JPS6111505Y2

JPS6111505Y2 -

Info

Publication number: JPS6111505Y2
Application number: JP1979075498U
Authority: JP
Priority date: 1979-06-04
Filing date: 1979-06-04
Publication date: 1986-04-11
Also published as: JPS55176489U

Description

【考案の詳細な説明】水車は、ダムや貯水池からの水を水圧鉄管・水
車ケーシング・スピードリングに通してランナへ
導くことにより、ランナを回転させ、水の位置エ
ネルギーを電気エネルギーに変えるものである。
水の通路であるスピードリングは、水車ケーシン
グと水車上カバー及び下カバーとに接続されてい
る。通常、水車上カバーとスピードリングとの間
はボルト接続され、水車ケーシングとスピードリ
ングとの間は溶接により接続される。また水車下
カバーとスピードリングとの間の接続は、水車の
据付方法や輸送制限によつて、ボルト接続または
溶接接続となる。

本考案は、スピードリングと水車ケーシングと
の接続板の構造に関するので、第１図に示すよう
に、ステーベーン１の上下端を１対の環状平板
２，２′で支持し、それら環状平板２，２′の内周
に沿つて上下に上カバー接続フランジ３及び下カ
バー接続フランジ３′をそれぞれ設けるととも
に、環状平板２，２′のステーベーンと反対側の
面にケーシング胴板４の開口端を接続板５，５′
を介して溶接した構造のスピードリングに対する
ものである。水車ケーシングは、かたつむりの貝
がらと類似の渦巻き構造で、巻き初めから巻き終
わりになるにつれて、ケーシング内径が第２図に
r₁，r₂，r₃で示されるように小さくなるため、ス
ピードリングとケーシング胴板との間の接続位置
も変化する。第３図は従来のものについて第２図
の鎖線内を拡大して示す図であるが、ケーシン
グ胴板４からの作用力Ｆは巻き初めから巻き終り
になるにつれF₁，F₂と小さくなるので、その力
Ｆによるスピードリングの断面重心Ｇのまわりの
回転モーメントを均一化するために、力Ｆの作用
線と重心Ｇとの距離ｌが巻き初めから巻き終わり
に向つてl₁，l₂と徐々に大きくなるように、接続
板５の位置と方向を決定していた。

しかしこれには次の欠点があつた。

(ア) この構造のスピードリングとケーシングは、
各々を別個に製作し、接続板とケーシング開口
端を工場または現地において溶接で１体とされ
る。従来の接続板とケーシング開口端との接続
位置、すなわち接続板の外径Ｒ及び高さ（接続
板の外周と環状平板との距離）ｈは、距離ｌが
巻き終わりに向つて徐々に大きくなる（l₁＜
l₂）のように決めているので、接続位置は半径
方向、高さ方向、円周方向の３次元に変化す
る。このためスピードリングの接続板の外周縁
とケーシング開口端の加工が困難で、かつ合せ
作業も容易でない。

(イ) 従来の接続板５とケーシング胴板４との取付
角度（喰違い角）φは、ケーシング胴板からの
作用力Ｆによる局部応力を許容値内にするた
め、ある角度以内としているため、環状平板２
に対する接続板５の角度θは、第３図に示され
るとおり断面によつて異つている（θ_１≠θ
_２）。環状平板２に対する接続板５の角度が変
化することは、接続板５自体がねじれることで
あり、接続板５自体の製作が困難となる。

本考案はスピードリングとケーシングとの接続
方法が容易になるようなスピードリング構造とす
ることにより、スピードリングとケーシングの製
作工数及び合せ作業の工数を低減することを目的
とするものである。

そこで本考案においては、接続板の外径及び環
状平板に対する接続板の取付角度をいずれも一定
とし、ケーシング巻き初めから巻き終わりに向つ
て接続板を外側に数段階に平行移動させ、かつ接
続板の同じ接続位置に対し、内径の異なるケーシ
ング断面が数断面接続されるようにした。

次に本考案の一実施例を図面によつて説明す
る。

第４図はスピードリングおよびケーシングの側
面（断面）図（第５図の−断面）、第５図は
同じく平面（断面）図（第４図の−断面）を
示す。また第６図は、ケーシングとスピードリン
グの各断面を１つの断面図に重ねて表現した図、
第７図は第６図中鎖線で囲まれた部分の拡大図
である。

これらの図において１はステーベーン、２，
２′はスピードリングの環状平板、３，３′はそれ
ぞれ上カバー接続フランジおよび下カバー接続フ
ランジ、４はケーシング胴板、５，５′はケーシ
ング胴板４を環状平板に接続する接続板である。
第７図に示されるように、上記環状平板２，２′
に対する上記接続板５，５′の傾斜角は一定であ
り、（θ_１＝θ_２＝θ_３＝θ）、または上記接続板
５，５′の外径Ｒは一定（本実施例では上記環状
平板２，２′の外径に等しい）である。また、上
記接続板５，５′の内径、すなわち環状平板２，
２′との接続位置径は、渦巻ケーシングの巻き初
めから巻き終りに向かつて段階的に増大してい
る。これを第５図によつて説明すれば、接続板
５′と環状平板２′との接続線が破線で示されてお
り、ＡからＢまで、ＣからＤまで、およびＥから
Ｆまでの接続位置は回転軸心Ｐからそれぞれ一定
距離にあり、巻き初めから巻き終りに向かつて、
移行部分BC，DE等を介して、段階的に増大す
る。したがつて、上記接続板５，５′の外周縁、
すなわち上記ケーシング胴板４との接続線と上記
環状平板２，２′との距離ｈは、上記渦巻ケーシ
ングの巻き初めから巻き終りに向かつて段階的に
減少している。

上記のように本考案では、ケーシング胴板４と
接続板５，５′との接続位置半径Ｒが一定なの
で、接続位置の変化が２次元ですむ。

したがつてケーシング胴板４と接続板５，５′
との接続部の加工が容易となり、また溶接接合の
ための合わせ作業も容易となる。また接続板５，
５′と環状平板２，２′との取付は、角度θが一定
なので、接続板の位置を変える場合、巻き終りに
向つて平行に外側に移動すればよい。したがつ
て、接続板のねじり加工が不要となる。さらに本
考案では、同一の接続板５，５′に数断面のケー
シング胴板４を接続するので、接続板の形状の変
化が少ない。（第５図ないし第７図では形状の異
なる接続板の種類は３種類で、巻き終わり部は環
状平板の外周に接続されている。）したがつて接
続板の寸法指示・加工および検査が容易である。
加えて本考案では、巻き終りになるにしたがい薄
くなるケーシング板厚に伴なつて、接続板５，
５′の板厚も段階的に薄くすることができるか
ら、接続板の重量を軽減できる。さらにまた本考
案では、接続板５，５′の外周縁と環状平板２，
２′との距離ｈが、ケーシング巻き終りになるに
したがつて小さくなるので、ケーシングの大きさ
を小さくできるばかりでなく、接続板５，５′と
ケーシング胴板４との取付角度（喰違角）φを小
さくでき、したがつて、その取付部の作用力Ｆを
小さくできる。また、上記距離ｈを段階的に小さ
くしていつて、遂には接続板５，５′を省略する
こともできるから、その場合には接続板の全重量
をさらに軽減でき、また接続板と環状平板とを溶
接する作業も減少できる。

以上、本考案を水車のスピードリングについて
説明したが、ポンプ水車においても全く同様であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の水車のスピードリングとケーシ
ングの１断面を示す図、第２図は異なる断面を１
つの断面図に重ねて表現した図、第３図は第２図
の鎖線内の拡大図、第４図は本考案のスピード
リングおよびケーシングの側面（断面）図、第５
図は同じく平面（断面）図、第６図は異なる断面
を１つの断面図と重ねて表現した図、第７図は第
６図の鎖線内の拡大図である。１……ステーベーン、２，２′……環状平板、
３……上カバー接続フランジ、３′……下カバー
接続フランジ、４……ケーシング胴板、５，５′
……接続板。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

ステーペーンの両端を支持する１対の環状平板
と同環状平板を渦巻ケーシングの胴板に接続する
接続板とをそなえたものにおいて、上記接続板の
外径と上記環状平板に対する上記接続板の傾斜角
とがいずれも一定であり、かつ上記接続板の内径
が上記渦巻ケーシングの巻き初めから巻き終りに
向かつて段階的に増大するとともに、上記接続板
の外周縁と上記環状平板との距離が上記渦巻ケー
シングの巻き初めから巻き終りに向かつて段階的
に減少することを特徴とする水車またはポンプ水
車のスピードリング。