工場生産したパネルを現場に搬入し、天
井の一側から順次並列設置すると共に、隣接パネ
ルとの接続部には縁棧木３の目地溝１０，１０に
遮音目地板１１〔例えばアルボリツク（三菱軽金
属株式会社製品）〕を挿通すると共に、溝間隙へ
コーキング材１２を充填し、ついで遮音シートの
突出部を被覆する。図中１３は遮音目地板１１の
外面に層着した外面材である。 次に第５図はこの考案で使用したパネルによる
遮音透過グラフであつて、その各周波数における
透過損失は第１表のようになつている。

【表】 上記試験に用いた天井パネルは長さ1800mm、幅
900mm、厚さ57.5mmであつてプラスターボードの
厚さ９mm、グラスウールの充填厚さ45mm、合板
2.5mm、遮音シート１mmであり、面密度は平均17
Kg／m²であつた。 また、 音源室容積 164m³ 受音室容積 68m³ 開口部面積 4.0m² 透過部面積 1.6m² 残響室気温 32℃ 残響室相対湿度 82％ であつて、パネルを資料固定部へ嵌着し、周縁当
接部はパテ詰めをすると共に、ゴムパツキングを
周繞して密封した。 各パネルの連結部は、遮音シート５による遮音
と、遮音目地板１１による遮音の二重遮音の構造
であるので、実施例の遮音天井の遮音性能は前記
パネルの遮音性能とほぼ等しくなると思われる。 即ちこの考案によれば、合板、縁材および遮音
硬質板よりなる下地骨組盤の内側に吸音繊維材を
充填し、外面に遮音シートを層着したパネルを連
設し、その目地部において遮音目地板を設けると
共に、前記遮音シートも目地部に張設したので、
パネル連結部の遮音を確実にし、遮音性能の高い
天井の構成を可能とする効果がある。又、パネル
は現場施工によらず、工場生産が可能であるの
で、コストダウンの効果もある。更に、パネル外
面に張設した表面材を、パネル端面の目地溝に至
るまで延長したので、連結部の外観を向上できる
効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例で使用した遮音天井
パネルの横断正面図、第２図は同じく一部を省略
した平面図、第３図は同じく一部を省略した縦断
側面図、第４図はこの考案の実施例の一部面断拡
大図、第５図はこの考案で使用したパネルの音響
透過損失グラフである。 １……合板、２……プラスターボード、３……
棧木、５……遮音シート、７……外面材、９……
グラスウール、１０……目地溝、１１……遮音目
地板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 棧木と合板および遮音硬質板よりなる下地骨
   組盤の空隙内には吸音繊維材が充填され、前記
   下地骨組盤の一側外面に遮音シートが、他側外
   面に表面材が層着されてなる遮音天井パネルが
   端面を対向して連設してあり、対向端面にはパ
   ネルの長手方向に沿つて目地溝が形成されて、
   前記表面材が前記目地溝に至るまで延長してあ
   ると共に、前記目地溝間に遮音目地板を装着
   し、かつ一方のパネルの遮音シートが他方のパ
   ネルの遮音シートに重ねてあることを特徴とし
   た遮音天井パネルの連結構造。 ２ 遮音硬質板はプラスターボードとした実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の遮音天井パネル
   の連結構造。 ３ 吸音繊維材はグラスウールとした実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の遮音天井パネルの連
   結構造。