JPS6111322B2 - - Google Patents

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JPS6111322B2
JPS6111322B2 JP55127968A JP12796880A JPS6111322B2 JP S6111322 B2 JPS6111322 B2 JP S6111322B2 JP 55127968 A JP55127968 A JP 55127968A JP 12796880 A JP12796880 A JP 12796880A JP S6111322 B2 JPS6111322 B2 JP S6111322B2
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spinning
polyester
spinneret
yarn
air
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JP55127968A
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Joshin Kuwata
Kenichiro Oka
Kazuhiko Kosuge
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Toray Industries Inc
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【発明の詳細な説明】
本発明はポリエステル特にポリエチレンテレフ
タレートの溶解紡糸において紡糸口金面の汚れを
防止する方法に関するものである。 一般にポリエステルの溶融紡糸は、細孔を穿つ
た口金より溶融物を押し出すことにより行われ
る。また口金面の吐出孔近傍とポリマ流との間の
離形性を保持せしめるために、通常口金面にポリ
オルガノシロキサンの如き離形剤を塗布する。 このような紡糸においては、紡糸を開始してか
ら時間が経過するに従い口金吐出孔のまわりにリ
ング状に茶褐色の汚れが堆積してくる。(以下、
口金汚れという)そのため紡出糸条の曲り、ピク
ツキが発生するようになり、その曲り方がひどい
と口金表面が糸条が接するまでになつて糸が切れ
る現象が起こる。また口金面に塗布した離形剤も
酸化劣化などの劣化反応によりその離形性が低下
するので上述の現象がさらに助長されることにな
る。そこで通常は、このような状態になつた口金
面を清掃し離形剤を更新するために口金面修正と
呼ばれる操作を行う。しかしこの操作は多大の人
手を要し、その間の生産の中断、屑の発生など生
産効率を著しく低下させるため、口金面修正周期
の延長が望まれていた。 ポリエステルにおける口金汚れは吐出ポリマ流
の一部が口金面周辺に残り、その更新速度がおそ
いため、酸化劣化等によりゲル化し、固形異物と
して堆積するものが大部分であるといわれてい
る。 口金吐出孔周辺に付着した有機物の酸化劣化を
防ぐために、従来から口金下を窒素などの不活性
気体でシールする方法が知られている(特開昭52
〓〓〓
−15613等)。本発明者らはまずこの方法について
検討を試みた結果、確かにポリマの酸化劣化によ
る口金汚れの堆積はかなり抑えられるが、しかし
一方紡糸のスタート直後から、不活性気体シール
それ自体に起因する紡糸糸切れが多発することが
わかつた。すなわち口金汚れは改善されるものの
糸切れが増加するという予想外の現象が発生し、
工業的に展開することは不可能であつた。 更にまた口金面下を水蒸気でシールする方法
(特開昭52−15613等)も知られている。この方法
についても検討した結果、この方法でもポリマの
酸化劣化防止が達成でき、更に解重合効果により
吐出孔周辺の付着ポリマを加水分解によつて低分
子状に変成させ、除去されやすくすることができ
る。しかしながら、ポリエステルの場合、水蒸気
で口金直下を被覆すると、触媒や各種添加物とし
て含有されている金属成分の昇華付着が、通常の
紡糸時に比べ著しく増加することが判明したので
ある。このため、通常の紡糸でのポリマ劣化物を
主体とする汚れとは組成を異にし、金属成分を主
体とする汚れが、吐出孔の周辺にうず高く堆積
し、吐出ポリマ流を不安定ならしめ、製糸性の悪
化をきたすことがわかつた。また、このような汚
れの成長のため、異形断面糸では、その断面変形
度が大きく低下することもわかつた。 これらの傾向は重縮合触媒としてアンチモン化
合物及び/又はゲルマニウム化合物を用いたとき
に特に著しい。 水蒸気シールについては、従来よりポリアミド
を中心として多数知られているが、上記のことは
昇華性の添加剤を殆んど用いないポリアミドの例
からは全く予想できないことである。 このようにポリエステルの場合は、口金汚れ抑
制手法として口金下の雰囲気を水蒸気でシールす
る方法は採用できないことが明らかとなつた。 また、水蒸気を解重合性気体として吐出孔の近
くより吹出させ、吐出孔近傍の析出物に選択的に
作用せしめる方法が知られている。(特開昭53−
6613)。しかしながら吐出孔近傍の構造が複雑に
なり口金修正の作業が極めて困難になると共に、
各吐出孔に均一に気体流を作用させることが困難
であり、糸ゆれ、糸質バラツキの原因となる欠点
をもつ。 また一方、直接口金汚れの軽減を狙つたもので
はないが、口金面直下に空気や窒素などの気体流
を吹きつけてポリマ流を冷却し、糸曲り現象を発
生しにくくする技術も知られている(特公昭53−
9293)。しかしながらこの手法では吐出孔のごく
近傍で起こる曲がり現象は回避できないうえに、
特に気体流として空気を用いたときは、口金汚れ
をかえつて増大させることがわかつた。 すなわち、口金面直下に常に酸素が供給される
ため、吐出孔周辺に付着したポリマの酸化劣化が
著しく促進されるのである。従つて、この方法で
は口金汚れ防止および糸曲がり現象の完全な抑制
は困難であることがわかつた。 また、紡糸筒内の糸条通過部分の絶対湿度を8
〜25grH2O/1Kg乾燥空気となるように冷却気流
を流すことにより糸曲がり、断糸を防止すること
が提案されている(特公昭44−7383)。しかし口
金汚れの点からみれば、この手法もまた上述した
ことと同様に、空気中の酸素による付着ポリマの
酸化劣化を抑制することができず。汚れの有効な
防止策となり得ないことが判明した。 このように、口金汚れ防止、修正周期延長策と
して口金下の雰囲気を種々コントロールする方法
が提案されているものの一長一短であり、総合的
にポリエステルの溶融紡糸方法として工業的に展
開可能なものは全く無いのが現状である。 一方、ポリエステルの重縮合触媒としてアンチ
モン化合物やゲルマニウム化合物を用いること
は、ポリマ色調や不溶性異物を発生し難いことか
らみて好ましいことであり、このようなアンチモ
ン化合物やゲルマニウム化合物を含有するポリエ
ステルを用いた溶融紡糸における口金汚れの減少
の技術が特に望まれていたのである。 本発明者らは、以上のような状況に鑑み、鋭意
検討した結果、ポリエステルの溶融紡糸におい
て、口金面直下を特定の露点範囲に保つた空気雰
囲気とすることで上記した問題点は全て解決さ
れ、口金汚れを効果的に抑制できることを見出し
本発明に到達した。 すなわち本発明はアンチモン化合物および/又
はゲルマニウム化合物を触媒として製造されたエ
チレンテレフタレート単位を主体とするポリエス
テルの溶融紡糸に際し、紡糸筒内の口金直下を、
露点30〜65℃に保つた空気雰囲気とすることを特
徴とするポリエステルの溶融紡糸方法である。 〓〓〓
なお本発明にいう紡糸筒とは、上方を紡糸パツ
クおよび口金、側面を保温壁で区切られた下方開
放区画をさす。 更に本発明について詳細に説明する。 本発明においては、紡糸筒内の口金面直下の雰
囲気の露点を30〜65℃に保つことが必須である。 雰囲気の露点が30℃より低くなるとポリマ付着
物の酸化劣化による蓄積を防止することが困難と
なる。また露点が65℃以上となると触媒や各種添
加物の昇華付着が著しくなつて口金汚れが増加す
る。 更に本発明について詳細に説明する。 本発明においては、紡糸筒内の口金面直下の雰
囲気の露点を30〜90℃に保つことが必須である。 雰囲気の露点が30℃より低くなるとポリマ付着
物の酸化劣化による蓄積を防止することが困難と
なる。また露点が90℃以上となると触媒や各種添
加物の昇華付着が著しくなつて口金汚れが増加
し、また異形断面糸では断面変形度が低下する。 一方、ポリエステルの重縮合触媒としてアンチ
モン化合物やゲルマニウム化合物を用いること
は、ポリマ色調や不溶性異物を発生し難いことか
らみて好ましいことであり、このようなアンチモ
ン化合物やゲルマニウム化合物を含有するポリエ
ステルに対しては、本発明における雰囲気の露点
範囲を特に30〜75℃、更に好ましくは30〜65℃と
することにより、本発明効果をより一層発揮出
来、かつ品質の優れたポリエステル糸が得られ
る。 口金下の雰囲気を本発明の範囲内に調節し、か
つ本発明の効果を更に高めるため、紡糸筒内に水
蒸気を含んだ空気を流出せしめ、該気体により雰
囲気のコントロールを行うと同時に、口金面下に
弱い気体の流れをつくることがより好ましい方法
である。その際、流量V(/min、常温・常圧
換算)は、雰囲気温度の過度の低下や吐出糸条の
走行安定性低下を起さぬ範囲に設定すべきであ
る。そのためVは、使用する紡糸筒の大きさに応
じて式(1),(2)を共に満足する範囲内にすることが
好ましい。 更に好ましくは式(3),(4)を共に満足する範囲内
である。 V≦12V0 ……(1) V≦40 ……(2) V≦9.5V0 ……(3) V≦35 ……(4) 〔ただしV0は紡糸筒内空間容積()であ
る。〕 流量が式(1),(2)で規定される量より多いと流速
が高くなるため糸揺れが大きくなつて繊度斑染め
斑など糸質の不均一が顕著になり、かつ雰囲気温
度の低下が著しく好ましくない。 また、上記の場合、口金下の気体流速の経時的
変動や口金円周方向における流速の位置間差をで
きるだけ減らすようにすることが良好な糸質、製
糸操業性を得る上で特に好ましく、そのため後述
するような装置上の配慮を行うことが特に好まし
い。流速変化が著しいと単糸間の繊度バラツキ、
構造バラツキが突発的に発生しやすく、延伸時の
単糸切れをひきおこしやすくなる。 本発明は口金下の雰囲気の露点のコントロール
を必須条件とするが、更に気体の流れを前記した
ような状態に制御するとにより、より良好な製糸
操業性が得られ、本発明を効果的に実施し得る。 本発明により口金汚れ抑制が達成される理由と
しては、次のことが考えられる。すなわち、口金
下の雰囲気を本発明の範囲に保つことにより、触
媒等の昇華物を口金面に析出せしめない範囲で、
かつポリマ付着物を加水分解除去するのに十分な
水分が、口金面に供給されることにあると考えら
れる。 本発明の如く口金下に空気がかなりの割合で存
在し、かつ水蒸気濃度が相対的に低い状態でもポ
リマ付着物の酸化劣化による蓄積が抑制されるこ
とは、酸素の遮断を必須と考えていた従来技術か
らはまことに驚くべきことである。また湿度調節
した空気流や高速の空気流による糸条の冷却で糸
曲がり現象を回避しようとする技術からは、本発
明の効果は全く予想し得ないものである。 次に本発明を実施する具体的方法について説明
する。 口金下雰囲気の露点を調節する方法については
特に限定されないが、本発明の効果を更に高める
ために、前述の様に、紡糸筒内に水蒸気を含んだ
空気を流出せしめ、該気体により雰囲気のコント
ロールを行うと同時に口金面下に弱い気体の流れ
をつくる方法がより好ましい。 上記の場合含湿空気の調製方法については特に
〓〓〓
限定されない。空気を恒温の温水中に通して加湿
する方法、空気とスチームを混合し所定の含水率
となるように調湿する方法、紡糸筒の一部に水の
蒸発部を設け、空気をそこへ通して加湿する方法
その他いずれも好ましく採用される。 更に、含湿空気を流出せしめる具体的方法とし
ては、 流出口を紡糸筒内に開口した導入管を別個に設
ける方法(例えば特公昭53−10166)、紡糸筒を二
重円筒となし内筒上部を外筒上部の間隙から流出
せしめる方法(例えば特公昭53−9291)、紡糸パ
ツクもしくは口金内に気体通路を別に設けそこか
ら流出させる方法(例えば特開昭49−75817、特
開昭52−8115)等、紡糸機の構造に応じて任意の
方法が採用される。 ただし、いずれの場合も前述したような含湿空
気の口金下での気体流速変化をできるだけ減らす
ため、流出は口金外周方向より行わしめ、かつ細
孔より流出せしめた該気体の流路に一段以上の偏
向板(例えば第1図に挙げた装置)や気体流通の
抵抗となる部分(例えば網状物)を設け、該気体
流速の時間および円周方向の均一化をはかること
が特に好ましい。 以下図面に従つて本発明を説明する。 第1図は本発明の好ましい実施態様を示す溶融
紡糸装置であり、図において、1は溶融紡糸され
たポリエステル糸条、2は口金、3は紡糸筒、4
は紡出糸条を過度に急冷させないための保温部、
5は冷却風を糸条に吹きつけるためのチムニ、6
は水蒸気と空気の混合気体Aを紡糸筒内に流出さ
せるための気体流出管であり、該気体流出管は円
周方向に連続している。 紡糸筒3内に、上端開口部の直径が口金直径よ
り大きい円筒もしくは円錘台状筒9を設置する。
あらかじめ混合した水蒸気と空気の混合気体Aを
気体流出管6の細孔7を通して該筒9と紡糸筒3
との空間8に導き、該筒9の上端より流出せしめ
る。混合気体Aは細孔7より吹出後筒9が偏向板
の役目をなすので上方に向きを変える過程で、お
よび更に空間8を通過中に均一化される。この様
な装置を用いることにより本発明を効果的に実施
し得るが、無論本発明は本例によつて限定される
ものではない。 本発明の方法は、ポリエステルフイラメント、
ステープルいずれの製造にも適用されるが、特に
フイラメント就中異形断面糸や、延伸後の単糸デ
ニールが3デニール以下の細デニール糸の製造に
特に効果的に適用し得る。 また、本発明にいうポリエステルは、ポリエス
テルテレフタレートを主たる対象にするが、他に
酸成分として20モル%以下をイソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、アジピン酸、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸成分等で、及び/又はグリ
コール成分として20モル%以下をジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、テトラメチレングリコール、ネオペン
チレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフエノールA、ポリオキシエチレングリコール
成分等で置き換えたコポリエステルあるいはポリ
テトラメチレンテレフタレートの場合にも好まし
く適用される。 本発明の適用により口金汚れの蓄積が大巾に抑
制されるので長時間の安定した紡糸が可能であ
り、口金修正周期が大巾に延長できる。しかも不
活性気体シールの場合のような、シールそれ自体
に起因する紡糸切れは全く起こらず、また水蒸気
で口金下を置換した場合のような触媒、各種添加
物の昇華付着の増大、糸質への悪影響の問題も回
避されるので、良好な糸質にて安定した紡糸状態
を長時間にわたつて維持することが出来、その奏
する効果はまことに大である。 以下実施例を挙げて本発明を更に説明する。 まず各種の測定法につき述べる。 〈口金汚れの大きさ〉 所定期間紡糸を行つた口金を紡糸パツクより取
外し、吐出孔を顕微鏡にて観察する。吐出孔周辺
に堆積した異物の口金面からの平均高さ(単位
μ)および吐出孔の縁からの平均巾(単位μ)を
測定し、口金汚れの大きさを評価する。 〈口金汚れの成分の分析〉 口金汚れ物の一部を採取し、X線マイクロプロ
ーブアナライザ(XMA)にて金属成分の定性分
析を行つた。 また有機成分については、汚れ物を多数の吐出
孔より採取し、O−クロルフエノールにて洗浄し
た後、赤外ペクトルを測定した。 〈未延伸糸ウースター斑〉 〓〓〓
計測器工業製イーブネステスタを用いて常法に
従い測定した。数字が少ない程良好であるが、実
用上は1.1以下であれば問題はない。 〈変形断面未延伸糸の変形度〉 未延伸糸を着色パラフインにて包埋し、薄く切
断してプレパラートを作製して顕微鏡にて断面形
状を観察した。変形度は視覚判定により1〜5段
階にランク付けした。数字が大きい程変形度が大
きいことを示し、4〜5であれば変形度良好であ
る。 〈口金下雰囲気の露点〉 口金下1cmの位置より雰囲気気体を保温した導
管を通じて露点計に導き測定した。 また以下に示す実施例中において、流量は第1
図に示した気体流出管6に接続する導入管10に
て測定した値であり全て常温常圧に換算した値で
示すが、一般的には紡糸筒に流出する気体の流量
を測定し得る位置であればどの位置で測定しても
よい。 実施例1(実験No.1) 触媒としてアンチモン化合物を300ppm(アン
チモン原子換算)、カルシウム化合物を180ppm
(カルシウム原子換算)、リン化合物を60ppm
(リン原子換算)それぞれ含有し、かつ顔料とし
て二酸化チタンを0.5wt%添加した固有粘度0.65
のポリエステルテレフタレートを使用し、第1図
に示した装置を用い以下に述べる条件で紡糸、延
伸を行つた。(紡糸筒内空間容積2.7) 紡糸は口金直径10cm、孔数36、Y字形孔の口金
を用いて吐出量22.5g/分、紡糸温度285℃にて
紡出し、1120m/分にて引取りを行つた。延伸は
倍率3.0、熱ピン温度100℃、速度400m/分、パ
ーン巻量1.35Kgで行い、延伸糸で50デニールのマ
ルチフイラメントを得た。 紡糸に際しては、予め混合せしめた空気と水蒸
気の混合気体を第1図の気体流出管6に接続した
導入管10より8.0/分の流量で導入し口金面
下に流出させ、雰囲気の露点を50℃とした。また
口金面へのシリコーン塗布については、紡糸スタ
ート時にポリメチルフエニルシロキサンの少量塗
布を行い、以降は口金面修正を行わずに口金汚れ
の成長の状況をみた。結果を表1に示す。 口金汚れは、紡糸開始後10日目に至つても非常
に少なく、またIRスペクトルでポリエステル劣
化物は検出されなかつた。 また、紡糸日数を重ねても紡糸や延伸時の糸切
れの増加はみられず、安定した製糸が可能であつ
た。未延伸の断面形状、ウースター斑共いずれも
良好な状態が保持された。 比較例1(実験No.2) 口金下雰囲気の水分率調節や気流の流通を行わ
ない従来の方法によつて紡糸すること以外は実施
例1と同様にして紡糸、延伸を行つた。このとき
口金下雰囲気下の露点は15℃であつた。結果を表
1に示す。紡糸日数を重ねるに従つて口金汚れが
大きく成長し、それに伴い、紡糸開始4日目には
ドリツプが多発して延伸時の糸切れが多くなり、
6日後には延伸下能、10日目には紡糸下能となつ
た。また紡糸開始4日後の口金汚れ物は茶褐色を
呈しておりIRスペクトルは、ポリエチレンテレ
フタレート劣化物の存在を示した。
【表】 〓〓〓
【表】 実施例2(実験No.2〜4)、比較例2(実験No.5
〜7) 口金下雰囲気の露点を表2の如く変更し、また
紡糸日数を4日とする以外は実施例1と全く同様
にして紡糸を行い表2の結果を得た。 比較例である実験No.7においては口金汚れ物は
茶褐色を呈し、IRスペクトルからポリエチレン
テレフタレート劣化物を含むことがわかつた。一
方実験No.8では、それとは異なり、正八面体の微
小結晶体が多量に吐出孔周辺に析出しそれを中心
として汚れの成長がみられた。このような微結晶
体をXMAにて分析したところSb化合物の結晶体
であることが判明した。 これらのことから、口金下雰囲気の露点が本発
明の規定する範囲より低いとポリエステル劣化物
の蓄積を防止し得ずその結果口金汚れの成長を抑
制できないことがわかる。また露点が本発明範囲
よりも高いと、アンチモン化合物の微小結晶体の
付着が著しくなり口金汚れはかえつて増大し、紡
糸時の糸切れの増加がみられた。更にこの様な微
小結晶体の吐出孔周辺への多量析出により紡出未
延伸糸の断面変形度が大きく低下することがわか
る。
【表】 実施例3(実験No.9〜12)、比較例3(実験No.
13) 流出せしめる混合気体の流量を表3の如く変更
し、かつ紡糸日数を4日とする以外は実施例1と
全く同様にして紡糸、延伸を行い表3の結果を得
た。口金下の含湿空気流量が多い程本発明の意図
する口金汚れ防止効果がより顕著となることがわ
かる。 〓〓〓〓
しかし流量が式(1),(2)で規定される量より多い
と、口金汚れに関しては問題はないが、糸条の糸
切れの激化、冷却状態の変化により紡糸および延
伸時の糸切れが多く、またウースター斑が大きく
なる。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に適用し得る溶融紡糸装置の概
略図である。 1……吐出糸条、2……口金、3……紡糸筒、
4……保温部、5……チムニー、6……気体流出
管、9……円錘台状筒。 〓〓〓〓

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アンチモン化合物および/又はゲルマニウム
    化合物を触媒として製造されたエチレンテレフタ
    レート単位を主体とするポリエステルの溶融紡糸
    に際し、紡糸筒内の口金直下を、露点30〜65℃に
    保つた空気雰囲気とすることを特徴とするポリエ
    ステルの溶融紡糸方法。 2 空気雰囲気を水蒸気を含んだ空気を紡糸筒内
    に流出せしめることにより調整する特許請求の範
    囲第1項記載のポリエステルの溶融紡糸方法。 3 水蒸気を含んだ空気の流量(/min、常温
    常圧換算)を下記(1),(2)式を共に満足する範囲で
    紡糸筒内に流出せしめることを特徴とする特許請
    求の範囲第2項記載のポリエステルの溶融紡糸方
    法。 V≦12V0 ……(1) V≦40 ……(2) 〔ただしV0は紡糸筒内空間容積()〕
JP12796880A 1980-09-17 1980-09-17 Melt-spinning of polyester Granted JPS5756515A (en)

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