JPS6112225Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ソフトクリームやホイツプクリー
ム、或いはチヨコレートなどを盛る円錐筒状形の
コーンカツプを製造するためのコーンカツプ製造
用金型に関する。

第１図に示すコーンカツプ製造機についてその
概略構成を説明すると、金型Ａの下型１の成形面
１ａに原料を一定量供給した後、上型２を閉合し
た状態の金型Ａを搬送用チエーンＢによつてオー
ブン３内へ移送し、オーブン３を出た後は再び上
型２の開閉用ローラ４と、１対平行に架設せるガ
イドレール５，６との相関ガイド機能によつて上
型２を開放する。この上型２の開放時に於いて、
前記オーブン３内で焼成された扇形の板状製品Ｃ
は、平滑な下型１の成形面１ａから離脱して、上
型２の格子模様状凹溝７を有する上型２の成形面
２ａに付着しているので、上型２の開放移行方向
の側方に配設されているターンテーブルＤの周囲
下部に等間隔に吊設せるシエルスピンナー８によ
つて前記板状製品Ｃを上型成形面２ａから剥ぎ取
り、シエルスピンナー８の内部に巻込んで円錐筒
状にロール成形するものである。

シエルスピンナー８による板状製品Ｃの巻取り
構造は、第２図に示す如く、逆円錐筒状のシエル
スピンナー８の一側面接線方向に製品巻込用開口
部９を縦設し、その外側縁を接線方向に延長した
突出部８ａの内側面切欠段部１０に帯板状カツタ
ー１１を取付けて、カツター１１の刃先部をシエ
ルスピンナー８の側面の傾斜角と等しい傾斜状に
若干突出させてある。またシエルスピンナー８の
内部には同心状に回転自在なコアー１２を嵌入し
て両者の嵌め合せ間に円錐筒状形の型孔１３を形
成し、且つ前記コアー１２の逆円錐形外周面には
製品巻込み係止用係止歯１４が縦設してある。

板状製品Ｃの剥離時に於いて、金型Ａは第３図
の如き上型２の開放状態のまま搬送用チエーンＢ
によつて第２図の矢符Ｗ方向へ直進する。一方、
シエルスピンナー８はターンテーブルＤの回転に
よつて上型２の進行方向とは逆方向の矢符Ｖ方向
へ旋回しているので、シエルスピンナー８と上型
２が最接近すると、カツター１１の刃先部が上型
成形面２ａに摺接して、板状製品Ｃの前端部を剥
ぎ取り、シエルスピンナー８の旋回動作及び上型
２の直進移動によつて、板状製品Ｃの剥離、及び
これに続くシエルスピンナー８内部の円錐筒状形
型孔１３への製品Ｃの巻込みが連続的に行われ
る。

この場合、直進走行せる上型２に対して、旋回
移動しているシエルスピンナー８に取付けたカツ
ター１１の刃先部は円周軌跡を描くので、板状製
品Ｃの剥離時に於いて、前記カツター１１が上型
成形面２ａに対して局部的に衝当して、カツター
１１や上型成形面２ａが損傷したり折損するなど
の事故を招来し、その上カツター１１による板状
製品Ｃの剥離巻込み作業がスムーズに行われない
などの不都合があつた。

本考案は上記従来の諸欠点を解消したコーンカ
ツプ製造用金型の提供を目的とするものである。

実施例について説明すれば、第３図及び第４図
に於いて、１は下型であつて、該下型１は矢符Ｙ
方向に走行せる搬送用チエーンＢの相対峙せる各
リンク１５，１６間に水平状態に取付けられてい
る。１７は前記下型１の上面に突設した円弧状突
条堰であつて、該突条堰１７は前記下型１の方形
上面の対角線に対して外方に湾曲する円弧状の突
状部を形成していて、該突条堰１７の内方の下型
上面に平滑面を有する下型成形面１ａが形成され
ている。この下型成形面１ａは下型１の方形周縁
部と前記円弧状突条堰１７とによつて仕切られた
区域内において扇形面を形成している。１８は前
記下型１の両側方に配設して各チエーンリンク１
５，１６を屈折自在に連結した連結軸、１９は前
記各連結軸１８の両端突出部に枢着したチエーン
走行用ローラである。２０は前記各チエーンリン
ク１５，１６の相対向側面に左右１対宛形成した
内向突出部であつて、該各内向突出部２０の上面
に取付孔部２１を穿設してあり、相対峙せる１対
のチエーンリンク１５，１６上に前記下型１を載
架して前記取付孔部２１に軸着し、それぞれチエ
ーンリンク１５，１６の連結方向に下型１を並設
して取付けてある。

２は金型Ａの上型であつて、該上型２の下面は
前記下型１の成形面１ａに対向し得る扇形の上型
成形面２ａを有し、該上型成形面２ａの扇形外縁
部に沿つて適幅の平担当接面２２を形成してこれ
を前記円弧状突条堰１７に対する載架当接部と
し、且つ前記上型成形面２ａには全面に細溝条を
縦横に刻設して格子模様状凹溝部７を形成し荒粗
面にしてある。

また、前記上型２の成形面２ａは上型２の進行
方向に全面に緩やかな凹湾面２ｂを形成してい
る。この凹湾面２ｂは、直進走行せる金型Ａと旋
回せるシエルスピンナー８とが最接近する時点に
於いて、シエルスピンナー８に取付けたカツター
１１の刃先部が上型成形面２ａの全面に沿つて進
行し得るような湾曲面形状を有している。一方、
前記下型１の成形面１ａは、上型２と下型１の閉
合状態（第４図に示す状態）に於いて、前記上型
成形面２ａとの相対向間に所定間隔を形成すべく
全面に緩やかな凸湾面１ｂを形成している。

更に、上型成形面２ａと下型成形面１ａの相対
向状態に於いて、第４図の如く、前記円弧状突条
堰１７によつて形成された扇形の先部に至るにし
たがい前記上型成形面２ａの格子模様状凹溝部７
によつて形成された荒粗面と下型成形面１ａとの
相互間隔が徐々に広くなるように形成されてい
る。

２３は前記上型２を開閉自在に枢支するための
枢軸であつて、前記下型１の後端中央に突出した
筒部２４と、上型２の根部左右に突出した腕部２
５とを可回動に連結してある。４は前記上型２の
先端中央部に突設せる軸２６に回転自在に装着し
た上型開閉用ローラであつて、該上型開閉用ロー
ラ４は１対平行に架設せる前記ガイドレール５，
６の相互間に案内されながら所定の位置で上型２
が開放または下型１と閉合するように構成されて
いる。

上記の構成に於いて、コーンカツプを製造する
場合、先ず上型２の開放状態において下型１の成
形面１ａの中央部上にミツクスされた所定の原料
を一定量だけ投入した後、上型２を閉じて上型成
形面２ａを下型成形面１ａに接近閉合すると、高
粘性原料が下型１の円弧状突条堰１７に向つて
徐々に押し広げられて展延し、両成形面１ａ，２
ａ間に於いて均一に分布して扇形の板状に成形さ
れる。

次に、閉合状態にある上型２と下型１をオーブ
ン３内へ移送して熱処理して焼上げ、爾後、上型
開閉用ローラ４と１対のガイドレール５，６との
相関ガイド機能によつて上型２を反転状に自動開
放する。この際、焼成された扇形板状製品Ｃは、
その表面が上型成形面２ａの格子模様状凹溝部７
に食い込んだ状態にあるから、上型成形面２ａに
付着したまま上型２と同体的に付随して、下型成
形面１ａから離脱する。

その後、金型Ａは上型開放状態のまま直進走行
する。一方、シエルスピンナー８は旋回してい
て、該シエルスピンナー８に取付けられたカツタ
ー１１が前記上型２に接近する。

上型２の成形面２ａに前記カツター１１の刃先
部が摺接し、更に第２図の如く上型２が矢符Ｗ方
向に直進走行し、これと同時にカツター１１が矢
符Ｖ方向に旋回すると、上型２の成形面２ａに湾
曲面形状の凹湾面２ｂが形成されているから、カ
ツター１１の刃先部は上型成形面２ａの全面に沿
つて移動して、上型成形面２ａに付着している板
状製品Ｃを剥ぎ取り、シエルスピンナー８の内部
の円錐筒状形型孔１３に巻込んでこれをロール成
形することによつて円錐筒状形のコーンカツプが
完成する。

尚、上記の実施例では、下型１の平滑な成形面
１ａに凸湾面１ｂを形成し、上型２の格子模様状
凹溝部７を有する成形面２ａに凹湾面２ｂを形成
したが、この実施例に限定されるものではなく、
例えば下型の成形面に格子模様状凹溝部を有する
全面湾曲形状の凹湾面を形成し、上型の成形面に
平滑な全面湾曲形状を有する凸湾曲を形成しても
よい。この場合、板状製品は上型開放状態におい
て下型の成形面に付着しているから、この下型成
形面に沿つてカツターを取付けたシエルスピンナ
ー８が旋回するようにターンテーブルＤを構成す
ることが必要である。

本考案に係るコーンカツプ製造用金型は以上の
如く、格子模様状凹溝部を有する上型または下型
の何れか一方の成形面に荒粗凹湾面を形成したの
で、該凹湾面に付着している板状製品を剥ぎ取る
時点に於いて、直進走行している金型の成形面に
対し、旋回しているシエルスピンナーのカツター
刃先部が円周軌跡を描くも、カツターの刃先部は
前記凹湾面に沿つて均一な接触圧を保ちながら移
動する。それ故、前記凹湾面に付着している板状
製品を確実に剥離してシエルスピンナー内にスム
ーズに巻込んでロール成形することが可能である
と共に、前記凹湾面の損傷やカツター刃先部の折
損事故などを回避して故障原因を極減するなど、
優れた諸効果を顕著に奏するものである。

尚、各図示の実施例では上型成形面２ａを荒粗
面にする具体的構造として格子模様状凹溝部７を
設けたが、この形状に限定されないこと勿論であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はコーンカツプ製造機の概略正面図、第
２図はシエルスピンナーによる製品の剥離巻込み
状態を示す拡大要部横断面図、第３図は本考案に
係る金型の上型開放状態を示す拡大斜面図、第４
図は第３図の金型における上型と下型の閉合状態
を示すＸ−Ｘ矢視要部断面図である。 １は下型、１ａは下型成形面、１ｂは凸湾面、
２は上型、２ａは上型成形面、２ｂは凹湾面、４
は上型開閉用ローラ、５，６はガイドレール、７
は格子模様状凹溝部、８はシエルスピンナー、１
１はカツター、１７は円弧状突条堰、Ａは金型、
Ｂは搬送用チエーン、Ｃは板状製品、Ｄはターン
テーブルである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 開閉自在なる上型と下型のいずれか一方の荒
   粗面形状の成型面に、直進する金型に対し旋回
   せるシエルスピンナーのカツター刃先部の移動
   軌跡に沿うような凹湾面を形成し、他方の対向
   成形面に前記凹湾面を離間する平滑な凸湾面を
   形成したことを特徴とするコーンカツプ製造用
   金型。 ２ 前記荒粗面形状が格子模様状凹溝部である実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のコーンカツ
   プ製造用金型。 ３ 前記荒粗凹湾面形状が下型の成形面に形成さ
   れ、上型の成形面が平滑凸湾面形状である実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のコーンカツプ
   製造用金型。 ４ 前記荒粗凹湾面形状が下型の成形面に形成さ
   れ、上型の成形面が平滑凸湾面形状である実用
   新案登録請求の範囲第１項記載のコーンカツプ
   製造用金型。