JPS6113388Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はバツシブシートベルト装置に取り付け
たリトラクタ本体を緊急時に車体側の係止部材か
ら取り外しうる如く成すとともに、これらリトラ
クタ本体および係止部材に互いに他を嵌合するガ
イド部材を設けた自動車用シートベルトの緊急解
除装置に関する。

従来から知られているシートベルトの装着，解
除装置はシートベルトの端部に設けたタングとバ
ツクルとよりなる手動着脱式が一般的である。そ
して緊急時にもこのタングとバツクルを解除する
ことにより脱出するようになつていた。

最近はシートベルトの手動による人体への装
着，解除の煩わしさをなくすためドアの開閉に応
動して自動的にシートベルトを人体に拘束したり
拘束を解除したりするバツシブシートベルトが広
く提案されるに及んでいる。このバツシブシート
ベルトではバツクルタング等のシートベルトの装
着解除手段が不要となる一方に於いて、シートベ
ルトの緊急解除機能がなくなりそのため車の横転
や火災の発生時に、乗員はドアを開放しない限り
脱出が困難となつてしまう危険がある。

このためバツシブシートベルト装置に取り付け
たリトラクタ本体と車体に取り付けた係止部材と
を任意に着脱可能とし、緊急時にはこれらを解除
してバツシブシートベルトに依る人体の拘束を解
除し、任意かつ容易に避難できる様にする必要が
あつた。

第１図は従来の特開昭51−55525号発明と類似
するシートベルト装置に於けるリトラクタ本体１
およびバツクル２の緊急解除装置を示す斜視図で
ある。図に於いて、３はシートベルト４の加速を
検知して、リール（図示しない）に巻装したシー
トベルト４の引出しを自動的に規制する外筐で、
この外筐内の上記リールに周知のリトラクタ機構
が取り付けられている。また、このバツクル３の
下側には係止孔５を有するタング６が突設されて
いる。一方、車体のフロアの突出部７（プロペラ
シヤフトを覆う部分）にはアンカ８がボルト９に
依つて固定され、これに上記タング６を受け入れ
るともに、上記係止孔５に係止する突起（図示し
ない）を有しタング６挿入用の挿入孔２ａをもつ
係止部材のバツクル２が取り付けられている。１
０は上記係止孔５と突起との係合を解除するため
のブツシユボタンである。第２図はこれらの係合
に依つて、バツクル２に対しリトラクタ本体１を
係合した状態の係合構造の斜視図で、シート１１
に対し図示の位置に配置される。また、これは図
示しない左側のシート付近にも設けられる。かか
る構成になるシートベルトの緊急解除装置では、
上記タング６をバツクル２の挿入孔２ａ内に挿し
込むことで、このバツクル２にリトラクタ本体１
が係合され、また、ブツシユボタン１０を押し込
んでリトラクタ本体１を抜き取ることで、その係
合解除で緊急時、人体の脱出が可能となつてい
る。

ところで、上記外筐３は既述の様にリトラクタ
機構を有し、全体の形状がバツクル２のそれより
比較的大きくなるため、上記タング６を挿し込む
際、その挿入孔２ａが外筐３の影にかくれて見に
くくなる。このため、挿入孔２ａに対するタング
６の挿入が困難となる場合がある。また、通常の
タング６とバツクル２との係合構造に於いて、こ
れらの間のガタに依り車体の振動を受けてリトラ
クタに設けたセンサー部の機能が損われ、これら
の係合が不用意に解除されたり、その構造の一部
が破損したりするなどの事故を惹起するととも
に、上記振動に依りリトラクタ機構が緩み緊急時
のシートベルト４からの脱出機能が働らかなくな
る恐れがある。

本考案はかかる従来の問題点に鑑みて成したも
のであり、特に、リトラクタの本体およびバツク
ルの見易い位置に、互いに他を受け入れる様にガ
イドするガイド部材をそれぞれ設けることに依
り、これらの間の係合作業並びに緊急脱出時に於
けるこれらの係合の迅速な解除の容易化を図ると
ともに、タングのバツクルに対する上記係合構造
間のガタを確実に防止する様にした、自動車シー
トベルトの緊急解除装置を提供するものである。

以下に、本考案の実施例を図面について述べ
る。

第３図は本考案に於けるリトラクタ本体とバツ
クルとの関係を示す斜視図であり、上記したもの
とほぼ同一の構成を有する。したがつて、第１図
および第２図と同一部分には同一符号を付す。即
ち、第３図が第１図および第２図と異るところ
は、リトラクタ本体１の外筐３に貫通孔１２を設
け、バツクル２を支持するアンカ８に第４図に示
す如き取付板１３を突設して、これに上記貫通孔
１２に密に係合するガイド棒１４を突設した点で
ある。また、第４図に示す様に上記の貫通孔１２
は外筐３内の枠部材３ａ内に円錐状に設けられ、
したがつて、ガイド棒１４もこの円錐状面に沿う
円錐棒状となつている。尚、１５は上記タング６
の係止孔５に係合する既述の突起であり、弾性部
材にて形成されている。１６はリトラクタ機構の
センサー部である。

そこでかかる緊急解除装置に於いて、上記リト
ラクタ本体１をバツクル２に係合する場合には、
上記貫通孔１２にガイド棒１４の先端を当てがう
様にする。この操作は貫通孔１２およびガイド棒
１４が見易い位置にあるため簡単に行える。かか
る状態でリトラクタ本体１を押し込むと、貫通孔
１２とガイド棒１４とが互いに他を案内し、上記
タング６がバツクル２の挿入孔２ａに向つて下降
し、そのまま内部に進入する。かくして、タング
６は突起１５を乗り越えて移動し、遂に係止孔５
内に突起１５が係合し、これらの係合が行われ
る。また、かかる係合は、ブツシユボタン１０を
押圧し、突起１５を押し戻しながらリトラクタ本
体１を抜くことに依り、解除される。尚、上記タ
ング６の挿入孔２ａに対するガイドを確実にする
ため、貫通孔１２およびガイド棒１４を２以上設
けることも任意である。

かくして、リトラクタ本体１はタング６の係止
孔５と突起１５との係合、および貫通孔１２とガ
イド棒１４との密な嵌合に依つて、バツクル２に
対しガタなく安定に保持される。

第５図は本考案の緊急解除装置の他の実施例を
示す。これは側面にガイド突条１７を有する外筐
１８内に既述のリトラクタ機構を設けたリトラク
タ本体１９と、このリトラクタ本体１９全体をガ
イドする外筐２０とからなる。また、上記外筐１
８内には上記の様にシートベルト２１が巻き込ま
れて、一端が外筐１８の外部に引出される様にな
つており、その外筐１８の下面には係止孔２２を
有するタング２３が突設されている。一方、外筐
２０の内側面には上記ガイド突条１７に摺動自在
に嵌合するガイド溝２４が設けられ、筐体２０全
体が車体のフロアの突出部２５にボルト２６に依
つて取り付けられたアンカ２７に支承されてい
る。２８はバツクルで筐体２０の一側に突出する
如く設けられ、そのバツクル２８の内側には上記
タング２３を挿入しうる挿入孔２９が設けられて
いる。タング２３とバツクル２８の係合構造は、
第４図の実施例のタング６とバツクル２の係合構
造と同じであるから、説明を省略する。

かかる接続装置に於いては、上記外筐体１８を
筐２０内に挿入すると、外筐１８の突条１７と筐
体２０のガイド溝２４とが互いに他を案内するこ
とに依り、上記タング２３が挿入孔２９にガイド
される如く円滑に挿入され、バツクル２８に係合
される。これに依り、リトラクタ本体１９がバツ
クル２８に簡単な操作でしかも支持部材としてし
つかりと係合されるので、リトラクタ本体１９の
機構の振動に依るシートベルトの緩みなどを防止
できる。また、上記ガイド突条１７とガイド溝２
４との係合に依り、上記効果が顕著となる利点が
ある。

以上述べた様に、本考案に依れば、リトラクタ
本体および係止部材の見易い位置に、互いに他を
受け入れる様にガイドするガイド部材を設けたこ
とに依り、これらリトラクタ本体の係止部材に対
する係合作業を簡単に行わしめうるは勿論、この
係合と上記ガイド部材による保持とに依り、その
係合構造間のガタに依る振動を確実に防止でき
る。したがつて、振動が生じないため、リトラク
タに設けたセンサー部の機能が損われることなく
リトラクタ機構に依る人体の拘束作用が確実に維
持され、しかも緊急時に乗員が容易にシートベル
トの拘束から解放され、脱出することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の緊急解除装置に於いてリトラク
タ本体とバツクルとの係合状態前の関係を示す斜
視図、第２図は同じく係合状態の斜視図、第３図
は本考案にかかる緊急解除装置に於いて、リトラ
クタ本体とバツクルとの係合前の関係を示す斜視
図、第４図は同じく係合状態の要部の断面図、第
５図は同じく本考案の他の実施例を示し、リトラ
クタ本体とバツクルとの係合前の関係を示す斜視
図である。 １，１９……リトラクタ本体、２，２８……バ
ツクル、３，１８……リトラクタの外筐、４，２
１……シートベルト、５，２２……係止孔、６，
２３……タング、８，２７……アンカ、１０，３
０……ブツシユボタン、１２……貫通孔、１４…
…ガイドピン、１６……センサー部、１７……ガ
イド突条、２０……筐体、２４……ガイド溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) バツシブシートベルト装置のシートベルトの
   一端に設けたリトラクタ本体と、これを着脱可
   能に係合する車体に固定された係止部材と、該
   リトラクタ本体と該係止部材のいずれか一方に
   タングを、他方にバツクルを有する係合構造に
   おいて、上記リトラクタ本体と上記係止部材と
   に上記着脱時に互いに他を案内するガイド部材
   を設けたことを特徴する自動車用シートベルト
   の緊急解除装置。 (2) ガイド部材はリトラクタ本体と係止部材のい
   ずれか一方に設けられた貫通孔と、他方に設け
   られた上記貫通孔に嵌合するガイド棒であるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   に記載の自動車用シートベルトの緊急解除装
   置。 (3) ガイド部材はリトラクタ本体と係止部材のい
   ずれか一方に設けられた溝と他方に設けられ上
   記溝に嵌合する突条であることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項に記載の自動車用
   シートベルトの緊急解除装置。