JPS6113928B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、せん断プレスにおける液力式せん断
衝撃緩衝装置であつて、せん断プレスにおける液
力式せん断衝撃緩衝装置であつて、圧力制限弁及
び逆止め弁を備えたポンプによつて所定圧に保持
される少なくとも１つの緩衝シリンダが設けられ
ており、この緩衝シリンダ内の圧力に依存して制
御される移動部材を備えた絞り弁を介して該緩衝
シリンダがせん断衝撃圧を徐々に排除するために
除荷可能である形式のものに関する。せん断の際
にプレス圧力は、被せん断材料の厚さの最初の1/
３のところで最大値に達する。次いで被せん断材
料が割れる際せん断力が衝撃的に低下し、無緩衝
型せん断プレスの場合には貯えられていた全エネ
ルギがほとんど瞬間的に解放される。これによ
り、せん断プレスのベツドとプレスラムとの間に
極めてじん速な相対運動が生じ、エネルギの解放
はｍｓ単位で行われる。更に、大きな騒音が発生
し、プレス工具の摩滅が著しい。

このエネルギ解放を緩衝するために、液力式の
緩衝シリンダによつて上側プレス工具を下側プレ
ス工具に対して支えておくことは公知である。こ
の緩衝シリンダは、電子液力式の制御回路を介し
て制御され、被せん断材料の割れの際にそれまで
生ぜしめられたせん断力を直ちに受け止め、調整
可能な時間にわたつてゆつくりと減少せしめる。
前記制御回路内には回転型サーボ弁が緩衝弁とし
て設けられている。サーボ弁及び後続の増幅段・
圧力測定段、電子部品・スイツチ段並びに動力操
作の絞りを含めた制御回路全体は極めて高価であ
り、故障を発生しやすい。

本発明の目的は、最初に比べた形式の液力式せ
ん断衝撃緩衝装置の構造を簡単かつ安価にし、組
み付けを容易にし、かつ汚損の危険をわずかにし
て確実に機能し得るようにすることである。

この目的を達成するために本発明の構成では、
前記移動部材が、円すい状の絞り部材と、これに
後置されてこれに結合された制御ピストンとから
成つており、絞り弁には、緩衝シリンダへ通じた
接続導管との接続部に絞り部材と同じ円すい角で
形成された中空円すい体が設けられており、層流
の絞り作用を得るために長い絞りギヤツプを形成
すべく中空円すい体が絞り部材に対置されてお
り、この中空円すい体の下流に、絞られた油の流
れを排出して制御ピストンの前側を除荷する導管
が設けられており、かつ、制御ピストンが後側か
ら減圧弁によつて一定に保たれた背圧を受けてお
り、この背圧によつて制御ピストンが、初めのギ
ヤツプ幅を規定するストツパに向かつて前進方向
へ駆動されるようにした。移動部材が制御ピスト
ンより成り、該制御ピストンには絞り部材が接続
されており、該絞り部材は不動部分との間に絞り
ギヤツプを形成しており、絞り部材が軸方向に運
動すると絞りギヤツプの横断面が変化せしめられ
るようにすると、構造が特に簡単になる。緩衝弁
を層流絞りとして構成するのが有利であり、この
ために、絞り部材が円すい体より成り、不動部分
が中空円すい体より成り、両者が同じ円すい角を
有し、細長く構成されており、かつ互いにはめ合
わされているようにすることができる。絞りギヤ
ツプの横断面はギヤツプ幅の少なくとも50倍の長
さにわたつて一定に保たれているようにする。こ
れにより絞りギヤツプ内で乱流が生じない程度に
まで油の流動速度が低下せしめられる。絞りギヤ
ツプを通つて流れる油の流量は層流効果に基づい
て実際上一定に保たれる。本発明の１実施態様で
は、制御ピストンの一方のピストン面により仕切
られている排出室が絞りギヤツプに続いて設けら
れており、他方のピストン面は制御室を仕切つて
おり、該制御室内に対抗圧力が生ぜしめられるよ
うにした。これによりプレスラムが材料中に突入
する際にプレス力が増大するが、割れの際にプレ
ス力がゼロ以下に低下することがなく、ストロー
ク運動が遅延せしめられるだけであつて、下死点
に達するまでは圧力が作用せしめられる。この緩
衝作用により騒音の発生が抑制され、プレス工具
の応力が著しく低下せしめられる。このような構
造は極めて安価である。緩衝装置は支障なく動作
し、汚損される部品も必要としない。

緩衝シリンダと緩衝弁との間の接続導管にポン
プからの供給導管が接続されており、該供給導管
内には逆止め弁が配置されているようにすると、
構造が特に簡単になる。緩衝弁の排出室はポンプ
が油を吸い込むタンクに導管を介して接続されて
おり、緩衝弁の制御室にはポンプにより圧力油が
供給され、ポンプと制御室との間の導管内には減
圧弁がそう入されている。

絞りギヤツプを外部から調整し得るようにして
おくと特に有利である。すなわち、プレスストロ
ークの開始の際にも緩衝装置が作用するようにす
るために、絞りギヤツプが最初は極めて小さくな
るようにセツトしておく。このために、絞り部材
とは逆の側で制御ピストンにロツドが接続されて
おり、調節ナツトをねじはめるねじ山が該ロツド
に設けられているようにする。

特に機械式駆動のせん断プレスの場合に、共通
のポンプによつてすべての緩衝シリンダに圧力油
が供給され、緩衝弁と逆止め弁と減圧弁とは各緩
衝シリンダに対してそれぞれ別個に設けられてい
るようにするとよい。この場合プレスフレームに
緩衝シリンダが直立状態で設置されており、緩衝
シリンダのピストン棒の端面にプレスラムが係合
するようにすることができる。液力式駆動のせん
断プレスの場合にはプレスラムが、緩衝シリンダ
のピストンを構成することができる。この場合プ
レスラムのピストン棒部分が、緩衝シリンダ内で
案内されている環状ピストンによつて取り囲まれ
ているようにする。この環状ピストンには支持ピ
ンが結合されており、高さを調節可能に定置に設
けられている支持部材上に該支持ピンが支えられ
る。この場合１つの緩衝弁を配置するだけで十分
である。

以下においては、図面に示した実施例を参照し
ながら本発明の構成を具体的に説明する。

第１図において、機械式駆動のせん断プレスの
フレーム１内でプレスラム２が案内されており、
テーブル３の外縁区域に緩衝シリンダ４が直立状
態で設置されており、そのピストン６のピストン
棒５は上方に突出している。プレスラム２の張り
出し部７はピストン棒５の端面８に係合するよう
になつている。緩衝シリンダ４の圧力室９は接続
導管１０を介して緩衝弁１１と接続されている。
緩衝弁１１の構造は第２図及び第３図から明らか
である。緩衝弁１１のケーシング１２はシリンダ
１３を構成しており、該シリンダ１３内で制御ピ
ストン１４が往復に運動可能である。一方のピス
トン面１５から、円すい体１７の形の絞り部材１
６が突出しており、これは細長く構成されてい
て、第２図に示すように円形の横断面を有してい
る。他方のピストン面１８からはロツド１９が突
出しており、その端部のねじ山２０には調節ナツ
ト２１，２２がねじはめられている。ロツド１９
はそう入体２３を貫通しており、そのそう入体は
制御室２４を一方の側から仕切つている。円すい
体１７は、中空円すい体２５として構成されてい
る不動部分２６内に突入しており、この場合不動
部分２６はケーシング１２自体によつて構成され
ている。中空円すい体２５の円すい角と円すい体
１７の円すい角とは等しく、長さ２７にわたつて
一定のギヤツプ幅２９の絞りギヤツプ２８が形成
される。長さ２７はギヤツプ幅２９の少なくとも
50倍の大きさに設定されて、層流効果が生ぜしめ
られるようになつている。一方のピストン面１５
により仕切られている排出室３０は導管３１を介
してタンク３２と接続されていると共に、他方の
ピストン面１８により仕切られている制御室２４
は導管３３により減圧弁３４を介してポンプ３５
に接続されている。ポンプ３５はタンク３２から
油を吸い込む。モータ３６により駆動されるポン
プ３５は供給導管３７により逆止め弁３８を介し
て接続導管１０に接続されている。圧力制限装置
３９は15バールの圧力に設定されており、減圧弁
３４は、制御室２４内でピストン面１８に10バー
ルの対抗圧力が作用するように設定されている。
制御ピストン１４と絞り部材１６とロツド１９と
は全体として移動部材４０を構成している。

緩衝シリンダ４内のピストン６にはポンプ３５
により逆止め弁３８を介して15バールの圧力油が
作用せしめられる。プレスラム２が降下して、そ
の張り出し部７がピストン棒５の端面８に係合す
ると、ピストン６が圧力室９内に押し込まれ、接
続導管１０を介して圧力油が緩衝弁１１に押し流
される。この場合逆止め弁３８は閉じられる。ピ
ストン６の下降により圧力室９内の圧力が上昇
し、これが円すい体１７に作用するので、移動部
材４０は制御室２４内の10バールの対抗圧力に抗
して動かされ、これにより絞りギヤツプ２８が大
きくなる（第３図）。この場合ピストン面１８の
大きさは円すい体１７の中間横断面（第２図）の
大きさの３倍に設定されている。したがつて圧力
室９内の圧力が30バールに増大した時点から移動
部材４０が制御室２４の方向に動きはじめ、制御
室２４内の圧力油は導管３３と減圧弁３４ともど
し導管４２とを経てタンク３２にもどされる。プ
レスラム２の速度に関連してギヤツプ幅２９が変
化せしめられるが、絞りギヤツプ２８は常に層流
ギヤツプとして作用し、流量はほぼ一定に保たれ
る。円すい体１７と制御ピストン１４とは差動調
節器として作用する。

ピストン６の降下により圧力室９内の圧力が30
バールに達すると、プレスラム２に取り付けられ
ているポンチが被せん断材料に係合して、せん断
が開始される。割れの際にほとんどの負荷がピス
トン６によつて受け止められ、したがつて第６図
に示すようにプレス力は衝撃的にゼロに低下する
ことはなく、かなりの時間的遅れを以てゼロに低
下するので、せん断衝撃は実際上生じない。第５
図には縦軸に沿つて上死点OTと下死点UTとの
間のプレスストロークが示されており、横軸は時
間（ｔ）を表わす。なお符号４３はせん断される
工作物を示す。第６図のグラフの縦軸はプレス力
（正）及び急速もどし力（負）を示す。緩衝装置
の効果は第５図及び第６図から明らかである。本
発明によればこの効果は簡単な構造で自動的に生
ぜしめられる。本発明による緩衝弁１１は安価で
あり、故障しにくく、汚損の危険はない。第１図
に示した機械式駆動のせん断プレスにおいては単
動式の２つの緩衝シリンダ４を設置して、各緩衝
シリンダに対してそれぞれ緩衝弁１１と逆止め弁
３８と減圧弁３４とを設け、両方の圧力室９に共
通のポンプ３５によつて圧力油を供給するように
するだけでよい。移動部材４０の軸方向運動ひい
ては絞りギヤツプ２８の大きさはプレス運動によ
つてダイナミツクに決定される。

第４図に示した液力式駆動のせん断プレスにお
いては、緩衝シリンダ４はプレスラムと一体化さ
れており、この場合圧力室９はピストンとして役
立つプレスラム２と特別な環状ピストン４４とに
よつて仕切られている。環状ピストン４４には支
持ピン４５が取り付けられており、これらの支持
ピンは、プレスラム２の下降の際にテーブル３に
設けられている支持部材４６に支えられる。第４
図において、符号４７は急速範囲を示し、符号４
８は最大プレスストロークを示す。圧力室９には
やはり接続導管１０を介して緩衝弁１１が接続さ
れている。緩衝弁１１の構造及び作用はすでに説
明したものと全く体同じである。支持部材４６の
高さは調整可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例の概略的鉛直断面図、第２
図は第１緩衝段階における緩衝弁及び減圧弁の概
略的断面図、第３図は第２緩衝段階における第２
図相当の断面図、第４図は第２実施例の概略的鉛
直断面図、第５図はプレスストロークと時間との
関係を示したグラフ、第６図はプレス力と時間と
の関係を示したグラフである。 １……フレーム、２……プレスラム、３……テ
ーブル、４……緩衝シリンダ、５……ピストン
棒、６……ピストン、７……張り出し部、８……
端面、９……圧力室、１０……接続導管、１１…
…緩衝弁、１２……ケーシング、１３……シリン
ダ、１４……制御ピストン、１５……ピストン
面、１６……絞り部材、１７……円すい体、１８
……ピストン面、１９……ロツド、２０……ねじ
山、２１及び２２……調節ナツト、２３……そう
入体、２４……制御室、２５……中空円すい体、
２６……不動部分、２７……長さ、２８……絞り
ギヤツプ、２９……ギヤツプ幅、３０……排出
室、３１……導管、３２……タンク、３３……導
管、３４……減圧弁、３５……ポンプ、３６……
モータ、３７……供給導管、３８……逆止め弁、
３９……圧力制限装置、４０……移動部材、４１
……中間横断面、４２……もどし導管、４３……
工作物、４４……環状ピストン、４５……支持ピ
ン、４６……支持部材、４７……急速範囲、４８
……最大プレスストローク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ せん断プレスにおける液力式せん断衝撃緩衝
   装置であつて、圧力制限弁及び逆止め弁を備えた
   ポンプによつて所定圧に保持される少なくとも１
   つの緩衝シリンダが設けられており、この緩衝シ
   リンダ内の圧力に依存して制御される移動部材を
   備えた絞り弁を介して該緩衝シリンダがせん断衝
   撃圧を徐々に排除するために除荷可能である形式
   のものにおいて、前記移動部材４０が、円すい状
   の絞り部材１６と、これに後置されてこれに結合
   された制御ピストン１４とから成つており、絞り
   弁１１には、緩衡シリンダ４へ通じた接続導管１
   ０との接続部に絞り部材１６と同じ円すい角で形
   成された中空円すい体２５が設けられており、層
   流の絞り作用を得るために長い絞りギヤツプ２８
   を形成すべく中空円すい体２５が絞り部材１６に
   対置されており、この中空円すい体２５の下流
   に、絞られた油の流れを排出して制御ピストン１
   ４の前側を除荷する導管３１が設けられており、
   かつ、制御ピストン１４が後側から減圧弁３４に
   よつて一定に保たれた背圧を受けておりこの背圧
   によつて制御ピストン１４が、初めのギヤツプ幅
   ２９を規定するストツパ２１，２３に向かつて前
   進方向で駆動されることを特徴とするせん断プレ
   スにおける液力式せん断衝撃緩衝装置。 ２ 絞りギヤツプ２８の横断面がギヤツプ幅２９
   の少なくとも50倍の長さ２７にわたつて一定に保
   たれている特許請求の範囲第１項記載のせん断プ
   レスにおける液力式せん断衝撃緩衝装置。 ３ 前記ストツパ２１，２３が手によつて調節可
   能である特許請求の範囲第１項記載のせん断プレ
   スにおける液力式せん断衝撃緩衝装置。 ４ 制御ピストン１４には、円すい状の絞り部材
   １６から遠い方の側にロツド１９が結合されてお
   り、このロツド１９が、調整ナツト２１，２２を
   備えたねじ山２０を有している特許請求の範囲第
   ３項記載のせん断プレスにおける液力式せん断衝
   撃緩衝装置。 ５ 各緩衝シリンダ４に、絞り弁１１、逆止め弁
   ３８及び減圧弁３４が対置されている特許請求の
   範囲第１項から第４項までのいずれか１項記載の
   せん断プレスにおける液力式せん断衝撃緩衝装
   置。