JPS6117837Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、一般事務所、学校等の書類、雑
誌、印刷物等の中小量の用紙類を裁断するに用い
る卓上裁断機に関するものである。

従来使用されている卓上裁断機は、平板状のテ
ーブル１の上面に前後支柱２，３を立設し、この
二つの支柱２，３の両側をサイドフレーム４，５
で連結して箱枠状とするとともに、支柱２，３に
摺動面６，７を突成し、これに添つて刃体取付台
８がレバー９のリンクモーシヨンによつて斜に上
下動する機構のものが普通であつて、この刃体取
付台８に帯板状の切断刃１０が複数個のボルト１
１によつて固定され、また刃体取付台８の側方に
は紙押え１２があり、ハンドル１３を有するネジ
軸１４によつて上下動できる構造となつている。

この装置を使用するには、テーブル１上の所定
位置に用紙を位置決めし、ハンドル１３を介して
紙押え１２を下降して切断すべき用紙を固定した
のち、レバー９を下方に押し下げることにより、
切断刃１０の摺動面６，７に沿い下降させて切断
を行うものであるが、上記切断刃１０は軟鋼板よ
りなる台金１０′の先端に特殊工具鋼よりなる刃
金１０″をろう接して一体の厚板状に形成されて
おり、長時間使用するうちに刃先部が摩耗するの
で再研磨する必要が生ずる。その場合には、刃体
取付台８を下方に下げボルト１１を取外し、切断
刃１０を刃体取付台８より取外し支柱２の窓２′
より取外して刃物研磨機により再研磨して再刃付
するものである。

しかし、この卓上裁断機を使用する需要家には
研磨機を有して自分の所で再研磨することは階無
に等しいから再研磨は外部に依頼する以外にな
く、実際には廃棄して、新しい切断刃に取換えて
いるのが現状である。また、再研磨するにして
も、切断刃の着脱に手間を要し、かつ研磨中はそ
の間機械が不能となる等不便があつた。

この考案は以上のような欠点を取除いて裁断機
に使用する切断刃の刃体を薄く、巾を狭く形成し
てコスト的にも安価に製作でき使い捨で使用する
ようにしたものであつて、これを第３図について
説明すると、テーブル１′上に前後支柱２′，
３′、サイドフレーム４′，５′を立設するとも
に、その内側に前後支柱に設けた摺動面に添つて
刃体取付台８′をレバー９′により斜方向に昇降す
るように設け、また紙押え１２′をハンドル１
３′を有するネジ軸１４′で上下動可能に設けた点
は、前記従来の装置と同様であるが、この刃体取
付台８′は、上端をピンを介して前記レバー９′に
連なり上端縁を一方に張り出したアングル状部材
１５に、刃体挾圧部を有する添当板１６を付設
し、その間に切断刃ａを挾んで重合して形成す
る。上記アングル状部材１５には係合用突起１
７、板面に一定間隔でネジ穴１８……、切断刃ａ
に設けた突条が係合すべき凹条１９ならびに内部
にスプリング２０を収容した複数個の凹穴２１が
各設けられ、また添当板１６には、上記ネジ穴１
８と合致してボルト挿入孔２２、切断刃ａの突条
が係合すべき凹条２３が各設けられている。

切断刃ａは、厚さ1.0〜3.5mmの帯状薄板で形成
され、一端縁を切刃a′に形成するとともに、他端
縁に外側に張り出す突条２４を有している。この
切断刃ａは第４図のようにＴ状、鈎状のいずれで
あつてもよく、かつ突条２４は刃体と同一材質で
一体に作るか、または別体の成形した薄鋼板ある
いはプラスチツク片２４′を両側から糊付して形
成する。

この切断刃ａは、第３図のように刃体取付台
８′を形成するアングル状部材１５と添当板１６
と間に挾入され締付ボルト２５……を介して挾着
される。この場合、スプリング２０の拡開力によ
りアングル状部材１５と添当板１６とは相互にガ
タ付くことはない。

なお、紙押え１２′は刃体取付台８′の形成に応
じてその下端形状を若干変えることが望ましい。

次に第５図、第７図は切断刃ａを上下両側縁に
切刃a″，a″を形成したものを使用する場合の一例
を示す。この場合、係合用突条２４′、係合用凹
状２３″切断刃ａあるいは刃体取付台８′のいずれ
側を突条、凹条としてもよく、第５図に示す刃体
取付台８′には第６図に示す切断刃a′が、また第
７図に示すものには第８図に示す切断刃a′が使用
される。

なお、第５図、第７図に示す実施例において
は、そのアングル状部材１５の係合用凹溝１７′
には適宜間隔で２〜３個の凹穴２１を設け、スプ
リング２０を収容する。第９図は刃体取付台８′
の右左の上下調整装置に関する説明図で切断刃ａ
の刃先平行度の相違が生じたとき微調整するよう
にしたもので、刃体取付台８′の一方のガイドロ
ール３０を支持している偏心軸３１はガイドロー
ル３０の支持部分を偏心させておき、新しい切断
刃ａと交換したとき切刃a′とテーブル１′のアン
ピルとが平行にならない場合に調整するもので、
偏心軸３１にはウオーム歯３２を刻成しておき、
このウオーム歯３２にウオーム軸３３を噛合さ
せ、ウオーム軸３３を上部より回転してガイドロ
ール３０を上下させて調整を行いナツト３４によ
り固定するものである。

この考案は以上の構造であつて、薄板で安価な
切断刃ａを使い捨てとして使用することにより、
前記従来の不利を除去することができるととも
に、切断刃ａの着脱には締付ボルト２５……を抜
き取る必要がなく、しかもスプリング２０が介設
されているため締付ボルト２５……をゆるめれ
ば、アングル状部材１５と添当板１６とは自然に
拡開して新い切断刃ａの挿入を極めて簡単に行う
ことができ、しかも挿入された切断刃ａはその全
長（各図においては紙面に直角の方向）にわたる
両側面を均等に挾圧されて取りつけられるから細
長い薄刃であつても折損などのおそれがなく、か
つ着脱の際、弾発的にはね反つて負傷事故を起す
ようなおそれも全くない等、多くの利点を有する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来装置の側面断面図および
正面断面図、第３図はこの考案の正面断面図、第
４図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは切断刃の各例を示す正面
図、第５図第７図は第３図の他の一例を示す要部
正面断面図、第６図Ａ，Ｂ，Ｃおよび第８図Ａ，
Ｂはそれぞれ第５図第７図に使用される切断刃の
各例を示す正面図、第９図は刃先位置の調整機構
の説明図である。 図中の符号、１′はテーブル、２′，３′は前後
支柱、４′，５′はサイドフレーム、８′は刃体取
付台、９′はレバー、１２′は紙押え、１４′はネ
ジ軸、１５はアングル状部材、１６は添当板、２
０はスプリング、ａは切断刃、２３，２３″は凹
条、２４，２４″は突条、２５は締付ボルトを示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テーブル上面に、前後支柱ならびに支柱を連ね
   るサイドフレームを箱枠状に立設し、その内側に
   レバーにより斜め方向に上下動する刃体取付台お
   よびネジ軸、偏心カム等により上下動可能の紙押
   えを備えたものにおいて、刃体取付台８′を上端
   がレバー９′に連なるアングル状部材１５とスプ
   リング２０を介してこのアングル状部材１５に常
   時拡開状態に締付ボルト２５で重合締付される帯
   状の添当板１６とで形成するとともに、これに装
   着すべき切断刃ａを、上記アングル状部材１５と
   添当板１６との間に締付ボルト２５の下方に位置
   して挾止され、かつアングル状部材１５と係合す
   べき係合用突条２４，２４′，２４″あるいは係合
   用凹条２３″のいずれか一方を有する１枚の帯状
   の薄板で形成した卓上裁断機。