JPS61117212A - ステンレス鋼の表面処理法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ステンレス鋼の高温加熱処理時における異常
酸化を防止することができる被膜を形成する方法に関す
るものである。

〔従来の技術および問題点〕

ステンレス鋼の表面は、熱間加工または熱処理のため高
温に加熱すると１表面に厚い酸化物スケ−〃が形成され
る。また９時には、脱クロム（Ｏｒ　）層や非金属介在
物の存在によυ、所謂ウつ−トと呼ばれるコブ状の鉄系
の酸化物が局部的に発生し、これらによりステンレス鋼
表面にキズや軟化層などの欠陥が発生する。

従来よシ、ステンレス鋼の耐酸化性を向上させる目的で
種々の試みが成されてきている。その一つに、ステンレ
ス鋼のＯｒの含有量を増加させると共にケイ素（８ｉ）
の含有量を増加させたυ、ｔし たけＡ士を添加したシする方法、或いはステンレス鋼に
イツトリウム（Ｙ）等の希土類元素を微量添加する方法
がある。しかし、これらステンレス鋼の組成上の変更に
よる方法によっては、加工性や溶接性、或いは材料コス
ト等の問題が残シ、十分な解決方法とすることができな
い。

更には、前述のステンレス鋼の組成上の問題に加えて、
該鋼材の加熱処理時の表面性状や加熱雰囲気（酸素分圧
、水分含有量等）などが問題となる。

即ち１表面性状の場合２例えば表面粗さ、結晶粒度、残
留応力、脱クロム（Ｃｒ）層、非金属介在物等の存在に
よシ、高温異常酸化が誘引される。この様に、ステンレ
ス鋼の組成の変更による手段によっては、十分な高温異
常酸化防止をすることができない。

また、ステンレス鋼の組成変更以外の高温異常酸化防止
法として、ステンレス鋼の表面を研削・研摩して焼入時
における耐スケール性を付与するを被覆する方法などの
処理方法が提案されている。

これら方法は、確かに簡便に行なうことができ。

実用性が高いものであるが、これら方法によっては。何
れも高温におけるステンレス鋼の異常酸化を充分に抑制
・防止することができない。

そこで９本発明者等は、上述の如き従来技術の問題点に
鑑み、これを解決すべく鋭意検討し、各種の系統的実験
を行なった結果１本発明を成すに至ったものである。

〔発明の目的〕 本発明の目的は、高温時におけるステンレス鋼の異常酸
化の有効な抑制および防止全実現する被膜を該鋼の表面
に形成する方法を提供することにある。

〔発明の構成〕

本発明のステンレス鋼の表面処理法は、ステンレス鋼の
表面に山皮の懸濁液を塗布し、乾燥させ、該鋼に高温異
常酸化を防止する被膜を形成することを特徴とするもの
である。

以下９本発明の構成をよυ詳細に説明する。

本発明で用いる山皮の懸濁液は、山皮粉末を分散溶媒と
しての水、アルコ−μ等に分散・混合して得た分散液で
ある。

山皮は１通称でマウンテンコ〜り（Ｍｏｕｎｔａｉｎｃ
ｏｒｋ）　、マウンテンウッド（Ｍｏｕｎｔａｉｎ　ｗ
ｏｏｄ　）　＋マウンテンウッド（Ｍｏｕｎｔａｉｎ　
１ｅａｔｈｅｒ）等と呼ばれるもので、含水珪酸マグネ
シウムを主成分とし。

その表面に又応性に富む水酸基を有する粘土鉱物である
。尚、マグネシウムの一部は、アルミニウム、鉄、ナト
リウム、ニッケμ等に置換されている場合もある。

具体的には、含水マグネシウムシリケートを主成分とす
るセビオライト（５ｅｐｉｏｌ　１ｔｓ）　、含水マグ
ネシウムアルミニウムシリケートを主成分とするアタパ
ルジャイト（Ａｔｔａｐｕｌｇｉｔｅ）、更にはバリゴ
〃スカイト（Ｐａｌｙｇｏｒｓｋｉ　ｔｅ　）　＋ログ
リナイト（Ｌｏｕｇｈ−１ｉｎｉｔａ）あるいは海泡石
（Ｍｅｅｒｓ−ｃｈａｕｍ　１７５があシ、これらの１
＠または２種以上の混合物を用いる。

該粘土鉱物は、粉末状９粒状或いは板状の何れの形で用
いてもよいが、該粘土鉱物の有する孔が残留する程度に
破砕したものがよく、その大きさがＱ、１１ｔｍ〜２０
０１ｚｍの範囲のものがよシ好ましい。

また９本発明で用いるステンレス鋼は、特に限定される
ものではなく、一般にステンレス鋼と称されるクロム（
Ｏｒ　）の含有量が１１％〜３０％の鋼材を用いる。

本発明のステンレス鋼の表面処理法は以下の様である。

該方法は、高温に加熱されるステンレス鋼材の表面に数
μｍ程度の無機質からなる高温異常酸化を防止する被膜
を形成することによ）、高温加熱時のスケールの発生を
抑制・防止しようとする方法である。即ち、先ず山皮を
水、アルコール等の分散溶媒と混合し分散させて山皮の
懸濁液を得る。この混合は、家庭用ミキサー、ホモミキ
サーｌｌ＼ンシエルミキサー、ボーμミ／Ｌ／、振動ミ
ル、ディスパーミル等を用いて行なう。該懸濁液の濃度
は、特に限定するものではないが、該濃度が１０〜１５
％である場合は最適である。該濃度は、塗布厚さや塗布
方法に応じて適宜調整し、予め濃度が高い原液を調合し
ておき塗装時に適宜水等の分散浴ｇ′ｔ−加えて粘度・
濃度を温血してもよい。次いで、高温加熱処理を施すス
テンレス鋼材の表面に該懸濁液を塗布し、乾燥させ高温
異常酸化を防止する被膜を得る。該鋼材表面への塗布量
は。

特に限定するものではないが、１ＭＩ／ｃｄ程度の少量
、即ち厚さ５　ｐ　ｍ程度の薄ｍシで十分に本発明の効
果を発揮する。また、該懸濁液の塗布は、はけ塗９法、
スプレー噴霧法、浸漬法等の方法によシ行なう。

ここで、はけ塗シ法による塗布の場合、山皮の懸濁液の
塗布！杜、０．２１ｆ／ｄ〜１０暫／ｄの範囲内である
ことが好ましい。これは、該塗布量が０．２Ｆ１１１／
護（厚さ１／ｚｍ　）未満の場合、ステンレス鋼の表面
全体に完全に覆うことができない（局部的に覆われない
部分が生じる）おそれがあるので好ましくない。また、
１０ｆｆり／ｄｅ櫨えた場合。

該塗布量以上塗布しても高温異常酸化防止効果が左程向
上せず、また乾燥に時間を要し、完全に乾燥しないまオ
に高温加熱処理を施されると被膜の剥離やクツツク等の
発生によシ充分な高温異常酸化防止効果が得られないお
それがあるからである。

また、乾燥は、該塗布量が少量で十分であるので室温放
置により行なうのが簡便であるが、温風乾燥等の強制乾
燥による場合にはより短時間で乾燥でき、容易に高温異
常酸化全防止する被膜が形成される。

〔発明の作用なよび効果〕

本発明の方法により、ステンレス鋼の高温時における異
常酸化の有効な抑制および防止効果を持つ被膜を有する
ステンレス鋼を容易に得ることができる。

便 また１本方法は、大変間◆であるので、経済性が高く有
用である。

この様に１本発明の方法により得られたステンレス鋼が
、高温異常酸化防止を容易に図ることができるのは、未
だ必ずしも十分に解明されてはい山皮は、耐熱性を有し
、懸濁液中で繊維が細かくほぐれて均一に分散して容易
に沈降しない。接液をステンレス鋼の表面に塗布すると
、山皮の有する吸着能により一般の塗料の様に容易に付
着する。

その後、自然乾燥またに強制乾燥により水分が除去され
ると、抄紙の原理の如く繊維状に細かくときほぐされて
鋼材表面に均一に分散した山皮が均一性を保ちながら固
結し、鋼材の表面に緻密な被膜が形成される。この高温
異常酸化を防止する被膜を有する鋼材を加熱すると、山
皮は５５０℃〜８００℃で結晶水を失って半セラミック
ス化し。

更に８２０Ｃ以上になると他の相（エンヌタイト相）に
移行する。この際、山皮懸濁液は、有機質のバインダー
を含まないので、乾燥固結から加熱によりセラミックス
化し無機質被膜が形成される過程では結晶水また（・よ
水酸基等が失なわれるだけ在によシ緻密な酸Ｃヒフロム
ＣＣｒｚＯｓ）層が生成され高温異常酸化の優れた抑制
および防止を実現しているものと思われる。

尚、上述の如く、無機質被膜の存在により管材の高温異
常酸（ヒか防止されるのに、ステンレス鋼に含有されて
いるＯｒにより緻密な酸化クロム（Ｃｒ２０ｓ）被膜が
形成されるためで１）るり〕で、ステンレス鋼以外の酸
化クロム被膜形成型の耐熱網や耐熱会合、史には酸ｒヒ
アルシミニウム被膜形成型の耐熱鋼や耐熱合金にも本発
明を個用することができる。

〔実施例〕

以下１本発明の詳細な説明する。

実施例１゜ 先ず、水１１に２００メツシ島以下の粒度を持つセピオ
フィト扮末１００ｇを加えて家庭用ミキサーにより均一
に分散・混合し、山皮懸濁液とした。

次に、接液を、予め１２００番エメリーベーパーで研磨
した１５Ｘ１０Ｘ１ｆｆのステンレスＭ（０：　０．０
５％＋　Ｏｒ　：　１８．４％、　Ｎｉ　：　８．５％
、残部Ｆｅ）ｖ表面にへケ塗りし、室温に３０分間放置
して乾燥させた。この時の塗布量は、１．５岬／ｉであ
った。

次いで、該梢を熱天秤の中に入れ、室温で飽和した水分
を含む空気を毎分１００ｃｃの速度で流しながら毎分１
０ｔｒの割合で１０００℃まで昇温し、該温度に２０時
間加熱・保持した。加熱保持中の原調の昇温前の重量に
対する酸化増量を熱天秤によ多連続的に記録した。その
結果を第１図の曲線Ａに示す。

比較のために、上記で用いたものと同組成のステンレス
ｗ４ｔ−用い、上述と同様の加熱処理を施し。

同様に加熱保持中の原調の昇温前の重量に対する酸化増
量を熱天秤により連続的に記録した。その結果を第１図
の曲線Ｂに示す。

第１図よシ明らかの如く２本発明にかかる方法による場
合には１０時間経過しても全んど増量を示さず、それ以
降も酸化増量は比較用ステンレス鋼に比して極めて少な
い。これに対して、比較用ステンレス鋼は、１時間経過
後から大きな酸化増量を示し９表面に厚いスケールが発
生しているのが確認された。

実施例２゜ 本実施例は、８Ｕ８４１０相当のステンレス鋼か 板にセピオライト懸濁液を塗布量を纏えて塗布し乾燥さ
せた後、高温加熱処理を施し、山皮懸濁液塗布量と酸化
防止効果と°の関係を調べた。

先ず、水５ｏｏｃｃに１００〜２００メツシユの粒度を
持つセピオライトを５０９加え、ホモミキサーによシ均
一に分散・混合して山皮懸濁液を得た。

次に、原液を、予め５００番のエメリーベーパーで研磨
した３＋Ｘ１５Ｘ１ｓｎｗ７）ステンレス鋼（０：０．
０２％、Ｃｒ：１２．０％、残部Ｆｅ　）の表面に塗布
量が０．１２　Ｍｆ／ｃｄ、　０．３４１１１９／　ｃ
ｄ、　０．５０ｑ／ｄ、　０．８０Ｗｌ／ｄ、　　１．
７５１Ｑｌｃｔ１．　２．０１５１／ｄとなる様にへケ
塗シし、乾燥させて試験試料片とした。

次いで、該試料片ｔ−電気炉の中に入れ、大気中で高温
加熱処理を行なった。ｍ熱の後に、空冷し。

該試料片を６％の塩酸ＣＨＣｊｌ）に３０分間浸漬して
酸化スケ−１ｖを除去した後の重量を測定し、昇温前の
重量に対する重量減少を算出した。得られた結果を、第
２図に示す。

比較のために、塗布量が０Ｗｌ／ｄの場合の重量減少を
、第２図に併わせて示す。

尚、未加熱処理の同一組成・同一形状の試験片を上記と
同一条件で酸洗いした場合の重量減少は０．５６ダ／ｄ
である。

試験の結果、山皮懸濁液を塗布しない場合には。

比較用試験試料片の表面に厚い黒色のスケールが発生し
、１３．６Ｗｌ／ｄという大きな減量を示した。

山皮懸濁液の塗布量がｏ、　１２　ｇ／ｉの場合には。

試験試料片の表面に局部的に黒色のスケールがみられ、
３．３岬／ｉの減量を示した。山皮懸濁液が０．５５１
１ｆ／ｃｄ以上の場合には、試験試料片の表面には黒色
スケールの発生はみられず、緻密な酸化皮膜が形成され
ていた。尚、この時の酸洗後の減量は、母材の溶出分を
含めて約１　ｑ／ｄ程度と非常に少なかった。

【図面の簡単な説明】

図は１本発明の実施例を示し、第１図は本発明の５！ｉ
！施例１におけるステンレス鋼の酸化増量を示す線図、
第２図は本発明の実施例２におけるステンレス鋼の酸化
による重量減少を示す線図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）ステンレス鋼の表面に山皮の懸濁液を塗布し、乾
   燥させ、該鋼に高温異常酸化を防止する被膜を形成する
   ことを特徴とするステンレス鋼の表面処理法。
2. （２）山皮は、セピオライト、アタパルジャイト、パリ
   ゴルスカイト、ログリナイトであることを特徴とする特
   許請求の範囲第（１）項記載のステンレス鋼の表面処理
   法。