JPS6116369Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、特に寒冷地における冬期の暖房効果
を得る為に利用される開閉戸に用いて好適な戸枠
の吊り下げ部に関するものである。

従来、寒冷地での家屋の壁体に設けられている
窓は、構造的には二重窓、三重窓を用いたり、隙
間テープで目張りを施こしたり、厚布のカーテン
を張設することにより、室内の暖気の戸外への流
出および冷気の戸外より室内への流入を阻止して
いる。

しかし乍ら、二重窓、三重窓は構造がそれ丈複
雑になり且つ費用が嵩むのみならず、年中これを
使用するときは一重窓に比べてそれ丈透視性能が
劣るので眺望的に欠ける等の欠点があつた。又隙
間テープの採用は手間と室内美観、断熱効果の
点、カーテンは断熱効果の点でそれぞれ充分とは
云えないものであつた。そこで窓の屋内側から断
熱材からなる開閉可能な断熱戸を使用することも
考えられるが、窓の屋外側ならばともかく屋内側
の場合は部屋の構造や家具の配置等の関係で、断
熱戸を開けた際にこれを収納する場所がなく、実
用化に至つていないのが現状である。

本考案は叙上の如き従来例の欠点を解消せんが
為になされたものにして、その要旨は屋内側の窓
枠上縁に沿つて取付け可能な長尺板状の窓枠取付
部の下縁が略Ｌ字状に屋内側に屈曲されて固定摺
動部が形成されたレールと、吊戸の上縁を収容し
得る下方に開口した戸縁嵌合溝を有する基枠の上
方に、レールの固定摺動部に外挿可能な断面鉤型
の移動摺動部が設けられた戸枠とを有し、該固定
摺動部の先端部に向けやゝ、上向きに傾斜され且
つ該先端部にやゝ、肉厚に形成され、該移動摺動
部は先端部に向けやゝ、下向きに傾斜され、該先
端部と戸枠の基枠との間隔は固定摺動部の先端部
の肉厚より少しく狭くなされており、固定摺動部
と移動摺動部とは戸枠の下側が屋内側に引かれて
傾斜した状態で、相互の短手方向からの嵌入離脱
が可能となされた戸枠の吊り下げ部に存する。

以下本考案の一実施例を図面により詳細に説明
する。

第１図乃至第４図において１はレールにして、
硬質ポリ塩化ビニル樹脂を用い異型押出成形法に
より製せられた長尺板からなる窓枠取付部２の下
縁が略Ｌ字状に屈曲され且つその先端な上向きに
なされて固定摺動部３が形成されている。固定摺
動部３の上面は摺動面４となされ先端部はやゝ、
肉厚に形成され抜け止め５が設けられている。６
は基枠にして吊戸７の上縁を収容し得る下方に開
口した戸縁嵌合溝８が設けられ、該戸縁嵌合溝８
に発泡体からなる断熱材１７を二枚の合板９，９
でサンドイツチした複合構造の吊戸７の上縁が嵌
合固定されている。基枠６の一側より上方に断面
鉤型の移動摺動部１０が延設され、基枠６と移動
摺動部１０とでレール１と同材料からなる戸枠１
１を形成している。移動摺動部１０の内側は断面
台形状の嵌合凹溝１２となされ該嵌合凹溝１２の
上部下向き面は摺動面１３となされている。移動
摺動部１０は先端部に向けやゝ、下向きに傾斜さ
れ、該先端部と戸枠１１の基枠６との間隔（即
ち、嵌合凹溝１２の出入口の寸法Ｂ）は固定摺動
部３の先端部の肉厚（即ち、抜け止め５の厚み
Ａ）より少しく狭くなされている。尚１４は吊戸
７の下縁に嵌合固定された戸枠、１５ははけ様の
放熱防止用シール、１６は止めビスである。

本考案戸枠の吊り下げ部は叙上のように構成さ
れており、窓枠取付部２を第１図に示す如く屋内
側の窓枠１８に止めビス１６を用いて取り付けら
れており吊戸７をレール１に沿つて開閉するとき
は移動摺動部１０の摺動面１３は固定摺動部３の
摺動面４を摺動しつつ容易に開閉が可能であり、
レール１の抜け止め５が戸枠１１の嵌合凹溝１２
内に嵌合されているので吊り下げ状態で容易に外
れることはない。

而して、吊戸７をレール１から取り外すには吊
戸７の両端を持つて手前に引けば第３図に示す如
き状態となり、戸枠１１の下側が屋内側に引かれ
て傾斜せしめられ、嵌合凹溝１２の出入口にレー
ル１の抜け止め５が位置する。更にこの状態で吊
戸７を第４図に示す如く矢印方向に斜め上方に引
けば簡単にレール１の固定摺動部３から戸枠１１
の移動摺動部１０を離脱せしめることができる。
又戸枠１１のレール１への嵌入は上記離脱の際の
操作を逆に行えばよい。移動摺動部１０の固定摺
動部３への嵌入離脱は、それらの弾性変形を伴つ
て行われる。その意味からも、レール１や戸枠１
１は合成樹脂にて形成されるのが好ましい。

本考案における固定摺動部３と移動摺動部１０
との短手方向からの嵌入離脱は、前記実施例の如
く戸枠即ち吊戸を傾斜せしめた場合に可能である
が、このときの鉛直方向に対する傾斜角度αは吊
戸の寸法、重量、部屋の大きさ等により適宜決定
され得るが、この角度が鋭角である程嵌入離脱が
容易となるが、吊戸の開閉に際して該吊戸がレー
ルから外れ易くなり、一方鈍角である程吊戸を持
ち上げる高さが高くなるので嵌入離脱が難しくな
るが、吊戸はレールから容易に外れなくなる、従
つて、通常は45度位が最適である。

又、抜け止め５の厚みＡが嵌合凹溝１２の出入
口の寸法Ｂよりも大である程、吊戸がレールから
外れ難くなる。

本考案におけるレールや戸枠の材質は前記実施
例に示したものの他繊維強化合成樹脂、アルミ等
の軽合金が好適であり、レールと戸枠とが必ずし
も同材質である必要はない。

本考案戸枠の吊り下げ部は、固定摺動部の先端
部に向けやゝ上向きに傾斜され且つ移動摺動部は
先端部に向けやゝ下向きに傾斜されており、固定
摺動部と移動摺動部とが、戸枠の下側が屋内側に
引かれて傾斜した状態で短手方向からの相互の嵌
入離脱が可能となされているので、これを窓の屋
内側から開閉可能な吊戸に使用した場合は、吊戸
を横方向に収納する余裕のない部屋構造の場合に
おいても手前から容易にその取り外し取り付けが
可能となり、断熱戸としたときはその実用化が図
れる。そして、吊戸を取付た後は、固定摺動部と
移動摺動部の傾斜、及び固定摺動部の先端部が
やゝ肉厚に形成され、移動摺動部の先端部と戸枠
の基枠との間隔が固定摺動部の先端部の肉厚より
少しく狭くなされていることにより、風圧や外的
衝撃があつても吊戸が外れることは防止される。

又、吊戸を断熱材で構成するときは、カーテン
や隙間テープを利用する場合に比べて断熱効果の
点で優れ、且つ開閉もしくは取り付け取り外しが
容易であるから眺望性にも支障を来たすことがな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を断熱戸に採用した場合の一実
施例を示す斜視図、第２図は同上Ａ−Ａ線にて切
断し、矢印方向にみた一部切欠断面図、第３図は
移動摺動部の固定摺動部からの離脱直前の状態を
示す断面図、第４図は同上離脱直後の状態を示す
断面図である。 １：レール、２：窓枠取付部、３：固定摺動
部、４：摺動面、５：抜け止め、６：基枠、７：
吊戸、１０：移動摺動部、１１：戸枠、１２：嵌
合凹溝、１３：摺動面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋内側の窓枠上縁に沿つて取付け可能な長尺板
   状の窓枠取付部の下縁が、逆Ｌ字状に屋内側に屈
   曲されて固定摺動部が形成されたレールと、吊戸
   の上縁を収容し得る下方に開口した戸縁嵌合溝を
   有する基枠の上方に、レールの固定摺動部に外挿
   可能な断面鉤型の移動摺動部が設けられた戸枠と
   を有し、該固定摺動部の先端部に向けやゝ、上向
   きに傾斜され且つ該先端部はやゝ、肉厚に形成さ
   れ、該移動摺動部は先端部に向けやゝ、下向きに
   傾斜され、該先端部と戸枠の基枠との間隔は固定
   摺動部の先端部の肉厚より少しく狭くなされてお
   り、固定摺動部と移動摺動部とは戸枠の下側が屋
   内側に引かれて傾斜した状態で、相互の短手方向
   からの嵌入離脱が可能となされた戸枠の吊り下げ
   部。