JPS6113452B2 - - Google Patents

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JPS6113452B2
JPS6113452B2 JP8125977A JP8125977A JPS6113452B2 JP S6113452 B2 JPS6113452 B2 JP S6113452B2 JP 8125977 A JP8125977 A JP 8125977A JP 8125977 A JP8125977 A JP 8125977A JP S6113452 B2 JPS6113452 B2 JP S6113452B2
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JP
Japan
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reaction
formula
alcohol
unsaturated
ketone
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JP8125977A
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Takashi Oonishi
Yoshiji Fujita
Takuji Nishida
Michihiro Ishiguro
Takeo Hosogai
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は特定のプロパルギル型アルコールを原
料とし、テルペン合成においては試みられたこと
のない反応をこの化合物に適用することにより、
フイトンを有利に製造する方法に関する。 フイトンおよびイソフイトールは種々の経路で
製造しうることが知られているが、工業的実施の
点からC13−テルペンケトンを用いる全合成的方
法が評価されている。C13テルペンケトンとして
ヘキサハイドロプソイドヨノンを例にとれば工程
は概略次式のように示される。 C13ケトンが、該ケトンからフイトンに至るま
での反応を阻害するような位置に不飽和結合を有
していても、かかる不飽和結合は適宜の水素添加
反応により除去しうる。したがつて前記反応経路
によりフイトンおよびイソフイトールを製造する
場合は、原料ケトン中の不飽和結合の有無に係り
なく、上記ヘキサハイドロプソイドヨノンに代表
される炭素骨格を有するC13−ケトンを容易かつ
安価に製造することが、この方法の優位性を左右
する因子となる。この点に関して従来のフイトン
およびイソフイトールの製法は改善すべき余地が
ある。すなわちC13−テルペンケトンの骨格形成
は一般的に、 イソプレンと塩化水素との反応により得られ
るプレニルクロライドをアセトンと反応させる
か、あるいはイソブテンとメチルビニルケトン
とを反応させてメチルヘプテノンを製造する工
程 メチルヘプテノンをエチニル化後部分水素添
加するか、あるいはビニルグリニヤール試薬と
反応させてリナロールを得る工程 リナロールをジケテンもしくはイソプロペニ
ルエーテルと反応させてリナロールのアセト酢
酸エステルもしくはイソプロペニルエーテルと
し、これをキヤロル転位もしくはクライゼン転
位反応させてゲラニルアセトンを得る工程 必要ならばゲラニルアセトンを水素添加して
ヘキサハイドロプソイドヨノンとする工程 を経由するが、C3伸長剤として高価なジケテン
またはイソプロペニルエーテルを用いる反応工程
のために、得られるC13−ケトンは高価にならざ
るを得ない。上記C3伸長剤は前記C15−アリル型
アルコールからデヒドロフイトンを製造する工程
においても使用されるものであるから、フイトン
およびイソフイトール製造工程全体に占めるC3
伸長工程の比重は、製品の価格に大きな影響を及
ぼすものとなつている。 ヘキサハイドロプソイドヨノンおよびゲラニル
アセトン以外のC13−ケトンとしては6・10−ジ
メチルウンデカ−5・10−ジエン−2−オン 6・10−ジメチル−5−ウンデセン−2−オン シトロネリデンアセトン プソイドヨノン
【式】等が知 られているが、上記C3伸長剤を使用せずにこれ
らのケトンを製造する方法は従来実用性がないと
考えられていた。 本発明によれば、特定のプロパルギル型アルコ
ールに対し、これまでテルペンケトンの合成に関
して応用されたことのない反応を適用することに
よつて得られるC13−ケトンが、ヘキサハイドロ
プソイドヨノンを例にとつて前述した方法とほぼ
同様の方法により、フイトンさらにはイソフイト
ールに転化し得ること、したがつてかかる反応工
程を従来の工程の一部と置換することによつて、
フイトンさらにはイソフイトールの製造を一層有
利に行ない得ることが見出された。詳述すれば本
発明の方法は、 (1) 式() で表わされるプロパルギル型アルコールを熱転
位させて式(−1) で表わされるα・β、γ・δ−不飽和ケトンお
よび式(−2) で表わされるα・β、δ・ε−不飽和ケトンを
得る工程、 (2) 前記不飽和ケトンを水素添加して少なくとも
カルボニル基に対してα・β−位の不飽和結合
を飽和する工程、 (3) 得られる式() で表わされるC13−ケトンをビニルグリニヤー
ル試薬と反応させるか、またはエチニル化後部
分水素添加させて式() で表わされるC15アリル型アルコールを得る工
程、 (4) 該アリル型アルコールをジケテンもしくはア
セト酢酸エステルと反応させてアリル型アルコ
ールのアセト酢酸エステルとし、これをキヤロ
ル転位させるか、またはイソプロペニルエーテ
ルと反応させてアリル型アルコールのイソプロ
ペニルエーテルとし、これをクライゼン転位さ
せて式() で表わされるC18−不飽和ケトン(デヒドロフ
イトン)を製造する工程、 (5) 上記C18−不飽和ケトンを水素添加してフイ
トンを得る工程 より成る。前記式()、(−1)、(−2)、
()、()および()において点線はこれら
によつて指示された位置に炭素の原子価を満たす
二重結合が存在していてもよいことを示す。 本発明の方法において前記(3)以降の工程はC13
−ケトンからフイトンを製造する従来の工程と異
なるところがないが、この工程に、式()のプ
ロパルギル型アルコールの転位によつて式(−
1)および(−2)で表わされる不飽和ケトン
を製造する工程を組み合わせたことに大きな意義
が存在する。すなわちジケテンまたはイソプロペ
ニルエーテルの如き高価なC3伸長剤を使用せ
ず、式()のプロパルギル型アルコールの単な
る加熱のみによつて不飽和のC13−ケトンが得ら
れること、および該プロパルギル型アルコールの
製造が容易であることにより、フイトンの全合成
的製法が大幅に簡略化されるのである。 本発明を以下工程順に説明する。 (1) プロパルギル型アルコールの熱転位による不
飽和ケトンの製造 式()の原料プロパルギル型アルコール
は、本発明者らを含む研究者によつて先に見出
された方法に従い、式() で表わされるC5−ハライド(式中Xは塩素、
臭素等のハロゲン原子である)すなわちプレニ
ルハライドおよび/またはイソアミルハライド
とメシチルオキシド(4−メチル−3−ペンテ
ン−2−オン)および/またはイソメシルオキ
シド(4−メチル−4−ペンテン−2−オン)
とを反応させて得られる下記式()で表わさ
れる不飽和ケトン すなわち3−イソプロペニル−6−メチルヘプ
タン−2−オンおよび/または3−イソプロペ
ニル−6−メチル−5−ヘプテン−2−オンを
エチニル化することにより容易に製造される
(特開昭52−68113号公報参照)。上記式()
および()中点線はこれによつて指示された
位置に二重結合が存在していてもよいことを表
わす。 式()のプロパルギル型アルコールは加熱
により式(−1)および(−2)の不飽和
ケトンに転位する。一般的に述べれば、プロパ
ルギル型アルコールを加熱して構造異性体であ
る不飽和ケトンに転位させる反応自体は、オキ
シ・コープ(Oxy−Cope)転位反応として公
知である〔J.Am.Chem.Soc.、86、5017、5019
(1964)、同87、1150(1965)、同92、2404
(1970)〕。しかしながら本発明における式
()のプロパルギル型アルコールがオキシ・
コープ転位反応に付されたことはなく、またこ
れによりテルペン骨格を有するケトン類が得ら
れることは知られていない。本発明において式
(−1)および(−2)の不飽和ケトン
(プソイドヨノンおよびその二重結合異性体)
が、式()のプロパルギル型アルコールの加
熱によつて直接得られることは、C13−ケトン
を原料とするフイトンおよびイソフイトールの
製造を大幅に有利にするのである。 式()のプロパルギル型アルコールの転位
反応は液相もしくは気相で行なうことができ
る。100〜400℃の範囲の反応温度が使用可能で
あるが、反応速度および選択率の面から、液相
反応については100〜250℃とくに130〜230℃、
気相反応については滞留時間によつて異なる
が、250〜400℃の範囲が好ましい。反応は窒
素、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で行なう
のが望ましい。液相での反応において溶媒の使
用は必須ではないが、転位反応条件下で安定か
つ反応に関与しないか、あるいは選択率を向上
させるもの、たとえばジメチルスルホキシド、
ジエチルスルホキシド、テトラメチレンスルホ
キシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、ジエチルホルムアミド、ジエチルア
セトアミド、ピロリドン、N−メチルピロリド
ン、N−エチルピロリドン、ε−カプロラクタ
ム、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサエチ
ルホスホルアミド、トリメチルホスフエート、
トリエチルホスフエート等の分子中に〓S→O
なるスルホキシド基、
【式】 なるアミド基、〓−P=Oなるホスホリル基を
有する極性有機化合物を使用することができ
る。これらの溶媒は選択率の向上に有効であ
り、式()のプロパルギル型アルコールに対
して0.5〜20倍量(容量)の範囲で用いるのが
実際的である。転位反応生成物は、一般に、式
(−1)で表わされるα・β、γ・δ−不飽
和ケトンと式(−2)で表わされるα・β、
δ・ε−不飽和ケトンの混合物である。 (2) α・β、γ・δ−不飽和ケトンおよびα・
β、δ・ε−不飽和ケトンの水素添加 前記転位反応により得られる不飽和ケトンは
カルボニル基に対してα・β−位に不飽和結合
を有するため、選択率よく式()のC15−ア
リル型アルコールに誘導することが比較的困難
である。したがつて工業的実施の点から後続工
程に先立つて、該不飽和ケトンを水素添加して
少なくともα・β−不飽和結合を飽和すべきで
ある。この水素添加は炭素−炭素二重結合を飽
和させる自体公知の方法によつて行なうことが
できる。反応は一般にパラジウム、白金、ラネ
ーニツケル、ラネーコバルト等の通常の水素添
加触媒の存在下、炭化水素、アルコール類、エ
ーテル類、ケトン類、エステル類、カルボン酸
類等の溶媒中、水素圧5〜100Kg/cm3(ゲー
ジ)、温度室温〜200℃で行なわれる。得られる
水素添加物は次式() で表わされるC13−ケトンであり、式中点線は
これによつて指示された位置に炭素の原子価を
満たす二重結合が存在していてもよいことを示
す。カルボニル基に対してα・β−位の二重結
合は他の位置の二重結合よりも水素添加され難
いことはなく、したがつてたとえば水素添加反
応が比較的穏和な場合は、式()中点線で示
した位置の二重結合が残存することがある。 (3) C13−ケトンからC15−アリル型アルコールの
製造 こうして得られた式()のC13−ケトン
は、ビニルグリニヤール試薬と反応させるか、
またはエチニル化後部分水素添加する常法によ
り、式()のC15−アリル型アルコールに転
化させる。 ビニルグリニヤール試薬との反応は、たとえ
ばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の
溶媒中塩化ビニル、臭化ビニル等のビニルハラ
イドと金属マグネシウムを反応させて得られた
ビニルマグネシウムハライドを式()のC13
−ケトンと−10〜55℃の温度で接触させること
により行なうことができる。 工業的有利性を考慮すると、式()のC13
−ケトンをまずエチニル化して下記式 で表わされるC15−プロパルギル型アルコール
を調製し、次いでこれを部分水素添化して式
()のC15−アリル型アルコールを製造するの
が好ましい。上記エチニル化はケトン類のエチ
ニル化によりプロパルギルアルコール構造をも
つ化合物の製法としてそれ自体公知の方法によ
つて行なうことができる(たとえば米国特許第
3082260号、同3496240号、特開昭50−59308
号)。小規模の反応ではアルカリ金属もしくは
アルカリ土類金属のアセチリドを用いるエチニ
ル化方法またはエチニルグリニヤール試薬を用
いる方法が適しているかもしれないが、工業的
規模での好ましいエチニル化方法は、アルカリ
金属の強塩基性化合物の触媒量の存在下、N・
N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフ
ラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、
メチルエチルエーテル、アニソール、ジオキサ
ン等の反応に関与しない有機極性溶媒中または
液体アンモニア中あるいはこれらの混合溶媒
中、アセチレンを式()のC13−ケトンに反
応させる方法である。この方法はプロパルギル
型アルコールの製造が安価であり、後処理が容
易である点で工業的に有利である。次の部分水
素添加は、前記C15−プロパルギル型アルコー
ルの炭素−炭素三重結合を選択的に二重結合に
変える反応であり、そのための方法自体は公知
である。一つの方法は水素化リチウムアルミニ
ウムの如き水素化剤を用いる方法であり、他の
方法はn−ヘキサン、n−ヘプタン、オクタ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノー
ル、エタノール、プロパノール等の炭化水素お
よびアルコールの如き溶媒中適当な水素添加触
媒を用いてプロパルギル型アルコールを接触還
元する方法である。後者の方法は工業的に好ま
しく採用され、部分水素添加のための比較的穏
和な条件たとえば温度0〜130℃、常圧〜50Kg/
cm2(ゲージ)の圧力下で行なわれる。適当な水
素添加触媒はニツケル、コバルト、パラジウ
ム、白金、ロジウム、イリジウム、これらの化
合物および担体例えば活性炭、硫酸バリウム、
炭酸カルシウムに担持させたこれらの金属また
はその化合物である。炭酸カルシウムにパラジ
ウムを担持させたリンドラー触媒が特に好まし
い。 (4) C15−アリル型アルコールからC18−不飽和ケ
トン(デヒドロフイトン)の製造 式()のC15−アリル型アルコールは公知
の方法によりジケテンもしくはアセト酢酸エス
テルと反応させてC15−アリル型アルコールの
アセト酢酸エステルとし、これをキヤロル転位
させるか、あるいはイソプロペニルエーテルと
反応させてC15−アリル型アルコールのイソプ
ロペニルエーテルとし、これをクライゼン転位
させることにより式()のC18−不飽和ケト
ンすなわちデヒドロフイトンに誘導される。 C15−アリル型アルコールとジケテンとの反
応は、単に両者を接触させることにより行なう
ことができ、加熱や反応溶媒の使用は特に必要
でない。得られるC15−アリル型アルコールの
アセト酢酸エステルは130〜180℃に加熱すると
脱カルボキシル化および転位反応により式
()のデヒドロフイトンに転化する。ジケテ
ンの代りにアセト酢酸エステルを用いて上記温
度に加熱する場合も同様の結果が得られる。こ
れらの反応および機構については、たとえばJ.
Chem.Soc.,704(1940)、特公昭32−8616号、
同49−25251号、英国特許第907142号等に記述
されている。C15−アリル型アルコールとイソ
プロペニルエーテルとの反応によるデヒドロフ
イトンの製造は、リン酸、硫酸、シユウ酸、ト
リクロル酢酸等の酸性触媒の存在下50〜200℃
の温度に加熱することにより行なうことができ
る(たとえば特公昭40−23328号公報参照)。 (5) フイトンの製造 式()のC18−不飽和ケトンは次いで水素
添加によりフイトンに転化されるが、この場合
の水素添加は炭素−炭素不飽和結合を完全に飽
和するものであり、式()のC13−ケトンの
製造に関して述べたと同様の方法により行なう
ことができる。 こうして得られたフイトンは、必要に応じ
て、式()のC15−アリル型アルコールの調
製のために式()のC13−ケトンに適用され
る反応、すなわちビニルグリニヤール試薬との
反応もしくはエチニル化後の部分水素添加反応
によりイソフイトールに転化することができ
る。 以上の説明から明らかなように、本発明は式
()のプロパルギル型アルコールの熱転位反応
工程を採用することにより、フイトンさらにはイ
ソフイトールの生産に用いられている既存の方法
の経済性を一層高めたもので、工業的意義の極め
て深いものである。 次に実施例により本発明を具体的に説明する。 実施例 1 (1) 不飽和ケトン()の製造 水酸化ナトリウム600gと水490gの溶液中に
メシチルオキサイド980g、プレニルクロライ
ド(純度83.71%)520gおよびトリメチルステ
アリルアンモニウムクロライド25gを加え、撹
拌しながら2時間反応を行なつた(反応温度は
70℃まで上昇)。反応混合物を水に注いでジエ
チルエーテルで抽出し、エーテル層を水洗後無
水芒硝で乾燥した。エーテル層から溶媒を減圧
留去したのちの残分1250gを蒸留して未反応の
メシチルオキサイドを回収し、高沸点物として
3−イソプロペニル−6−メチル−5−ヘプテ
ン−2−オンと3−イソプロピリデン−6−メ
チル−5−ヘプテン−2−オンの2.5:1混合
物560gを得た。該混合物を、理論段数30の精
密蒸留塔により蒸留し、沸点32〜34℃/0.2mm
Hgの留分からは3−イソプロペニル−6−メ
チル−5−ヘプテン−2−オン(410g)を、
沸点35〜38℃/0.2mmHgの留分からは3−イソ
プロピリデン−6−メチル−5−ヘプテン−2
−オン(130g)をそれぞれ得た。 上記3−イソプロピリデン−6−メチル−5
−ヘプテン−2−オン130gを2gの1・5−
ジアザビシクロー〔5・4・0〕−ウンデセン
−5(異性化触媒)とともに理論段数30段の精
密蒸留塔の塔底に入れ、30mmHgの減圧下、還
流比10/1で異性化しつつ蒸留し、留出物114
gを得た。ガスクロマトグラフイー分析によれ
ば、この留出物は3−イソプロペニル−6−メ
チル−5−ヘプテン−2−オン(98.5%)と3
−イソプロピリデン−6−メチル−5−ヘプテ
ン−2−オン(1.5%)の混合物であつた。 (2) プロパルギル型アルコール()の製造 5の三つ口フラスコ中で液体アンモニア3
に金属ナトリウム70gを加え、アセチレンガ
スを吹込んだ。反応液が灰色になつた時点でア
セチレンガスの吹込みを中断し、少量の3−イ
ソプロピリデン−6−メチル−5−ヘプテン−
2−オンを含有する3−イソプロペニル−6−
メチル−5−ヘプテン−2−オン517gを加
え、次いでアセチレンガスを吹込んで−33℃で
3時間反応した。アンモニアを除去したのち反
応混合物を塩化アンモニウムで中和し、水にあ
げてジエチルエーテルで抽出した。エーテル層
を無水芒硝で乾燥後溶媒を減圧除去した。残分
524gは減圧蒸留して沸点59〜61℃/0.5mmHg
の留分519gを得た。この留分は3−イソプロ
ペニル−6−メチル−5−ヘプテン−2−オン
(2重量%)、3−イソプロピリデン−6−メチ
ル−5−ヘプテン−2−オン(8重量%)およ
び4−イソプロペニル−3・7−ジメチル−6
−オクテン−1−イン−3−オール(90重量
%)の混合物であつた。 (3) α・β、γ・δ−不飽和ケトン(−1)お
よびα・β、δ・ε−不飽和ケトン(−2)
の製造 4−イソプロペニル−3・7−ジメチル−6
−オクテン−1−イン−3−オール500g(純
度90%)を1000mlの三つ口フラスコに入れて、
窒素雰囲気下、内温150℃で10時間加熱するこ
とにより転位反応を行なつた。反応液はそのま
ま減圧蒸留して転位生成物である6・10−ジメ
チル−3・5・9−ウンデカトリエン−2−オ
ンおよび6・10−ジメチル−3・6・9−ウン
デカトリエン−2−オンからなるbp76〜92
℃/0.16〜0.17mmHgの留分178g(純度94.7
%)を得た。転位生成物の構造確認は次のよう
にして行なつた。前記混合物を分取ガスクロマ
トグラフイーで2つの成分に分離し、1つの成
分は、その赤外吸収スペクトルおよび核磁気共
鳴スペクトルデータが市販の6・10−ジメチル
−3・5・9−ウンデカトリエン−2−オン
(プソイドヨノン)のそれらと一致したことか
ら、6・10−ジメチル−3・5・9−ウンデカ
トリエン−2−オンであることが確認された。
他方の成分の構造は以下の方法に依り、6・10
−ジメチル−3・6・9−ウンデカトリエン−
2−オンであることが確認された。 赤外線吸収スペクトル(cm-1) 1675、1623、1440、1376、1360、1255 核磁気共鳴スペクトル(δCCl 4ppn) 1.60(s、9H)、2.11(s、3H)、2.72(m、
4H)、 5.01(m、1H)、5.12(m、1H)、5.94(m、
1H)、 6.40〜6.90(m、1H) (4) C13−ケトン(V)の製造 前記工程で得られたα・β、γ・δ−不飽和
ケトン(−1)とα・β、δ・ε−不飽和ケ
トン(−2)との混合物150gをn−ヘキサ
ン200mlに溶解し、5%パラジウム担持炭素4.5
gを触媒として、オートクレーブ中反応温度40
℃、水素圧10Kg/cm2で水素添加反応を行なつ
た。反応後触媒を除去し、濃縮後減圧蒸留する
ことにより沸点73〜78℃/0.4mmHgの留分とし
て142gのヘキサハイドロプソイドヨノンが得
られた。 (5) C15−アリル型アルコール()の製造 液体アンモニア2000ml中に金属ナトリウム18
gを溶解し、温度−35℃でアセチレンガスを吹
込んだ。反応液が灰色になつた時点でアセチレ
ンガスの吹込みを中断し、ヘキサハイドロプソ
イドヨノン142gを加えたのち再度アセチレン
ガスを約2時間にわたつて吹込んだ。反応混合
物を塩化アンモニアで中和後アンモニアを除去
し、残分を水に注いでn−ヘキサンで抽出し、
ヘキサン層を水洗、乾燥した。ヘキサン層から
溶媒を減圧下に除去したのち、減圧蒸留により
沸点103〜114℃/0.5mmHgの留分として3・
7・11−トリメチルドデカ−1−イン−3−オ
ールを144g得た。このプロパルギル型アルコ
ールをn−ヘキサン300ml中2%パラジウム担
持リンドラー触媒2.5gの存在下、常圧、40℃
にて部分水素添加反応した。反応の経時変化は
ガスクロマトグラフイー(PEG20M、160℃)
にて分析し、原料ピークの消失をもつて反応を
終了した。触媒を除去し、減圧蒸留して沸点
111〜120℃/0.7mmHgの留分として3・7・11
−トリメチルドデカ−1−エン−3−オールを
140g得た。 (6) フイトンおよびイソフイトールの製造 上記C15−アリル型アルコール()140gと
トリエチルアミン3gの混合物を95〜100℃に
加熱し、これにジケテン57gをゆつくり滴下し
た。反応が開始した時点で加熱を中止し、反応
温度が90〜95℃に保たれるようにジケテンの滴
下速度を調整した。滴下終了後反応温度を40℃
に冷却し、アルミニウムイソプロポキシド4g
を加えて再度加熱した。温度120〜130℃で炭酸
ガスが激しく発生し、その発生が止んだのちに
温度を160℃に上げて1時間反応した。放冷後
反応混合物を減圧蒸留し、沸点121〜128℃/
0.3mmHgの留分として6・10・14−トリメチル
ペンタデカ−5−エン−2−オンを131g得
た。このC18−不飽和ケトン()をn−ヘキ
サン200mlに溶解し、5%パラジウム担持炭素
を触媒として、オートクレーブ中反応温度40
℃、水素圧10Kg/cm2で水素添加反応を行なつ
た。反応後触媒を除去し、濃縮後減圧蒸留する
ことにより沸点113〜117℃/0.1mmHgの留分と
して128gのフイトンが得られた。該生成物は
市販品とガスクロマトグラフイーの保持時間お
よび核磁気共鳴スペクトル分析が一致した。 得られたフイトンを、テトラヒドロフラン中
12.6gの金属マグネシウムと61gの臭化ビニル
から調製したビニルマグネシウムブロマイドと
反応させて、イソフイトール110gを得た。 実施例 2 (1) 不飽和ケトン()の製造 液体アンモニア1000ml中に少量の硝酸第二鉄
を入れ、さらに金属ナトリウム23gを加えて−
40℃にて1時間撹拌し、ナトリウムアミドを生
成させた。次にこの混合物に−40〜−33℃の温
度範囲でメシチルオキサイド98gを滴下し、滴
下終了後も同温度で30分間撹拌したのち臭化イ
ソアミル152gを加え、アンモニアを追出しつ
つ1000mlのジエチルエーテルにより置換した。
反応温度が0℃になつた時点で塩化アンモニウ
ムにより反応混合物を中和し、水洗した。エー
テル層を無水芒硝にて乾燥後溶媒を減圧留去
し、残分を減圧蒸留して、沸点72〜75℃/15〜
16mmHgの留分として3−イソプロペニル−6
−メチルヘプタン−2−オン82gが得られた。
この不飽和ケトン()は13%の3−イソプロ
ピリデン−6−メチルヘプタン−2−オンを含
有していた。 (2) プロパルギル型アルコール()の製造 液体アンモニア1000ml中6mlの20%カリウム
メチラート触媒の存在下0℃での全圧が8Kg/
cm2になるようにアセチレンガスを吹込むことに
より、上記不飽和ケトン()をオートクレー
ブ中0℃で6時間エチニル化した。反応液を中
和後アンモニアを除去し、残分を水におけてジ
エチルエーテルで抽出し、エーテル層を水洗
し、乾燥した。エーテル層から溶媒を減圧留去
後残分を蒸留して沸点66〜66.5℃/1.5mmHgの
留分として4−イソプロペニル−37−ジメチル
−1−オクチン−3−オールを81.5g得た。こ
の留分はガスクロマトグラフイー分析の結果3
−イソプロペニル−6−メチルヘプタン−2−
オン(6.6重量%)、3−イソプロピリデン−6
−メチルヘプタン−2−オン(15.7重量%)お
よび4−イソプロペニル−3・7−ジメチル−
1−オクチン−3−オール(77.7重量%)の混
合物であつた。 (3) α・β、γ・δ−不飽和ケトン(−1)お
よびα・β、δ・ε−不飽和ケトン(−2)
の製造 前記エチニル化反応生成物(未精製)80gを
3倍量(容量)のN−メチルピロリドンに溶解
し、窒素ガス雰囲気下165〜170℃に5時間加熱
して転位反応させた。反応液を水に注いでジエ
チルエーテルで抽出し、エーテル層を水洗、乾
燥後減圧下で溶媒を除去した。溶媒除去後の残
留分を減圧蒸留して転位反応生成物である6・
10−ジメチル−3・5−ウンデカジエン−2−
オンと6・10−ジメチル−3・6−ウンデカジ
エン−2−オンからなる沸点80〜91℃/0.2mm
Hgの高沸点留分58g(純度82%)を得た。 こうして得られたα・β、γ・δ−不飽和ケ
トンとα・β、δ・ε−不飽和ケトンとの混合
物を実施例1の(4)と同様にして水素添加してヘ
キサハイドロプソイドヨノンとし、以後実施例
1と同様にしてイソフイトールを得た。 実施例 3 (1) C15−アリル型アルコール()の製造 実施例1におけると同様の方法により得られ
たヘキサハイドロプソイドヨノン142gを乾燥
テトラヒドロフラン1に溶解し、−10℃に冷
却した。次に、この溶液中にビニルマグネシウ
ムクロライドのテトラヒドロフラン溶液
(0.89mol/)970mlを内温を−10℃〜0℃に
保ちながら徐々に滴下し、さらに同温度で2時
間撹拌した。反応混合物を5%塩酸水を加えて
弱酸性化したのち、大量の水に注ぎ、有機層を
n−ヘキサンで抽出した。ヘキサン層を水洗
し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。無水
硫酸マグネシウムを濾別したのち、ヘキサンを
ロータリー・エバポレーターで留去し、残つた
油分を減圧蒸留し、沸点111〜120℃/0.7mmHg
の留分として3・7・11−トリメチルドデカ−
1−エン−3−オールを143g得た。 (2) フイトンの製造 1容フラスコ中に3・7・11−トリメチル
ドデカ−1−エン−3−オール113g、p−ト
ルエンスルホン酸75mg、イソプロペニルエチル
エーテル100gおよびリグロイン150mlを入れ、
窒素雰囲気下に8時間加熱還流し、次いでp−
トルエンスルホン酸75mgおよびイソプロペニル
エチルエーテル50gを加えてさらに15時間加熱
還流した。反応混合物を飽和重曹水中に注ぎ、
有機層を分離した。有機層を水および飽和食塩
水で順次洗浄したのち、減圧下に未反応イソプ
ロペニルエチルエーテル、アセトンジエチルケ
タールおよびリグロインを回収し、残つた油分
をn−ヘキサン300mlに溶解し、5%パラジウ
ム担持炭素4gを触媒として、オートクレーブ
中反応温度40℃、水素圧10Kg/cm2で水素添加反
応を行なつた。反応後、触媒を濾別し、濃縮後
減圧蒸留することにより、沸点113〜117℃/
0.1mmHgの留分としてフイトン174gが得られ
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記工程を順次行なうことを特徴とするフイ
    トンの製法。 式() で表わされるプロパルギル型アルコールを熱転
    位させて下記式(−1) で表わされるα・β、γ・δ−不飽和ケトンお
    よび下記式(−2) で表わされるα・β、δ・ε−不飽和ケトンを
    得る工程、 前記不飽和ケトンを水素添加して少なくとも
    カルボニル基に対してα・β−位の不飽和結合
    を飽和する工程、 得られる下記式() で表わされるC13−ケトンをビニルグリニヤー
    ル試薬と反応させるか、またはエチニル化後部
    分水素添加させて下記式() で表わされるアリル型アルコールを得る工程、 該アリル型アルコールをジケテンもしくはア
    セト酢酸エステルと反応させてアリル型アルコ
    ールのアセト酢酸エステルとし、これをキヤロ
    ル転位させるか、またはイソプロペニルエーテ
    ルと反応させてアリル型アルコールのイソプロ
    ペニルエーテルとし、これをクライゼン転位さ
    せて下記式() で表わされるC18−不飽和ケトンを製造する工
    程、 上記C18不飽和ケトンを水素添加してフイト
    ンを得る工程 〔上記式()、(−1)、(−2)、()、
    ()および()において、点線はこれによ
    つて指示された位置に炭素の原子価を満たす二
    重結合が存在していてもよいことを示す。〕
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