JPS6116561B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は旋盤等におけるタレツト装置に関
し、その回転および位置決め動作等からなる一連
のインデツクス動作が早く且つ確実であり、しか
もそれをコンパクトに設計しうるタレツト装置を
提供することを目的とする。

以下、図面に基づいて実施例を説明する。図に
おいて１はその外周の四方の壁に刃物２の取付溝
３を形成した外側ハウジングであり、該外側ハウ
ジング１の内周１ａは円形に形成してあつて、後
述の回転装置４のまわりに回転自在且つ上下動自
在になしてある。

５は後述のピストン部材、上端との間に設けた
ローラーベアリング、６は前記取付溝３へ刃物を
取付たあと該刃物を強固に固定するボルト７ねじ
込み式の固定爪、８は前記取付溝３に沿つて外側
ハウジング１内部に形成した環状の冷却水通路
で、該冷却水通路８は後述の連絡路５１によつて
外部の冷却水供給源WPに連通されると共に、刃
物取付溝３との間に設けた押圧開閉式の弁９によ
つて該ハウジング１外へ連通されていて、刃物２
を刃物取付溝３へ取付ければ、該刃物２の裏面が
前記弁９を押圧して開き、刃物２裏面と前記冷却
水供給源WPとが連通するようになつている。

１１は前記弁９の付勢用ばね、１２は刃物２を
取付けない辺の冷却水通路８を閉鎖する回転式の
弁、１３はその開閉用回転軸である。

なお、取付ける刃物２の内部にも、刃物裏面と
刃物の刃先とを連通する図示しない連通路が設け
てあつて、上記のようにして刃物２裏面に供給さ
れた冷却水が刃先に向けて噴出するようになつて
いる。

外側ハウジング１は前述の通り回転装置４に対
して回転自在且つ上下動自在になつているのであ
るが、外側ハウジング１の内周下部と回転装置４
のベースフレーム１４とには、互いに接離自在な
歯１５，１５を形成してあつて、外側ハウジング
１は第１図図示の下位置の状態では前記歯１５が
ベースフレーム１４の歯１５に噛合つて回転不能
になり、後述の第１のピストン部材１６によつて
若干持上げられ、前記歯１５の噛合いが外れた状
態ではじめて回転自在になるようになつており、
外側ハウジング１を持上げて上記歯合いを外す第
１のピストン部材部材１６と、持上げられたハウ
ジング１を回転する第２のピストン部材１７とは
次のようになつている。

すなわち、第１のピストン部材１６はベースフ
レーム１４内に上下動自在に支持された、その上
端が前記外側ハウジング１の内周面の内向きフラ
ンジ部１ｂに前記ローラーベアリング５を介して
当接する円筒状部材であつて、上下の圧油室１
８，１９に選択的に圧油を送ると該ピストン部材
１６は上下に移動して外側ハウジング１を上下す
るようになつている。

第２のピストン部材１７は、同じくベースフレ
ーム１４内に上下動自在に支持された円筒状部材
であつて、該第２のピストン部材１７はその上部
の外周にフランジ状のスプライン部２１とスクリ
ユーねじ部２２を形成してあり、スプライン部２
１をベースフレーム１４に形成した対向するスプ
ライン部２３に係合せしめると共に、スクリユー
ねじ部２２を後述の回転噛合体２４にスクリユー
連結してあつて、上下の圧油室２５，２６に選択
的に圧油を送つて該第２のピストン部材１７を上
下に移動させると、このピストン部材１７は前記
スプライン２１，２３の係合により、フレーム１
４に対して回転することなく上下し、回転噛合体
２４がスクリユーねじのピツチ分だけ（この例で
は四角タレツトであるので90度の角度に亘つて）
往復回転運動するようになつている。

該回転噛合体２４はその頂部に第２図に示した
ような平面視が十字状の噛合翼２７を有する筒状
の部材で、ベースフレーム１４に対して上下のニ
ードルベアリング２８で支持されて回転自在にな
されている。なお、上記第１、第２のピストン部
材１６，１７はベースフレーム１４内に、小径の
側の第２のピストン部材１７が内側に、大径の側
の第１のピストン部材１６が外側に配して、同心
の入れ子状になして内装してある。

そして、前記外側ハウジング１の内部の、上記
噛合翼２７に対向する内向きフランジ部１ｂ上面
には、第２図に示したように十字状の凹所２９を
形成してあつて前記第１のピストン部材１６でも
つて外側ハウジング１が持上げられると、前記十
字状の噛合翼２７が相対的に該凹所２９内に嵌ま
り込み、この状態で前記回転噛合体２４が回転す
ると、噛合翼２７の回転にしたがつて外側ハウジ
ング１が回転するようになつているのである。

３１はベースフレーム１４の中心突軸部上端に
固設した円板で、該円板３１上には近接スイツチ
３２等の検出手段が塔載されている。

そして、前記第１のピストン部材１６と第２の
ピストン部材１７との圧油室１８，１９，２５，
２６は夫々特に次のようにして連通されて、第１
のピストン部材１６と第２のピストン部材１７と
が一定の順序で上下動するようになつている。

すなわち、前記第１のピストン部材１６の下側
の圧油室１９と第２のピストン部材１７の下側の
圧油室２６とは、第１のピストン部材１６が上昇
した状態で連通する連通路３３でもつて連絡され
ており、第１のピストン部材１６の上側に圧油室
１８と第２のピストン部材１７の上側の圧油室２
５とは、第１のピストン部材１６が下降した状態
で連通する（第１図）連通路３４でもつて連絡さ
れて、各ピストン部材１６，１７の上下動は、圧
油源に直結されて第１のピストン部材１６が常に
先に作動するようになつている。つまり、上記連
通路３４の第１のピストン部材１６側開口は、該
第１のピストン部材１６の上下ストローク下端側
に開口し、上記連通路３３の第１のピストン部材
１６側開口は該第１のピストン部材１６の上下ス
トローク上端側に開口してある。

３５，３６は夫々前記連通路３３，３４に連結
した圧油の排出路で、夫々チエツクバルブ３７，
３８を介装せしめると共に、第１のピストン部材
１６の上下の圧油室１８，１９と圧油源とを結ぶ
回路４１，４２に連結してある。

４３は方向切換弁である。

また、第３図の４４はベースフレーム１４の下
部の一隅に設けた、前述の冷却水の外側ハウジン
グ１内への注入装置で、圧縮ばね４５によつて上
方へ付勢された上下動自在な注水パイプ４６と、
該注水パイプ４６の底部の弁座孔４７を貫いて突
設された弁４８付きのガイドシヤフト４９とから
なつており、外側ハウジング１が上昇位置で前記
注水ハウジング４６がばね４５によつて上方へ付
勢された状態（第３図一点鎖線）では、弁座孔４
７が弁４８によつて閉塞されて冷却水供給源WP
からの水の供給がそこで止められ、外側ハウジン
グ１が下降した第３図実線図示の状態では注水パ
イプ４６が押されて下がり、弁座孔４７が開い
て、冷却水が外側ハウジング１に形成された連絡
路５１へと、注水パイプ４６を経て流入しうるよ
うになしてある。

なお、この注入装置４４に連通する連絡路５１
の開口は外側ハウジング１の四辺の対応する箇所
に１個宛形成してあり、外側ハウジング１が回転
してもベースフレーム１４上の注入装置４４は必
ず上記連絡路５１に連通するようになつている。

上記タレツト装置は以上のようになつているの
で、方向切換弁４３は切換えて圧油室１９へと圧
油と給送すれば、まず第１のピストン部材１６が
上昇し、その上端でもつて外側ハウジング１を突
上げて持上げ外側ハウジング１とベースフレーム
１４との噛合いが外れる（第４図Ｂ）。該外側ハ
ウジング１の噛合いが外れた状態では前記凹所２
９が前記噛合翼２７に嵌まり込んでいる。

一方第１のピストン部材１６の上昇によつて連
通路３３の圧油室１９側の入口が開口されるの
で、該連通路３３を通つて圧油が第２のピストン
部材１７の圧油室２６へと流入する。

したがつて次に第２のピストン部材１７が上昇
し、前記の通り回転噛合体２４が回転して既に噛
合翼２７と係合状態にある外側ハウジング１が90
度回転される（第４図Ｃ）。この際、排出路３
５，３６にはチエツクバルブ３７，３８が介装し
てあるので、圧油が同時に第１のピストン部材１
６と第２のピストン部材１７とに流入することは
なく、一方圧油室２５内の油は排出路３６を通つ
て排出される。

上記のようにして外側ハウジング１が90度（1/
４回転）回転されたならば、次に方向切換弁４３
を切換えて第１のピストン部材１６の圧油室１８
へと圧油を給送すれば第１のピストン部材１６が
下降し、外側ハウジング１が下降して外側ハウジ
ング１は1/4回転した状態で前記歯１５が噛合つ
て確実にベースフレーム１４に固定される（第４
図Ｄ）。

上記外側ハウジング１が回転したことの確認
は、この例では前記近接スイツチ３２で行なつて
いるが、他の手段を用いてもよいことはもちろん
である。

そして、次には連通路３４を通つて圧油が圧油
室２５に流入し、第２のピストン部材１７が降下
されて回転噛合体２４が前回とは逆の方向へ90度
回転するが、この状態では外側ハウジング１は既
に降下しているので、噛合翼２７が凹所２９に係
合しておらず、回転噛合体２４のみ回転する（第
４図Ａ）。

上記の際、チエツクバルブ３７，３８の作用に
よつて、圧油が同時に第１のピストン部材１６と
第２のピストン部材１７に流入することはなく圧
油室２６内の油は排出路３５を通つて排出され
る。

この実施例では、以上のようにして外側ハウジ
ング１が1/4回転されるのであるが、この発明は
六角タレツトあるいは他の形状のタレツト装置に
も適用可能であつて、例えば六角タレツトの場合
には前述のスクリユーねじ部２２のピツチを変え
て、第２のピストン部材１７が１回上下する毎
に、回転噛合体が60度の角度範囲に渡つて往復回
転するようになし、噛合翼２４を互いに60度の角
度に開いた６本の放射状翼となすと共に、該噛合
翼に噛合う外側ハウジングの凹所２９を６本の放
射状に形成すればよい。

以上の説明で明らかなように、この発明のタレ
ツト装置は外側ハウジングのベースフレームへの
固定を外す第１のピストン部材と、固定を解除さ
れた外側ハウジングを回転せしめる第２のピスト
ン部材とが前述の通りの連通路で連通されて、常
にかつ確実に、第１のピストン部材の作動が先に
なされ該作動が完了してから第２のピストン部材
が作動するようになつているので、外側ハウジン
グの固定解除および回転位置決めからなる一連の
インデツクス動作が、切換弁を切換えて圧油を一
方向（第１のピストン部材）へ給送するだけで正
確、且つす早く行われ（第４図Ｂ，Ｃ）、従来の
ように外側ハウジングの固定が解除されたことを
リミツトスイツチ等の検出手段で検出し、該検出
に基づいて次にロータリーアクチユエータを作動
して外側ハウジングを回転せしめるといつた余分
な検出確認行程が不必要であるので、その分イン
デツクス動作が迅速に行われ、しかも上記のよう
な検出手段も不要である。また、上記第１、第２
のピストン部材間の連通路は直結管であり、途中
に制御弁、絞り弁等の流体制御要素を有しないの
で、第１、第２のピストン部材の動作が間髪を入
れず連続して行われ、そのことからも一連のイン
デツクス動作に要する時間が短縮されている。さ
らに、また第１、第２のピストン部材部材が互い
に径の異つた円筒状部材からなると共に、外側ハ
ウジング内に入れ子状に内装してあるので、当該
タレツト装置全体をコンパクトになし得、しかも
第１、第２のピストン部材の圧油室同士が近接配
置となるので、上記連通路の長さが短くなつて、
第１、第２のピストン部材の動作の連続性がさら
に良好となつている。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のタレツト装置の一部切欠断
面図、第２図は第１図の―線断面図、第３図
は冷却水の注入装置を設けた部分のベースフレー
ムの断面図、第４図は作動説明図である。 １…外側ハウジング、１ｂ…内向きフランジ
部、２…刃物、３…刃物取付溝、４…回転装置、
１４…ベースフレーム、１５…歯、１６…第１の
ピストン部材、１７…第２のピストン部材、１
８，１９…圧油室、２２…スクリユーねじ部、２
４…回転噛合体、２５，２６…圧油室、２７…噛
合翼、２９…凹所（噛合部）、３３，３４…連通
路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ベースフレームに対し上下動自在且つ回転自
   在になつた刃物取付溝付き外側ハウジングと、該
   外側ハウジング内に内装した回転装置とから構成
   され、上記外側ハウジングとベースフレームと
   は、外側ハウジングが下降位置の際噛合い、上昇
   位置の際噛合いが外れる歯でもつて係脱自在に連
   結されており、上記回転装置は、ベースフレーム
   に上下動自在に支持され、且つ互いに径が異つて
   入れ子状になつた第１、第２の円筒状ピストン部
   材と、上記小径の側の円筒状ピストン部材である
   第２のピストン部材にスクリユー連結した回転噛
   合体とからなり、上記外側ハウジングは内周に形
   成した内向きフランジ部の下面を上記第１のピス
   トン部材に支承されて、該第１のピストン部材の
   上下動に追随して上下動すると共に、上記内向き
   フランジ部の上面に、該外側ハウジングが上昇位
   置の際、前記回転噛合体に噛合い、下降位置の際
   噛合いが外れる凹所を形成してあり、さらに、上
   記第１ピストン部材の上下の圧油室と第２のピス
   トン部材の上下の圧油室とを、夫々上側の圧油室
   同士、下側の圧油室同士連通路でもつて直結する
   と共に、上側の圧油室同士を連通した連通路の第
   １のピストン部材側開口は該第１のピストン部材
   部材の上下ストローク下端側に開口し、下側の圧
   油室同士を連通した連通路の第１のピストン部材
   側開口は該第１のピストン部材の上下ストローク
   上端側に開口して、第１、第２のピストン部材の
   上下動は常に第１のピストン部材が先行するよう
   になしたことを特徴とするタレツト装置。