JPS61154537A - 水溶性螢光色素による指紋検出方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、鑑識技術分野における検体（指紋付着対象物
）の指紋を検出する技術に関する。

〔従来の技術〕

従来の潜在指紋検出方法には、粉末を検体に付着した分
泌物中の水分および脂肪分に付着させて物体と粉末の色
調差を利用して検出する固体法、分泌物中に含まれるア
ミノ酸や塩分に化学薬品を反応させて呈色させる液体法
、分泌物中の脂肪分にヨードガスを反応させて呈色させ
る気体法がある。

しかしこれらの方法については、 ■長期間経過した指紋や新建材などの高分子被膜を施し
た検体表面に付着した指紋等に対し検出能力が低い。

■検体を過度に汚す。

等の欠点が指摘されており、これらの欠点を補う方法と
して、レーザ光照射に生ずる蛍光を利用する方法が例え
ば次の文献１）、２）に提案されている。

ｌ）イー・アール・メンツエル：アイデンテイ７４ケー
ジ、７：、−ズ　（Ｅ、Ｒ，Ｍｅｎｚｅｌ：Ｉｄｅｎｔ
ｉｆｉｃａｔｉｏｎ　Ｎｅｗｓ＋Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏ
ｎａｌ　Ａｓ５ｏｃｉａ−ｔｉｏｎ　ｆｏｒ　Ｉｄｅｎ
ｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ、　Ｖｏｌ−ＸＸＸｍ　、　Ｎｏ
、９（Ｓｅｐｔｅｍｂｅｒ　１９８３）　）２）アール
・デー・才ルセン：アイデンテイフイケーション　ニュ
ース　（Ｒ−０，０１ｓｅｎ　：　Ｉｄｅｎｔｉ−ｆｉ
ｃａｔｉｏｎ　　Ｎｅｗｓ、Ｉｎｔｅｒ−ｎａｔｉｏｎ
ａｌ　　Ａｓ５ｏｃｉａｔｉｏｎｆｏｒ　　Ｉｄｅｎｔ
ｉｆｉｃａｔｉｏｎ、　　　Ｖａｔ、　　　ＸＸＸＩＶ
　　、Ｎｏ、４（Ａｐｒｉｌ　　１９８４）　　） このようなレーザ蛍光法としては。

ａ）付着指紋にそのままレーザ光を照射し、分泌物から
の発光をとらえる方法、 ｂ）分泌物中の成分（アミノ酸、尿素等）と反応し蛍光
物質となる薬品と反応させた後、光を照射する方法、 Ｃ）蛍光性を有する色素溶液に接触させた後レーザ光を
照射する方法、 等が報告されている。

上記ａ）ｂ）の方法は検体を汚さないという利点がある
反面、水分以外の指紋成分が一般に微量のため指紋隆線
からの発光は一般に弱く、背景発光の強い検体には適用
し難い。

これに対しＣ）の方法は、背景発光が強い場合にも有力
であり、上記文献１）、２）ではローダミン６Ｇとその
代表的溶媒であるメタノールを用いた例が報告されてい
る。しかしこの方法については、 （ｉ）指紋隆線以外にも色素が残り発光する、（１１）
色素の溶媒中に指紋分泌物が溶解し指紋隆線が不鮮明と
なる、 （ｉｉｉ）検体表面を過度に汚す、 等の欠点があった。

本発明は上記Ｃ）の方法に関し、前述の（ｉ）〜（ｉｉ
ｉ）の欠点を解決するものであり、以下にＣ）の現状技
術とその問題点について詳しく説明する。

〔発明が解決しようとする問題点〕

Ｃ）の方法は文献ｌ）に具体的に述べられており、その
代表例としてローダミン６Ｇのメタノール溶液が用いら
れている。

具体的方法としては、上記溶液を塗布または噴霧し、乾
燥させた後レーザ光を照射するよう示されている。また
、ここでローダミンが過度に付着した場合、メタノール
で洗浄するよう示されている。

この方法を実施した場合２次の欠点があり指紋検出能力
に重大な問題がある。すなわち溶媒としてメタノールを
用いた場合、検体表面の濡れ性が（水と比較し）著しく
、またこれをそのまま乾燥させるため、指紋隆線の無い
部分にも多くの色素が残留、膠着し、隆線部分からの発
光のみを区別することが困難となる。またメタノールは
指紋成分中の脂肪を溶解し、また脱水作用を有するため
、指紋成分の大部分が失われる可能性があり、本質的に
適さない。さらに検体の種類によってはその表面を侵す
場合もある。過度に付着した色素をメタノールで除去す
る場合においても、一度乾燥させ、膠着したものは除去
が困難であり、これを除去するために指紋成分をも失う
危険性が高い０本発明はこれらの問題点を解決する方法
を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者らは前述の従来法における欠点を実験的に確認
し、これらの欠点を改善することによって問題点を解決
し、極めて高い確率で指紋検出がｒｉｆ能な方法を見出
した。

解決手段の要点は次の通りである。

（１）色素として水溶性の蛍光色素、溶媒として水を用
いる。

（２）水溶液を検体表面に付着させた後、乾燥する以前
に清浄な水で洗浄する。

（３）その後、従来性われていると同様に、乾燥した後
、レーザ光等の色素水溶液が蛍光を効率良く発し得る励
起波長の光線を照射する。

〔作用〕

上記（１）（２）の各項に示した手段の技術的意味につ
いて説明する。

色素として水溶性の蛍光色素、溶媒として水を用いるこ
とにより、メタノールを用いることによる従来技術の短
所、すなわち指紋隆線それ自体を破壊したり、検体表面
を侵す等の短所を解決することができる。

また検体に付着せしめた溶液が乾燥する以前に水にて洗
浄することにより、溶液中に析出した色素が検体表面全
体に沈着する以前に溶液として洗い流し、指紋部分以外
に付着する色素の量を最少限としている。ここで乾燥の
目安としては、検体表面に付いた溶液が、水分の蒸発や
表面の水分吸収により飽和濃度に達した状態を言う、こ
れら一連の手続により背景からの発光を抑え、鮮明な蛍
光像を得ることができる。

〔実施例〕

溶液としてローダミン６Ｇ水溶液（０，２％）を用いた
場合の実施例を示す。

指紋検出手順は次の通りである。

（１）検体を上記溶液に約１０秒間浸漬する。

（２）直ちに約２０秒間清浄な水にて洗浄する。

（３）自然乾燥させた後、アルゴンレーザ光（波長５１
４　ｎ　ｍ　、照射強度２０　ｍＷ／　ｃｎｉ”）を照
射し、指紋部分の蛍光像をアルゴンレーザ光除去フィル
ター付カメラにて撮影する。

粉末法等による指紋検出が比較的困難とされる新建材（
表面処理合板等）について、従来法であるローダミン６
Ｇのメタノール溶液（０，２％）を用い１次の手続によ
って検出した結果と上述の方法による結果を比較した。

（ａ）検体をメタノール溶液に約２分間浸漬する。

（ｂ）自然乾燥させた後、８頁に述べた水溶液の場合と
同一条件で蛍光像を検出する。

（ｃ）背！発光の強いものについては、メタノールで適
宜、洗浄し、再度、上述（ｂ）の手続を行う。

両方法の比較結果を第１表に示す。なお、指紋検出は押
捺から約３６時間後、押捺条件はほぼ同一である。

第１表の結果から本発明による方法では、従来法に比較
し、極めて高い検出確立が得られている。また第１図に
同種のプリント合板に対する指紋検出結果を従来法と比
較して示した。・なお、上記手続により処理された検体
になお多くの残留ローダミンが残っている場合、最後に
少量のメタノールで洗浄することにより大幅に改善され
る場合がある。

〔発明の効果〕

本発明で示した方法で指紋検出を行うことにより次のよ
うな利点を生ずる。

（イ）従来より粉末法等で検出困難な場合が多い新建材
、グラビヤ紙等の検体について極めて高い確率で指紋検
出がＯＴ能である。

（ロ）色素溶媒として水を用いることにより、メタノー
ル等を用いる場合に比べ、取扱いが容易で１かつ安価で
ある。また不必要な色素の多くが洗い流されるため、検
体の汚損が少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）はプリント合板に押捺した指紋の本発明方
法による検出例を示す倍率３倍の写真。 （ｂ）は同一条件で従来法を用いた検出例を示す比較写
真である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １　光照射により生じる蛍光を用いて指紋を検出するに
   あたり、水溶性を有する蛍光性色素の水溶液を検体に接
   触せしめ、該検体表面に付着した該水溶液が乾燥する以
   前に、該検体を清浄な水で洗浄し、次いで、該色素水溶
   液が蛍光を発する励起波長の光線を照射し、指紋部分か
   らの蛍光像により指紋隆起線像を得ることを特徴とする
   水溶性蛍光色素による指紋検出方法。