JPS6110034Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ねじ軸と、このねじ軸に螺合する
ナツトにより構成され回転運動を直線運動に変換
する運動方向変換装置、特にその直線運動の収縮
側のトラベルを制限する機構に関するものであ
る。

従来この種の装置の実施例としては第１図およ
び第２図に示すものがあつた。図において、１は
外周部にねじ１ａを形成したねじ軸、２はねじ軸
１に螺合するナツト、３はハウジング４はねじ軸
１をハウジング３に保持する玉軸受５は合成樹脂
で作られたブツシユである。

次にこの装置の動作について説明する。玉軸受
４に保持されたねじ軸１が回転することにより回
転方向の運動をさまたげられたナツト２が横方向
に直線運動する。そしてナツト２が収縮側のトラ
ベル端に達すると、ナツト２の肩部がブツシユ５
に衝突するため、ブツシユ５が圧縮変形を起こし
衝突エネルギを吸収し他の機構に損傷を与えない
で停止する。

ところで、従来の回転運動を直線運動方向へ変
換する運動方向変換装置は以上のように構成され
ているので、トラベル端における衝突エネルギは
ブツシユ５の圧縮変形により吸収されるが横方向
の荷重は玉軸受４の外輪と内輪に対するスラスト
荷重となり、スラスト許容荷重の大きな玉軸受が
必要であつた。

また、玉軸受４の外輪に荷重が伝達するために
は、第１図に示すようにナツト２の外径を大きく
するか、第２図に示すようにハウジング３の巾を
広くする必要があるなど、構造が大きくなる欠点
があつた。

この考案は上記のような従来のものの欠点を除
去するためになされたもので、この種の装置にお
いて、玉軸受のスラスト許容荷重を低くすること
を目的とする。そして、この考案の構成は玉軸受
の外輪を押え横方向の荷重で変形可能なスペーサ
と玉軸受との間にシムを挿入しトラベル端におけ
る横方向の荷重が玉軸受の外輪と内輪に加わるよ
うにしている。

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第３図は実施例の断面図、第４図は部分拡大
図であり、第１図第２図と同一符号は同一または
相当部分を示し、６は玉軸受４の外輪とブツシユ
５の間に挿入され、玉軸受４の外輪の押え横方向
の荷重で変形しうるスペーサ、７は玉軸受４の外
輪と内輪に接触する複数枚のシム、８はシム７の
両面に付着するグリースである。

次に動作について説明する。ナツト２が収縮側
のトラベル端に達するとナツト２の肩部がブツシ
ユ５に衝突するためブツシユ５が圧縮変形を起こ
す。この時横方向の荷重はスペーサ６の側面に加
わり変形が生じ、スペーサ６とシム７と玉軸受４
が密着する。密着した後の横方向荷重は玉軸受４
の外輪と内輪に同時に作用するため、玉軸受４の
スラスト方向荷重にはならない。また、スペーサ
６の変形は衝突エネルギの一部を吸収する効果も
ある。玉軸受４の内輪とシム７の焼きつく危険性
は、シム７の複数枚使用しグリース８を充てんす
ることにより十分防止できる。

なお、上記実施例ではブツシユ５により衝突エ
ネルギを吸収する構造としたが、スペーサ６の変
形で衝突エネルギを吸収する構造としてブツシユ
５を省いてもよい。

以上のように、この考案によればトラベル端で
の横方向荷重を玉軸受の外輪と内輪で受けること
ができるので、玉軸受のスラスト許容荷重が低い
もので設計でき、装置が小型、軽量となる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の回転運動を直線運動に
変換する運動方向変換装置を示す断面図、第３図
はこの考案を示す断面図、第４図は第３図の部分
拡大図である。 図中、同一符号は同一または相当部分を示し、
１はねじ軸、２はナツト、３はハウジング、４は
玉軸受、５はブツシユ、６はスペーサ、７はシ
ム、８はグリースである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ねじ１ａが形成されたねじ軸１と、このねじ
   軸１に螺合するナツト２と、上記ねじ軸１を保
   持する玉軸受４と、この玉軸受４の外輪を軸方
   向に保持し上記ナツト２の軸方向の動きを阻止
   するスペーサ６と、上記玉軸受４の内輪と上記
   スペーサ６との間に挿入されたシム７とを備
   え、回転運動を直線運動に変換するように構成
   した運動方向変換装置。 (2) 玉軸受４とスペーサ６との間に複数枚のシム
   ７が挿入されてなる実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の運動方向変換装置。