JPS6110692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は背中、腰部および首部等の人体の所
要部位を加温かつ加振状態でマツサージできるよ
うにしたバイブレータ付き加温式マツサージ器に
関する。

人体の背中、腰部および首部等には多数個のツ
ボが存在し、このツボを捉えたマツサージないし
指圧療法は健康回復等に極めて効果的である。こ
のため従来からこの種のマツサージ器として回転
ローラを備えたものがある。このマツサージ器は
手に持つて回転ローラを所望のツボ部分にあてが
いマツサージないしは指圧を行なうようにしたも
のである。しかしながらこのような従来のマツサ
ージ器は手に持つて使用するものであつたため十
分な指圧力をもつてマツサージすることが難し
く、また背中や腰部等身体の裏側部位に自分自身
で的確にあてがうことが難しいという問題点があ
つた。

これに対処して本件出願人は先に実願昭56−
168216号で開示したように、基台に適宜間隔をお
いて立設した１対のブラケツト間に支軸を装架
し、この支軸に発熱体を内装するとともに、当該
支軸上に回動自在で、かつ間隔調節可能とした２
個の指圧用ローラを装着した加温式マツサージ器
を考案した。この加温式マツサージ器は基台の部
分でマツト等の上に整置し、この上に人間が仰む
けに寝そべり身体を適宜に移動させて背中および
腰部等の所要のツボ部分に指圧用ローラを位置さ
せて、体重によるツボ部分への指圧作用と、発熱
体による加温作用とでマツサージないしは指圧を
行なうようにしている。そしてこのような指圧な
いしは加温作用に加えて、さらに何らかの機械的
刺激を欲する場合には仰むけのまま自らの身体を
適宜上下に動かすか、または伸縮動作をして指圧
用ローラを身体に押当てた状態で回動させるよう
にしている。しかしながら折角仰むけの楽な姿勢
で寝そべり乍ら、このような上下動等の動作を行
なうことは煩わしい場合があり、またこのような
動作は困難な患者もあつて、この点で先の考案に
係る加温式マツサージ器は改良が望まれていた。

この考案はこのような従来の問題点を解決する
ことを目的としている。第１図〜第６図はこの考
案の実施例を示す図である。

まず構成を説明すると、第１図〜第３図におい
て符号１は一例として木製の基台で、この基台１
上に適宜の間隔をおいて１対のブラケツト２ａ，
２ｂが立設され、これら１対のブラケツト２ａ，
２ｂ間に、金属性筒状体からなる支軸３が考案さ
れている。支軸３の両端部近傍は、ブラケツト２
ａ，２ｂのそれぞれに締込まれた長ねじ４，４が
そのまま貫通状態で螺入されて当該ブラケツト２
ａ，２ｂのそれぞれに固定されている。そしてこ
の支軸３の内部に次のような発熱体が耐振取付態
様で装着されている。この発熱体には第４図等に
示すように角板体に形成されたポジスタ（商品
名）、即ち定温度発熱特性を有するサーミスタ発
熱体Ｈ（以下単にポジスタという）が使用されて
いる。第５図はこのポジスタＨの定温度発熱特性
の一例を示すもので、発熱用の電力印加後、所定
時間経過すると温度の上昇とともに内部抵抗が増
加してその後はほぼ一定の安定した発熱温度特性
５が得られるものである。因みに第５図中には比
較のため発熱体としてニクロムヒータ使用の発熱
温度特性６も図示してある。そしてこのようなポ
ジスタＨの両面部と、支軸３の内周壁との間に、
断面がほぼ半円形に折曲形成されたばね性を有す
る第１スペーサ７ａ，７ｂと、断面円弧状に形成
された第２スペーサ８ａ，８ｂとが重ね合わせて
介装され、当該ポジスタＨは弾力的な耐振態様で
支軸３に内装されている。上記第１、第２のスペ
ーサ７ａ，８ｂは燐青銅、ステンレス、または銅
等の弾発力を有し、かつ良熱伝導性の金属板部材
で形成されている。また支軸３上には、回動自在
とされた２個の指圧用ローラ９ａ〜９ｂと、一例
として７個の嵌脱自在とされた間隔調節リング１
１ａ〜１１ｇとが装着されている。指圧用ローラ
９ａ，９ｂは例えば金属等の熱伝導性の良好な材
質で作製されている。また間隔調節リングＮ１１
ａ〜１１ｇは例えばテフロン等の耐熱性プラスチ
ツク、ネオプレンゴム、シリコンゴム等の耐熱性
の良好な材質のもので作製され、第３図に示すよ
うに１箇所が切断されてこの切断箇所からその弾
力を利用して拡開させることにより支軸３に対し
てそれぞれ嵌脱自在とされている。この間隔調節
リング１１ａ〜１１ｇの支軸３に対する装着態様
は、回動自在または緊密状態の何れでもよい。一
方、基台１のほぼ中央部位には第６図に示すよう
な振動モータ（バイブレータ）Ｍが装着されてい
る。振動モータＭは、DC用のモータ本体M′が振
動に耐えるように円筒形状筐体中にがん丈に形成
され、このモータ本体M′から突出した回転軸１
２にアンバランスウエイト（加振子）１３が偏心
状態で取付けられているものである。この振動モ
ータＭはアンバランスウエイト１３の回転による
遠心力が加振力として作用し、モータ本体M′自
身が振動する。そして基台１への装着態様として
は、基台１の中央部にモータ本体M′の形状に対
応した断面ほぼ半円形の凹状部が穿設され、この
凹状部にモータ本体M′が嵌込まれてその上に所
要形状に形成されたカバー部材１４がねじ１５止
めされて固定されている。

そして上述のポジスタＨおよび振動モータＭに
次のようにして電力印加用のコードがそれぞれ接
続されている。即ち、まずポジスタＨ側について
はこのポジスタＨから導出された２本のリード線
１６ａ，１６ｂが筒状支軸３の端部に嵌着された
絶縁部材１７を介して外部に導出され、この導出
部分に断熱性プラスチツクで作製された保護用の
スパイラル部材１８が巻回されている。このスパ
イラル部材１８によりリード線１６ａ，１６ｂの
絶縁被覆が使用中に他の物とこすれて剥離するこ
とが防止される。一方、振動モータＭからのコー
ド１９はカバー部材１４に嵌込まれたゴムブツシ
ング２０の部分を通じて外部に導出されている。
そしてこのコード１９と前記リード線１６ａ，１
６ｂに連なるポジスタＨ側のコード１６とがゴム
筒２１に共通に挿通されて、このゴム筒２１の部
分で止め金具２２を介して基台突出部１ａにねじ
止め固定されている。ゴム筒２１の部分を経た後
振動モータ側コード１９には振動の強弱をを加減
する強弱２段スイツチS₁と、DC変換用の電源ア
ダプター２３とが介在されて共通の電源スイツチ
S₂に接続されている。強弱２段スイツチS₁は操作
ノブS₁′が真中の中立位置（第１図図示の位置）
にあるときは電源OFFの通常のスイツチとして
機能し、この操作ノブS₁′をＨ側にスライドさせ
たときは振動モータＭの振動を強状態とし、他方
Ｌ側にスライドさせたときは振動を弱状態に調節
できる。また電源アダプタ２３の部分にもDC供
給電圧を２段Ｈ，Ｌに調節できる操作ノブ２３ａ
が設けられている。したがつて振動モータＭは強
弱２段スイツチS₁と電源アダプタ２３部分の調節
部とで合計４通りにその振動の強弱を調節でき
る。一方ポジスタ側コード１６は、振動モータ側
コード１９と適宜に束ねられて電源スイツチS₂迄
直接導びかれている。２４は電源プラグである。

そして当該加温式マツサージ器Ｕは、通常の使
用態様としてはマツト等の上に整置し、人間がこ
の上に仰むけ等に寝そべるようにして所要部分を
マツサージないしは指圧するので、基台１の底面
部には一例としてゴム板等からなる弾発力を有す
る整置用部材２５が貼着されている。この整置用
部材２５の貼着により加温式マツサージ器Ｕは加
振状態でも整置の際の坐りが良好となる。またこ
の加温式マツサージ器Ｕは手に持つて使用するこ
とも可能ならしめて使用態様に多様性を有せしめ
るために基台１の中央部には平面的にみて第２図
に示すようにひようたん形のくびれ部が形成さ
れ、このくびれ部が握持部１ｂとされている。

次に第７図Ａ，Ｂ，Ｃ〜第９図も参照して使用
方法および作用を説明する。背中または腰部の部
分のマツサージないしは指圧を行なう場合、背骨
等の両側に位置するツボの間隔は大人と子供、ま
た身体の大小、さらには各人によつても差が存在
する。そこで使用に先だつてツボの間隔に合わせ
て２個の指圧用ローラ９ａ，９ｂ間の間隔長を一
例として次のように調節する。

即ちまず第７図Ａは前記第１図の場合と同様の
間隔調節リングの配置態様で、全数７個のうち３
個の間隔調節リング１１ｃ，１１ｄ，１１ｅを両
指圧用ローラ９ａ，９ｂ間に位置させてその間隔
長を_１としたものである。この調節態様が標準
の間隔長である。

次に身体の大きいような人でツボの間隔が大な
る人に対しては同図Ｂに示すように間隔調節リン
グ１１ｂを嵌め替えて両指圧用ローラ９ａ，９ｂ
間に４個の間隔調節リング１１ｂ〜１１ｅを位置
させてその間隔長を_２とする。

他方身体の小さいような人でツボの間隔が狭い
人に対しては、同図Ｃの示すように２個の指圧用
ローラ９ａ，９ｂ間から１個の間隔調節リング１
１ｃを取外してこれを指圧用ローラ９ａとブラケ
ツト２ａとの間に移し替え、両指圧用ローラ９
ａ，９ｂ間には２個の間隔調節リング１１ｄ，１
１ｅを位置させてその間隔長を_３の挟幅とす
る。上記のように間隔調節リング１１ａ〜１１ｇ
を支軸３上において適宜に移し替えて両指圧用ロ
ーラ９ａ，９ｂ間の間隔長を自在に調節する。

そして第８図に示すように背中または腰部をマ
ツサージないしは指圧を行なう場合は、加温式マ
ツサージ器Ｕをその基台１即ち整置用部材２５の
部分でマツト等の上に整置し、電源プラグ２４を
図示省略の適宜の電源コンセントに差込んでから
電源スイツチS₂を投入しポジスタＨに通電してこ
れを発熱させ両指圧用ローラ９ａ，９ｂのみを加
温する。即ち間隔調節リング１１ａ〜１１ｇは断
熱材で作製されているのでこれらは殆んど加温さ
れずに両指圧用ローラ９ａ，９ｂのみが加温され
るのである。このとき強弱２段スイツチS₁は、そ
の操作ノブS₁′を中立位置としておいて振動モー
タＭに対しては通電せずにバイブレータ側は非駆
動状態としておく。そして被治療者Ａがこの加温
式マツサージ器Ｕの上に仰むけに寝そべつて適宜
に身体をずらして所望のツボに両指圧用ローラ９
ａ，９ｂをあてがわせる。このとき両指圧用ロー
ラ９ａ，９ｂ間の間隔長が予め所要間隔に調節し
てあるので両指圧用ローラ９ａ，９ｂが背中また
は腰部等における背骨の両側に位置するツボに同
時に正しくあてがわれる。次いで強弱２段スイツ
チS₁における操作ノブS₁′を強Ｈ、弱Ｌ何れかに
スライドさせ、また電源アダプタ２３における操
作ノブ２３ａも強Ｈ、弱Ｌ何れかに切換えて被治
療者Ａの体質等に応じた振動状態となるように振
動モータＭを駆動する。したがつて被治療者Ａは
仰むけに寝そべつた楽な姿勢で自分自身の体重に
より両指圧用ローラ９ａ，９ｂを仰圧するだけの
動作で、所望の２個所のツボへの指圧用ローラ９
ａ，９ｂの的確なあてがい作用と、ポジスタＨに
よる50〜70℃程度の適温での定温加熱作用と、振
動モータＭによる所望強度での加振作用と、さら
には体重によるツボ部分への強い指圧力印加作用
等が相乗的に作用してマツサージないし指圧作用
が増大されて血液循環の捉進等が極めて効果的に
行われ患部のコリ等が十分に解きほぐされる。

また被治療者Ａの好みによつては上記のような
動作ないしは作用に加えてさらに肩とかかと等を
利用して身体を縦方向に伸縮する動作をくり返し
て加えるようにしてもよい。このとき指圧用ロー
ラ９ａ，９ｂは腰部等の押圧力により回動しなが
ら移動するので患部だけでなく背中および腰部等
の広い部分にわたつてマツサージないしは指圧を
効果的に行なうことができる。

次に第９図は上記と同様に仰むけに寝そべつた
状態で首部の部分をマツサージないしは指圧する
様子を示している。各スイツチS₁，S₂等の操作順
序等は第８図の場合とほぼ同様であるが、首部の
部分の場合は、腰部等へのマツサージの場合より
も振動強度はやや弱目に調節する。

また第８図および第９図の使用態様例では当該
加温式マツサージ器Ｕを人体の下に位置させて背
中、腰部または首部の部分をマツサージないしは
指圧する場合を示したが、坐つた姿勢で握持部１
ｂを手に持ち指圧用ローラ９ａ，９ｂを指圧さ
せ、または押圧しながら移動させる等の要領でも
首すじ、腹部、腰部、太ももから足先等の部分ま
でも自由自在にマツサージすることができる。こ
のように本器はときには手に持つたままの状態で
身体に当て何れの箇所までもすみずみまでマツサ
ージないしは指圧することのできる役割が果し得
るという万能的なものであり、かつ極めて斬新性
を有している。

以上詳述したようにこの考案によれば、基台に
立設した１対のブラケツト間に支軸を装架し、こ
の支軸に発熱体を内装するとともに、当該支軸上
には回動自在と２個の指圧用ローラを一適宜間隔
をおいて回動自在に装着し、さらに基台の部分に
は振動モータを装着して加温かつ加振可能とした
から、当該加温式マツサージ器をマツト等の上に
整置してこの上に被治療者が仰むけに楽な姿勢で
寝そべるだけで背中、腰部および首部等の所要部
位に体重による指圧作用、および加温作用に加え
てさらに振動による機械的刺激も同時に作用させ
ることができて極めて効果的にマツサージないし
は指圧を行なうことができる。

また各実施例はそれぞれ上記共通の効果に加え
てさらに以下のような効果がある。

まず支軸に嵌脱自在とした複数個の間隔調節リ
ングを装着した実施例によれば身体の大小等何れ
の人に対しても両指圧用ローラを背中または腰部
等の両側に位置する２個のツボに同時に的確にあ
てがうことができる。

また発熱体に角板状のポジスタを使用し、これ
を板部材で所要形状に折曲形成したばね性を有す
るスペーサにより支軸内に支持装着させた実施例
によれば、マツサージ器全体を加振させるように
したにも拘らず発熱体に損傷を与えることなく支
軸内に常時安定確実に装着させておくことができ
て長寿命化を図ることができる。

さらに基台の底面部に弾発力を有する装置用部
材を取付けた実施例によれば、当該マツサージ器
を加振状態でもマツト等の上に安定に整置させて
おくことができる。

また、本考案は振動モータの強弱切替スイツチ
を順次２個直列に設け、そのうちの一方に非通電
状態を設定する中間スイツチが設けられたので、
それらを適宜操作することにより、患部の箇所あ
るいは症状に応じて４通りの振動数が得られ、ま
た、振動を与えないで加温のみでも患部を指圧す
ることが出来、きめの細かいマツサージ作用を施
すことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るバイブレータ付き加温
式マツサージ器の実施例を示す正面図、第２図は
同上実施例の平面図、第３図は第１図の−線
断面図、第４図は同上実施例に適用するポジスタ
の装着態様を示す分解斜視図、第５図は同上ポジ
スタの定温度発熱特性の一例を示す特性図でニク
ロムヒータの発熱特性も併せ示す、第６図はこの
考案に適用する振動モータの一例を示す斜視図、
第７図Ａ，Ｂ，Ｃはこの考案の実施例における両
指圧用ローラ間の間隔長調節態様の説明図で正面
図を以つて示す、第８図および第９図はそれぞれ
この考案の実施例の使用態様例を示す側面図であ
る。 １：基台、１ｂ：握持部、２ａ，２ｂ：ブラケ
ツト、３：支軸、７ａ，７ｂ，８ａ，８ｂ：ばね
性を有する第１、第２のスペーサ、９ａ，９ｂ：
指圧用ローラ、１１ａ〜１１ｇ：間隔調節リン
グ、１６：ポジスタ側コード、１９：振動モータ
側コード、２３：電源アダプタ、２４：電源プラ
グ、２５：整置用部材、Ｈ：ポジスタ（サーミス
タ発熱体）、Ｍ：振動モータ（バイブレータ）、
S₁：強弱２段スイツチ、S₂：電源スイツチ、Ｕ：
バイブレータ付加温式マツサージ器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基台の両端部に立設した１対のブラケツト間に
   支軸を装架し、この支軸には嵌脱自在とした弾性
   体でかつ耐熱性の複数個の間隔調節リングと２個
   の指圧用ローラを回動自在に装着し、この筒状体
   からなる支軸内に、板部材で折曲形成されかつば
   ね性を有するスペーサにより角板状に形成された
   定温度発熱特性を有するサーミスタ発熱体を支持
   装着し、更に基台の中央部にはひようたん形にく
   びれた把持部を形成し、底面部には弾発力を有す
   る整置用部材を貼着し、該基台のほぼ中央部内に
   モータ本体の形状に対応した凹状部を穿設して、
   この凹状部にモータの回転軸にアンバランスウエ
   イトを偏心状態で取付けた振動モータを装着し、
   さらにこのモータに連絡する強弱２段の切替スイ
   ツチを２個直列に配置してなることを特徴とする
   バイブレータ付き加温式マツサージ器。