JPS6115497Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、２枚の表面板間に断熱性心材を充
填して成る断熱パネルの改良に係るものである。

従来のこの種断熱パネルは、第８図ａあるいは
ｂに示すように、相対する２枚の表面板ａ，ｂ間
に例えば発泡ポリウレタン等の断熱性心材ｃを充
填させるとともに、一方の表面板ａの内面に平板
状の補強部材ｄあるいは断面がＺ状の補強部材ｅ
などを装着し、これら補強部材ｄあるいはｅを取
り付け座としてパネル同士を連結したり、パネル
を建物の躯体等に取り付けるなどしていた。しか
しながら、この種の構造においては、補強部材の
取り付け部における変形が著しく、表面板と断熱
性心材とが剥離し易いなどの問題があり、断熱パ
ネルの持つ断熱機能を損なわれるばかりか、外観
上の意匠的価値も損なわれるという問題があつ
た。

この考案は、上記問題を解決することを企図し
てなされたもので、その要旨とするところは、表
面板自体に強度を持たせるように、少なくとも一
方の表面板に他方の表面板に向つてその先端底部
が膨隆する鳩尾状の凹溝を形成するとともに、こ
の凹溝の裏面に取り付け座を兼用するこの凹溝と
相似形状の補強枠を嵌合して成るもので、パネル
の連結あるいは取り付け時における変形を防止す
るとともに、表面板と断熱性心材との剥離を防止
できるようにしたことを特徴とする断熱パネルを
提供しようとするものである。

以下にこの考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図はこの考案の断熱パネルの第一実施例を
示すもので、図中、１，２は表面板であつて、互
いに適宜間隔をおいて対峙しており、そのうちの
一方の表面板１には他方の表面板２に向つて突出
しかつその先端底部３′が膨隆するいわゆる鳩尾
状の凹溝３が適宜間隔をおいて長手通しに形成さ
れている。そして、この凹溝３の裏面には取り付
け座を兼用するこの凹溝と相似形状の補強枠４が
嵌合されるとともに、これら両表面板１，２間に
例えば発泡ポリウレタン等の断熱性心材５が充填
されて断熱パネルを形成している。この場合、前
記補強枠４は断熱性の高い合成樹脂等で形成さ
れ、またその長さは凹溝３の全長にわたつてもよ
いが、必要な長さを適当な箇所に嵌合させれば経
済的である上、断熱パネルをより軽量化すること
ができる。

第２図はこの考案の第二実施例を示すもので、
断熱パネルに厚味があり、また重量が大きい場合
における表面板１，２と断熱性心材５との剥離を
考慮した場合である。すなわち、補強枠４の裏面
に他方の表面板２に向つて突出するアンカ部４ａ
を形成することにより、表面板１，２と断熱性心
材５との剥離を防止するようにした場合である。

また、第３図はこの考案の第三実施例を示すも
ので、断熱パネルのコーナ部の補強を考慮した場
合である。すなわち、コーナ部に隣接する凹溝３
の裏面に嵌合する補強枠４のコーナ部側面に断面
がほぼＬ字状のコーナ補強部４ｂを延在させるこ
とにより、断熱パネルのコーナ部すなわち接合端
部の補強を行なうようにした場合である。

なお、上記各実施例では断熱パネルを構成する
２枚の表面板１，２のうちの一方１のみに凹溝３
を形成した場合について説明してあるが、もちろ
ん他方の表面板２にも同様に凹溝３を形成しても
よく、このようにすれば表面板１，２と断熱性心
材５との密着性をより向上させることができる
上、強度的にも優れたものとなる。

上記のように構成されるこの考案の断熱パネル
は、例えば第４図に示すように、接合端部側の凹
溝３と係合する連結具６とボルト、ナツト等の締
め付け具７とをもつて互いに連結されたり、また
第５図に示すように、梁８から垂下される吊り下
げ金具９を凹溝３内に嵌合して天井パネルとして
使用され、あるいは第６図に示すように、躯体の
胴縁１０に装着されるブラケツト１１をボルト１
２をもつて凹溝３の底部３′及び補強枠４と連結
して壁パネルとして使用され、あるいは第７図に
ように、築造式冷蔵庫の壁を形成する際、この考
案のパネルを一方の型枠として、他方に型枠１３
を対向させ、セパレートボルト１４、取付ブラケ
ツト１５及び締付ナツト１６で型組みして、コン
クリート１７を充填することもできるので、例え
ば屋外設置用冷蔵庫、住宅の天井及び壁あるいは
間仕切等の広い範囲に利用できるものである。

以上に説明したように、この考案の断熱パネル
は、相対する２枚の表面板のうちの少なくとも一
方に他方に向つて突出しかつその先端底部が膨隆
する鳩尾状の凹溝を形成するとともに、この凹溝
の裏面側にこの凹溝と相似形状の補強枠を嵌合し
て、これら両表面板間に断熱性心材を充填して成
るので、パネル内に補強枠が正確に位置固定で
き、パネル同士の連結あるいは躯体等への取り付
け時に凹溝部付近が変形することなく、また表面
板と断熱性心材とが剥離して断熱効率を低下させ
るという心配がなく、強度的に優れかつ意匠的に
も優れた効果を有し、しかも広範囲の使用が可能
であるので、その利用価値は顕著である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の断熱パネルの第一実施例を
示す断面図、第２図及び第３図はそれぞれこの考
案の第二及び第三実施例を示す要部断面図、第４
図ないし第７図はそれぞれこの考案の断熱パネル
の別の取り付け態様を示す断面斜視図で、第８図
ａ及びｂは従来の断熱パネルの別の形態を示す要
部断面図である。 図において、１，２……表面板、３……凹溝、
３′……凹溝３の底部、４……補強枠、４ａ……
アンカ部、４ｂ……コーナ補強部、５……断熱性
心材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２枚の表面板間に断熱性心材を充填して成るパ
   ネルであつて、前記表面板のうちの少なくとも一
   方の表面板に、他方の表面板に向つて突出しかつ
   その先端底部が膨隆する鳩尾状の凹溝を形成する
   とともに、この凹溝の裏面側にこの凹溝と相似形
   状の補強枠を嵌合して成る断熱パネル。