JPS6113415B2 - - Google Patents
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- JPS6113415B2 JPS6113415B2 JP53124559A JP12455978A JPS6113415B2 JP S6113415 B2 JPS6113415 B2 JP S6113415B2 JP 53124559 A JP53124559 A JP 53124559A JP 12455978 A JP12455978 A JP 12455978A JP S6113415 B2 JPS6113415 B2 JP S6113415B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04B—TRANSMISSION
- H04B1/00—Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
- H04B1/06—Receivers
- H04B1/10—Means associated with receiver for limiting or suppressing noise or interference
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Picture Signal Circuits (AREA)
- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
- Noise Elimination (AREA)
Description
本発明は、周波数変調(以下FMと略称する)
伝送系における反射波(エコー)に起因するひず
みを抑圧する方式に関する。FM伝送系、特に
FM放送においては、送信アンテナから受信アン
テナに直接到来する直接波のほかに、建築物など
によつて反射された反射波が到来し、直接波と反
射波の合成波を受信することがしばしば生じる。
このような場合には、復調に際していわゆるエコ
ーひずみと称せられる一種の非直線ひずみが発生
する。エコーひずみの除去あるいは抑圧は、複数
のアンテナを設けて合成受信を行えば論理的には
可能であるが、アンテナの設置条件は直接波と反
射波の通路差、入射角差、搬送波の波長等の関数
となるので、反射波の数が多い場合や受信しよう
とする電波の周波数が多数ある場合には、すべて
の受信条件に適合させることは不可能である。本
発明は、受信機内に若干の回路を付加することに
より、このような場合に適用可能な自動制御によ
る適応形のエコーひずみ抑圧方式を実現しようと
するものである。 振幅変調を用いるテレビジヨン映像信号の受信
に際しては、反射波の影響は「ゴースト」と呼ば
れて知られており、この抑圧方式は最近に至り確
立された。テレビジヨン映像信号の場合には、中
間周波段あるいは復調後のビデオ増幅段において
反射波の振幅と遅延時間とを、たとえば同期信号
の波形応答を観測することにより直接知ることが
できる。すなわち、システムの同定が可能であ
る。しかしながら、FM信号の場合にはシステム
の同定に便利な特殊な基準信号が元来含まれてお
らず、復調後はもちろん中間周波段においてもそ
れらを容易に求めることは困難である。また前述
のようにエコーを含むFM信号は復調時に非直線
ひずみが発生するので、エコーひずみを抑圧する
には復調前(中間周波段)に何らかの操作を行う
のが有利である。以下、はじめにエコーひずみ抑
圧の基本原理を、ついで本発明のエコーひずみ抑
圧方式の一実施例を詳細に説明する。 簡単のために反射波の数を1として説明する。
直接波と反射波の受信アンテナへの到来時間差
(以下反射波の遅延時間と称す)をτ、複素反射
係数をr〓とすれば、伝搬路の伝達関数Gp(ω)
は、次式で与えられる。 Gp(ω)=1+r〓 e-j〓〓 ここで、搬送波の角周波数をωp、ωpからの角
周波数偏移をΔωnとすれば、角周波数ωp+Δω
nにおける伝達関数は Gp(ω)=1+r〓 e-j(〓o+〓〓m)〓 と表わすことができる。r〓=|r〓| e-j〓とす
ると、上式は Gp(ω)=1+|r〓|e-j{(〓o+〓〓m)〓+
〓} と書くことができる。一般に、ωpτ+θは2π
の整数倍とはならず、角周波数ωp+Δω〓にお
いて (ωp+Δω〓)τ+θ=2nπ となる。したがつて、受信機入力端子において観
測される伝搬路の伝達関数Gp(Δωn)は、nに
無関係に Gp(Δωn)=1+|r〓|e-j(〓〓m-〓〓〓)〓
(1) となる。Δω〓はまた Δω〓=ψ/τ (2) のように書くことができる。式(2)におけるψは、
無変調時(Δωn=0)における位相差(−π≦
ψ≦π)を与える。角周波数ωp+Δω〓すなわ
ち Δωn=Δω〓 (3) からの角周波数偏差をΔωとすると、式(1)におけ
るGp(Δωn)はΔωの関数として次式のように
書き換えられる。 Gp(Δωn)=G(Δω)=1+|r〓|e-j〓〓〓 =1+|r〓|cosΔωτ−j|r〓|sinΔωτ =R(Δω)e-j〓(〓〓) (4) ここに、
伝送系における反射波(エコー)に起因するひず
みを抑圧する方式に関する。FM伝送系、特に
FM放送においては、送信アンテナから受信アン
テナに直接到来する直接波のほかに、建築物など
によつて反射された反射波が到来し、直接波と反
射波の合成波を受信することがしばしば生じる。
このような場合には、復調に際していわゆるエコ
ーひずみと称せられる一種の非直線ひずみが発生
する。エコーひずみの除去あるいは抑圧は、複数
のアンテナを設けて合成受信を行えば論理的には
可能であるが、アンテナの設置条件は直接波と反
射波の通路差、入射角差、搬送波の波長等の関数
となるので、反射波の数が多い場合や受信しよう
とする電波の周波数が多数ある場合には、すべて
の受信条件に適合させることは不可能である。本
発明は、受信機内に若干の回路を付加することに
より、このような場合に適用可能な自動制御によ
る適応形のエコーひずみ抑圧方式を実現しようと
するものである。 振幅変調を用いるテレビジヨン映像信号の受信
に際しては、反射波の影響は「ゴースト」と呼ば
れて知られており、この抑圧方式は最近に至り確
立された。テレビジヨン映像信号の場合には、中
間周波段あるいは復調後のビデオ増幅段において
反射波の振幅と遅延時間とを、たとえば同期信号
の波形応答を観測することにより直接知ることが
できる。すなわち、システムの同定が可能であ
る。しかしながら、FM信号の場合にはシステム
の同定に便利な特殊な基準信号が元来含まれてお
らず、復調後はもちろん中間周波段においてもそ
れらを容易に求めることは困難である。また前述
のようにエコーを含むFM信号は復調時に非直線
ひずみが発生するので、エコーひずみを抑圧する
には復調前(中間周波段)に何らかの操作を行う
のが有利である。以下、はじめにエコーひずみ抑
圧の基本原理を、ついで本発明のエコーひずみ抑
圧方式の一実施例を詳細に説明する。 簡単のために反射波の数を1として説明する。
直接波と反射波の受信アンテナへの到来時間差
(以下反射波の遅延時間と称す)をτ、複素反射
係数をr〓とすれば、伝搬路の伝達関数Gp(ω)
は、次式で与えられる。 Gp(ω)=1+r〓 e-j〓〓 ここで、搬送波の角周波数をωp、ωpからの角
周波数偏移をΔωnとすれば、角周波数ωp+Δω
nにおける伝達関数は Gp(ω)=1+r〓 e-j(〓o+〓〓m)〓 と表わすことができる。r〓=|r〓| e-j〓とす
ると、上式は Gp(ω)=1+|r〓|e-j{(〓o+〓〓m)〓+
〓} と書くことができる。一般に、ωpτ+θは2π
の整数倍とはならず、角周波数ωp+Δω〓にお
いて (ωp+Δω〓)τ+θ=2nπ となる。したがつて、受信機入力端子において観
測される伝搬路の伝達関数Gp(Δωn)は、nに
無関係に Gp(Δωn)=1+|r〓|e-j(〓〓m-〓〓〓)〓
(1) となる。Δω〓はまた Δω〓=ψ/τ (2) のように書くことができる。式(2)におけるψは、
無変調時(Δωn=0)における位相差(−π≦
ψ≦π)を与える。角周波数ωp+Δω〓すなわ
ち Δωn=Δω〓 (3) からの角周波数偏差をΔωとすると、式(1)におけ
るGp(Δωn)はΔωの関数として次式のように
書き換えられる。 Gp(Δωn)=G(Δω)=1+|r〓|e-j〓〓〓 =1+|r〓|cosΔωτ−j|r〓|sinΔωτ =R(Δω)e-j〓(〓〓) (4) ここに、
【表】
である。この関数は受信機中間周波段において観
測しても不変である。したがつて、中間周波段に
おいて、 H(Δω)=1/G(Δω)=1/1+|〓|e−j〓
〓〓(6) なる伝達関数を実現することができるならば、 G(Δω)・H(Δω)=1 (7) となり、エコーひずみを完全に除去することがで
きる。 式(6)及び式(7)の関係が成立する逆フイルタH
(Δω)=1/G(Δω)は、あらゆるG(Δω)
に対して常に存在するものではなく、直接波に比
して大きい反射波が相当程度遅延して受信される
場合にはH(Δω)の物理的実現は困難化し、つ
いには不可能となる。H(Δω)が存在するため
には、 g(t)=F-1{G(Δω)} (F-1は逆フーリエ変換) が最小位相条件を満足すれば良いことが回路網理
論から知られている。実際には、アンテナの指向
性を利用して直接波に匹敵する大きさの反射波
を、あらかじめある程度弱めておけば良い。 このような伝達関数H(Δω)は、第1図に示
すような回路構成により実現できる。第1図は中
間周波段におけるエコーひずみ抑圧の原理を説明
するためのブロツク図である。第1図において、
1は入力端子、2は出力端子、3は補償回路、4
は合成回路、5及び6はそれぞれ補償回路3の入
力端子及び出力端子である。 いま、補償回路3の伝達関数をGc(Δω)と
し、合成回路4は入力端子1に加えられた信号と
補償回路3の出力信号とを単純に加算するもので
あるとすれば、第1図の入力端子1から出力端子
2への伝達関数Hc(Δω)は、 Hc(Δω)=1/1−Gc(Δω) (8) となる。したがつて、 Gc(Δω)=−|r〓|e-j〓〓〓 (9) とすることができればHc(Δω)=H(Δω)と
なり、式(7)の条件が成立することになる。 式(9)で与えられる伝達関数Gc(Δω)は第2
図に示す回路構成により実現できる。第2図にお
いて、5及び6は第1図に示した補償回路3の入
力端子及び出力端子である。7は遅延回路、8は
遅延回路7の出力端子、9は−90゜移相器、10
及び11は減衰器、12は合成回路である。遅延
回路7の遅延時間をτ、中間周波中心角周波数ω
iの正弦波を入力端子5に加えたとき出力端子6
における位相は反転、入出力端子間で振幅変化は
生じないものとする。減衰器10及び11の減衰
量をそれぞれ
測しても不変である。したがつて、中間周波段に
おいて、 H(Δω)=1/G(Δω)=1/1+|〓|e−j〓
〓〓(6) なる伝達関数を実現することができるならば、 G(Δω)・H(Δω)=1 (7) となり、エコーひずみを完全に除去することがで
きる。 式(6)及び式(7)の関係が成立する逆フイルタH
(Δω)=1/G(Δω)は、あらゆるG(Δω)
に対して常に存在するものではなく、直接波に比
して大きい反射波が相当程度遅延して受信される
場合にはH(Δω)の物理的実現は困難化し、つ
いには不可能となる。H(Δω)が存在するため
には、 g(t)=F-1{G(Δω)} (F-1は逆フーリエ変換) が最小位相条件を満足すれば良いことが回路網理
論から知られている。実際には、アンテナの指向
性を利用して直接波に匹敵する大きさの反射波
を、あらかじめある程度弱めておけば良い。 このような伝達関数H(Δω)は、第1図に示
すような回路構成により実現できる。第1図は中
間周波段におけるエコーひずみ抑圧の原理を説明
するためのブロツク図である。第1図において、
1は入力端子、2は出力端子、3は補償回路、4
は合成回路、5及び6はそれぞれ補償回路3の入
力端子及び出力端子である。 いま、補償回路3の伝達関数をGc(Δω)と
し、合成回路4は入力端子1に加えられた信号と
補償回路3の出力信号とを単純に加算するもので
あるとすれば、第1図の入力端子1から出力端子
2への伝達関数Hc(Δω)は、 Hc(Δω)=1/1−Gc(Δω) (8) となる。したがつて、 Gc(Δω)=−|r〓|e-j〓〓〓 (9) とすることができればHc(Δω)=H(Δω)と
なり、式(7)の条件が成立することになる。 式(9)で与えられる伝達関数Gc(Δω)は第2
図に示す回路構成により実現できる。第2図にお
いて、5及び6は第1図に示した補償回路3の入
力端子及び出力端子である。7は遅延回路、8は
遅延回路7の出力端子、9は−90゜移相器、10
及び11は減衰器、12は合成回路である。遅延
回路7の遅延時間をτ、中間周波中心角周波数ω
iの正弦波を入力端子5に加えたとき出力端子6
における位相は反転、入出力端子間で振幅変化は
生じないものとする。減衰器10及び11の減衰
量をそれぞれ
【表】
とする。合成回路12は、減衰器10及び11の
出力信号を単純に加算するものとすれば、入力端
子5から出力端子6までの伝達関数は −e-j〓〓m〓・(|r〓|cosψ+j|r〓|sinψ) =−|r〓|e-j〓〓m〓・(cosψ+jsinψ) =−|r〓|e-j(〓〓m〓-〓) =−|r〓|e-j(〓〓m-〓〓〓)〓 =−|r〓|e-j〓〓〓 となり、式(9)と等しくなる。 以上の説明により、エコーひずみを除去するた
めには|r〓|、τ及びΔω〓が測定でき、かつ測
定された結果に基づいて遅延回路の遅延時間、減
衰器の減衰量を自由に設定できれば良いことがわ
かる。次に|r〓|、τ、Δω〓等の測定原理を説
明する。以下|r〓|を単にrと書くことにする。 第3図は、反射波が1個の場合のR(Δω)の
一例を描いたものである。点線は、反射波が存在
しない(あるいはr=0)理想の場合の中間周波
領域でみた振幅特性(=1.0)を示す。また、δ
ωはR(Δω)の最大値と最小値の角周波数差で
あつて、遅延時間τとの間に δω=π/τ (12) のような関係がある。以上の説明から、Δωの変
化に伴うR(Δω)の変化を観測することによ
り、r、τ及びψを決定することができることが
わかる。 したがつて、第1図における出力端子2におい
てR(Δω)を観測しつつ、R(Δω)が一定と
なるように補償回路3の要素を制御すれば、エコ
ーひずみの抑圧が可能となる。本発明は、以上の
理論に基づくエコーひずみの自動抑圧方式であ
り、以下その具体的な方法を説明する。 第4図は、本発明のエコーひずみ抑圧方式の一
実施例を示すブロツク図である。第4図におい
て、13は中間周波段の信号入力端子(混合器出
力に相当する)、14は中間周波増幅器、15は
合成回路、16は振幅制限器、17は周波数弁別
器、18は復調信号出力端子、19は振幅検出
器、20は反射波要素計算回路、21及び22は
それぞれ反射波要素計算回路20への振幅情報及
び周波数情報の入力端子、231〜23nは反射
波要素計算回路20のm組の出力端子、24はタ
ツプ付き遅延回路、2511,2512,………25n
1,25n2はタツプ付き遅延回路24のm対のタ
ツプ、26は重み付け回路、271〜27nは重
み付け回路26のm個の出力端子である。第4図
において、点線で囲まれた部分が、本発明のエコ
ーひずみ抑圧方式のために受信機内に新たに付加
する部分である。第5図は、反射波要素計算回路
20の細部の一実施例を示すブロツク図である。
第5図において、28は周波数分類器、291〜
29oは分類されたn個の周波数に対応する出力
端子、301〜30oはn個の周波数に対応する
振幅の記憶セル、31はr・τ・ψ計算回路であ
る。 中間周波増幅器14は、振幅制限器を含まない
線形増幅器である。したがつて、反射波が存在す
るときにはその出力信号の振幅は送信側における
周波数変調による周波数偏移に伴つて変化する。
中間周波増幅器14の出力信号は、合成回路15
を経て振幅制限器16に加えられ、ここで振幅変
化が除去されて一定振幅のFM信号となつて周波
数弁別器17に加えられる。周波数弁別器17
は、その入力信号の瞬時周波数偏移に比例した振
幅をもつ出力信号を、その出力端子18に送出す
る。出力端子18に現われる信号は、音声、音楽
などの信号であり、時間的に規則正しい変化をす
るわけではないが、その振幅の瞬時値は被変調信
号の瞬時周波数偏移に対応している。したがつ
て、周波数弁別器17の出力信号を、被変調信号
の瞬時周波数の情報として用いることができる。 振幅制限器16の前で分離された振幅変化を含
む中間周波信号は、振幅検出器19とタツプ付き
遅延回路24に加えられる。振幅検出器19は、
たとえば包絡線検波器によつて構成することがで
き、中間周波信号の瞬時周波数変化に伴う振幅の
変化を検出する。反射波要素計算回路20は、そ
の1つの入力端子21から振幅検出器19によつ
て検出された振幅情報を、また他の1つの入力端
子22から周波数弁別器17によつて検出された
周波数情報を受取り、第3図に示したr、δω、
Δω〓を測定し、エコーひずみ抑圧に必要な要素
r、τ、ψを算出する。 反射波要素計算回路20の動作を、第5図によ
り説明する。入力端子22に加えられる周波数情
報は、たとえばΔωnの値に正比例するような電
圧波形である。この電圧波形は、周波数分類器
(実体は電圧レベル分類器)28に与えられる。
周波数分類器28は、入力端子22に加えられた
信号の振幅の瞬時値があらかじめ設定したn個の
離散的な値のいずれかに一致した場合に、出力端
子291〜29oのうちの対応する1つの出力端
子に出力信号を送出する。たとえば、周波数情報
の振幅が周波数i(i=1、2、……、nのいず
れか)に一致した場合には、出力端子29iに出
力端子が送出される。出力端子29iに信号が送
出されると、その瞬間に振幅情報入力端子21に
加えられている信号の値(たとえば瞬時電圧)を
対応する記憶セル30iに記憶する。被変調信号
の瞬時周波数は、変調信号の振幅に応じて時間と
共に変化するので、周波数分類器28の周波数範
囲を信号の最大周波数偏移の範囲に設定しておけ
ば、ある程度の時間が経過した後には記憶セル3
01〜30oの中にはΔωnの離散的な値に対して
標本化したR(Δω)のパターンが記憶される。 r・τ・ψ計算回路31は、後に説明するよう
な方法でr・τ・ψの値(複数の反射波があると
きには複数組の解がある)を算出する。計算の結
果は、m個の離散的なτの値、τ1、τ2……、
τn、のうちのいずれかに対するr及びψの値と
してm組の出力端子231〜23nから送出され
る。これまでの説明におけるm及びnの値は、エ
コーひずみ抑圧に対して必要とする制御の精度に
よつて決まるものである。 タツプ付き遅延回路24は、第2図における遅
延回路7に対応するものであり、広い遅延時間範
囲に対応できるように、前記m個の離散的なτの
値と一致するτ1、τ2、……、τnなる遅延時
間の点にm対のタツプをもつている。1対のタツ
プ、たとえばタツプ25j1と、25j2(j=1、
2、……、mのいずれか)は、次のようなもので
ある。 タツプ25j1は、第2図における遅延回路の出
力端子8に対応するもので、角周波数ωiにおい
て遅延回路の入力側とこのタツプとの間の位相差
が180゜になるように設定される。また、タツプ
25j2においては、タツプ25j1よりさらに90゜
位相が遅れるように設定される。したがつて、タ
ツプ25j2は、第2図における−90゜移相器9の
出力側に対応するものである。移相器を用いるか
タツプを設けるかは回路構成上の選択によつて決
めることであり、原理的な優劣はない。 重み付け回路26は、m組の部分からなつてい
る。そのおのおのは、第2図における減衰器10
及び11と合成回路12に対応する回路からな
る。たとえば、反射波要素計算回路20の1組の
出力端子23j(τ=τjに対応する)にτj、ψj
なる計算結果が送出されると、タツプ25j1及び
タツプ25j2から送出される中間周波信号のおの
おのに対する減衰量を次第に減少させ、式(10)に示
したようにそれぞれに対する減衰量がrjcosψj
及びrjsinψjとなるように制御する。減衰量を制
御(重み付け)された2つの中間周波信号は、第
2図における合成回路12と同様な回路により合
成された後、出力端子27jを経て合成回路15
に送られる。合成回路15は、重み付け回路26
の他の出力端子から到来する中間周波信号と共に
中間周波増幅器14の出力信号と合成される。な
お、ここでは説明の便宜上、重み付け回路26の
中に第2図における合成回路12に対応するm個
の合成回路があるとしたが、これらの合成回路の
機能を合成回路15に含ませることは何ら差支え
ない。このような制御を行つて、反射波要素計算
回路20の振幅情報入力端子21におけるR(Δ
ω)が一定になつたときに、重み付け回路26の
制御条件を固定すれば、上述の原理によりエコー
ひずみ抑圧が達成される。 ここで、エコーひずみ抑圧の自動制御動作を説
明する。実際の場合には反射波の数は第3図に示
したように1波のみとは限らず、一般には多数の
反射波が存在する。このような場合にはR(Δ
ω)のパターンは複雑な形となるので、r、τ、
Ψは簡単には求められない。理論的に最も正統的
なのはR(Δω)のパターンのフーリエ変換を求
める方法であろう。しかしながらこれは複雑な手
数を要するので、受信機内に付加する回路に用い
るには必ずしも適さない。本発明のエコーひずみ
抑圧方式は帰還制御系であるから、はじめにr、
τ、ψ等の正確な値が求められなくても、制御過
程が時間と共に収束してR(Δω)が一定となる
定常状態に到達できれば結果としてr、τ、ψが
正確に求められたことになる。逐次近似による制
御のアルゴリズムには多種類のものがある。ここ
ではそのうち最も簡単な一実施例によつて本発明
のエコーひずみ抑圧方式における制御動作を説明
する。 この制御のアルゴリズムは次の通りである。R
(Δω)のパターンを観測し、Δωn=0の点の正
及び負の側にR(Δω)の極大点及び極小点を求
めて行く。Δωn>0における極大点に対しては
Δωn<0における極小点を、Δωn>0における
極小点に対してはΔωn<0における極大点をそ
れぞれ対立させて観測し、それらのうち極大点と
極小点を結ぶ直線の傾斜が最大のもの、もしくは
R(Δω)の最大値と最小値を与える点を第1次
近似の極大極小とする。第1次近似の極大極小と
等しい極大極小点が生じるような単一反射波の
r、τ、ψを以て第1次近似のr、τ、ψとし、
これを打消すような制御を行う。制御の過程で最
大傾斜の極大極小もしくは最大極小の条件が他の
r、τ、ψに対して生じたならば(第2次近
似)、第2次近似の反射波に対する打消しの制御
を行う。以下、第3次、第4次……等の近似反射
波に対する打消しの制御を行う。この過程で、先
に行つた第1次近似、第2次近似等の制御が過剰
であつたことが観測されれば、それらに対する制
御量を減少させる。このような制御方式を用いる
ことにより、次第に正しい制御条件に近付くこと
ができる。 第6図は、上に述べた制御アルゴリズムによる
制御過程の一例を説明するための図である。第6
図a及びbは、それぞれ単一の反射波が存在した
ときのR(Δω)のパターンの変化分のみを示し
たものである。これら2つの反射波が同時に存在
する場合には、R(Δω)のパターンは第6図c
の実線のようになる。このとき、最大傾斜の極大
極小もしくは最大最小は、それぞれ点P及びP′と
なる。点P及びP′に極大極小を生じるような単一
反射波のパターンは、第6図dの実線のようにな
る。第6図cの実線のパターンに対して第6図d
の実線に基づく制御(パターンの引き算に相当す
る)量を徐々に増大させ(rを0から徐々に大き
くすることに相当する)て行き、制御量が第6図
dの点線の状態に達すると、残留のR(Δω)
は、第6図cの点線のようになる。このとき、最
大傾斜の極大極小もしくは最大最小は点Q及び
Q′となる。このときから点Q及びQ′に対する制
御が始まる。点Q及びQ′を極大極小とするパタ
ーンは、第6図aに極めて近いことがわかる。引
き続いて上に述べたような制御を続行すれば、R
(Δω)のパターンは徐々に平坦に近付いて行
く。 最後に、r・τ・ψ計算回路31の動作を説明
する。上に述べたように、r・τ・ψの計算は、
逐次近似で主なものから順次行えばよい。計算
は、簡単なデイジタル計算機の手法を用いれば極
めて容易である。すなわち、記憶セル301〜3
0o内に記憶されている振幅値を検査し、その中
から最大傾斜極大極小点もしくは最大最小点を見
出し、極大値と極小値からrを、極大値を与える
Δωnと極小値を与えるΔωnの差からδω(した
がつてτ)を、さらに極大値を与えるΔωnの値
からΔω〓(したがつてψ)を容易に求めること
ができる。 以上説明した本発明のエコーひずみ抑圧方式の
基本回路構成には、ゴースト抑圧回路におけるよ
うに帰還形をその近似展開に相当する並列形に変
形することのほか、経済的に動作特性の向上を図
るために種々の変形を施すことが可能である。以
下、このような変形の例について簡単に述べる。
制御を行わない状態で、R(Δω)のパターンが
相当大きい変化をしている(rが比較的大きい)
ような場合でも、制御が適切に行われると、R
(Δω)のパターンは前述のように平坦に近付
く。制御を精密に行うためにはR(Δω)のパタ
ーンが平坦に近い場合にその変化を精密に測定す
ることが必要である。反対に、R(Δω)のパタ
ーンの変化が大きい状態では、高い測定精度は必
ずしも必要としない。このことから、振幅情報入
力端子21からr・τ・ψ計算回路31までの振
幅処理の過程において、R(Δω)の平均値から
の偏差が大きい範囲では粗く測定するか、あるい
は特定の値を超える偏差量はすべて一定の偏差量
で代表させてしまうようにし、R(Δω)の平均
値付近は精密に測定するような一種の非直線操作
を行うのが有利である。さらに、周波数情報と振
幅情報の記憶セル301〜30oにおける時間的
一致条件を得るための時間調整機能(適宜な遅延
回路あるいは時定数回路)、あるいは制御系の動
作安定化を図るための時定数回路等の付加的な回
路を必要に応じて付加することは、上に詳述した
本発明の原理の範囲に含まれる。 r・τ・ψ計算回路31だけでなく、本発明の
エコーひずみ抑圧方式の各部には、デイジタル技
術を適用できる部分が多い。たとえば、周波数分
類器28は、その入力端子22に加えられた信号
を直線または非直析量子化するA/D変換器に置
きかえることが可能であり、振幅情報入力端子2
1に加えられた信号もA/D変換を行つた後、記
憶セル301〜30oにデイジタル形式に記憶す
ることが可能である。このようにすれば、反射波
要素計算回路20全体を1つのデイジタル処理系
として構成することが可能となる。 以上説明したように、本発明のエコーひずみ抑
圧方式は、FM伝送系における多重反射によるひ
ずみの抑圧に極めて有効である。特に、送信機側
において基準信号を挿入するなどの特別の処置を
全く必要としないので、FM放送に適用するのに
適している。すなわち、エコーひずみが問題とな
る受信者のみが本発明のエコーひずみ抑圧用付加
回路を具え受信機を使用すればよい。また、付加
回路はそれ程複雑なものではなく、上に説明した
ところから容易に察知されるように、その主要部
は、集積回路化に適しているので、小型化、量産
化、低価格化の面でも優れている。
出力信号を単純に加算するものとすれば、入力端
子5から出力端子6までの伝達関数は −e-j〓〓m〓・(|r〓|cosψ+j|r〓|sinψ) =−|r〓|e-j〓〓m〓・(cosψ+jsinψ) =−|r〓|e-j(〓〓m〓-〓) =−|r〓|e-j(〓〓m-〓〓〓)〓 =−|r〓|e-j〓〓〓 となり、式(9)と等しくなる。 以上の説明により、エコーひずみを除去するた
めには|r〓|、τ及びΔω〓が測定でき、かつ測
定された結果に基づいて遅延回路の遅延時間、減
衰器の減衰量を自由に設定できれば良いことがわ
かる。次に|r〓|、τ、Δω〓等の測定原理を説
明する。以下|r〓|を単にrと書くことにする。 第3図は、反射波が1個の場合のR(Δω)の
一例を描いたものである。点線は、反射波が存在
しない(あるいはr=0)理想の場合の中間周波
領域でみた振幅特性(=1.0)を示す。また、δ
ωはR(Δω)の最大値と最小値の角周波数差で
あつて、遅延時間τとの間に δω=π/τ (12) のような関係がある。以上の説明から、Δωの変
化に伴うR(Δω)の変化を観測することによ
り、r、τ及びψを決定することができることが
わかる。 したがつて、第1図における出力端子2におい
てR(Δω)を観測しつつ、R(Δω)が一定と
なるように補償回路3の要素を制御すれば、エコ
ーひずみの抑圧が可能となる。本発明は、以上の
理論に基づくエコーひずみの自動抑圧方式であ
り、以下その具体的な方法を説明する。 第4図は、本発明のエコーひずみ抑圧方式の一
実施例を示すブロツク図である。第4図におい
て、13は中間周波段の信号入力端子(混合器出
力に相当する)、14は中間周波増幅器、15は
合成回路、16は振幅制限器、17は周波数弁別
器、18は復調信号出力端子、19は振幅検出
器、20は反射波要素計算回路、21及び22は
それぞれ反射波要素計算回路20への振幅情報及
び周波数情報の入力端子、231〜23nは反射
波要素計算回路20のm組の出力端子、24はタ
ツプ付き遅延回路、2511,2512,………25n
1,25n2はタツプ付き遅延回路24のm対のタ
ツプ、26は重み付け回路、271〜27nは重
み付け回路26のm個の出力端子である。第4図
において、点線で囲まれた部分が、本発明のエコ
ーひずみ抑圧方式のために受信機内に新たに付加
する部分である。第5図は、反射波要素計算回路
20の細部の一実施例を示すブロツク図である。
第5図において、28は周波数分類器、291〜
29oは分類されたn個の周波数に対応する出力
端子、301〜30oはn個の周波数に対応する
振幅の記憶セル、31はr・τ・ψ計算回路であ
る。 中間周波増幅器14は、振幅制限器を含まない
線形増幅器である。したがつて、反射波が存在す
るときにはその出力信号の振幅は送信側における
周波数変調による周波数偏移に伴つて変化する。
中間周波増幅器14の出力信号は、合成回路15
を経て振幅制限器16に加えられ、ここで振幅変
化が除去されて一定振幅のFM信号となつて周波
数弁別器17に加えられる。周波数弁別器17
は、その入力信号の瞬時周波数偏移に比例した振
幅をもつ出力信号を、その出力端子18に送出す
る。出力端子18に現われる信号は、音声、音楽
などの信号であり、時間的に規則正しい変化をす
るわけではないが、その振幅の瞬時値は被変調信
号の瞬時周波数偏移に対応している。したがつ
て、周波数弁別器17の出力信号を、被変調信号
の瞬時周波数の情報として用いることができる。 振幅制限器16の前で分離された振幅変化を含
む中間周波信号は、振幅検出器19とタツプ付き
遅延回路24に加えられる。振幅検出器19は、
たとえば包絡線検波器によつて構成することがで
き、中間周波信号の瞬時周波数変化に伴う振幅の
変化を検出する。反射波要素計算回路20は、そ
の1つの入力端子21から振幅検出器19によつ
て検出された振幅情報を、また他の1つの入力端
子22から周波数弁別器17によつて検出された
周波数情報を受取り、第3図に示したr、δω、
Δω〓を測定し、エコーひずみ抑圧に必要な要素
r、τ、ψを算出する。 反射波要素計算回路20の動作を、第5図によ
り説明する。入力端子22に加えられる周波数情
報は、たとえばΔωnの値に正比例するような電
圧波形である。この電圧波形は、周波数分類器
(実体は電圧レベル分類器)28に与えられる。
周波数分類器28は、入力端子22に加えられた
信号の振幅の瞬時値があらかじめ設定したn個の
離散的な値のいずれかに一致した場合に、出力端
子291〜29oのうちの対応する1つの出力端
子に出力信号を送出する。たとえば、周波数情報
の振幅が周波数i(i=1、2、……、nのいず
れか)に一致した場合には、出力端子29iに出
力端子が送出される。出力端子29iに信号が送
出されると、その瞬間に振幅情報入力端子21に
加えられている信号の値(たとえば瞬時電圧)を
対応する記憶セル30iに記憶する。被変調信号
の瞬時周波数は、変調信号の振幅に応じて時間と
共に変化するので、周波数分類器28の周波数範
囲を信号の最大周波数偏移の範囲に設定しておけ
ば、ある程度の時間が経過した後には記憶セル3
01〜30oの中にはΔωnの離散的な値に対して
標本化したR(Δω)のパターンが記憶される。 r・τ・ψ計算回路31は、後に説明するよう
な方法でr・τ・ψの値(複数の反射波があると
きには複数組の解がある)を算出する。計算の結
果は、m個の離散的なτの値、τ1、τ2……、
τn、のうちのいずれかに対するr及びψの値と
してm組の出力端子231〜23nから送出され
る。これまでの説明におけるm及びnの値は、エ
コーひずみ抑圧に対して必要とする制御の精度に
よつて決まるものである。 タツプ付き遅延回路24は、第2図における遅
延回路7に対応するものであり、広い遅延時間範
囲に対応できるように、前記m個の離散的なτの
値と一致するτ1、τ2、……、τnなる遅延時
間の点にm対のタツプをもつている。1対のタツ
プ、たとえばタツプ25j1と、25j2(j=1、
2、……、mのいずれか)は、次のようなもので
ある。 タツプ25j1は、第2図における遅延回路の出
力端子8に対応するもので、角周波数ωiにおい
て遅延回路の入力側とこのタツプとの間の位相差
が180゜になるように設定される。また、タツプ
25j2においては、タツプ25j1よりさらに90゜
位相が遅れるように設定される。したがつて、タ
ツプ25j2は、第2図における−90゜移相器9の
出力側に対応するものである。移相器を用いるか
タツプを設けるかは回路構成上の選択によつて決
めることであり、原理的な優劣はない。 重み付け回路26は、m組の部分からなつてい
る。そのおのおのは、第2図における減衰器10
及び11と合成回路12に対応する回路からな
る。たとえば、反射波要素計算回路20の1組の
出力端子23j(τ=τjに対応する)にτj、ψj
なる計算結果が送出されると、タツプ25j1及び
タツプ25j2から送出される中間周波信号のおの
おのに対する減衰量を次第に減少させ、式(10)に示
したようにそれぞれに対する減衰量がrjcosψj
及びrjsinψjとなるように制御する。減衰量を制
御(重み付け)された2つの中間周波信号は、第
2図における合成回路12と同様な回路により合
成された後、出力端子27jを経て合成回路15
に送られる。合成回路15は、重み付け回路26
の他の出力端子から到来する中間周波信号と共に
中間周波増幅器14の出力信号と合成される。な
お、ここでは説明の便宜上、重み付け回路26の
中に第2図における合成回路12に対応するm個
の合成回路があるとしたが、これらの合成回路の
機能を合成回路15に含ませることは何ら差支え
ない。このような制御を行つて、反射波要素計算
回路20の振幅情報入力端子21におけるR(Δ
ω)が一定になつたときに、重み付け回路26の
制御条件を固定すれば、上述の原理によりエコー
ひずみ抑圧が達成される。 ここで、エコーひずみ抑圧の自動制御動作を説
明する。実際の場合には反射波の数は第3図に示
したように1波のみとは限らず、一般には多数の
反射波が存在する。このような場合にはR(Δ
ω)のパターンは複雑な形となるので、r、τ、
Ψは簡単には求められない。理論的に最も正統的
なのはR(Δω)のパターンのフーリエ変換を求
める方法であろう。しかしながらこれは複雑な手
数を要するので、受信機内に付加する回路に用い
るには必ずしも適さない。本発明のエコーひずみ
抑圧方式は帰還制御系であるから、はじめにr、
τ、ψ等の正確な値が求められなくても、制御過
程が時間と共に収束してR(Δω)が一定となる
定常状態に到達できれば結果としてr、τ、ψが
正確に求められたことになる。逐次近似による制
御のアルゴリズムには多種類のものがある。ここ
ではそのうち最も簡単な一実施例によつて本発明
のエコーひずみ抑圧方式における制御動作を説明
する。 この制御のアルゴリズムは次の通りである。R
(Δω)のパターンを観測し、Δωn=0の点の正
及び負の側にR(Δω)の極大点及び極小点を求
めて行く。Δωn>0における極大点に対しては
Δωn<0における極小点を、Δωn>0における
極小点に対してはΔωn<0における極大点をそ
れぞれ対立させて観測し、それらのうち極大点と
極小点を結ぶ直線の傾斜が最大のもの、もしくは
R(Δω)の最大値と最小値を与える点を第1次
近似の極大極小とする。第1次近似の極大極小と
等しい極大極小点が生じるような単一反射波の
r、τ、ψを以て第1次近似のr、τ、ψとし、
これを打消すような制御を行う。制御の過程で最
大傾斜の極大極小もしくは最大極小の条件が他の
r、τ、ψに対して生じたならば(第2次近
似)、第2次近似の反射波に対する打消しの制御
を行う。以下、第3次、第4次……等の近似反射
波に対する打消しの制御を行う。この過程で、先
に行つた第1次近似、第2次近似等の制御が過剰
であつたことが観測されれば、それらに対する制
御量を減少させる。このような制御方式を用いる
ことにより、次第に正しい制御条件に近付くこと
ができる。 第6図は、上に述べた制御アルゴリズムによる
制御過程の一例を説明するための図である。第6
図a及びbは、それぞれ単一の反射波が存在した
ときのR(Δω)のパターンの変化分のみを示し
たものである。これら2つの反射波が同時に存在
する場合には、R(Δω)のパターンは第6図c
の実線のようになる。このとき、最大傾斜の極大
極小もしくは最大最小は、それぞれ点P及びP′と
なる。点P及びP′に極大極小を生じるような単一
反射波のパターンは、第6図dの実線のようにな
る。第6図cの実線のパターンに対して第6図d
の実線に基づく制御(パターンの引き算に相当す
る)量を徐々に増大させ(rを0から徐々に大き
くすることに相当する)て行き、制御量が第6図
dの点線の状態に達すると、残留のR(Δω)
は、第6図cの点線のようになる。このとき、最
大傾斜の極大極小もしくは最大最小は点Q及び
Q′となる。このときから点Q及びQ′に対する制
御が始まる。点Q及びQ′を極大極小とするパタ
ーンは、第6図aに極めて近いことがわかる。引
き続いて上に述べたような制御を続行すれば、R
(Δω)のパターンは徐々に平坦に近付いて行
く。 最後に、r・τ・ψ計算回路31の動作を説明
する。上に述べたように、r・τ・ψの計算は、
逐次近似で主なものから順次行えばよい。計算
は、簡単なデイジタル計算機の手法を用いれば極
めて容易である。すなわち、記憶セル301〜3
0o内に記憶されている振幅値を検査し、その中
から最大傾斜極大極小点もしくは最大最小点を見
出し、極大値と極小値からrを、極大値を与える
Δωnと極小値を与えるΔωnの差からδω(した
がつてτ)を、さらに極大値を与えるΔωnの値
からΔω〓(したがつてψ)を容易に求めること
ができる。 以上説明した本発明のエコーひずみ抑圧方式の
基本回路構成には、ゴースト抑圧回路におけるよ
うに帰還形をその近似展開に相当する並列形に変
形することのほか、経済的に動作特性の向上を図
るために種々の変形を施すことが可能である。以
下、このような変形の例について簡単に述べる。
制御を行わない状態で、R(Δω)のパターンが
相当大きい変化をしている(rが比較的大きい)
ような場合でも、制御が適切に行われると、R
(Δω)のパターンは前述のように平坦に近付
く。制御を精密に行うためにはR(Δω)のパタ
ーンが平坦に近い場合にその変化を精密に測定す
ることが必要である。反対に、R(Δω)のパタ
ーンの変化が大きい状態では、高い測定精度は必
ずしも必要としない。このことから、振幅情報入
力端子21からr・τ・ψ計算回路31までの振
幅処理の過程において、R(Δω)の平均値から
の偏差が大きい範囲では粗く測定するか、あるい
は特定の値を超える偏差量はすべて一定の偏差量
で代表させてしまうようにし、R(Δω)の平均
値付近は精密に測定するような一種の非直線操作
を行うのが有利である。さらに、周波数情報と振
幅情報の記憶セル301〜30oにおける時間的
一致条件を得るための時間調整機能(適宜な遅延
回路あるいは時定数回路)、あるいは制御系の動
作安定化を図るための時定数回路等の付加的な回
路を必要に応じて付加することは、上に詳述した
本発明の原理の範囲に含まれる。 r・τ・ψ計算回路31だけでなく、本発明の
エコーひずみ抑圧方式の各部には、デイジタル技
術を適用できる部分が多い。たとえば、周波数分
類器28は、その入力端子22に加えられた信号
を直線または非直析量子化するA/D変換器に置
きかえることが可能であり、振幅情報入力端子2
1に加えられた信号もA/D変換を行つた後、記
憶セル301〜30oにデイジタル形式に記憶す
ることが可能である。このようにすれば、反射波
要素計算回路20全体を1つのデイジタル処理系
として構成することが可能となる。 以上説明したように、本発明のエコーひずみ抑
圧方式は、FM伝送系における多重反射によるひ
ずみの抑圧に極めて有効である。特に、送信機側
において基準信号を挿入するなどの特別の処置を
全く必要としないので、FM放送に適用するのに
適している。すなわち、エコーひずみが問題とな
る受信者のみが本発明のエコーひずみ抑圧用付加
回路を具え受信機を使用すればよい。また、付加
回路はそれ程複雑なものではなく、上に説明した
ところから容易に察知されるように、その主要部
は、集積回路化に適しているので、小型化、量産
化、低価格化の面でも優れている。
第1図は、エコーひずみ抑圧の原理を示すブロ
ツク図、第2図は、補償回路のブロツク図、第3
図は、直接波と反射波の干渉パターンの説明図、
第4図は、本発明の一実施例を示すブロツク図、
第5図は、第4図の一部分の詳細なブロツク図、
第6図は、エコーひずみ抑圧過程の説明図であ
る。 1:入力端子、2:出力端子、3:補償回路、
4:合成回路、5:補償回路入力端子、6:補償
回路出力端子、7:遅延回路、8:遅延回路出力
端子、9:−90゜移相器、10:減衰器、11:
減衰器、12:合成回路、13:中間周波入力端
子、14:中間周波増幅器、15:合成回路、1
6:振幅制限器、17:周波数弁別器、18:復
調信号出力端子、19:振幅検出器、20:反射
波要素計算回路、21:振幅情報入力端子、2
2:周波数情報入力端子、231〜23n:反射
波要素計算回路出力端子、24:タツプ付き遅延
回路、2511〜25n2:タツプ、26:重み付け
回路、271〜27n:重み付け回路出力端子、
28:周波数分類器、291〜29o:周波数分
類器出力端子、301〜30o:記憶セル、3
1:r・τ・ψ計算回路。
ツク図、第2図は、補償回路のブロツク図、第3
図は、直接波と反射波の干渉パターンの説明図、
第4図は、本発明の一実施例を示すブロツク図、
第5図は、第4図の一部分の詳細なブロツク図、
第6図は、エコーひずみ抑圧過程の説明図であ
る。 1:入力端子、2:出力端子、3:補償回路、
4:合成回路、5:補償回路入力端子、6:補償
回路出力端子、7:遅延回路、8:遅延回路出力
端子、9:−90゜移相器、10:減衰器、11:
減衰器、12:合成回路、13:中間周波入力端
子、14:中間周波増幅器、15:合成回路、1
6:振幅制限器、17:周波数弁別器、18:復
調信号出力端子、19:振幅検出器、20:反射
波要素計算回路、21:振幅情報入力端子、2
2:周波数情報入力端子、231〜23n:反射
波要素計算回路出力端子、24:タツプ付き遅延
回路、2511〜25n2:タツプ、26:重み付け
回路、271〜27n:重み付け回路出力端子、
28:周波数分類器、291〜29o:周波数分
類器出力端子、301〜30o:記憶セル、3
1:r・τ・ψ計算回路。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ベースバンド信号を復調するFM受信器の中
間周波数信号の通路に挿入された信号合成手段
と、 この信号合成手段の出力に得られる中間周波数
信号を分岐して入力し、その中間周波数信号の振
幅の変化を検出する振幅変化検出手段と、 上記信号合成手段の出力に得られる中間周波数
信号の瞬時周波数偏移を検出する瞬時周波数偏移
検出手段と、 この瞬時周波数偏移検出手段の出力と上記振幅
変化検出手段の出力とを入力として、反射波の反
射係数、遅延時間および搬送周波数における直接
波と反射波との位相差を計算する計算手段と、 上記信号合成手段の出力に得られる中間周波数
信号を入力としてこの中間周波数信号に対する複
数の遅延信号を出力するタツプ付き遅延回路と、 このタツプ付き遅延回路の出力に得られる複数
の遅延信号の振幅を上記計算手段の出力に応じて
変化させる重み付け回路と を備え、 この重み付け回路の出力を上記信号合成手段に
合成信号として与えるように構成されたことを特
徴とするエコーひずみ抑圧方式。 2 瞬時周波数偏移検出手段は、このFM受信器
の周波数弁別回路を利用するように構成された特
許請求の範囲第1項に記載のエコーひずみ抑圧方
式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12455978A JPS5550747A (en) | 1978-10-11 | 1978-10-11 | Echo distortion suppression system |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12455978A JPS5550747A (en) | 1978-10-11 | 1978-10-11 | Echo distortion suppression system |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5550747A JPS5550747A (en) | 1980-04-12 |
JPS6113415B2 true JPS6113415B2 (ja) | 1986-04-14 |
Family
ID=14888467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12455978A Granted JPS5550747A (en) | 1978-10-11 | 1978-10-11 | Echo distortion suppression system |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5550747A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5977559U (ja) * | 1982-11-18 | 1984-05-25 | 株式会社アーレスティ | ダイカスト機 |
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-
1978
- 1978-10-11 JP JP12455978A patent/JPS5550747A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5550747A (en) | 1980-04-12 |
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