JPS6111923B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はその燃焼時に粘膜刺激性が少なく、好
適に使用される線香に関する。 周知のように、蚊取線香は除虫菊抽出粕粉末、
木粉末、杉や茶等の茎葉粉末の支燃剤、タブ粉、
コーンスターチ等の糊料、デヒドロ酢酸等の防カ
ビ剤、色素等を基剤とし、これに殺虫有効成分を
配合してなり、これを約７時間で燻煙させること
により殺虫有効成分を蒸散させて蚊の害を防ぐも
のである。 この場合、蚊取線香の煙は実害はないが、煙の
量や粘膜刺激性やいがらつぽさが少ない方が望ま
しいことは言うまでもない。蚊取線香の煙の量や
粘膜刺激性、さらにいがらつぽさは主に支燃剤の
種類およびその配合割合により異なる。たとえ
ば、木粉末は安価で入手しやすく、また燃えやす
いので、立消防止に有効であり、通常20〜30重量
％（以下単に％で表わす）配合されるが、蚊取線
香の燃焼時に煙の発生、粘膜刺激、いがらつぽさ
等の大きな原因となる。また杉や茶等の茎葉粉末
は香りが良いので通常20〜30％配合されるが、前
記木粉末同様粘膜刺激やいがらつぽい等の欠点が
あつた。他方、除虫菊抽出粕粉末は燃焼時に比較
的粘膜刺激性やいがらつぽさが少ないので支燃剤
として好まれ、通常20〜30％程度配合されるが、
除虫菊抽出粕粉末はケニヤ又はタンザニアなどか
らの輸入品であるためコストが高く、また除虫菊
栽培そのものにも問題があるので、将来の安定供
給性の点に不安がある等の欠点を有し、従つてこ
れらに代わる燃焼時に煙の発生量、粘膜刺激性、
いがらつぽさ等の少ない蚊取線香用支燃剤が強く
求められている。 本発明者らは上記事情に鑑み種々の支燃剤を検
討した結果、資源的に豊富で安価なカイコのフン
抽出粕粉末が支燃剤として極めて有効であり、こ
れを用いて製造した蚊取線香は、その燃焼にあた
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り従来のものと比較して粘膜に対する刺激性及び
いがらつぽさもはるかに少なく、かつ又殺虫力に
悪影響を与えることもない等、非常に優れている
ことを知得して、本発明を完成した。 すなわち、本発明はカイコのフン抽出粕粉末を
支燃剤として配合することにより、従来の線香に
比べ燃焼時の煙発生量、粘膜刺激性、いがらつぽ
さ等が少ない線香を提供することを目的とする。 以下、本発明につき詳しく説明する。 本発明に係る線香は、支燃剤としてカイコのフ
ン抽出粕粉末を配合するもので、単独にカイコの
フン抽出粕粉末を支燃剤として使用しても良く、
また除虫菊抽出粕粉末、木粉末、杉や茶等の茎葉
粉末、従来使用されている支燃剤と併用すること
もできる。この場合、カイコのフン抽出粕粉末を
配合することにより、従来の線香と比較して煙、
粘膜刺激、いがらつぽさ等の原因である木粉末や
茎葉粉末の配合量を相対的に減少させることがで
き、使用上好適な線香を得ることができる。 なお、本発明におけるカイコのフン抽出粕粉末
とは、カイコのフンより葉緑素を抽出した粕を粉
砕したもので、このものは従来まつたく利用価値
のないものである。 カイコのフン抽出粕粉末の配合量は線香全量に
対し１〜80％、好ましくは５〜40％、さらに好ま
しくは10〜20％である。またこのカイコのフン抽
出粕粉末の粒度は60メツシユパス、より好ましく
は80メツシユパスとすることが望ましい。 また糊料としては、タブ粉、コーンスターチ、
或いはカルボキシメチルセルロース、ポリビニル
アルコール等、公知のものが使用し得、通常全重
量の５〜10％が配合される。 更に本発明の線香を蚊取線香として用いる場
合、殺虫有効成分としてピレトリン、アレスリン
等の公知の有効成分を配合することができる。ま
た、必要により上記成分に加えて色素、防かび剤
等を配合することもできる。 本発明に係る線香は蚊取線香、仏壇用線香等と
して使用されるもので、蚊取線香の場合には、従
来の蚊取線香と同様に水と練合し、成型、乾燥す
ることにより製造できる。 本発明の線香は、カイコのフン抽出粕粉末を１
〜80％含有していることにより、相対的に木粉
末、茎葉粉末、除虫菊抽出粕粉末等の配合割合を
減少させることができるが、特に木粉末や茎葉粉
末等の配合割合の減少は使用時において煙の発生
量を減らし、又粘膜刺激性やいがらつぽさが減少
し、より快適である。また、輸入品であるため高
価でかつ将来的に供給量が心配される除虫菊抽出
粕粉末の配合量を減らすことができるので、コス
トを下げることができ、又その供給の不安定性を
心配することもない等、実用上の効果が極めて大
きい。 以下実施例で具体的に説明する。 実施例 １ 下記表に示す処方により蚊取線香（本発明品、
比較品）を製造した。

【表】 つぎにこれら３品について、約６畳の２室を用
いて密閉下これらの蚊取線香を約１時間燻煙させ
た後、煙の刺激臭及びいがらつぽさについて男女
各10名計20名を対象に一対比較を行なつた結果、
20名全員が煙の刺激臭、いがらつぽさ共に本発明
品と比較品１とは差がないと判定した。また本発
明品と比較品２の場合は20名全員が煙の刺激臭及
びいがらつぽさ共に本発明品のほうが良いと判定
した。 すなわち、蚊取線香にカイコのフン抽出粕粉末
を支燃剤として配合することにより、刺激臭、い
がらつぽさ共に増加させることなく、比較的高価
かつ原料の供給に不安の残る除虫菊抽出粕粉末の
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配合量を減少させ得ることができ、また木粉末や
茎葉粉末の配合をへらす事により、より刺激の少
ない蚊取線香を製造できることを確認した。 実施例 ２ カイコのフン抽出粕粉末 15.0 除虫菊抽出粕粉末 20.0 木粉末 15.0 茎葉粉末 22.6 α化コンスターチ 6.5 タブ粉末 20.0 ピナミンフオルテ 0.3 防カビ剤 0.3 色 素 0.3 100.0 wt％ 以上に示した本発明品はいずれも立消すること
なく良好に燻煙した。また殺虫力は市販品と同様
の効力を示した。 〓〓〓〓

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カイコのフン抽出粕粉末を配合することを特
   徴とする線香。 ２ 線香が蚊取線香である特許請求の範囲第１項
   記載の線香。 ３ カイコのフン抽出粕粉末の配合量が全重量に
   対し１〜80重量％である特許請求の範囲第２項記
   載の線香。 ４ カイコのフン抽出粕粉末の配合量が全重量に
   対し５〜40重量％である特許請求の範囲第３項記
   載の線香。 ５ カイコのフン抽出粕粉末の粒度が60メツシユ
   パスである特許請求の範囲第２項乃至第４項いず
   れか記載の線香。 ６ 線香が仏壇用線香である特許請求の範囲第１
   項記載の線香。