JPS61127664A - 炭化珪素質摺動部材 - Google Patents

炭化珪素質摺動部材

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JPS61127664A
JPS61127664A JP59248770A JP24877084A JPS61127664A JP S61127664 A JPS61127664 A JP S61127664A JP 59248770 A JP59248770 A JP 59248770A JP 24877084 A JP24877084 A JP 24877084A JP S61127664 A JPS61127664 A JP S61127664A
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山内 英俊
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は摺動部材に関し、特に本発明は湿式状態におい
て優れた摺動特性を有する主として炭化珪素質焼結体か
らなる炭化珪素質摺動部材に関す、るものである。
〔従来の技術〕
炭化珪素質焼結体は、一般に極めて侵れた化学的性質並
びに物理的性質を有していることから、特にガスタービ
ン部品や高温の熱交換器などのような苛酷な条件下で使
用される各種の用途に対1〜好適な材料として知られて
おり、特に機械装田の軸受やシール部分のような回転、
摺動部などの摺動部材として有用な材料である。
従来、炭化珪素を摺動部材として適用する試みとしては
、例えば、特開昭54−143412号公報に「機械装
置の回転、摺動部に用いる摺動部材において、炭化珪素
を主成分とする炭化物の焼結体で構成したことを特徴と
する乾式摺動部材。」に係る発明が、また特開昭55−
100421号公報に[機械装置における回転部、固定
部の摺動部材である回転部材及び固定部材のいずれか一
方を窒化珪素を主成分とする焼結体で、他方を炭化珪素
を主成分とする焼結体で各々を構成したことを特徴とす
るセラミック摺動装置。」に係る発明が開示されている
。また、特開昭55−32761号公報に 「黒鉛リン
グの表面を炭化珪素(StC)に転化し表面の気孔に熱
分解炭素を充填することを特徴とする炭化珪素被覆黒鉛
シール材の製造方法。」に係る発明が開示されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記特開昭54−143412号および特開昭55−1
00421号公報には炭化珪素質焼結体が乾式摺動部材
として適していることは記載されているが、これらの摺
動部材が特に湿式状態において優れた摺動特性を有する
ことは何ら記載されていない。
また前記特開昭55−32761号公報に記載の発明の
炭化珪素は黒鉛材の表面を炭化珪素に転化したものであ
り、炭化珪素質焼結体を摺動部材として使用するもので
はない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、従来知られた炭化珪素質焼結体よりなる摺動
部材に比較して、特に湿式状態下の使用において摩擦係
数が著しく低く、摩擦熱の放散効率が良好で、耐久性に
極めて優れた摺動部材を提供することを目的とするもの
であり、摺動面の少なくとも一部が炭化珪素質焼結体よ
りなる摺動部材において、前記炭化珪素質焼結体のうち
少なくとも50重量%はβ型炭化珪素よりなることを特
徴とする炭化珪素質摺動部材を提供することによって前
記目的を達成することができる。
次に本発明の詳細な説明する。
摺動部材に要求される性質すなわち摺動特性としては、
密度、硬度および熱伝導率が大きく、また摩擦係数およ
び摩耗量の小さいことであり、炭化珪素を主成分とする
焼結体は硬度、熱伝導率および摩耗量等の諸性質におい
て摺動部材として適することが知られているが、摩擦係
数が一部に高いことから、これを低くするため潤滑剤と
の併用が試みられ、上述のように種々の提案がなされて
来た。
ところで、炭化珪素にはα型とβ型があることは知られ
ているが、従来工業的にはアチソン法により製造された
α型炭化珪素のみが使用されている。一方、β型炭化珪
素は学術的には試料として化学気相反応沈積法で製造さ
れたものが用いられているが、工業的には非常に高価で
あるため実用されたことはなかった。本発明者等はβ型
炭化珪素の工業的製造方法ならびに装置を発明して初め
てβ型炭化珪素の工業的生産を開始し、初めてβ型炭化
珪素の製造コストが低減され、コストの低摩なβ型炭化
珪素を主体とする焼結体を製造し、(j ) この焼結体について種々の特性を研究したところ、α型
炭化珪素を出発原料として得られる焼結体は擬球状すな
わちアスペクト比が小さい比較的粗大な結晶粒よりなる
構造を有するのに対し、β型炭化珪素を出発原料として
得られる焼結体は比較的均一な粒径を有する板状すなわ
ちアスペクト比の大きな結晶が相互に交差し、その間隙
をさらに微細な粒径を有する結晶粒で埋められた微細構
造を有する。
従って、β型炭化珪素焼結体はα型のそれに対して高強
度および耐熱衝撃性に優れることが判つ、 た。
ところで、本発明者らは上記2種の焼結体を摺動部材と
して用いる場合の摺動特性を比較実験したところ、乾式
条件下では両者間においてそれほどの差異は認められな
かったが、特に湿式条件下で、かつ高負荷時では摩擦係
数および耐摩耗性において著しく相異し、β型のそれは
α型のそれに比して極めて良好な摺動特性を有している
ことを新規に知見して本発明を完成するに至った0前記
炭化珪素質焼結体の少なくとも50重量%がβ型炭化珪
素よりなる炭化珪素質焼結体の摺動特性が良好な理由と
しては、β型炭化珪素はその結晶構造が立方晶糸であり
、強度、硬度、熱伝導率などの諸物性に異方性が少ない
ことに基因するものと考えられる。
また、前記β型炭化珪素の含有量を50重量%以上に限
定する理由は、β型炭化珪素の含有量が50重量%より
少ないと、すなわちα型炭化珪素の含有量が50重量%
より多いと、後述するように実質的に摩擦係数が高くな
り摩耗量が多くなるからである。
本発明の摺動部材の炭化珪素質焼結体を構成する炭化珪
素の結晶粒は平均粒径が20μm以下、平均アスペクト
比が2〜50であることが好捷しい。
前記平均粒径が20μm以下であることが好ましい理由
は、平均粒径が20μmよりも大きいと炭化珪素質焼結
体の強度が低くなるからであり、また前記平均アスペク
ト比が2〜50の範囲であることが好ましい理由は、平
均アスペクト比が2よりも小さいと摩耗量が多くなるか
らであり、一方平均アスペクト比が50よりも大きな焼
結体は高密度化が困難であるからである。
前記平均アスペクト比が2より小さい場合に摩耗量が多
くなる原因としては、平均アスペクト比が2よりも小さ
い焼結体は結晶粒相互の絡み合いが少ないため結晶粒子
が脱離し易く、脱離した結晶粒子が研摩材的に作用して
さらに摺動部材を摩耗させるためではないかと考えられ
る。
本発明の摺動部材に用いられる炭化珪素質焼結体を構成
する炭化珪素の結晶粒のうちアスペクト比が2〜50の
板状結晶は50重量%以上であることが好ま、しい。そ
の理由は、板状結晶の含有量が50ffii1%より少
ないと板状結晶相互の絡み合いが不充分となり、炭化珪
素質焼結体の強度が低くなるからである。
本発明の摺動部材に用いられる炭化珪素質焼結体は平均
粒径が111m以下の炭素質物質を均一分散状態で0.
3〜lO重量%含有することが好ましい。
前記炭素質物質は特公昭57−32035号公報にも記
載されている如く、焼成時における炭化珪素結晶粒の成
長を抑制する作用を有するものであり、前記炭素質物質
の平均粒径は1μ毎以下であることが好ましい理由は、
前記平均粒径が1μmより大きいと炭素質物質の単位重
量当りの粒成長抑制効果が低くなるばかりでなく、高密
度の炭化珪素質焼結体を得ることが困難になるからであ
る。また前記炭素質物質の含有量が0.3〜lO重量%
の範囲が好ましい理由は、0.3重量%よりも少ないと
結晶粒の粒成長を制御することが困難であるからであり
、一方 10重量%よりも多い場合には高密度の炭化珪
素質焼結体を得ることが困難になるからである。前記炭
素質物質の含有量は2〜5重量%の範囲内であるときよ
り好適な結果が得られる。
前記炭素質物質は、焼結助剤として原料混合物中に添加
され九フェノール樹脂、リグニンスルホン酸[Jリビニ
ルアルコール、コンスターチ。
糖蜜、コールタールピッチ、アルギン酸塩のような各種
有機物質あるいはカーボンブラック、アセチレンブラッ
クのような熱分解炭素に由来するも(デ  ) のが有利である。
本発明の摺動部材は湿式条件下での使用に特に適するも
のであり、前記湿式条件とは前記摺動部材が使用される
状態において、摺動部材と被摺動部材との摺動面間の少
なくとも一部に液体が介在している条件をいう。
前記湿式条件を満足させる液体としては、摺動時の摺動
部材と被摺動部材との摺動面間の少なくとも一部にその
液体の1分子層を形成させることのできる物質であれば
有利に使用することができ、例えば水、油、フレオン・
メタノール・エタノール、プロパツール、ブタノール、
イソブチルアルコール、ペンタノール、インペンチルア
ルコール。
アリルアルコール、フェノール、クレゾール、アンモニ
アなどの1種または2種以上を有利に使用することがで
きる。なお、上記液体中に各種の微粉状固体物質が混入
したスラリー状の液体および各種化学物質が混入した液
体も使用することができる。
本発明の摺動部材に用いられる炭化珪素質焼結体は20
00KI!・f/wm2以上のヌープ硬度を有する本の
であることが有利である。その理由はヌープ硬度が20
00 Kl−f/1m2よりも低い炭化珪素質焼結体は
耐摩耗性に劣るため摺動部材としての適用に著しい制限
を受けるからである。
本発明の摺動部材に用いられる炭化珪素質焼結体は0.
1 (BBI/an・see・C以上の熱伝導率を有す
るものであることが有利である。その理由は熱伝導率が
Q、1calz−・sae#cよりも低い炭化珪素質焼
結体は摺動面の摩擦により発生する熱を系外へ放散させ
ることが困難で摺動面が焼付きを生じ易いため摺動部材
としての適用に著しい制限を受けるからである。
本発明の摺動部材に用いられる炭化珪素質焼結体は2.
8 g/cIL3以上の密度を有するものであることが
有利である。その理由は、密度が268か−3に満たな
い炭化珪素質焼結体は強度、硬度、熱伝導率などが低く
摺動部材としての特性に劣るからである。
なお、本発明の摺動部材は、少なくとも摺動面が前述の
如き種々の特性を満足する炭化珪素質焼結体で構成され
ておれば良く、摺動面以外の他の部分は炭化珪素質焼結
体以外の物質または各種の複合体を使用することができ
、特に熱伝導率の高いものを使用することが有利である
本発明の摺動部材は、端面荷重が大きくまた摺動速度が
速い場合、例えば端面荷重が2 Ky−f /crn2
以上、摺動速度が330 su/see以上の湿式条件
下で使用される場合、従来のα型炭化珪素よりなる摺動
部材に比べて極めて優れた摺動特性が発揮されることが
新規に知見された。
次に本発明を実施例および比較例について具体的に説明
する。
炭化珪素微粉は、特公昭55−40527号公報に記載
の主としてβ型結晶よりなる炭化珪素の製造方法により
製造し、さらに精製1分級した炭化珪素微粉(以下β−
8IC微粉と称す)と、市販の主としてα型結晶よりな
る炭化珪素微粉(以下α−8IC微粉と称す)を使用し
た。
β−8IC微粉とα−8IC微粉の特性を第1表に示し
た。
第  1  表 前記β−8IC微粉とα−8iC微粉をそれぞれ単独又
は第2表に示した割合にて配合した炭化珪素微粉97.
2:9.Ki、比表面積120ffi”/gのカーボン
ブラックを29と市販の粒度1500番の炭化ホウ素0
.87とベンゼン500−およびポリエチレングリコー
ル4gを添加し、ボールミルにて4時間混合した。
得られた混合物を凍結乾燥し、この乾燥混合物を直径4
0話の成形型にて1.5t/cIL”の圧力で成形した
。前記成形体をタンマン型焼結炉に装入し、ア//、?
) ルゴンガス気流中で第2表に示した温度にて焼結した。
得られた焼結体の物性および摺動特性を第2表に示した
なお、摩擦係数(11)と摩耗量(my)は得られた焼
結体を内径が20m5.外径が25.61111.厚さ
が151111のリングに加工し、約30Cに維持され
た水中で2個のリングの端面を600−8eO摺動速度
で摺動させるリングオンリング法で10.5 KP−f
/CIL2の端面荷重を負荷して測定した。
第2表に示した結果よりわかるように、本発明の主とし
てβ型炭化珪素より構成される炭化珪素質焼結体はα型
炭化珪素より構成される炭化珪素質焼結体に比較して摩
擦係数が著しく小さく、シかも耐摩耗性が良好であり、
摺動部材として優れている。
実施例2.比較例2 実施例1と同様のβ−8iC微粉とカーボンブラックを
第3表に示しfc、割合にて配合し、これらの配合物9
99に対して前記炭化ホウ紫1gと水40〇−とポリエ
チレングリコール59と分散剤0.57を添加し、振動
ボールミルにて1時間混合した。得られた混合物を実施
例1と同様の方法で乾燥し、成形した後アルゴンガス気
流中で2100 Cにて焼結した。得られた焼結体の特
性および実施例1と同様の方法で測定した摺動特性は第
3表に示した。
実施例3.比較例3 実施例1と同様のβ−8iC微粉97.4 gにフェノ
ールVジン4g、前記炭化ホウ素0.69 、ベンゼン
600−とポリエチレングリコール4vを添加し、ボー
ルミルにて12時間混合した。得られた混合物をスプレ
ードライヤーにて乾燥し、実施例1と同様の方法にて成
形した後アルゴンガス気流中で第4表に示1〜た温度で
焼結した。
得られた焼結体の特性および実施例1と同様の方法で測
定した摺動特性は第4表に示した。
C/6) 比較例4 実施例3と同様であるが、フェノールレジンの配合量を
82.焼成温度を2000 t:’ K変えて焼結体を
得た。得られた焼結体の特性および実施例1と同様の方
法で測定した摺動特性は第4表に示した。
第3表および第4表に示した結果よりわかるように、本
発明の平均アスペクト比が高く板状結晶の含有量が多い
炭化珪素質焼結体はいずれも摩擦係数が低く、シかも耐
摩耗性が良好であり、摺動部材として優れていることが
認められた。
実施例4.比較例5 実施例1に示したリングオンリング法によって、−発明
の実施例1−1によって得られた炭化珪素質焼結体、比
較例1によって得られた炭化珪素質焼結体、窒化珪素焼
結体(S i 3N4 )、アルミナ焼結体(A220
3 ) オヨヒスf y v ス鋼: SUB 304
 (以下SUBと称す)のSO8に対する湿式摺動試験
を行った。
なお、前記摺動試験に供した摺動部材の主な特性は第5
表の通りである。摺動試験の結果は第1〜6図および第
6表に示した。
第5表 第6表 第1図は、前記各種摺動部材とSUSとの水潤滑摺動試
験において端面荷重を種々変化させた際の端面荷重と摩
擦係数との関係を表すグラフである。
第1図より明らかなように8US相互の摩擦係数は端面
荷重が0.5に9・f/cIrL”と比較的低い場合で
も約0.6と極めて高く、また窒化珪素焼結体やアルミ
ナ焼結体で構成された摺動部材のSUSに対する摩擦係
数は端面荷重が0.5 Kl−f/CIL”と低い場合
は0.2〜0.3と比較的低いが、端面荷重を3にy 
−f/m2と高くすると0.5前後と著しく高くなる。
これに対し、炭化珪素質焼結体で構成された摺動部材の
j■USに対する摩擦係数は端面荷重がo、s Kp−
f/an2志゛の場合は結晶系にかかわらずいずれも約
0.06でノあっ−rglh−’c い、ヵ1、 。カ
イ、イ、よ 4.ゎてなる炭化珪素質焼結体の摩擦係数
は端面荷重が高くなるのにつれて高くなり、10,5 
Kp−f/cm”で約0.15と高くなるのに対し、本
発明のβ型炭化珪素より構成されてなる炭化珪素質焼結
体は端面荷重が高くなるとむしろ小さくなる傾向があり
、10.5Kl−f/C1l”で約0.01と著しく小
さくなる。
(& ) 第2〜6図は、前記各種摺動部材とSUSとの水潤滑摺
動試験を端面荷重2.0に?・ν♂の条件で1時間実施
した後の808表面の走査型電子顕微鏡写真(80倍)
であり、第2図は摺動部材が実施例1−1によって得ら
れた炭化珪素質焼結体(β型S tC)によるものであ
り、第3図は摺動部材が比較例1によって得られた炭化
珪素質焼結体(α型StC)によるものであり、第4図
は摺動部材が窒化珪素焼結体(SI3N4)によるもの
であり、第5図は摺動部材がアルミナ焼結体しり203
)によるものであり、第6図は摺動部材がステンレス鋼
: 8U8304 によるものである。
第2〜6図および第6表に示した結果より各種摺動部材
による9US表面の荒れおよび摩耗量は本発明のβ型炭
化珪素から構成されてなる炭化珪素質焼結体による場合
が最も少ないことがわかる。
前述のことから、β型炭化珪素から構成されてなる炭化
珪素質焼結体は湿式摺動部材として極めて適しているこ
とがわかる。
Cコノ) 実施例5 本発明の実施例1−1によって得られた炭化珪素質焼結
体相互の摺動試験をビンオンディスク法により摺動面全
体にI KFの荷重をかけ、摺動時の相対湿度を種々変
化させて行った。摺動試験の結果は第2図に示した。
第1図は、炭化珪素質焼結体相互の摩擦係数と相対湿度
との関係を表すグラフである。なお、相対湿度が0%の
値は約1O−5Torrの真空中で測定した値であり、
その他は大気圧中で測定した値である。
第1図より明らかなように、真空中すなわち和声湿度が
0%の場合の炭化珪素質焼結体の摩擦係数は約0.55
であるのに対し、相対湿度が高くなると摩擦係数は次第
に小さくなり、相対湿度が80%よりも高くなると摩擦
係数は0.1〜0.2となり摺動部材として極めて適し
た状態となる。この理由としては、炭化珪素質焼結体の
表面には通常極〈薄い酸化被膜(8i02)が形成され
ており、この酸化被膜が水に濡れ易い性質を有している
ことから、しての潤滑層が形成され易いことによるもの
と推定される。このように、本発明の炭化珪素質焼結体
は特に摺動時の摺動面に水寸たは水蒸気などの吸着によ
り潤滑層が形成される湿式摺動部材として極めて有利に
使用することができる。なお、炭化珪素質焼結体表面に
微細な気孔が存在すると、その気孔内に水や油のような
液体潤滑剤を保持することができるので更に好ましい状
態となる。
、実施例6 本発明の実施例1−1によって得られた炭化珪素質焼結
体相互の摺動試験を実施例1に示したと同様の方法であ
るが、200〜300Cの水蒸気雰囲気中で摺動試験を
行ったところ、極めて優れた摺動特性を有していること
が認められた。
実施例7 実施例6と同様の方法であるが、約−10Cのガス状お
よび液状のフレオン22の存在下で摺動試験を行ったと
ころ、極めて優れた摺動特性を有していることが認めら
れた。
実施例8 実施例7と同様であるが、フレオン22に代えてエチル
アルコールを使用して摺動試験を行ったところ、極めて
優れた摺動特性を有していることが・  認められた。
〔発明の効果〕
以上述べた如く、本発明の炭化珪素質焼結体より構成さ
れてなる摺動部材は極めて優れた摺動特性を有しており
、本発明の摺動部材を機械装置の軸受やシール部分のよ
うな回転、摺動部などに適用することにより、摺動部の
摩擦や摩耗量が少なくなり、装置の耐久性および信頼性
を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は各種摺動部材の摺動端面に負荷された端面荷重
と摩擦係数との関係を示すグラフ、第2図は実施例4の
摺動試験後の8US表面の走査型電子顕微鏡写真180
倍)、第3図は比較例5−1の摺動試験後の8US表面
の走査型電子顕微鏡写真(80倍)、第4図は比較例5
−2の摺動試験後の(x  ) SO8表面の走査型電子顕微鏡写真(80倍)、第5図
は比較例5−3の摺動試験後の808表面の走査型電子
顕微鏡写真(80倍)、第6図は比較例5−4の摺動試
験後の808表面の走査型電子顕微鏡写真(80倍)、
第1図は本発明の炭化珪素質焼結体の摩擦係数と相対湿
度との関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、摺動面の少なくとも一部が炭化珪素質焼結体よりな
    る摺動部材において、前記炭化珪素質焼結体のうち少な
    くとも50重量%はβ型炭化珪素よりなることを特徴と
    する炭化珪素質摺動部材。 2、前記炭化珪素質焼結体を構成する炭化珪素の結晶粒
    は平均粒径が20μm以下、平均アスペクト比が2〜5
    0である特許請求の範囲第1項記載の摺動部材。 3、前記炭化珪素質焼結体は平均粒径が1μm以下の炭
    素質物質を均一分散状態で0.3〜10重量%含有する
    特許請求の範囲第1項記載の摺動部材。 4、前記炭化珪素質焼結体を構成する炭化珪素の結晶粒
    のうちアスペクト比が2〜50の板状結晶は50重量%
    以上である特許請求の範囲第1項記載の摺動部材。 5、前記摺動部材は端面荷重2Kgf/cm^2以上で
    摺動速度330mm/sec以上、湿式条件下での使用
    に特に適する特許請求の範囲第1項記載の摺動部材。 6、前記摺動部材は摺動部材と被摺動部材との摺動面間
    に少なくとも液体が介在している湿式条件下での使用に
    特に適する特許請求の範囲第1項記載の摺動部材。
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