JPS6115301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、特にコンクリート築壁部分に固定す
るのに用いられる拡張栓と固定ねじとから成る固
定装置であつて、前記拡張栓がプラスチツクより
成り、かつ前記固定ねじをねじ込みかつ緊締する
ために縦孔又は間〓を有している形式のものに関
する。

プラスチツクより成る拡張栓の固定は一般的に
は、周知のように尖つた頂を備えたねじ山を有す
る木ねじをねじ込むことによつて行なわれる。拡
張栓にこのような木ねじをねじ込んだばあいには
尖つたねじ山の頂が拡張栓材料内に極めて深く食
い込みひいては拡張栓を弱くする。更にねじ山フ
ランクによつて拡張栓材料の一部分が外壁に向か
つて押しのけられるけれども、しかし前記拡張栓
材料の大部分は拡張栓縦方向に押しのけられるの
で、拡張栓は伸長するようになる。従つてプラス
チツク製拡張栓と関連して使用される固定ねじの
ねじ山形状は最良の固定力を得るのには適してい
ない。

本考案の課題は、最良の固定力を得ることので
きる固定装置を提供することにある。

この課題は本考案によれば、固定ねじがサイン
カーブ状の頂と谷とを備えた丸ねじ山と、先細の
ねじ山経過を伴うねじ先端部とを有していること
によつて達成される。

本考案の構成により、一方では尖つたねじ山の
頂の食い込みによる切欠き作用が回避されかつ他
方では丸ねじ山によつて固定ねじの表面経過が改
良されるので、固定装置の強度が高められる。拡
張栓と協働して、丸ねじ山によつて拡張栓材料は
穿孔壁に向けて半径方向に極めて著しく押しのけ
られ、拡張栓材料のこのような押しのけによつ
て、拡張栓は穿孔内で著しく強固にくさび止めひ
いては固定される。丸みを付けられたねじ山の頂
はもはやそれ程深く拡張栓材料に食い込まないの
で、拡張栓が弱くされることもない。むしろねじ
山の頂は大きな面で拡張栓材料に押し込まれ、拡
張栓の外面をねじ山ピツチに相応して湾曲させ
る。従つてねじ山の頂の範囲で高められた緊締力
を伴う波状の拡張圧力分布が生じる。このことに
よつて拡張栓に係合する固定ねじ部分は公知の固
定ねじの場合よりも極めて強固に拡張栓と緊締さ
れるので、拡張栓材料内への丸ねじ山のわずかな
食い込み深にもかかわらず、穿孔内で拡張栓が押
し分なくくさび止めされると同時に付加的に固定
ねじと拡張栓との間で申し分のなく結合される。
拡張栓材料内への丸ねじ山の食い込み深さがわず
かであるため木ねじにおける公知のねじ山形状に
比してねじ込み抵抗も減少される。

更に本考案の実施態様では、固定ねじの谷径が
拡張栓の縦孔の内径に相応している。これによ
り、丸ねじ山によつて押しのけられる拡張栓材料
全体は穿孔壁に押し付けられるということが保証
される。何故ならば固定ねじに沿つた押しのけが
避けられるからである。

更に本考案の別の実施態様では、拡張栓の外径
がねじ山の外径にほぼ相応している。拡張栓の外
径と固定ねじのねじ山外径とがほぼ等しいことに
よつて固定しようとする組立部材と築壁内とに一
貫して同じ直径を有する穿孔を穿孔でき、この穿
孔は一作業過程で製作可能である。この場合には
固定ねじのねじ山は直接固定しようとする組立部
材の壁にかつ拡張栓を深く取り付けた場合には築
壁の穿孔開口部の壁にも接触するので、曲げ負荷
が申し分なく除かれる。更にこの実施態様によつ
て、ねじ溝内での拡張栓材料の特に著しい圧縮お
よびくさび止めが得られるので、著しく高い保持
力も得られる。

更に本考案の別の実施態様では、拡張栓の中央
範囲に拡張栓の両端に対して制限されているスリ
ツトが設けられており、それぞれスリツトの横に
縦方向に沿びるスリツト縁部の１つに沿つて、ス
リツトの長さに相応するウエブが配置されてい
る。これにより拡張栓は柔らかい築壁にも固定可
能である。何故ならばスリツトに基づき拡張栓の
中央範囲の拡張が可能であるからである。更に穿
孔内での拡張栓の固定を強化するフツク止めする
ウエブによつて拡張栓の連行回動が阻止される。
柔らかい築壁材料の柔軟性によつて、拡張栓材料
は付加的にねじ山の頂の範囲において半径方向で
穿孔壁に押し込められるので、圧縮作用およびく
さび止め作用の他に形状接続が得られる。

更に本考案の別の実施態様では、拡張栓が延長
したネツクを有することができる。この延長した
ネツクはドアフレームもしくは窓フレーム固定の
場合に固定しようとする組立て部材内に係合しか
つ固定ねじのシヤフトを腐蝕から保護する。更に
延長したネツクにより曲げ力を受け止めるための
良好な支持作用が得られる。

次に図示の実施例につき本考案を具体的に説明
する。

本考案による拡張栓１を固定するには築壁２と
固定すべき組立部材３とに、拡張栓１の外径に相
応した一貫して同じ直径を有する穿孔４が必要に
される。固定ねじ５はヘツド６と反対側の端部に
丸ねじ山７を有し、該丸ねじ山はねじ込み抵抗を
減少させるためにねじ先端部８で先細に延びてい
る。

穿孔４に拡張栓１を挿入した後には組立部材３
を固定するために固定ねじ５が拡張栓内にねじ込
まれる。固定ねじ５の谷径は拡張栓１の縦孔９の
内径に相応しているので、固定ねじをねじ込んだ
場合には丸ねじ山が拡張栓材料に押し込まれると
同時に、ねじ山フランクと穿孔壁との間での拡張
栓材料の圧縮およびくさび止めが生ぜしめられ
る。柔らかい築壁の場合には拡張栓材料はねじ山
の頂の範囲で膨出（符号１１参照）されると同時
に、軸方向に延びかつ拡張栓両端部に対して制限
されているスリツト１０によつて保持力を生ぜし
めるように拡張される。

柔らかい築壁材料においては回動阻止部材とし
てかつ堅い築壁材料においてはスリツト１０を塞
ぐために、スリツトの横に縦方向に延びるスリツ
ト縁部の１つに沿つてウエブ１２が設けられてお
り、該ウエブは一方では回動方向で補強するため
かつ他方では堅い築壁材料に固定する場合にスリ
ツト内に申し分なく座屈させるために三角形横断
面を有している。

ドアフレーム固定もしくは窓フレーム固定のた
め拡張栓は固定しようとする組立部材３に係合す
る延長したネツク１３を有している。図示の実施
例において与えられた固定ねじと拡張栓との間の
直径関係においては固定ねじ５のねじ山のないシ
ヤフト１４は丸ねじ山７の外径と比べて、延長し
たネツク部分の壁厚だけ減少している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案による実施例の断面図である。 １……拡張栓、２……築壁、３……組立部材、
４……穿孔、５……固定ねじ、６……ヘツド、７
……丸ねじ山、８……ねじ先端部、９……縦孔、
１０……スリツト、１１……膨出部、１２……ウ
エブ、１３……ネツク、１４……シヤフト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 拡張栓と固定ねじとから成る固定装置であつ
   て、前記拡張栓がプラスチツクより成り、かつ
   前記固定ねじをねじ込みかつ緊締するために縦
   孔又は間〓を有している形式のものにおいて、
   固定ねじがサインカーブ状の頂と谷とを備えた
   丸ねじ山と、先細のねじ山経過を伴うねじ先端
   部とを有していることを特徴とする拡張栓と固
   定ねじとから成る固定装置。 ２ 固定ねじの谷径が拡張栓の縦孔の内径に相応
   している実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   固定装置。 ３ 拡張栓の外径がねじ山の外径にほぼ相応して
   いる実用新案登録請求の範囲第１項記載の固定
   装置。 ４ 拡張栓の中央範囲に拡張栓両端に対して制限
   されたスリツトが設けられており、それぞれス
   リツトの横に縦方向に延びるスリツト縁部の１
   つに沿つて、スリツトの長さに相応するウエブ
   が配置されている実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の固定装置。 ５ 拡張栓が延長したネツクを有している実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の固定装置。