JPS6114828Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえば流し台等の厨房家具の幕板
を覆う化粧部材を取付ける取付装置に関する。

たとえば流し台等の厨房家具の幕板を覆う化粧
部材は、接着剤や取付ねじを用いて幕板に固定し
ている。このため、化粧部材が損傷しても、交換
が不可能であつたり、たとえ可能であつても手間
がかかつて非常に面倒である。また取付ねじの頭
部が露出して美観を損うなどの不都合がある。

また簡単な取付けを図るために、本体に掛止孔
を設け、化粧部材の裏面側に突設する支脚を嵌合
する構造のものが用いられる。上記支脚の周面に
はたとえば合成樹脂材料の弾力性を利用して掛け
止めをなす凹凸部が設けられる。しかしながら製
作誤差や長期の使用に亘る材質劣化、衝突等によ
り化粧部材が脱落しやすい。

本考案は上記事情に着目してなされたものであ
り、その目的とするところは、比較的簡単な構造
でありながら化粧部材の取付交換が容易で作業性
の向上と確実な取付けができ美観の向上を得る化
粧部材の取付装置を提供しようとするものであ
る。

以下本考案の一実施例を図面にもとづいて説明
する。図中１は化粧部材である化粧板２を備えた
流し台である。上記化粧板２は第２図以下に示す
取付装置Ａによつて天板３前端部と扉体４との間
に介在する本体であるところの幕板５に着脱自在
に設けられる。

すなわち上記化粧板２の裏面側には断面略Ｔ字
状に形成された取付脚６が一体的に突設される。
上記幕板５の前面側には凹部である凹溝７が設け
られ、幕板５は断面略コ字状をなす。凹溝７の幅
寸法ａと上記取付脚６の幅寸法ｂとは略一致す
る。また凹溝７の所定部位には受け穴８が設けら
れる。この受け穴８は凹溝７の幅寸法ｂよりも大
なる直径であり、かつこれより深く座ぐり加工さ
れる。幕板５の裏面と受け穴８の端面とは、受け
穴８の中心軸に沿つて設けられる透孔８ａにより
連通する。また受け穴８には丸棒状の固定子９が
着脱自在に嵌合する。この固定子９はたとえば合
成樹脂材料で成形されるものであつて、受け穴８
の直径および深さと略同一の直径および長さであ
る。そして軸方向に沿つて二ツ割りされ、その一
端面から中途部にかけて断面略Ｔ字状の嵌合溝１
０が設けられる。固定子９が二ツ割りされている
ところから、各分割子９ａ，９ａの合せ面に等分
に嵌合溝１０が設けられることになる。なお嵌合
溝１０は上記取付脚６と略同一の断面積に形成さ
れる。固定子９の他端面から中途部にかけてタツ
プ穴１１が設けられるとともにタツプ穴１１端部
と嵌合溝１０端部との間には一方の分割子９ａに
突起１２、他方の分割子９ａに上記突起１２に掛
脱自在な掛合穴１３が設けられてなる。

しかして化粧板２の取付けにあたつては、固定
子９を二分割して取付脚６に嵌合溝１０を対向
し、かつ突起１２を掛合穴１３に掛合する。固定
子９は取付脚６に取付けられることになる。この
状態のまま化粧板２を幕板５に対向する。固定子
９の位置を合せてから、これに受け穴８に挿入す
る。同時に凹溝７に取付脚６が挿入することにな
る。つぎに幕板５の裏面側から透孔８ａを介して
タツプ穴１１にタツプねじ１４を螺挿する。固定
子９はタツプねじ１４により幕板５に固定され、
かつ取付脚６に固定子９が嵌着するところから、
化粧板２は幕板５に強固に取付けられることとな
る。

化粧板２の取外しにあたつては、タツプねじ１
４を外せば固定子９ごと幕板５から取外しでき
る。固定子９を分割すれば化粧板２は全くのフリ
ーになる。

なお上記実施例においては、化粧部材２を流し
台に取付けるようにしたが、これに限定されるも
のではなく、その他家具あるいは室内装飾に用い
ることができる。

また上記実施例においては、取付脚６を化粧板
２の裏面側全長に亘つて設けたが、これに限定さ
れるものではなく、少くとも固定子９の嵌合溝１
０が嵌着できる長さがあれば良い。

また固定子９は丸棒状のものを二ツ割りして構
成したが、これに限定されるものではなく、たと
えば角棒状のものでも良い。この場合受け穴に対
する位置が正確にでて周方向にずれることがな
い。

以上説明したように本考案によれば、装置本体
に設けた受け穴に二ツ割りに分割可能な固定子を
嵌合するとともにタツプねじによつて装置本体に
着脱自在に装着し、この固定子の互いの分割子の
合せ面に嵌合溝を設けて化粧部材の裏面側に突設
した取付脚に二ツ割りして嵌着するようにしたか
ら、比較的簡単な構造でありながら化粧部材の取
付および交換がごく容易となり作業性が向上する
とともに確実な取付が得られ信頼性の向上化を図
れる。また化粧部材の表面に露出するものが全く
ないので美観の向上化を得るなどの効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は化粧
部材を備えた流し台の斜視図、第２図は要部であ
る化粧部材の取付装置の縦断面図、第３図はその
分解斜視図、第４図は固定子の縦断面図である。 ８……受け穴、５……装置本体（幕板）、９…
…固定子、２……化粧部材（化粧板）、６……取
付脚、１０……嵌合溝、８ａ……透孔、１４……
タツプねじ、１１……タツプ穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受け穴およびこの受け穴の中心線に沿つて連設
   される透孔を有する装置本体と、この装置本体の
   上記受け穴に着脱自在に嵌合する二ツ割りに分割
   可能な固定子と、この固定子の互いの分割子合せ
   面に設けられた化粧部材の裏面側に突設された取
   付脚を二ツ割りすることによつて嵌着する嵌合溝
   と、上記固定子に設けられ上記透孔に連通すらタ
   ツプ穴と、このタツプ穴に透孔を介して螺挿され
   固定子を装置本体に取付固定するタツプねじとを
   具備したことを特徴とする化粧部材の取付装置。