JPS6113098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分類・分野＞ 開示技術は粉体塗装ガンの粉体塗料送給通路に
施回クリーングエアを送給して放電電極を稼動中
クリーングする技術に属する。

＜要旨の解説＞ 而して、この考案はガンボデイの中心に設けら
れクリーングエア吹出通路が付設された粉体塗料
送給通路の中心線上に一方の放電用針状電極を設
けて高電圧発生装置に接続し、該針状電極に対向
した他の環状電極を同じく高電圧発生装置に接続
して両電極にコロナ放電を発生させ、送給粉体塗
料を帯電噴出させるようにした粉体塗装々置に関
する考案であり、特に、上記環状電極が上記送給
通路と面一同径に形成され、更に、上記送給通路
の上記針状電極部位の後方部位に於て接線方向の
クリーングエア通路を前方に傾斜させて設け、ガ
ンボデイに設けた送風口に接続して送給粉体塗料
に遠心施回を付与するようにした粉体塗装々置に
係る考案である。

＜従来技術＞ 周知の如く自動車製造等の多くの製造産業にお
いて粉体塗装技術が広く採用されており、該粉体
塗装ではコロナ放電電極を装備したガンタイプの
粉体塗装々置が用いられているが、その態様は大
別して粉体送給通路軸方向付設の針状コロナ放電
電極に高電圧を印加し、一方、アースした被塗物
を対向電極とするタイプと、上記粉体送給通路軸
方向付設の針状コロナ放電電極に高電圧を印加
し、それに対向してその周囲に環状電極を付設し
て同じくアースさせるようにしたタイプの２つが
あるが、後者のタイプは特に高塗膜厚が要求され
る態様で静電反撥が予想され、又、塗着効率より
も入り込み性が高精度に求められるような場合に
良く用いられ、しかも、印加電圧が割に低くて済
むため採用率が高いものである。

＜従来技術の問題点＞ さりながら、該種針状電極対向環状電極対設型
では放電針状電極、及び対向環状電極に対して流
過粉体が経時的に、しかも、比較的短時間に付着
して性能劣化してしまう欠点があつた。

又、電極への粉体塗料付着防止を目的として上
記針状電極の周囲にエアカーテンを形成させるク
リーングエア吹出通路を付設させたものも案出さ
れたが、針状電極に対するその目的は達せられた
が、環状電極に対しては全く効果がなかつた。

したがつて、所定性能低下状態で塗装を中止し
て汚れ除去作業をせざるを得ず、その限り、稼動
性能が悪くなる難点があり、該除去作業等のメン
テナンスが極めて煩瑣であり、結果的コスト高に
なる不利点があつた。

＜考案の目的＞ この考案の目的は上述従来技術に基づく粉体塗
装々置の問題点を解決すべき技術的課題とし、粉
体塗料の各電極への付着を防止し、塗装仕上げ精
度を向上させるようにして、各種製造産業におけ
る表面処理利用分野に益する優れた粉体塗装々置
を提供せんとするものである。

＜考案の構成＞ 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は、前述同問題点を解
決するためにガンボデイの粉体塗料送給通路に軸
方向付設した針状電極と該電極に対向して該送給
通路と面一同径の壁面を形成した対向環状電極と
に高電圧を印加してコロナ放電を形成すると共
に、該送給通路に粉体塗料を送給して該コロナ放
電により粉体に帯電させ、その流過プロセスにお
いて、送給通路の接線方向から流入するクリーン
グエアにより施回流を付与され、その遠心施回に
より粉体は針状電極周辺において希薄化され、針
状電極に粉体塗料が付着して前延膜を形成しない
ようにし、又、環状電極に対しても流過に施回を
与えて付着を防止し、放電により帯電を均一恒常
化することが出来るようにした技術的手段を講じ
たものである。

＜実施例−構成＞ 次にこの考案の１実施例を図面に基づいて説明
すれば以下の通りである。

１はこの考案の要旨を成す粉体塗装々置であ
り、図示しない被塗物に付設されたガンボデイ２
は図示する様に、アセンブリイメンバーにより構
成され、その軸方向中心線に沿つて設けられた同
一径の粉体塗料送給通路３の後端はコネクタ４を
介して図示しない周知の粉体塗料送給源に供給ホ
ースを介して接続されている。

一方、その前端は拡散デフレクタ５を有する噴
射口６に接続されている。

又、上記送給通路３の設定部位にはガンボデイ
２を貫通する絶縁ガイド７を介して放電用針状電
極８が中心軸に沿つて前延裡に固設されており、
又、該針状電極８に対向する姿勢で針状電極８と
絶縁されて環状電極９がその内面を上記送給通路
３の内壁と面一にされて介装され、同じく絶縁ガ
イド１０を介して通電端子を有し、所定高電圧発
生装置１１に上記針状電極８と共に接続されてい
る。

上記態様は通常の在来粉体塗装々置の場合と同
様のものであり、この考案においては、更に、図
示する様に、該針状電極８とコネクタ４の中間部
位に送給通路３と同心裡にリング状エア導腟１２
が環設され、該エア導腟１２からは４本のクリー
ングエア吹出通路１３，１３…が該送給通路３の
内壁面に接線方向であると共に、中央が前方に傾
斜して開口接続され、ガンボデイ２に付設された
エアニツプル１４の送風口に接続されて、適宜送
飛機１５に接続される様にされている。

＜実施例−作用＞ 上述構成において、図示しない粉体塗料送給源
から所定粉体塗料をエア搬送して送給し、コネク
タ４を介して送給通路３内に圧送し、一方、送風
機１５から送風してクリーングエアを吹出通路１
３，１３…から墳出させ、針状電極８、及び、環
状電極９間に対し高圧発生装置１１により所定高
電圧を印加し、両電極８，９間にイオン化領域を
形成する。

したがつて、該送給通路３内を流過する粉体塗
料は両電極８，９によつて形成されるコロナ放電
により帯電されて噴射口６より噴射され、図示し
ない被塗物に放射当接され塗膜形成される。

而して、上記プロセスにおいて、送風機１５か
ら送給されるクリーングエアはクリーングエア吹
出通路１３，１３…から針状電極８の後方より前
方に向けて接線方向に吹出すため、流過粉体塗料
に対して施回作用を付与し、その遠心力により中
心部は粉体塗料が希薄となり、そのため、針状電
極８は粉体塗料が付着することなく、極めて付着
し難くなる。

一方、環状電極９に対しては流過する流過する
粉体塗料が施回しながら通過するため、それだけ
の動圧を受け、擦過作用を付与され付着を阻止通
過していき、同様に粉体塗料が付着することはな
く、極めて付着し難い。

その間、何らコロナ放電に影響はないため流過
粉体塗料に対する帯電作用、つまり、塗装は何ら
支障は生じない。

＜他の実施例＞ 尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、クリーング
エア吹出通路は４本に限らず、３本でも５本以上
でも良く、又、電極部位に臨ませて開口するよう
にしても良い。

そして、吹出通路は前後複段にするようなこと
も可能である。

＜考案の効果＞ 以上、この考案によれば、簡単な構造ながら粉
体塗装々置の各電極に粉体塗料が付着することな
く、塗料精度は向上され、メンテナンスが容易に
なり、極めて経済的にできるという優れた効果が
奏される。

而して、粉体塗装々置の粉体塗料送給通路に針
状電極を設け、該針状電極に対向し送給通路内壁
の１部を成す面一同径の環状電極を形成させ、該
送給通路の電極付設部位より後方にて接線方向で
あつて前方傾斜のクリーングエア通路を設けたこ
とにより、流過粉体塗料に対して電極通路部位で
施回作用が付与さ、動圧は一定圧力を維持し、第
一に遠心施回により中心針状電極周辺の粉体塗料
密度が希薄になり、したがつて、付着粉体による
絶縁膜形成が阻止され、第二に環状電極に対する
粉体塗料の流過速度が速められると共に、環状電
極部に於いて流過粉体塗料密度が大となつて、極
めて大きな擦過作用が付与され、その結果、該環
状電極内面に対する付着粉体による絶縁膜形成も
同様に阻止されることになり、コロナ放電性能は
恒常的に維持され、粉体塗装が常に同一精度で行
われる優れた効果がある。

又、上述の如く、粉体塗料送給通路の一部位に
配設したクリーングエア吹出通路からのクリーン
グエアが両電極に対して同時に粉体塗料付着の防
止作用をすることにより、粉体塗装々置の構造は
極めて簡単なものとなり、メンテナンスも容易に
できるという優れた効果も奏される。

そして、電極に対する粉体付着が防止されるこ
とにより定期、不定期を含めてオーバーホールや
電極クリーング作業が無くて済み、それだけ稼動
率が向上し他ラインへの影響も少なく、煩瑣な工
数も少なくて済む利点がある。

更に、構造も単にクリーングエア吹出通路を在
来タイプに付設するだけで良いので特別の設計を
する必要がない等のメリツトもある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実施例を示すものであり、
第１図は全体概略縦断説明図、第２図は第１図
−断面説明図である。 １３……クリーングエア吹出通路、３……粉体
塗料送給通路、８……針状電極、９……環状電
極、１１……高電圧発生装置、１……粉体塗装装
置、２……ガンボデイ、１４……送風口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クリーングエア吹出通路が付設された粉体塗料
   送給通路の中心に送給方向に沿う一方の針状電極
   を設け該送給通路の壁面を成し該針状電極に対向
   して他方の環状電極が設けられ該両電極が高電圧
   発生装置に接続されてる粉体塗料装々置におい
   て、上記環状電極が上記送給通路と面一同径に形
   成され、更に上記クリーングエア吹出通路が上記
   送給通路の上記針状電極部位より後部に接線方向
   であつて前方傾斜されて開口されると共に、ガン
   ボデイに設けた送風口に接続されていることを特
   徴とする粉体塗装々置。