JPS6117506B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は外科用排液装置に関するもので、更に
詳細には、患者の胸腔へ、そこから液体及びガス
を排出するために連結されるようにされた水中排
液装置に関するものである。本発明による装置
は、米国特許第3363626及び3363627号並びに1975
年10月10日に米国特許出願された「胸腔排液装置
用の接続可能な膨張室」（願書番号第621591号）
に開示されている。

前記の米国特許中には、水中排液装置の目的と
作用との一般的な説明が、肺構造及び人間の呼吸
作用の簡単な説明と共になされている。

多数の他の装置が、胸腔及び胸廓の中に真空を
維持し、排液するために開発されてきた。その
上、多数の改良が、前記の特許において開示され
た装置になされている。例えば、これらの改良
は、米国特許第3559647；3783870；3847152；
3853128及び3809085号に開示されている。前記の
特許すべての中に開示されている装置は、一般的
に３室装置として分類される。なぜならば、それ
らの室は、１室は体腔から排出された液を収集す
るための室、収集室上において水シールを維持す
るための室及び装置の中における真空量を制御す
るための室であるからである。

また、上記の米国特許出願には、追加の収集室
として役立つようにされた取付け可能な第四室を
有する３室形式の排液装置が記載されている。同
出願中にきわめてしばしば記載されてあるよう
に、排液されるべき体腔に１個以上の開胸術管を
連結することが望ましい。例えば、１本の開胸術
管は、胸腔の中の低い点に連結され、これが胸腔
からの大部分の液を収集し、他の開胸術管は胸腔
の中のより高い点に連結され、そこでガスと共に
いくらかの液が除去されるようにする。前記の米
国特許出願中に開示された装置の使用以前は、２
個の別個の胸部排液装置を利用し、１個の装置は
胸腔内の低い点に連結され、他方の装置は胸腔内
の高い点に連結されるようにすることが必要であ
つた。あるいは、只１個の胸部排液装置が、２個
の胸開術管に連結するようにＹ継手を有する収集
室から導かれる管を有することによつて、使用す
ることもできる。しかしながら、このような装置
によつては、収集室内部に集められた液体の根源
を決定することは不可能である。

このように、只１個の真空源を使用し、しか
も、各開胸術管に対する別個の収集室を備える排
液装置が必要とされていた。前記の米国特許出願
中に開示されている装置は、これらの要求のいく
つかを満足させるものであるが、２個の別個の収
集室を備え、胸腔内の上方の排液部からの過剰の
排出を指示するための過充てん室を有する前もつ
て組立てられた只１個の装置を得ることが望まし
いことが分かつた。

本発明は、同じ吸引源を利用する１対の収集室
を有する外科用排液装置を提供するものである。
本発明装置は、両方の収集室のための只１個の水
シール室と、両方の収集室内に存在する真空度を
指示する只１個の圧力計とを備えている。排液装
置は、一つの収集室からの液体が、他の収集室を
通過することのできないように設計されている。
両方の室は、あふれ室によつて分離されている。
あふれ室は、通常は胸腔内の上方部に連結される
より小さな収集室内に集められた液体が、別個の
室の中にあふれることを許し、看護する看護婦又
は医師に、２個の収集室の中の流体の混合を防止
するために、患者に第二の装置が連結されるべき
であることを指示するようにする。２個の収集室
の間の通路は、より小さな収集室から、より大き
な収集室の中への直接的な液体の流れを阻止する
ように配置されている。

２個の収集室と、水シール装置と、圧力計とか
ら成立つている全体の装置は一体のユニツトとし
て形成され、片手によつて容易に運搬され、ま
た、患者に取付けることも簡単である。この装置
は、単に継手を追加の収集室へ開放しないことに
よつて、従来の３室装置として使用されることも
できる。

以下、本発明をその実施例を示す添附図面に基
づいて説明する。

胸腔から液体及びガスを収集するための排液装
置が図示されているが、その主収集室、水シール
室及び圧力計室の構造及び作用は、前記の従来の
特許中にその要旨が開示されている。しかしなが
ら、図示されている装置を更に詳細に説明する
と、主収集室１があり、これは個々の仕切り２，
３及び４を形成している内部隔壁を設けられてい
る。主収集室１への入口は、収集装置の上壁内の
開口１_１を貫いており、この開口１_１は仕切り２
のほぼ直上に置かれている。このように、開胸術
管２０_１を経て流れる流体が仕切り２を充満する
につれ、液体は隔壁５をあふれ、次ぎの仕切り３
の中に流入する。仕切り３が充満された時は、液
体は隔離６をあふれ、仕切り４内に集まる。

水シール室は、大きな腕８と小さな腕９とを有
するＵ管７から成立つている。水シールを形成す
べき水は、小さい腕９と大きな腕８との下方部分
を充満し、大きな腕８の下端部分内部の拡大され
た容積１０を部分的に充満する。水シール室の大
きな腕８の上端部は、圧力計１２の大きい腕１１
の上端部につながつている。圧力計１２の小さな
腕１３は、その上部を大気に開放されている。

胸腔排液装置の上端部内には、水シール室の腕
８と圧力計の腕１１との間に、装置を真空源に連
結するための開口（図示していない）が設けられ
ている。

水シール室の小さな腕９の上端部の内部には、
弁１４が設けられているが、その詳細は第４図
（第１図の４―４線に沿つて切断し、矢印の方向
に見た切断図に示されている。開口を有する隔壁
１５が、水シール室の腕９の内部に弁１４の直上
に配置されており、また、弁１４は水が水シール
室から主収集室１の中へ、胸腔内部の高負圧の期
間の間に流れることを阻止するように設計されて
いる。水シール室内の水が、小さな腕９の中を上
昇し、弁１４に到達する時は、弁１４は上昇さ
れ、隔壁１５の中の開口を閉塞し、水が腕９の上
端部を通し主収集室１内に入ることを阻止する。
この弁１４の構造及びその作動様式の詳細な説明
は、米国特許第3683913号に明瞭に記載されてい
る。

水シール室の大きな腕８の上端部内には弁１６
が備えられている。この弁１６も第４図に更に詳
細に説明されている。この弁１６は米国特許第
6853128号に開示されている弁と同じ機能を果す
もので、すなわち、胸腔内部に高い正圧の形成を
阻止するものである。通路１７が水シール室の大
きな腕８の内部を弁１８の一方逆玉弁１８を介し
て大気に相互連結している。排液装置内部の圧力
が大気圧を超過する時は、玉弁１８はその座から
上昇し、排液装置内からガスの逃げることを許
す。これによつて、装置の何らかの誤操作から生
ずる胸腔内部に何らかの正圧の形成を阻止するこ
とができる。

主収集室１の仕切り２及び４の下端部内及び圧
力計の大きな腕１１の内部には、仕切り２内に示
されるダイアフラム１９のようなゴムダイアフラ
ムが設けられている。このダイアフラムは、装置
の運転を中断すること無しに、室内部の液体を試
験するために、針の差し込みを許す。

第二の収集室又は小さな収集室が２０によつて
示されている。この収集室２０はその上端部内に
開口１_２を有しており、これは１本の開胸術管２
０_２に連結されるようにするが、この開胸術管２
０_２自体は、他の収集室から延びている開胸術管
２０_１が連結される箇所から間隔を置かれている
胸腔内のある場所と連結されることもできるよう
にされる。一般的にいつて、主収集室１は胸腔の
低い部分に連結されるが、これは、大部分の液体
が排液され、より大きい容量の収集室を必要とす
るのは、この領域からであるからである。しかし
ながら、多くの場合に、胸腔の上方部分に集まる
ガス及び液体を除去することが希望され、このよ
うな場合には、第二の収集室２０が利用されるこ
とができる。この収集室２０の上方部分はその側
部に開口２１を有していて、小さな開口２２を介
して主収集室１と相互連結させている。このよう
にして、収集室１内部に存在する圧力条件が収集
室２０内部にも存在し、また、無論、同じ圧力条
件が胸腔内部に、別個の開胸術管２０_２が連結さ
れる箇所においても存在する。

収集室１の仕切り２と収集室２０との間には、
あふれ室２３が設けられている。液体が室２０を
充満する時は、液体は隔壁２４の上端部をあふ
れ、あふれ室２３の中に流れることが分かる。あ
ふれ室２３と収集室１の仕切り２とを分割してい
る隔壁の上端２５は、あふれ室２３を収集室２０
から分離している隔壁の上端２４よりもより高い
点に置かれている。このようにして、液体は室２
０から収集室１の仕切り２の中に直接的に流れる
ことを阻止される。

ここに説明された胸腔排液装置の一般的な作用
は、上記の特許に詳細に説明されている。普通に
は、水中排液装置は開胸術管２０_１を経て、胸腔
内の低い点に連結される。若しも、同時に、又
は、後に高い排液を胸腔に連結することが希望さ
れるならば、第二の開胸術管２０_２が室２０から
胸腔内の高い点に連結されても良い。収集室２０
の内部に維持される真空は主収集室１の内部に維
持される真空と同一であるが、その理由は、これ
らの両収集室は相互に連通しているからである。
収集室２０が液体を充満されると、液体はあふれ
室２３の中にあふれ、このようにして、収集室２
０の内部の液体が収集室１の内部の液体と混合す
ることを阻止するために、装置は交換されるべき
であるという指示を与える。あるいは、小さな収
集室２０はその下端部におけるゴムダイアフラム
を介してからにされるべきである。

上述のことから、本発明によると、胸腔内の選
択された点からの排液を許し、これによつて、只
１個の真空源を有する只１個の装置において、液
体が別々に収集され、測定されるようにする水中
排液装置の得られることが分かる。以上、本発明
をその一つの実施例について詳細に説明したが、
当業者には、本発明の要旨を離れることなく多く
の変形や修整がなされることのできることを理解
されたい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例を示す正面図、第２
図はその２―２線による横断面図、第３図は第１
図の３―３線による部分正断面図、第４図は第１
図の４―４線による部分断面図である。 １……主収集室；２，３，４……仕切り；５，
６，１５，２４……隔壁；７……水シール室；
８，９……腕；１２……圧力計；１４，１６，１
８……弁；１９……ダイアフラム；２０……第二
の収集室。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 胸腔に連結されるようにした入口を有する主
   収集室と、 主収集室の上端部に設けられたそれからの出口
   と、 Ｕ形の水シール室と、 Ｕ形の圧力計室と、 を有し、 Ｕ形の水シール室の一方の腕の上端部は主収集
   室からの出口に連結され、 Ｕ形の水シール室の他方の腕の上端部はＵ形の
   圧力計室の一つの腕の上端部に連結され、 Ｕ形の圧力計室の他の腕は大気に開放され、 更に、 通常の運転の間に真空源が胸腔を、圧力計室内
   の液体によつて決定される負圧に維持するための
   真空源への継手と、 胸腔に連結されるようにした入口を有する第二
   の収集室と、 主収集室と第二の収集室とをそれらの上端部に
   おいて相互に連結する開口と、 第二の収集室と主収集室との間にそれらの上端
   部において配置されているあふれ室と、を有し、
   主収集室、水シール室、圧力計室、第二の収集室
   などが一つの容器内に収容されて一体化されてい
   ることを特徴とする２個の収集室を有する水中排
   液装置。 ２ 第二の収集室が主収集室と一体に形成された
   特許請求の範囲第１項記載の水中排液装置。 ３ 主収集室と第二の収集室との間の通路が、第
   二の収集室からあふれ室の中への入口と、あふれ
   室と主収集室との間の連結開口とから成立つてい
   る特許請求の範囲第１項記載の水中排液装置。 ４ 第二の収集室からあふれ室の中への入口の下
   縁が、あふれ室と主収集室との間の連結開口の下
   縁の下方にある実質的な間隔を置かれるようにし
   た特許請求の範囲第３項記載の水中排液装置。 ５ 第二の収集室が主収集室と一体に形成される
   と共に水シール室と反対側の主収集室の側上に配
   置されるようにした特許請求の範囲第１項記載の
   水中排液装置。 ６ 主収集室と第二の収集室との間の通路が、第
   二の収集室からあふれ室の中への比較的大きい入
   口と、あふれ室と主収集室との間の比較的小さな
   連結開口とから成立つている特許請求の範囲第５
   項記載の水中排液装置。