JPS609260B2 - 電子写真フイルム物品およびその製造方法 - Google Patents

電子写真フイルム物品およびその製造方法

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JPS609260B2
JPS609260B2 JP49006351A JP635174A JPS609260B2 JP S609260 B2 JPS609260 B2 JP S609260B2 JP 49006351 A JP49006351 A JP 49006351A JP 635174 A JP635174 A JP 635174A JP S609260 B2 JPS609260 B2 JP S609260B2
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ルドルフ クエ−ンル マンフレツド
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    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/08Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic
    • G03G5/082Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being inorganic and not being incorporated in a bonding material, e.g. vacuum deposited

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な電子写真フィルムおよびその製造方法に
関するものである。
本発明の電子写真フィルムの構成要素の1つである光導
電性コーティングまたは層を形成する光導電性材料を特
殊なスパッタリング処理によって被着して後述する諸特
性を達成する。
本発明の電子写真フィルムの場合、コーティングを好ま
しくは透明で可擬性のある基板上に薄いフィルム層状に
堆積し、この基板および光導電性の薄いフィルム層また
はコーティング間にオーム抵抗層を介在させる。以下の
説明では光導電性コーティングを硫化カドミウムとして
特定して説明するが、硫化インジウム亜鉛および後述す
る他の材料も、本発明に従って堆積する場合には、光導
電性の薄いフィルムコーティングとして有効である。本
明細書において「薄いフィルムJと称するは、バルク特
性を示さない特定物質の層を意味するもので、言葉の定
義と矛盾しない。
例えば、表面に1仏(10,000A)以下の厚さを有
するコ−ティングまたは層として被着した半導体または
光導電体は、電荷の存在および電子および正孔の移動に
関して特に電気的異方特性を呈する薄いフィルム層また
はコーティングである。本発明においては、光導電性コ
ーティングおよびオーム抵抗層の合計厚さは通常500
0A、すなわち0.5仏を越えない。光導電性コーティ
ングを3000△程度とする。また、本明細書において
「電子写真フィルム」または「写真フィルム」と称する
は、特定の写真処理工程に使用する数層または数個の薄
膜を競層してなる物品全体を意味するものとする。さら
に、本発明に使用する基板は通常の意味のフィルムとみ
なすことができるが、本明細書においては基板または基
板部材に「フィルム」なる表現を使用しないものとする
。この基板をプラスチックフィルムとしてよく知られた
プラスチックシートの薄い可榛性のある透明な部材とす
るのが好適であること明らかである。既知のように、電
子写真技術においては、静電潜像を光導電性部材の表面
上に形成する。
光導電性部材をまず最初階所内にてその全表面区域にわ
たって帯電させ、この電荷を保持する。この電荷の保持
期間は主として光導電性部村を製造する材料(1種また
は複数種)の物理的特性によって決まる。光導電性部材
の表面を帯電した直後、この表面を再現すべき調子、線
図、文字などのパターンをなす特定形状の放射線エネル
ギーに露出する。この放射線エネルギーを投射光パター
ン、X線投射などの形態とすることができる。上記パタ
ーンの明部に露出された光導電性部材の表面の区域はパ
ターンの比較的暗い部分に露出された区域より導電性に
なる。
光導電性部材の直下には導電性部材が存在し、従って光
導電性部材の照射部分の選択的導電率によって電荷が光
導電性材料の表面の種々の区域からその照射のそれぞれ
の程度に応じて選択的に比例して漏出または放電する。
すべての材料が最初に電荷を受け容れるわけではなく、
さらに電荷を受け容れるもののうちの多くは直ちに漏出
し、従って照射を行わなくても電荷は極めて迅速に減衰
し、ほとんど無効となる。
トナ−を塗布するには電荷を保持する必要がある。ヒジ
コンとして知られる電気的蓄積形撮像管においては、電
荷を高速で減衰するには、表面の像への露出を電気的に
感知し、これを特定形状の蓄積装置に伝送することが必
要である。ビジコン管に使用される材料は、トナ−を用
いる静電装置によって像を記録する場合には実際上無効
である。光導電性層には、電荷を受け容れこれを階所内
で保持し得ること以外に、明るい区域においてはめて迅
速にかつ照射光の量にほぼ比例する程度まで放置するこ
とが必要である。
光導電性部材の蚤量は、その利得、すなわち光子が表面
に衝突る毎に導電性部材へ移動する電子の数の尺度でる
。一般に使用されているゼログラフイプレートおよびェ
レクトロフアツクスシートのようなもともよく知られた
電子写真部材は1またはこれより僅かに良好な利得を有
する。今日のハロゲンヒ銀乳剤フィルムと比較すると、
利得はこれらの来の光導電体の利得より著しく大きくす
る必要ミあるが、このことは本発明の出現まで達成され
なかった。光に露出された場合の放電の速度は/導電性
部村の速度の尺度である。既知の光導電性部材の場合こ
の速度を秒単位で、好ましくは数ごの1秒の単位で測定
する。よく知られているように、現在の高速写真フィル
ムを数ミリ砂以内で光することができる。このことは本
発明に係る/導電性材料についても実際に通用すること
は明らかである。再現または複写の目的に使用されるほ
とんどの露処理方法に対照となるものがない写真フィル
ムの他の特長は、連続調子灰色スケールである。
パターンの暗い部分を電荷の保持によって表わし、明る
い部分を放電によって表わす。既知の静電部材は光のも
っとも明るい部分でも十分に放電し得ない。また電荷保
持特性は、ほとんどの写真フィルムが到達し得る繊密な
黒を提供するのに十分なものではない。既知の電子写真
方法の説明をさらに続けると、ゼログラフイまたはェレ
クトロフアツクスのいずれにおいても、電子写真部材の
表面上に生じる電荷の幾何学的パターンにより前述した
潜像を構成する。
電荷は、その電位が十分なものであれば適当に極性化さ
れた微粒子を静電的に吸引し得る性質を有する。ゼログ
ラフィおよびェレクトロフアツクスの分野では、微粉砕
した粉末または懸濁液の形態の微粒子を光導電性部材の
表面に接触させる。粒子を潜像によって表示される電荷
パターンに従って種々の程度で表面に選択的に被着し、
この後過剰分の粒子をブラシまたは他の段により表面か
ら徐去し、残存するトナー(粒子をトナーと称する)に
よって可視像を形成する。ゼログラフィの場合はこの可
視トナー像を紙シートのような受像部材に転写し、よく
知られた技術を用いて上記像を受像部材の表面に永久的
に融着または焼付ける。ェレクトロフアックスの場合に
は転写を行わず、像を電子写真部材に融着し「かくして
得る部村をコピーとする。調子を有する像を形成するこ
とに関連して問題が派生する。
粒子を吸引するのに十分な電荷を得るには十分な表面電
位が必要である。像が暗いところに暗さの増加を付与す
るのに十分な電荷が必要である。電荷は適正位置に留ま
り、転写または融着の機械的問題が生じる期間中漏出し
ないことが必要である。この最後の観点において、電荷
およびトナーによって良好な像を形成したとしても、電
荷は調子再現像を転写シートに接触させるかまたは融着
装層と並置するのに要する期間中に著しい範囲まで漏出
し、かくしトナーの大部分が剥離脱落してしまう。像は
明るくなるかまたは点状となる。既知のゼログラフイお
よびェレクトロフアックス方法を現在の写真と同じ目的
に適用するのは容易でない。
さらに、これらの方法に固有の特徴のために高速度写真
に有効となるそれらの類似点が排斥されてしまう。現在
のもっともよく使用されているゼログラフィ方法では、
無定形セレンで被覆した大形金属ドラムを光導電性部材
として使用する。この光導電性部材は、利得が著しく低
く、また厚さを極めて厚く(数分の1インチ程度)して
調子再現を可能にする十分な電荷を確立し得るようにす
る必要がある。帯電時の表面電位が低いので長い調子再
現時間が必要となる。このようにして行う方法は複雑で
、精密かつ高価な機械で行う必要があり、このような機
械の速度、解像度および適応性ならびにその工程は理想
とは程遠い。現在のェレクトロフアックス装置では、酸
化亜鉛被覆導電性紙を使用し、これを帯電し、露光し、
トナー浴中に通過さて、次いで融着する。この場合にも
光導電利得は低く、解像度は粗く、灰色スケールは短く
制限されたもので、装置は複雑かつ大形である。上述し
たいずれの従来方法も小形の携帯カメラに具体的に適用
することはできず、またたとえ実現できたとしても、こ
れらの方法または任意の他の既知方法では、微粒子ハロ
ゲン化銀乳剤写真フィルムを使用する通常の高速度カメ
ラで得られる速度および質に接近することができない。
既知の方法、装置ならびに使用する光導電性材料および
物品は、これらに固有の欠点によって高速度写真、高解
像度のマイクロ写真および他の多くの技術分野のような
領域に使用することができない。
投影可能なマイクロフィルムを用いた記録保存技術の分
野では、高解像度を有し長期間の保存に耐え得る写真部
材を簡単な装置で迅速かつ経済的に製造する方法が長い
間望まれている。例えばマイクロフィルム記録ではこれ
に既に記録されている情報に悪影響を及ぼすことなく所
望に応じて新たな情報を追加できることが極めて望まし
い。従来の写真マイクロフィルムは情報を追加するため
に再露出することは不可能である。
マイクロフィルムを現像する場合にその固有の構造およ
び処理工程により乳剤が破壊される。上述した電子写真
方法により高解像度および長期間の保存寿命を有する電
子写真フィルムを製造することができれば、この電子写
真方法はマイクロフィルム記録を形成する方法として好
適である。前述したところから明らかなように、光導電
性の薄いフィルムコーティングを無期限に保存すること
ができるならば、コーティングに既に含まれる記録に追
加の情報を加えるたび毎に、薄いフィルムコーティング
の表面を帯電し、これを露出し、新たな像を表面に定着
することができる。このことは、トナーを表面に直接塗
布し表面に永久的に融着し得ることを前提としている。
既知の透明な電子写真記録素子は光、高温および湿気に
長時間さらされると劣化し易い。
従って、このような記録素子は注意深く取り扱い、制御
された状態で保存する必要があり、また一定限度の回数
しか再露出することができない。このような記録素子は
永久的な性格の記録に使用する上で著しく制限される。
従って上記記録素子をこの種の記録に使用することは実
際的でない。上述した説明は従釆技術の欠点の一部を考
察したものにすぎない。
本発明が当業界においてなした発展が狭い範囲に限定さ
れるものでないことを強調するために、本発明により解
決した問題の幾つかを以下に考察する。従来の写真フィ
ルムのハロゲン化銀ゼラチンコーティングによって、所
謂ゼログラフイおよびヱレクトロフアックス形の既知の
電子写真フィルムよりも速度および解像度を高くするこ
とができる。
しかしながら、このゼラチン乳剤には、フィルムを繰返
し露出して有害作用を与えることなくフィルムに情報を
追加することができない欠点のほかに種々の欠点がある
。従来のハロゲン化銀フィルムの乳剤は厚さ約140一
である。
これに対し本発明の物品の薄いフィルムコーティングは
数分の1ミクロンの厚さである。従って従来のハロゲン
化銀フィルムを損傷を与えることなく屈曲するのは容易
でない。またその解像度は、銀が現像中に沈殿する場合
の像のアンダーカッテイング量によって限定される。さ
らに、乳剤中の気泡により現像された写真の透明さが据
われる。製造時には、フィルムを常光下で検査すること
ができず、特殊な暗箱に入れなければ取扱いおよび輸送
を行うことができない。乳剤は普通の液体に溶解し、吸
湿性である。これに対し、本発明の電子写真フィルムは
耐久性が高い。
このフィルムの薄いフィルムコーティングはガラス同様
に極めて硬く;ほとんどの液体に不落・性で;極めて精
密な解像度を有し:圧縮容器内でスパッタリングによっ
て被着し得、従って気泡を含有せず:光によって影響を
受けず、従って明るい光の下で自由に取扱えかつ簡単に
検査できる。またこのコーティングは擬似金属合金また
は化合物であるので、非吸湿性で、普通の銀乳剤形の写
真コーティングを劣化するあらゆる因子による劣化を受
けない。普通の写真乳剤および既チの電子写真コーティ
ングのスペクトル応答範囲は比較的限定されている。
既知の電子写真コーティングの光導電利得は本発明の物
品の場合より著しく4・さく、このことは従来の電子写
真フィルムが本発明のように極めて高い解像度をもち得
ないことの大部分の原因となっている。従来のフィルム
物品の厚さが厚いことは解像度を低下する主な原因であ
った。本発明に係る光導電性コーティングは、これらの
物質に知られていなかった優れた特性を呈するので、そ
れ自体新規である。
これらの特性については後述するが、このコーティング
は薄いフィルムで、結晶質で、完全に無機質で、光導電
利得が極めて高く、単位表面当り極めて高い電位を受け
容れる能力を有し、電荷を階所内で完全な調子再現を可
能にする期間中保持でき、極めて繊密で、ほぼパンクロ
マチック性である。このコーティングを慣例の無線周波
(RF)スパッタリング装置を用いるスパッタリング法
によって彼着するが、この場合スパッタリング法を修正
して陽極付近に暗空間を形成し得るようにして極めて繊
密な堆積物を生成する。既知の光導電性材料はある程度
の光導電持統性を有するが、このことは高速度露出およ
び鮮明な像を妨げるので厄介なことであった。
光にあてると光導電性コーティングの放電が開始される
が、光を遮断してもほとんどの従来のコ−テイングは短
時間だけ放電し続ける。本発明に係るコーティングにお
いては、露出を完了した際に光導電持続性は存在しない
。コーティングを暗所内に配置すれば放電は直ちに遮断
され、後述するような高速度および高解像度の像が得ら
れる。本発明の電子写真フィルムとして使用するよう製
造する物品は、可擬性の透明な重合体プラスチックシー
トよりなる基板部材と、この基板上に配置され、例えば
硫化カドミウム、硫化インジウム亜鉛または同様の光導
電体のようなスパッタリングした光導電性材料よりなる
薄いフィルムコープィングと、これらの基板部材および
光導電性コ−ティング間に配置され、酸化インジウムな
どのオーム抵抗層よりなる中間の薄いフィルム層とをも
って構成されている。
本発明の物品はゼログラフィおよびェレクトロフアック
スの既知の技術に従って使用できるが、任意の既知の電
子写真フィルムまたは機体より著しく優れた物品である
ことを保証する機能および特徴を有する。
この物品を特別な方法で使用して優れた結果を達成する
ことができる。光導電性材料の薄いフィルムコーティン
グをコロナで帯電させ、この電荷を十分に保持してコー
ティング表面をフィルム上に再現したいパターンの放射
線に露出し得るようにする。この放射線によって電荷を
表面から光導電性露出表面のそれぞれの露光程度に従っ
て選択的かつ比例的に露出させる。オーム抵抗層は電子
を光導電性の薄いフィルム層から導出して潜像を構成す
る電荷分布を残すよう作用する。基板部材はオーム抵抗
層および光導電性層双方の機械的支持体となる。数個の
光導電性の薄いフィルム層を設けることができる。本発
明に係る光導電性コーティングは、慣例のスパッタリン
グ装置を使用する無線周波(RF)スパッタリングによ
って製造するが、RF発振器の出力を適当に構成してタ
ーゲットおよび陽極間に形成されるプラズマに2個の階
空間を設定し得るようにする。
陽極は当然基板保持具でもあり、プラズマ中を通過する
原子を陽極の方へ指向させ、介在する基板に掛合させて
この上にコーティングを形成する。賭空間の1つは通常
プラズマおよびターゲット間に生起する情空間である。
普通の条件下のように陽極が大地電位にある場合には、
他に明確な階空間は存在しない。陽極および陰極を適当
に接続して陽極に所謂「バイアス」をかけると、プラズ
マおよび陽極間に第2の階空間が生起する。この場合に
は陰極のまわりに配置したシールドを大地に接続する。
かくして得るコーティングの特徴は、慣例のスパッタリ
ングを含む任意の既知の堆積方法で製造した従来の光導
電性コーティングとは根本的に相違している。
本発明に使用するのと同一の材料、例えば硫化カドミウ
ムを使用して慣例の方法でスパッタリングしても、本発
明のコーティングと同一の結果は得られない。例えば硫
化カドミウムよりなる上述したようなコーティングを電
子写真フィルムに細合せることによって以下の諸特性が
得られる(これら以外の特性に関しては本明細書中で後
述する)。
‘a} 優秀な電荷受容性および保持性、電荷を十分な
期間保持して調子再現を完全かつ迅速に行つo‘b}
極めて高い光導電利得、階および明の両極端範囲まで著
しく優れた灰色階調を与える。
【cー 顕著な可操性、光導電性コーティングおよびオ
ーム抵抗層の全体を可操性プラスチックシートの基板に
接着した場合。
{d)コーティングの透明性、オーム抵抗層と結合させ
た場合でも入射光の70〜85%を透過する程度に著し
く透明で、基板が透明な場合には投影可能な透明原稿を
製造することができ、いずれにしても光に出する際のコ
ーティングの放電を促進する。
{eー 放射線、特に可視領域の放射線に対するコーテ
ィングの広い光電スペクトル応答。
{f)耐久性、安定性、耐摩耗性、光疲労が存在しない
こと、オーム抵抗層および基板への接着性、および咳)
経済的な大量生産が容易なこと。
光導電性コーティングを導電性またはオーム抵抗層に被
着し、オーム抵抗層を可榛性の良好な有機重合体シート
部村上に担持させる。
まず最初光導電性コーティングを脂所内で帯電させ、次
いで帯電表面を光パターンにさらして露光を行う。帯電
は既知の電子写真部材の場合より速い速度で行う。電荷
が極めて迅速に受容されるので、表面を帯電して得る電
位は表面の飽和電位より実質的に高くなるが、コーティ
ングが極めて薄いので極めて低い電位、例えば40〜5
0V程度の表面電位が示す単位厚さ当りの電圧は、表面
を500Vまたはこの付近に荷電した普通のゼログラフ
ィ部材の場合より数千倍高くなる。本発明の電子写真フ
ィルムの感度は表面電位に関係し、従って実際上単位電
位が高ければ、電荷は一層高く、また感度は一層良好に
なる。
明るいパターンの場合には、帯電を比較的明るさの低い
パターンの場合程に高い電位まで行う必要はない。従っ
て使用者は記録せんとする対象物の明るさに従って所望
に応じてフィルムの感度を調節することができる。露光
を行った後、電子写真フィルムに調子を再現し、トナー
を適正位置に融着するか、または受像部材に転写するこ
とができる。
このフィルムの特徴として、電荷を比較的長時間保持で
き、従って使用者がフィルムに調子を再現し、生成する
像を検査し、満足できない場合にはこれをぬぐい去るこ
とができる。フィルムを簡単に記録装置に戻し、次の露
光を行う。例えば記録装置を小形携帯カメラとすること
ができる。融着であれば調子再現現像の検査およびぬぐ
い去りをほとんど無限な回数行うことができ、この場合
にも光導電性表面を損傷したり摩耗したりすることはな
く、また鮮明な良好な質の像を何度も形成する能力を減
少させることもない。適正位置に融着すると像は永久的
なものとなるが、光導電性コーティングには悪影響を与
えず、従って追加の像を同じ電子写真フィルムに直綾配
置し、適正位置で任意所望の範囲に融着することができ
る。
オーム抵抗層および基板が透明な場合には、得られる物
品は投影の容易な透明原稿となる。コーティングを導電
性部材、ガラス基板などの上にスパッタリングすること
ができ、多くの異なる分解におけるその特性を利用する
ことができる。
本発明は新規な電子写真フィルム物品、その製造方法お
よびその使用方法に係わる。
さらに本発明は新規な光導電性の薄いフィルムコーティ
ングをも包含する。本発明の電子写真フィルムは、基板
と、基板に接着したオーム抵抗、すなわち導電性材料の
薄いフィルム層と、この上に被覆する無機光導電体の形
状の薄いフィルムコーティングとをもって構成される。
基板の形状を、安定性の高いプラスチックシートのよう
な薄い可操性絶縁性基板とするのが好適である。本発明
の電子写真フィルムに要求される特徴は、透明性、高感
度「高光電利得、経済性、製造、使用および取扱いが容
易なこと、何度も繰返して露出できること、光、熱およ
び湿気の条件が変化しても安定なことなどであり、この
ほかの特性については以下の必要な個所で指摘する。好
適な基板を使用すれば、得られる電子写真フィルムは著
しく可操性となる。本発明の物品は種々広範囲の重要用
途に使用することができ、その重要な用途の1つにマイ
クロフィルム記録としての用途が含まれる。光導電性コ
ーティングは電子写真フィルム以外に多くの用途に使用
できる。次に本発明を図面につき説明する。
種々の変形が加えられてはいるが、第1〜4図に示すよ
うに本発明の電子写真フィルム10を構成する本質的3
要素は、光導電材料の薄いフィルムコーティング12、
オーム抵抗、すなわち導電性の薄いフィルム層14およ
び基板16である。
これらの3要素のそれぞれについては後に詳述するが、
本発明を十分に認識するためには、全体としての電気特
性について説明するのが有効であると考えられる。特に
、本発明の物品の特性を通常のゼログラフイまたはエレ
クトロフアツクスプレートまたは都材の特性と比較する
ことが本発明を理解する上で有効である。この目的のた
めにL第5図に示す従来の代表的なゼログラフィプレー
トの特性のグラフについて説明する。
第5図において、横軸に右方に増加する秒単位の時間を
とり、縦軸に上方に増加するボルト単位の表面電位をと
る。
図示した現象の表示値は代表的なもので、実際には図示
値より僅かに大きくまたは小さくなることもある。この
グラフを4個の時間区域に分割し、これらにより調子再
現を通して生起するすべての過程を示す。後続の処理は
転写および融着またはェレクトロフアックス系の場合に
は融着のみよりなる。現在もっとも広範に使用されてい
る従来の静電部材は無定形セレンまたは酸化亜鉛一樹脂
混合物でつくられている。
セレンは金属ドラム上に被覆し、酸化亜鉛混合物は導電
紙のシート上に被覆する。これらのコーティングの厚さ
を代表的には20〜160り(lr=10,000A=
1×10‐6肌)とする。図示の第1区域は「階所Jと
命名され、このサイクルの最初の約2秒間にわたって延
在する。
この期間の終端を時点30とする。この期間を2部分に
分割し、第1部分を時点32で示すように約1.4秒で
終端する部分とし、第2部分を「帯電」と命名する。こ
の時間中、静電部材を脂所内に配置し、極めて高い電圧
(キロボルト程度)のコロナにさらす。静電部材の表面
は電荷をその特性によって決まる程度まで受け容れる。
この表面は500Vをいくらか越える点36まで上昇す
る荷電曲線34によって示される表面電位をとる。この
点36は静電部材の飽和電圧とみなされる表面電位に一
致する。理論的には電荷は、飽和位置で、付加されるの
と同じ割合で漏出する。飽和レベルを破線38で示す。
そのまま階所内で、上記間の第2部分が時点32から始
まる。
コロナを停止すると、電荷を表わす電子が電または光導
電性部材の反対側表面に接触した導電性部材に向って移
動し始める。電子が光導電性部材を脱出するのに従って
電荷は消散し、表面電位は減少し始める。この電位の減
少を時点32および30間に実線で示す曲線4川こよっ
て表わす。静電部材をその後も階所内に留めておくと、
曲線4川ま破線42に沿って時点30の右側まで降下し
続ける。これらの曲線40および42は当業界において
静電または電子写真部材の階減衰特性として知られてい
る。電子写真部材が電荷を受けかつこれを保持する能力
はこれがあたかもコンデンサと同様に作用ることを意味
する。
従って光導電性コーティングの固有抵抗を極めて高くす
る必要がある。光にさらされた際の放電能力はその導電
率に関係している。極めて近接するわずかの部分(微小
部分)に対する絶縁性および導電性の両能力をその異方
性によって確立する。この能力は光導電性部材が達成し
得る解像度の尺度となる。既に明らかなように、従来の
電子写真部村は電荷を受容し、これを保持し、かつ異方
性を呈する。これらの特性の度合を全体として類別する
ことにより本発明の電子写真部材と比較するのが最善で
ある。電子写真部材が極めて高速度で放電する能力は都
材の速度の尺度である。また放電の全体はその利得の尺
度である。この場合にも、従来の電子写真部材は放電が
緩慢かつ不完全なものとして類別される。第5図のグラ
フの時間目盛は4秒以上にわたって延在する。階減衰特
性40一42の傾斜は穏当に平坦であるが、実際に得る
必要のある機能について考慮すると急激に降下している
。またこの部材は曲線34で示すように電荷の受容が比
較的緩徐である。約2.乳砂から3.乳秒までの区域を
第3時間区域とする。
この期間中に電子写真部材を光パターンにさらす。この
期間は時点44で終端する。第5図ではこの期間を「露
光」と命名する。この期間中に、最初に付与かれた電荷
が曲線42に沿って減衰する一方、光パターンの光子の
ために帯電電子は電子写真部材の表面から移動除去され
る。もっとも明るい光は最大数の光子を生成し、曲線4
6に沿った最大放電を生じさせる。この曲線は光減衰曲
線として知られている。この曲線はまったく急峻でなく
、放電は完全でなく、曲線48で示すように残留電荷が
残ることに注意する必要がある。このことは従来の電子
写真部材では代表的な値である約35Vの表面電位に相
当する。パターンの種々の影によって表わされる中程度
の光により光放電曲線46′,46″,46川などが得
られる。
これらの曲線はそれぞれ、露光を完了したとき(シャツ
夕を閉じたとき)に停止し、しかる後特定の微小部分に
対して残存する電荷の大きさは下方に変位した時放電特
性に沿って進行する。これらを曲線42′,42″,4
2′′′などで示す。かくて第5図のグラフは第4期間
に入る。第4期間は時点44で始まり時点50で終端す
る。この最後の期間を「調子」と命名するが、こ期間は
約1秒である。
この期間中に露光を完し、露光によって形成され時点4
4で十分に辰された潜像にこの段階でトナー粒子を施す
。時′、、44および50間の期間を十分長い時間とし
て子写真部材およびトナー粒子を相対的に移動させると
ともにトナー粒子を付着させ得るようにする必要がある
。さらに階所および部分的階所に存在した電荷の微小部
分により表わされる電子写真部材の電荷を適正位置に十
分残存させてトナーを付着させ得るようにする必要があ
る。このトナーを完全に付着した後、融着または転写工
程を行う。この工程は時点50より後に始める。点48
の残留電荷によって、もっとも明るい光を電子写真部材
に衝突させたところであっても、トナーが接着するよう
になる。
従って、従来法では仕上り像に完全な白い区域はほとん
ど得られない。同様に階減衰曲線42は時点50で最大
帯電電位36から極めて急速に降下し、従って完全な黒
も得難い。これらの両極端間の灰色スケールは写真等級
のものとは程遠い。従釆法の欠点の1つである光導電持
続性に関して次に説明する。
時点44で光を遮断しても、放電が継続し、このことは
1種の光導電慣性である。この継続放電は材料によって
変化する。曲線46′,46″,46川がそれぞれの情
減衰放電特性を開始する前にこれらの曲線を調子期間へ
僅かに外挿することによって上記作用をグラフに示す。
本発明のコーティングにおいては、このような持続性が
存在しないことが明らかである。従ってこれに対応する
光放電から階放電への移行は急峻かつ鮮鉄である。この
ことは高速度露出を表わし、また高解像度の像を保証す
る。従来の装置によって調子再現像の融着または転写を
行う。
融着の場合には、電子写真部材をトナー浴中に通過させ
るが、このトナー浴は装置を使用し続けるのに従って空
になってゆくので、像は徐々に明るくなる。融着を行う
ときには液体を部材から蒸発させるかまたは乾燥させる
。転写の場合には、ドラムを紙シートに押しつけ、紙に
ついた像を融着し、一方所望に応じてドラムにブラシを
かけ、明るい光で完全に放電させて次の像への用意を行
う。本発明においては、光導電性コーティングを最大で
も厚さ数分の1ミクロンとし、透明にする。
コーティングはその物理的組成に基づき極めて繊密でか
つ前述した有利な特性を呈する。このように薄くするこ
とによって、極めて薄く、可榛性で透明な電子写真部村
を製造することができるが、他の構造的な利点をも得る
ことができる。第6図に示すように使用する実際の電圧
は従来の厚い電子写真コーティングの場合より実質的に
低く、さらに単位厚さ当りの電界強度は従来の部材の場
合より著しく高い。電界強度は約1びV/肌である。他
の特性も第5図および第6図の比較から明らかなように
顕著に相違し、これらについて以下に説明する。この比
較を行う予備段階として、まず第5図のグラフの左下方
部に示した極めて小さい区画に注意する必要がある。
この区画は第6図のグラフの調子再現を通してのすべて
の工程を第5図とほぼ同じ尺度で描いたものである。従
って第6図に示す電圧は第5図の電圧の数分の1である
事実上第5図の50Vの位置にひいた破線52はこのグ
ラフによって表わされる系における電気的雑音レベルを
示す。従って本発明の光導電性コーティングを使用する
際に生起するすべての事象は、従来の部材では実際上無
効と考えられている区域で生起することがわかる。本発
明の系には雑音がまったくない。また、露光および調子
再現はさておいて、本発明の場合の像は第6図に示すよ
うに、従来の光導電性部材がその最大電荷に到達する前
に十分に調子再現されることにも注意する必要がある。
第6図に本発明に従って製造し後述の方法に従って使用
する代表的な電子写真フィルムの光導電性コーティング
の機能および特性を示す。コーティングの薄さ、光導電
利得および暗対光減衰特性の大きな比によって、第6図
のグラフに示す時間および電圧の量は、第5図に示す従
来の代表的電子写真部材の光導電性層の場合と比較して
著しく相違するようになる。
種々の処理の期間および使用電圧は著しく少ない。本発
明では、コーティングをその飽和電圧以上の電圧に迅速
に帯電する、すなわち電撃することを企図している。
第6図のグラフに示す飽和電圧は、硫化カドミウム光導
電性コーティングにとって代表的な値である40Vより
僅かに低い。コロナ電圧を最初の300ミリ砂で急速に
上昇させ、かくて表面電荷を0から約52Vに蓮せしめ
る。帯電曲線は200で示すようにほぼ直線であり、2
02で示す最大電荷の点は破線204で示す飽和電圧よ
り十分に高い。最大電荷の点202からフィルムの表面
電位は、場合によってフィルムがさらされる光の量に依
存する速度で減少する。最大電荷点202からフィルム
を完全な階所内に維持すると、表面電位はこのフィルム
および特定の初期表面電圧202に応じた特定の時減衰
曲線に追従する。この階減衰曲線は2部分よりなり、最
初の部分206は残りの部分208と比較して比較的急
であり、後者の部分208は実質的に後半期の表面電位
減衰の特性を示す。部分206は飽和電圧204に帯電
を完了した瞬間の電圧からの表面電位の減衰を表わす。
この部分の速度は迅速である。その理由は、フィルム表
面が事実上これに強制的に与えられた電荷を有し、従っ
て放電が極めて迅速になるからである。しかしながら、
電荷が第5図に関連して一例を示した普通の電子写真部
材よりはるかに良好に保持されることが明らかである。
グラフに210で示すように飽和状態に到達する際の時
間は著しく遅延し、露光期間を完全に過ぎ、調子再現期
間に入っている。しかし、このようなことが起ったとし
ても時点210までの全経過時間は僅か600ミリ秒に
すぎない。上述したようにこのグラフでは事象は著しい
速度で生起する。飽和状態に到達した後、障減衰曲線は
平らになり、図示のような比較的緩徐な速度で減衰する
帯電した電子写真フィルムに照射を行わなければ、表面
電位は曲線206および208に沿って進むことが明ら
かである。光減衰曲線も2部分よりなるが、これらは飽
和電圧に依存しない。
その理由は、光減衰の速度が極めて遠いので、照射され
た表面の電位が飽和電圧204より著しく低い電圧まで
極めて迅速に低下するからである。このことは大きな光
導電利得を保証する本発明の電子写真フィルムの極めて
重要な特性に基づく。従って、電子写真フィルムに明る
い光を完全に照射すると仮定すると、30ミ1」秒の期
間以内で表面電圧は、実際上屈折部214(OVより僅
かに高い)まで直線である曲線212に沿って降下し、
しかる後曲線216に沿って潮近線的に0に接近する。
ほとんどの場合、後者の曲線216は0に極めて近く、
実際にはほとんど測定できない。電荷密度、従って写真
フィルムを効率的に調子再現した場合に生じる光学密度
は点202で最大となり、屈折点214で最小となる。
本発明の電子写真フィルムを種々の変化度よりなる光の
パターンにさらすので、表面のそれぞれの小増加部分に
対する放電グラフを階および光減衰曲線間に存在するあ
る曲線によって表わすことができる。
説明のためにこれら曲線のうち3本を示す。電子写真フ
ィルムの全露出は、本例では時点0.30の砂および0
.33の砂の間で30ミリ秒間生じるものとして示して
ある。
最大電荷に到達した直後に露光を開始することに注意す
る必要がある。この最大電荷の値、例えば点202の電
圧を記録すべき光景によって与えられると考えられる光
の量と一致するように選択することができる。低平均光
の場合には、表面電荷を最大にして光および日音減衰間
に最大の差を与える必要がある。高平均光の場合には、
表面電荷を最初に左程大きくする必要はない。特定例に
関する説明を継続すると、露光時に与えられるパターン
の3つの異なる光の少しづつ増加した部分は3つの異な
る表面電位状態を生ずる。
第1の光付与部分はもっとも光を多量に有するが、最大
限に大きくはなく、これは露光期間中に曲線217に沿
って放電し、0.33M砂の時点で階所内に入る。点2
18から上記第1の光付与部分は階減衰曲線208に沿
って進行し始める。この階減衰曲線208は点218の
電圧に到達した表面電位で始まる。上記電圧、すなわち
測定値が14Vである電圧が、図の完全に右側外に位置
する曲線208の方へ延在する鎖線220で示されるレ
ベルに従って曲線208を点218まで移行した場合の
曲線208に従って進むとすれば、この場合の表面電位
は曲線222で示される。従って3種の光付与部分のう
ちもっとも明るく照射された場合の全曲線は曲線217
および222よりなる。同様の解析に従って、次の明る
さの照射部分の全曲線は、急降下直線224およびこの
曲線224が点226で屈折しレベル228下に与えら
れる晴減衰曲線230となる。
3種の光付与部分のうち最小に照射された部分に関して
は、初期光放電が直線232に沿って電圧レベル236
の点234まで生じる。
この電圧の下方で生じる階減衰曲線208の部分が図示
されており、点238の右方に進行している。この曲線
208の部分を左方に移動して点234に一致させ、か
くて電子写真フィルムの第3の追加の増加量の放電の継
続状態を表わす。この放電継続状態は曲線240で示す
。曲線206一208は照射がまったくないことを示す
。第6図に明らかなように、調子再現を露光完了の正確
な瞬間、すなわち0.33栃砂の時点から開始でき、1
秒以内の十分な期間にわたって、すなわち、100硯砂
の時点まで継続することができる。
この時間は、トナーを電子写真フィルムに移動する機械
的限界およびトナーが残留電荷に付着する能力によって
決まる。かくして得る光学密度は電荷の量、従って付着
トナーの量によって決まり、上述した条件下では、光減
衰曲線212,216の合計光を有する光付与部分の場
合の光学密度は0.001単位、曲線217,222の
次に明るい光付与部分の場合の光学密度は1.0、曲線
224,230のその次に明るい光付与部分の場合の光
学密度は1.ふ曲線232,240のもっとも少ない照
射光付与部分の場合の光学密度は2.0、階減衰曲線2
06,208で示される照射をまったく受けない電子写
真フィルムの場合の光学密度は2.5となる。
第5図と第6図のグラフを比較すると、第6図に示すよ
うに本発明の電子写真フィルムの場合には残留電荷がほ
ぼ存在しない。従ってもっとも高度に照射された部分は
電荷がなく、完全な白となる。同様に調子再現期間中の
電荷の降下は多くて1または2Vで、従って賭減衰の上
限はほぼ保持され、曲線208上に完全な黒を生成する
。中間階調も傾斜が平坦で、生成する像には連続灰色ス
ケールおよび極めて高い質が得られる。光導電性コーテ
ィングの異方性が適当で、もっとも微粒子の写真フィル
ムに等しいかこれより良好な解像度を実現できる。線1
000本/肋の解像度を得ることができた。飽和電圧2
04以上の表面電位を有する電荷曲線200を光条件下
で使用でき、この場合には本発明の光導電性コーティン
グを有する電子写真フィルムの感度を最大にするのが好
適である。
このことは露光で得られる光が最小の場合である。良好
な光条件の場合にはコーティングを左程高くまで帯電す
る必要はなく、従って帯電曲線200を低い電位で、い
まいま飽和電圧以下で停止し、かくて初期表面電位を低
くすることができる。電荷レベルが比較的低いとトナー
を最適に付着させるのに長い調子再現時間を要すること
はすべての電子写真部材に共通して言える。トナー源お
よび帯電表面間に直流電位を形成してトナーを帯電表面
に静電投射することによってトナ一時間を短縮すること
ができる。第6図のグラフの特徴を考察すると、放電曲
線232,224,217および212の急峻性は光に
さらされたときの高速度放電を表わし、屈折部234,
226,218および214の急転は、露光を完了した
ときの光減衰の瞬間的中断および任意の中間電圧レベル
での階減衰特性への忠実な反転を表わし、最大光にさら
されたときのほぼ0の表面電位までの放電は完全に白い
背景を表わすとともに、完全な白および完全な黒の間の
ほぼ無限の階調を有する灰色スケールを保証し、階減衰
曲線208,240,230および222の平坦性は電
荷を保持しかつ調子再現および調子再現フィルムの検査
に十分長い時間を与え得ることを表わす。
次に第1〜3図に関して詳細に説明する。
第1〜3図には本発明の電子写真フィルムの種々の実施
例を断面図として示してあるが、種々の寸法は物品の各
部分の説明を容易にするために拡大してあり、互に比例
していない。いずれの場合にも基板部材16、光導電層
12および中間に介在する導電性、即ちオ−ム抵抗層1
4を設ける。第1図において、光導電層12をオーム抵
抗層14と同一面積とせずにオーム抵抗層14の一部を
露出して残し、この部分のオーム抵抗層14に接点18
を設ける。さらに高電圧源20およびコロナ発器21を
設けるが、これらよりなる図示の回路は光導電性の薄い
フィルム層12に表面電荷を供給する帯電回路を象徴的
に示す。第2図に示す機体では、横体の端緑に沿って導
電層14の一部またはアルミニウムのような適当な導体
の別個の紬条よりなる部材22を設けて導亀層14への
接点形成を容易にする。
第3図では、上記の細条部材を変形して、基板16の端
縁および底面の一部と係合する形状の都材24を設ける
。これらの接点紬条22または24によりオーム抵抗、
即ち導電層14との良好な接点を得ることができ、この
ような細条を耐摩耗性を得るに十分な厚さに形成するの
は容易である。多くの場合に第1図および第3図の右側
端縁のように端縁を鋭く斜切することによってオーム抵
抗層14の端縁を十分に露出してこのような端縁に係合
するワィパとの電気接点を形成する。次いでこのワィパ
に電源導線を接続する。基本機体を構成する3つの素子
は、好ましくは適当な圧力室内でスパッタリングを行う
ことによって一体化することができる。
基板部材16をまずコーティングを行う前に適当な幅に
切断するのが好適であり、この基板部村16を第1圧力
室に送入し、ここで1表面にオーム抵抗性の薄いフィル
ム層14を被覆する。本発明は、広い区域に亘って被覆
を行い、これを分割して小さい電子写真フィルム部村1
0を製造することをも包含する。或はまた基板部材の紬
条の巻取兼供給装置を第1圧力室に完全に内蔵させるこ
ともできる。次に同様の方法でオーム抵抗層14上に第
2層、即ち光導電層12を被看する。接点区域18また
は縁部22または側部材24は、普通層14およびコ−
ティング12を被着する前に、真空またはスパッタリン
グ技術および/またはマスク技術によって形成すること
ができる。光導電性コーティング12の特性によって接
点18のような特別の接点区域を全く不要とするような
光応答を得ることができること明らかである。光導電性
コーティングまたは層12 光導電性コーティングまたは層12は本発明の電子写真
フィルムを構成する素子の中でもつそも重要である。
その理由は、光導電層が本発明を従来技術より有利にす
る機能的および物理的特性を発揮するからである。この
コーティングは種々の用途にまたそれ自体で極めて有用
である。光導電性コーティングまたは層を形成する材料
については以下に詳細に説明するが、この材料を数種の
既知の光導電性化合物の1つとすることができる。
これらの化合物は今まで使用されているが、現在知られ
ている限りでは、本発明の特性を有する電子写真部材に
絹合せて成功した例は存在しない。本発明の光導電性コ
ーティングは今まで決して達成されたことのない高度の
特性を有する。例えば、以下に詳述する好適化合物は硫
化カドミウムである。この化合物を微粉砕し有機母材に
埋設して厚い光導電性コーティングに導入するか、スパ
ッタリングして完全に無機質のコーティングを形成する
かしているが、従来法ではいずれにしろ本発明のような
有利な結果を達成し得なかった。すべての場合に上述し
た化合物の光導電層またはコーティングを形成する試み
は本発明の達成点とは程遠いところで失敗しており、こ
のため上記化合物は当業界では本発明のような目的には
まったく使用されていない。本発明においては、硫化カ
ドミウム(CdS)を使用する場合に最善の結果を得る
ことができる。
硫化カドミウムの特性については以下に詳述する。これ
らの特性に基づいて化合物が本発明に係るすべての目的
に適当な光導電性コーティングに埋想的に好適となる。
これらの特性に従って電子写真部材およびこれらの特性
を利用し得る他の横体を普遍的に構成することができる
。他の化合物としては、硫化インジウム亜鉛(Znln
2S4)、三硫化枇素(AS2S3)、セレン化亜鉛(
ZnSe)、硫化亜鉛(ZnS)、テルル化亜鉛(Zn
Te)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カ
ドミウム(CdTe)、枇化ガリウム(GaAS)、三
硫化アンチモン(P舷S3)などがある。これらの化合
物に関して以下に説明するが、下記の特性は特に硫化カ
ドミウム光導電性コーティングの特性である。
他の化合物はこれらの特性を大部分、しかし異なる程度
に有することは明らかである。1 光導電性材料は実際
の場合、純粋な無機質微結晶とし、その層の厚さを数千
オングスト。
−ムとする。従来の有効な硫化カドミウムコーナィング
は有機結合剤および母材との混合物であり、従って厚さ
が本発明の場合より著しく厚く可操性および透明度が著
しく低い。従来の材料の層は一般に真空堆積して結晶が
生成するのを防止する。その理由は結晶が生じると層が
もろくなると考えられたからである。これに対し、本発
明のコーティング12は慎重に結晶にかつ薄く則ち35
00Aのように薄く形成するので、極めて可榛性が高く
かつ透明である。このようにコーティングを薄く形成す
ることにより、コーティングを経ての電子および正孔の
伝導を促進する。この結晶構造を垂直方向に、即ち層を
堆積する表面に対して直角な方向に配向するものとする
。このことは堆積を後述するスパッタリング法で行うこ
とによって達成できる。本発明で達成する可孫性の程度
を示す1実施例では、光導電性材料を厚さ0.127脚
(0.005インチ)の可孫性ポリエステルシート上に
堆積させた場合に、この電子写真フィルムを直径6.3
5脚(0.25インチ)のシリンダのまわりに巻いても
亀裂がじない。
かように直径数分の1インチのシリンダのまわりに巻回
し得ることは、この電子写真フィルムを処理および表示
装置を経て全く問題ないこ移送し得ることを意味する。
光導電層12が無機材料よりなり薄くかつ結晶性である
ことに関連した他の特性としてその密度および硬さを挙
げることができる。前述したように光導電層の表面をガ
ラスのように硬くする。耐摩耗性はフィルムを取扱う上
で重要である。その理由は耐摩耗性を高くすることによ
り、特に被写体の内容が微細な場合にディテールおよび
データを失う原因となるかき傷、切り傷などを防止する
ことができるからである。かくすれば、電子写真フィル
ムを製造する場合、フィルム表面を摩擦ローラなどで係
合してフィルムを摩擦係合状態で移動する必要があって
も何ら支障を生じない。光導電性コーティング12の耐
摩耗性は、これを堆積る方法によって生じる化合物の密
度に関係していると考えられる。
このことによって電気的特性をも既知のコーティングよ
り著しく改善することができる。光導電性材料は特にそ
の薄さおよび半導体特性故に電気的に異万性である。
このことは、この材によって、前述したような電子写真
フィルムおよび光導電体として使用する際に必要なよう
に、材料に供給したかまたは材料内に生成した電子およ
び正孔の不均一なパターンを少くとも所望時間の大部分
の期間(第6図参照)に亘つて維持し得ることを意味す
る。またさらに、潜像に微細な解像度のパターンを正確
かつ忠実に形成し得ることを意味する。2 コーティン
グ12の光導電利得特性を高くする。
従って、1個の光子について1個の電子を導体、即ちオ
ーム抵抗層に駆動するのではなくて、この薄いフィルム
コーティング12の特性によれば、数百万個以上の電子
を移動して莫大な利得を得ることができる。利得特性が
高いことは重要である。
その理由は高い利得特性によって本発明の電子写真フィ
ルムの感度をもっとも高速度の写真フィルムの感度と均
衡する点まで増大し、しかも粗大粒子に基づく同一性格
のディテール損失を伴わないようにできるからできる。
本発明の材料中には粒子が存在せず、結晶構造は極微で
ある。本発明の光導電性材料の利得の増大は、自由電子
を光導電体の禁止帯のエネルギーレベルから解放する結
果であると考えられ、光導電体の薄さに指数的に関係す
る。
言い換えると、層を薄くすれば、電子は一層多量に放出
され、電子写真フィルムの感度は一層良好になる。光の
光子は光導電性コーティングを放電させるのに必要であ
るから、光導電性コーティングがある程度光または放射
線を吸収する必要があることが明らかである。
他方、コーティングが薄い程利得は高くなる。光導電性
コーティング12の厚さは、所望の光吸収および耐摩耗
特性を得るのに十分な材料が存在しかつ所望の利得を得
るのに十分な薄さとなるような厚さとする必要があるこ
とが明らかである。
最小の実用厚さで最大の利得を達成するような厚さの層
を堆積することが望ましい。このような厚さは、任意所
望の材料について、適当な装置で光吸収率を測定すると
ともに耐摩耗性および強度を計測しながら、上記諸一性
質と所望の光導電利得との間の実用上の折衷点を見出す
まで材料を堆積し続けることによって実験的に確定でき
る。光吸収率に関する必要条件はいかなる場合にも満足
させる必要がある。
本発明によれば、利得が1より十分大きくかつ耐摩耗性
が優秀な光導電層で上記条件を満足させることが可能で
ある。3 光導電性コーティング12の暗固有抵抗を高
くして、電荷の受容および保持を促進する。
光導電性コーティングとして好適な硫化カドミウムは元
釆n導電型であり、本発明に従って堆積する場合のよう
にそのもっとも純粋な状態では階固有抵抗が1び2〜1
び4Q−肌、光固有抵抗が約1ぴ0一肌、エネルギーギ
ャップが約2.4段Vである。このような階固有抵抗の
値は優れた絶縁材料を表わしており、階対光固有抵抗比
は1『程度である。
このコーティングを厚さが約3500Aで、光透過率が
70〜85%であるものとする。照射時の導電率増加は
コーティングの感度に関係する。上述した多数の化合物
の他の1例である硫化インジウム亜鉛は、脂固有抵抗が
硫化カドミウムとほぼ同程度で、光固有抵抗が多少高く
、従って階対光固有抵抗比は硫化カドミウムの場合程大
きくはない。
硫化インジウム亜鉛のエネルギーギャップは約2.*V
である。硫化インジウム亜鉛の光導電性コーティングと
しての作用は、少くともこれを光導電層として使用した
電子写真フィルムを試験した場合においては、硫化カド
ミウム程良好ではない。必ずしも必要ではないが、硫化
カドミウムにある種の金属、例えば少量の銅などを不純
物添加して電子のキャリャを追加することができる。
不純物添加によってコーティングを硫化カドミウムより
さらにn導電型とするとともに利得をさらに大きくする
。他の材料にも同じ目的で不純物を添加することができ
る。光導電層を形成する各元素の割合を化学量論的に正
確にする必要があり、このことは堆積条件を制御するこ
とによって達成することができる。
添加不純物を使用する場合には、この不純物の割合も制
御する必要があるが、層全体が無機物であるので、従来
の制御方法によりその制御を比較的簡単に行うことがで
きる。前述したように、硫化カドミウムおよび他の化合
物のフィルムのスパッタリングを行うが、既知の方法で
は本発明の硫化カドミウムコープィングの特性を得るこ
とができない。
「真空シン ポジ ウ ム紀要(Vacu山m S×m
poslmmTransactions)」、1963
王、第335〜338頁に、硫化水素を含有する雰囲気
中で反応性スパッタリングを行うことによる硫化物フィ
ルムのスパッタリングに関する報告が記載されている。
この従釆のスパッタリング法で得られる最大晴固有抵抗
は1ぴ〜1ぴ○−抑にすぎない。この参照例は目的物品
が光電池である点で類似例ではないが、本発明の光導電
性コーティングをこの種の電池に使用することもできる
。上記論文の物品の場合、硫化カドミウムコーティング
は商業的に実用できる完成品というよりはむしろ実験試
作品として説明されている。記載された実験は、種々の
不純物を使用することによって硫化物コ−ティングの特
性を改善する試みに関するものである。ここで再び指摘
しておくが、本発明のコーティングの硫化カドミウムは
極めて純粋で、時固有抵抗が上記論文の著者が測定した
値より1ぴ乃至1ぴ情大きく、実際のしかも末だ知られ
ていない用途に使用するのを可能にする優れた利得、電
荷受容、速度および他の特性を有する。4 硫化カドミ
ウムで製造した本発明のコーティングは実際上パンクロ
マチツク性である。
他の化合物は異なるスペクトル応答を呈する。硫化カド
ミウムコーティングは5000△の区域にピーク応答を
有し、従ってこのコーティングは広い範囲の電子写真、
特に写真用途に好適である。
記録する必要のある任意の種類の放射線によって本発明
の電子写真フィルムまたは光導電性コーティング像を形
成し得るようにする。このような放射線には、すべての
可視光線のほかに、物理実験室で使用され、現在のとこ
ろ他の媒体に記録されているX線および放射線が含まれ
るものとする。本発明のコーティングの材料によって、
従来技術で同一材料について知られまた予期される特性
以上のものが得られる。
このような特性の1つにスペクトル応答があり、これを
第7図の曲線に具体的に示す。第7図のグラフに硫化カ
ドミウムの従来のコーティングおよび本発明のコーティ
ング12のスペクトル応答対透過率を示す。
縦髄に透過率(%)を0〜100%の範囲で示し、機軸
に波長をオングストローム(A)で示す。スペクトルの
可視部分を直線250および252で区分する。曲線2
54は本発明に従って堆積され、干渉計によって測定し
た厚さが4120Aである硫化カドミウムの光導電性コ
ーティングの応答を示す。曲線256は上述した参考文
献「真空シンポジウム紀要」に記載された。従来のスパ
ッタリング法によって堆積した硫化カドミウムの層に関
する曲線である。この場合の厚さは特定されていないが
、代表的には5000Aであると記載されている。グラ
フから明らかなように、本発明の硫化カドミウムコーテ
ィングの透過率は、8000A付近の小区域を除くすべ
ての範囲に亘つて従のコーティングより良好である。
上記小区域は可視区域外でこれより長波長側である。両
者の比較でもっとも重要な観点として、本発明の硫化カ
ドミウムの光導電性コーティング12は可視スペクトル
領域全体に亘つて応答が高くかつ比較的平坦であるのに
対し、従来法で堆積した硫化カドミウム層の場合には応
答が歪んでいる。後者の応答は赤外領域で高く、青緑領
域では低い。従って本発明の硫化カドミウム光導電性コ
ーティングは真の意味でパンクロマチック性であると言
える。このことは他の化合物には通用せず、他の化合物
は異なる応答を示し、異なる領域にピークを呈する。2
種以上の材料のコープィングを使用することによって応
答を改善することができる。硫化カドミウムおよび前述
した他の化合物のスペクトル応答を、不純物添加によっ
て導電率と共に改善することができるが、本発明の基本
的要旨のみで、不純物添加の有無に関係なく従来のコー
ティングより著しく優秀な光導電性コーティングを得る
ことができる。
5 本発明の光導電性コーティングは特定方法により容
易に堆積でき、これにより特異な特性を得る。
本発明の方法により堆積を均一に行うことができ、高速
度かつ制御された状態で製造することができる。従来の
堆積方法では、スパッタリングを使用する場合であって
も、厚いコ−ティングを使用するので、過度に長い時間
が必要である。これに対し、本発明のコーティングは極
めて薄く、従って短時間しか必要でなく、かくて電気的
、光学的および物理的特性の観点から優秀な物品を得る
ことができる。本発明においては、光導電性コーティン
グ12をあらゆる場合に真空室内で無線周波(RF)ス
パッタリングによって堆積する。
コーティングを構成するすべての材料を、添加不純物と
ともにまた不純物を除いて、真空室中に導入する。ペー
ストまたは樹脂を取扱うことはない。このような材料を
消費性ターゲットとして導入するか、または処理開始後
に気体または昇華化合物を容器雰囲気中に導入する。化
学量論的に正確な割合を既知の技術によって容易に制御
して、ほぼ完全かつ均一な生成物を得る。光導電性コー
ティング12のスパッタリングは本発明の臨界的部分を
構成する。スパッタ1′ング装置の無線周波回路をバイ
アス配置に接続して第28音空間を形成することによっ
て特性を従来より著しく改善することができる。或る場
合には第2晴空間を自己誘起させることができる。これ
について以下に説明する。結果としては極めて繊密な光
導電性材料の薄いフィルムコーティングが得られる。回
路接続自体または階空間の設定のいずれによって所望の
結果がられるのかははっきりわからないが、階空間が基
準となると考えられる。いずれにしてもこの結果はいか
なる理論でも予期し得ない。前述した特徴は排他的なも
のではないが、もっとも重要であると考えられる。
前述した特徴の結果として、またはこれら特徴の外に他
の多くの利点が同時に得られる。例えば、電子写真フィ
ルムを高速度写真部材として有用にする特徴から得られ
る利点は、ある点で写真フィルムと類似し他の点でこれ
より良好であり、電子写真フィルム自体としての用途へ
の適応性をも高める。本発明のコーティングの他の電子
写真部材より優れた利点の1つは完全に無機質なことで
ある。例えば、湿気、光、過度な温度、さらに重要な疲
労に関して何ら問題ない。従来の装置のセレンドラムは
電荷の受容および保持能力を失効し、時間経過に従って
変化する。コーティング自体を、薄く透明で可榛・性の
基板部材に彼着する必要はない。
例えばガラス基板に被着した場合には、講義用スライド
、またはガラス電子写真物品を製造するのに有効である
。また、記録および保存の目的でコーティングを金属円
盤、円筒などに直接被看することができる。これを光な
どで付勢される経済的回路構成要素の製造に使用するこ
とができる。しかし、もっとも重要な用途の1つが写真
フィルムの代替物としての用途であることは既に指摘し
た通りである。オーム抵抗層14 オーム抵抗層14は光導電層12を堆積する前に基板部
材16に堆積する導電層とする。
導電層を設ける第1の目的は、光導電層が光子を吸収し
た際に光導電層の表面からの電子の伝導を促進すること
にある。さらに導電層は光導電層を基板部材に接着する
補助作用もなす。コーティング12を電子写真フィルム
の製造に使用する場合には、層14を透明にする。この
オーム抵抗層14は光導電層12より極めて薄く、50
0A程度にするのが好適である。
この程度の厚さであれば最終電子写真フィルム製品の透
明度および可擬性を妨害することはない。オーム抵抗層
14は光導電層12および基板部村16間に界面を形成
し、光導電層からとび出した電子を伝導する作用をなす
以外に、光導電体の表面を帯電する際に容量回路の1素
子として作用する。オーム抵抗層14用の材料としては
高純度の半導体酸化インジウムが適当である。半導体酸
化インジウムをアルミニウム機縁または導体紬条に接着
することは容易である。またこの半導体材料は、光導電
層を被着するのに使用するのと同一の装置でスパッタリ
ング技術を用いて容易に被着することができる。本発明
の実施例ではこの方法を使用する。他の既知の堆積方法
を用いてもよいが、繊密で平滑な層を得ることができな
い。厚さ100A程度の金属層をオーム抵抗層14およ
び基板16間の界面側の基体上に直接堆積して基板16
とその上に位置する無機オーム抵抗層14および光導電
層12との接着親和力を改善することができるが、この
ことは普通は必要ない。このような金属層をチタン金属
層とすることもでき、第4図に15で示す。金属層は他
の層を堆積するのに使用するのと同一の技術によって、
即ちスパッタリングによって堆積するのが好適であるが
、所望に応じて他の堆積技術によっても容易に堆積する
ことができる。基板部材16 基板部村16は光導電肩12およびオーム抵抗層14用
の支持体、即ち機械的支持体とする。
基板の特性については既に言及してしたが、以下に詳細
に説明する。基板に必要な機械的特性としては可擬性、
強努、透明度、堆積層への接着力および極めて重要な安
定性がある。ここに言う安定性とは寸法安定性、厚さ保
持の安定性、堆積処理時に圧力室内で生じる電気現象お
よび温度変化の影響を受けて生じるあらゆる変化に抗す
る安定性をも意味するものとする。耐摩耗性も基板材料
を選択する上で考慮すべき望ましい特性の1つである。
前記実施例に記載したように、厚さ0.127帆(0.
005インチ)のポリエステルシートが満足し得るもの
である。
この材料を有機重合体とする。例えば商標名「マィラー
Mylar」として市販されているE.I.デュポン社
(米国デラウエア州ウィルミントン所在)製のポリエス
テルはかかる材として優秀な特性を有し、好適である。
この材料は製造方法に基因して、内部応力を生じた状態
のまま市販されている。このような応力を使用前に除去
する必要があり、この除去方法は常態化と称されている
。即ち、フィルムを80%の相対湿度下に約10000
の温度で約30分間さらすことによって常態化を行うこ
とができる。このような処理は既知である。基板材料に
は吸蔵ガスを含有させないようにする必要があり、吸蔵
ガスを適当な室内で脱ガスすることによってガスを除去
することができる。
同様にシートを完全に清浄にして帯電していない状態に
する必要がある。従って使用前にシートを放射性処理す
る必要がある。前述したように、可榛性および/または
透明度が左程重要でない場合には、他の基板を使用して
光導電性コーティングを他の用途に適用することができ
る。
次にフィルム10を製造する方法について説明する。
まず最初完全に調製した基板部材16から出発して、製
造工程の第1段階では、オーム抵抗層14を堆積する。
オーム抵抗層14は、例えば金属層15を含む導電材料
の複数層から構成することもできる。好適な堆積方法に
ついては、圧力室を使用し、無線周波(RF)電界内で
プラズマ蒸気でスパッタリングすることによって堆積を
行う。
基板を陽極上に配置するか、または連続製造方法の場合
には陽極上に移動し、この場合陽極をステンレス鋼でつ
くり、水または他の冷却液で約80qCに冷却するのが
好適である。小形スパッタリング装置の場合には、陽極
を155o0のように高温に加熱することができる。好
適例においては、基板を長い細条の形状とし、ローラま
たはドラムの形状とした陽極上に移動する。小さい基板
部材、例えば5伽(約2インチ)四方程度の正方形部材
を、実験室用または小規模産用の既知のスパッタリング
室の陽極上に配置することもできる。上記装置の陰極は
、オーム抵抗層を製造すべき材料または使用すべき元素
のうちの数種の元素で形成する。
他の元素は室内に導入することによって添加することが
できる。試験の目的で行った1例では、陰極を半導酸化
インジウムで形成した。この材料はオーム抵抗層14を
堆積するための材料である。特定の圧力室の物理特性に
従って、また幾何学形状および使用すべき電圧などを考
慮した上で陰極と陽極との離間隔を決める。本例では室
を約10‐7トールの圧力範囲まで排気した。この状態
はほぼ真空である。次に自動漏洩弁を介してスパッタリ
ング室に極めて純粋なアルゴン、即ち比0およびN2の
含有率がIQ剛以下であるアルゴンを導入し、室内の圧
力を約50ミリトールとした。適当な時点で、無線周波
電界をかけ、アルゴンをイオン化して電子を形成し、こ
の電子がターゲット、即ち陰極に衝突し、ターゲットか
ら酸化インジウムの粒子をたたき出し、かくて陰極およ
び陽極間にプラズマ蒸気を形成し、上記酸化インジウム
粒子を陽極の方へ移送し、ここで基板部材上に堆積させ
る。このスパッタリングを圧力室内の条件によって決ま
る速度、代表的には約15A/秒より僅かに低い速度で
行う。当業界でよく知られた光学装置を用いて厚さを監
視して最終的な厚さを約500Aにする。小形のスパッ
タリング装置を使用する場合には、堆積時間を短くする
必要がある。次に基板部材を上記圧力室から取り出し、
他の製造処理室に移送または配置する。
実験室でまたは小規模生産で処理を行う場合には同じ圧
力室を使用することができるが、陰極、即ちターゲット
は取り換える必要がある。同様の厳密な処理を行ってす
べての残留材料を除去し、汚染を防止する必要がある。
いかなる場合にも、オーム抵抗層14、本例では酸化イ
ンジウムの第1被覆層を設けた基板部村16を再度陽極
支持体上に配置するか、または回転陽極などに移送する
n導電型の硫化カドミウムの光導電層の場合には、陰極
またはターゲットを硫化カドミウムまたはカドミウムの
みでつくることができる。
最初に圧力を10‐6トールまで降下し、次いでアルゴ
ンガスおよび硫化水素を導入して20ミリトールに調節
する。硫化水素によってプラズマ蒸気中の硫黄の量を正
しく規定し、化学量論的に正確な割合のカドミウムおよ
び硫黄をオーム抵抗層の頂部に堆積し得るようにする。
実際上、硫化水素は硫黄の蒸気圧を均衡させる背景ガス
として作用する。これにより硫化カドミウムの分解を防
止し、化学量論的量を制御する。いずれの堆積処理時に
おいても、基板部材16の裏側表面をブロックするかま
たはマスクして普通の処理状態で裏面に堆積物が被着す
るのを防止することは明らかである。硫化カドミウム陰
極を使用する場合には、導入する硫化水素の量をアルゴ
ンの約500〜1500■pmとする。カドミウム陰極
を使用する場合には、この割合を増大する。堆積の最終
圧力を7〜15ミリトールの範囲とする。スパッタリン
グ室中に昇華塩化鋼の形態の少量の銅を導入するが、こ
の導入は銅塩を制御弁を介してスパッタリング室と運通
した排気容器内に保持することによって行うことができ
る。
この場合の銅は添加不純物であり、これにより元来n型
の硫化カドミウムのキャリャを増加する。他の不純物添
加法としては、イオン注入、拡散移動などがある。
無線周波高電界を印加することによって必要なプラズマ
を生成し、これにより硫化カドミウムをオーム抵抗層上
に堆積して光導電層12を形成する。
本例では堆積速度を約6〜15A/秒とした。工業的装
置の場合には速度を遠くすることができる。所望により
銅を少量十分に制御して添加し、オーム抵抗層上の硫化
カドミウムに5×10‐4重量%の量だけ不純物添加す
る。実施例の大部分は全く純粋である。スパッタリング
を適当時間継続して光導電層12の厚さを3000Aと
する。本例では層の微結晶構造中の結晶の平均直径を約
0.1〃、即ち層自体の厚さの約1/3とした。前述し
たように本発明のもっとも重要な観点の1つは特殊なス
パッタリング法を使用することにある。
スパッタリング法をオーム抵抗層14および光導電性コ
ーティング12を堆積するのに使用するが、特に光導電
性コ−ティング12をスパッタリングする場合がもっと
も肝要である。この方法は謀称ではあるが、一般に「バ
イアス」スパッタリングと称する。通常のスパッタリン
グ法においては、陰極またはターゲットを、普通は整合
回路網を経て無線周波発振器の出力の「高電圧」側に接
続し、陽極または基板支持体を大地に接続する。
無線周波エネルギーによって室内に導入したアルゴンガ
スをイオン化し、かくてターゲットおよび陽極間にプラ
ズマを形成し、ターゲットの表面の直近に比較的寸法の
小さい階空間を形成する。アルゴンガスのイオンによっ
てターゲットの原子を文字通りたたき出し、プラズマ中
を介在空間を横切って移動させ、陽極上に位置する任意
の物体に衝突させる。この物体を基板部材とし、粒子自
体を直接または室内に導入し得る他の反応性元素と反応
させた後に基板上に堆積する。無線周波回路を前述した
方法でバイアスすることにより堆積材料の原子を極めて
繊密に堆積することができ、かくて前述した特異な電気
的特性が得られることを確かめた。
このようにバイアス配置とすることにより陽極の直上に
第2階空間を形成する。本発明に好適なバイアス装置を
第8図の配線ダイヤグラムに示す。第8図において、ダ
イヤグラムの左側に示すように無線周波(RF)発振器
260を伝送線路264を経て整合回路網およびプラズ
マ発生器262に接続する。
整合回路網262を真空室(図示せず〉に近俵して配置
することができる。真空室に設けるターゲット266お
よび陽極268を右側に線図的に示す。回路網262に
は誘導子Lおよび調節自在コンデンサC,を高電圧導線
270と直列に設ける。ターゲット266への出力接続
線を272で示す。分路コンデンサC2も調節自在とし
、その大地にもっとも近いが大地より高い端子276を
導線274により陽極268に接続する。
従って端子276は大地より高い瞬時電圧となり、本発
明の硫化カドミウムコーティング12を被覆するのに使
用する実際の装置においては、上記電圧を200V程度
とする。高電圧端子272の電位を約2kVとする。陰
極を近接配置した大地に接続した配置を有するキャップ
部材278で遮蔽する。調節自在のコンデンサC3を端
子276から大地に接続し、従って実際には上記シール
ド278に接続する。コンデンサC2およびC3を実際
上可変リアクタンスとし、構成部材266,268およ
び278間の電圧分布を調節し得るようにする。このよ
うなバイアス設置によってプラズマおよび電極間に2つ
の階空間を形成する。これを第8図に線図的に示す。即
ち、プラズマを斜線部分2801こ示し、普通の暗空間
を282に、バイアスにより形成される第2の脂空間を
284に示す。特異な特性を伴う極めて繊密な堆積を形
成し得る正しい物理的理由はよくわかっていないが、以
下の現象のすべてまたは大部分が生じると考えられる。
【a)堆積時に微結晶を双極子として処理することによ
り堆積微結晶が分極化する。
‘b)特に基板が絶縁体である場合に、基板上に極めて
高い容量性表面電荷が生成する結果、結晶成長は特定配
向となる。
‘cー RF電界および基板の表面電荷を経てプラズマ
から重いイオンを陽極の方へ誘引し、かくてコーティン
グに衝撃を与え、コーティングを極めて繊密な構造に、
従来のスパッタリングしたコーティングより著しく繊密
にたたき上げる。
‘d’ 帯電原子が基本表面に到達した直後にエネルギ
ーを消散するのを防止し、かくすれば上記原子が基板の
僅かな陥没を有する位置をさがし、ここに衝突して上記
陥没を充填し平滑な被衝突表面を形成するので、極めて
繊密な機体が生成する。【e} 基板表面付近の第2階
空間284により基板方向に加速されつつある原子に熱
エネルギーを付与する。
‘f} 第1次RF電圧および第2次RFバイアス(こ
れは普通比較的低い)の位相変動により一層高い有効電
圧を形成し得ると考えられ、これによりイオンおよび帯
電原子を基板の表面の方向へ、回路の公称電圧により表
わされるよりもさらに大きいエネルギーにて、加速する
。いずれにしろ、上述した説明は本発明を限定するため
のものではなく、本発明を一層よく理解する上での補助
となる理論を示しただけにすぎない。
本発明の光導電性コーティング12を使用して電子写真
フィルム10を構成するのが有利である。
硫化カドミウムを使用する場合には、物品は黄がかつた
色を呈し、この色がコーティングの厚さに従って僅かに
変化する。コーティングが厚いと色は僅かに暗くなるが
、3000〜5000Aの範囲内での厚さの変化であれ
ば、光の透過率が前記使用可能範囲外となることはなく
優秀な結果が得られる。他の材料は色が異なるが、これ
らの大部分は可視光に対し透明で必要な透過率範囲内に
ある。例えば硫化インジウム亜鉛コーティングは青色で
ある。オーム抵抗層14の厚さをコーティング12の厚
さに従って1500Aのように大きくすることができる
。本発明の電子写真フィルムを使用する場合には、第6
図に関連して説明したようにコロナ放電により、フィル
ムを高電位に帯電し、この電位を光導電性コーティング
12の常規飽和レベル204とみなされる値に比して極
めて高くする。
階減衰曲線の高い位置で露光を極めて迅速に行う。即ち
、まずフィルム物品を曲線200上の点202の電位に
帯電し、次いで数分の1秒問露光する。露光適正時点は
露出計で監視することにより決定することができ、電荷
が電子写真フィルムを露出する特定の光条件に最適の値
に到達したところで、フィルムの露出を自動的に行う。
電子写真フィルム10を使用する好適な方法ではフィル
ムを実際に急激に処理する。
従来のゼログラフィまたはェレクトロフアックス法の場
合には、媒体、即ちプレートを飽和点、即ち媒体から漏
出する電荷が供給電荷にほぼ等しくなる点まで帯電する
。この飽和点は第5図の曲線34上の点36付近で示さ
れる。しかし本発明の電子写真フィルム10の場合には
、媒体を極めて迅速に飽和レベルより著しく高い電位に
帯電し、次いで露光して電圧を急峻に降下させる。本発
明の電子写真フィルムを露光した後、光導電層の表面に
トナ−を極めて迅速にかつ均一に塗布する。
トナーを塗布する際、フィルム表面の極〈近傍にバイア
ス電圧を印加してトナー粒子を表面の方へ加速するとと
もに粒子を均一に分布させるのが好適である。従来の微
粒子カーボントナーを使用して白黒透明原稿を得ること
ができる。また着色樹脂を使用することもできる。最後
に、過剰となったトナーを表面から迅速に除去し、赤外
線を均一に瞬時照射することによって残存トナーをフィ
ルム表面に融着するか、または他の部材に転写する。
かくて電子写真フィルムの表面電位が減衰する前にすべ
ての処理工程を終了する。所要時間は1秒程度とし、臨
界的帯電および露光を1/2秒以下とする。この後トナ
ーは第4図に26で示すようにフィルム表面28に永久
的に懐着する。本発明の電子写真フィルムを使用する場
合に、1度トナーを塗布すると、トナーの融着前におい
て、トナーの分布は一定となる。
従ってトナー塗布後の電荷減衰がトナー粒子の位置によ
り表示される可視像に実際に影響を与えることはない。
トナ−を分布させ過剰分を除去した直後にトナーを融着
するのに高速融着装層は必ずしも必要なわけではない。
融着処理は適当な長さの時間で行うことができる。これ
がため、特に電子写真フィルムを実験研究に使用する場
合に他の利点が得られる。即ち、トナーを融着する前に
、所望の像が形成されているか否か電子写真フィルムを
注意深く検査することができる。像が満足し得るもので
ない場合には、露光条件、露光時間を変えまた焦点を調
節して一層良好な「画像」を得ることができる。前に行
った露出により形成されたトナー像は布のような簡単な
手段でフィルムからぬぐい去ることができ、これにより
フィルム表面を清浄にする。従って電子写真フィルムを
無駄にすることはなく、また所望の結果を得るのに待ち
時間を必要とせず時間のロスがない。かくして得る電子
写真物品1川ま透明原稿で、投映用にまたはプリント製
造用に適当である。この像は解像度が高い特長を有し、
従って本発明の物品およびその使用方法は微細像を形成
するのに極めて有利である。コントラストは優秀で背景
は極めてきれいである。観察または複写の目的で極めて
大きく拡大して没映した場合にも、かくて生じる拡大像
は良好なディテールを呈し、白、即ち光区域に欠陥がほ
とんどないことを確かめた。本発明を実施し、最適の結
果を得るために考察する必要のある本発明の幾つかの観
点に関してさらに注解を加えておく必要がある。前述し
た化合物およびスパッタリング条件に関する注釈、およ
び一般的説明を以下に示す。まず化合物に関しては、こ
れら化合物はすべて既知の光導重体であり、大部分の実
験およびすべての実施例は硫化カドミウムについてのみ
行われているが、本発明の原理は確認されている。
スパッタリングに含まれるパラメータは多数あり、これ
らのパラメータすべてをコーティング12の形成に使用
する材料での実験で変化させ得ることは明らかである。
このためには極めて長い時間と多大の経費が必要である
。本発明によれば、硫化カドミウムを使用して商業的コ
ーティングおよび電子写真フィルムを製造することがで
きる。他の化合物に関しては、硫化インジウム亜鉛、三
硫化硯素および硫化亜鉛を使用して電子写真フィルム用
のコーティングを製造できる。これらの結果は硫化カド
ミウム程優秀ではないが十分良好である。前述した他の
化合物では、本発明に係るコープィング用の候補材料で
あることを示す結果が得られるが、これらについてはさ
らに実験研究が必要である。この種の化合物をスパッタ
リングする場合、主として汚染が問題になる。
これらの問題が最適パラメータをさがす必要性の上につ
け加わる。汚染は3区域に生じる。‘1}もっとも重要
なのはスパッタリング装置自体の汚染で、‘2}次はタ
ーゲット製造時の汚染で、‘3’最後はターゲット取扱
い時の汚染である。スパッタリング装置を汚点なく清浄
にする必要がある。
1種の化合物のスパッタリングにそれぞれ特定の装置を
使用するのが好適である。その理由は他の化合物を使用
する他のスパッタリング作業の残存物は装置から除去し
て清浄にするのが極めて困難だからである。実験用スパ
ッタリング装置でさえも極めて高価であるので、数種の
化合物のコーティングを形成するのに必要な正確な条件
を規定するよう設定された長期間の実験計画に必要な多
数の装置は多額の経費を要することになる。純粋なター
ゲットは、堆積コーティングの適当な化学量論的量を達
成し、未知の汚染物が混入することから生じる結果のず
れを避けるのに必要である。
この問題は、数脚の汚染物により化合物から予期される
全電気特性が変化してしまう事実によってさらに悪化さ
れる。上述した化合物の陰極ターゲットは普通高度に尊
簡的な発売元から入手できる。この種の材料の製造業者
はターゲットを形成するのに必要な制御条件を確立した
これを維持することをいやがるが、それはそれでかまわ
ない。これらのターゲットを圧縮、凝結または他の方法
で製造し、特定のスパッタリング装置に適当な形状およ
び寸法とする。技術者がターゲットを取扱う際、ターゲ
ットは取扱い工具、技術者の手また身体上の異物および
雰囲気中のガスによって汚染する。従って前記化合物の
すべてを成功裡に被覆し得るとは断定できない。
これら化合物の名称を挙げた目的は、これら化合物すべ
てを本発明に従ってスパッタリングして、種々の特性を
有するもこれらの化合物で従来製造されていた光導電性
部材より著しく良好な光導電性コーティングを形成する
ことが可能だからである。これまで知られているかぎり
では、従来電荷を露光および調子再現に必要な十分な時
間受容および保持できた例は存在しない。言い換えると
、これらの化合物の階対光減衰特性の比を、露出の際に
満足な電荷コントラストを達成するのに十分なものにで
きなかった。次にスパッタリングの温度条件について説
明する。陽極を冷却することについては既に説明した。
ある種の場合、特に好適な硫化カドミウムコーティング
のスパッタリングの場合には、陽極を高温度に維持する
のが最澄であることを確かめた。このことはすべてのコ
ーティングを小形のスパッタリング装置で行った事実に
基づく。陽極の温度を100〜140qoの範囲とする
と優秀なコーティングが得られる。これより低温の陽極
で得られるコーティングは剥離することが多く、高温度
とするそとにより形成する際の結晶質コーティングの応
力を除去し得るものと考えられる。大形装置の場合には
このことは必要ないが、陰極の温度を使用する材料の種
類および体積に従って調節する必要がある。付随的にこ
のことは本発明のコーティングをスパッタリングする際
に考慮する必要のある他のパラメータとなる。第1〜4
図において、オーム抵抗層14への、従って光導電性コ
ーティングの放電用の帰還通路への接点または接続を形
成する部材を示してある。
例えば端子18を大地電位とするのが効果的で、都材2
2および24により大地への通路を形成する。コーティ
ング12から放電された電子はオーム抵抗層14へ、次
いで大地へ移動する。コーティング12の利得が高いの
で、電子の放電を極めて簡単に行なうことができる。こ
のことを第9図に示す。本発明に従って構成され、基板
部材16「オーム抵抗層14および光導電性コ−ティン
グ12を有する電子写真フィルム1川こオーム抵抗層1
4の露出端部または接続端子を形成するのは極めて容易
である。事実、図示の右側端部を、スパッタリング装置
で製造した大形シートまたは紐条から都材10を切断し
て得た完全に未加工の端部とすることができる。説明の
便宜上寸法は拡大して示してある。接地した金属クラン
プまたはフレームまたは他の金属部材70をコーティン
グ12の表面28に直接接触させる。
これが所望時にコーティング12を放電させるのに必要
なすべてである。コーティング12が帯電していない場
合には部材70および層14間の抵抗は極めて高く、コ
ーティング12は良好な絶縁体として作用する。
コーティング12を帯電すると、コーティング12の絶
縁特性はまだ良好であり、この脂固有抵抗は少くとも1
び20一肌である。このことは実際上部材70および層
14間の電気接続に影響せず、従ってこれらの間にまっ
たく電流が流れない。光パターンをコーティング12の
表面28に照射すると直ちに、コ−ティング12は極め
て導電性となり、都材70および層14間のコーティン
グを経て電気接続が実際に形成され、かくて上述した態
様でのコーティングの放電を可能にする。所望に応じて
、フィルム10を使用するカメラまたは記録装置の光学
系に適当な装置を設けて、露光時に部材70直近のコー
ティング12の部分が階状態にとり残されないようにす
るか、またはこの部分を最大光で慎重に照射して前述し
た放電配置を達成し得るようにする。
このような放電方法は、本発明のコーティング12の高
い階固有抵抗と大きな階対光固有抵抗比とが共存して得
られる利点である。
次に硫化カドミウムの最適品質の光導電性コーティング
を製造する実施例を示す。
小形の半実験用スパッタリング装置において、RF電力
入力を200W、大地に対する電位を2kV、バイアス
電圧を100V、周波数を13.5mHZとした。
ターゲットは超純粋な(99.99998%)硫化カド
ミウムを熱間圧縮、および焼結して直径14.7cの(
6インチ)とした。打ち抜きによりリングにすることも
できる。接地シールド‘こよってターゲットを陽極に対
向する表面を除くすべての側部に亘つてとり囲み、シー
ルドをターゲットから約6.1側(1′4インチ)離間
させた。ターゲットをシールド内に数分の1インチ陥入
させた。基板をターゲットから3.7弧(11′2イン
チ)の位置に配置した。陽極を15500の温度に維持
した。雰囲気を15,000肌の純粋な比Sガスで希釈
した純粋度のもっとも高いアルゴンとして、圧力を約1
0ミリトールとした。プラズマおよび陽極間には第2階
空間がはっきりと眼で硯えた。堆積を約6または7A/
秒の速度で行い、厚さ3000△のコーティングを形成
した。大形の工業的スパッタリング装置の場合には堆積
速度を数情にすることができる。本発明の細部ならびに
方法および処理については、本発明の要旨の範囲内で種
々の変更を加え得ること明らかである。
本明細書に記載した細部の規定は単なる実施例にすぎず
、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図はそれぞれ本発明の電子写真フィルム物品の
種々の実施例を示す断面図、および第5図は従来のゼロ
グラフィプレートに関して帯電および放電電位と時間と
の関係を示すグラフ図、第6図は本発明の電子写真フィ
ルムに関して帯電および放電電位と時間との関係を示す
グラフ図、第7図は本発明および従来法に従ってそれぞ
れスパッタリングした硫化カドミウムの光導電性コー7
ィングのスペクトル応答を示すグラフ図、第8図は本発
明の光導電性コーティングの堆積時に使用するスパッタ
リング装置を含む回路配置を線図的に示す回路図、およ
び第9図は電子写真フィルムの放電方法の1例を示す線
図的断面図である。 10・・・・・・電子写真フィルム物品、12・・・・
・・光導電性フィルムコーティング、14・・…・導電
性フィルム層、16・・・・・・基板、260・・・・
・・無線周波発振器、262・・・・・・整合回路網、
266・・・・・・ターゲット、268・・・・・・陽
極、280…・・・プラズマ、282・・・・・・第1
階空間、284・・・・・・第2時空間。 第1図第2図 第3図 第4図 第5図 第6図 第7図 第8図 第9図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 基板と、この基板上に無線周波バイアススパツタリ
    ング法により設けた光導電性の純粋な無機材料よりなり
    、極めて緻密で、微結晶質で、ほぼ透明で、少くとも1
    0^1^2Ω_−cmの暗固有抵抗を有し、暗対光固有
    抵抗比が少くとも約10^4で、電気的異方性である薄
    いフイルムコーテイングと、上記コーテイングを均一に
    荷電した後上記コーテイング材料を光に選択的に露出す
    る際にコーテイング材料から電荷を除去するのを促進す
    る層とよりなることを特徴とする電子写真フイルム物品
    。 2 純粋な無機質で、可撓性で、ほぼ透明で、微結晶質
    で、極めて緻密で、少くとも10^1^2Ω_−cmの
    暗固有抵抗および少くとも10^4の暗対光固有抵抗比
    を有する半導体材料よりなる薄いフイルムコーテイング
    を絶縁材料より成る透明で可撓性のある基板に無線周波
    バイアススパツタリング法により被着し、これらの間に
    透明で可撓性のあるオーム抵抗性の薄いフイルム層をサ
    ンドイツチ状に介在させたことを特徴とする電子写真フ
    イルム物品。 3 電子写真フイルム物品を製造するにあたり、可撓性
    で透明な薄い有機材料基板上にオーム抵抗材料よりなり
    ほぼ透明かつ可撓性となる程度の厚さの薄いフイルム層
    を完全に結合した状態で堆積し、このオーム抵抗材料上
    に光導電性の純粋な無機材料よりなり光導電性材料の利
    得を1以上としさらにほぼ透明かつ可撓性となる程度の
    厚さの薄いフイルムコーテイングを微結晶質で完全に結
    合した状態でスパツタリングし、かくして得る物品の合
    計厚さにおける光吸収率を15〜30%にし、スパツタ
    リングをバイアスした無線周波電界内で行うことを特徴
    とする電子写真フイルム物品の製造方法。 4 電気絶縁性基板部材上に薄いフイルムのオーム抵抗
    層を形成し、該オーム抵抗層を負バイアスで無線周波ス
    パツタリングした純粋に無機質の光導電性材料の層で被
    覆し、この堆積処理を緩徐に行って上記光導電性材料の
    厚さを適当に設定し得るようにし、光導電性材料の厚さ
    に基づく利得、透明性、可撓性および耐摩耗性の組合せ
    が最適になるまで上記堆積処理を継続することを特徴と
    する電子写真フイルムの製造方法。 5 基板およびこれに結合した光導電性コーテイングを
    有する物品を製造するにあたり、基板上に光導電性コー
    テイングを堆積する工程においてスパツタリング室内で
    スパツタリングすべき光導電性材料のターゲツトと基板
    を担持する陽極との間にプラズマを形成し、このプラズ
    マにはプラズマおよび陽極間に1暗空間を設け、無線周
    波バイアススパツタリングを適当時間継続して上記光導
    電性材料を含む薄いフイルムコーテイングを上記基板上
    に結晶質の層状に被覆することを特徴とする基板および
    光導電性コーテイングを有する電子写真フイルム物品の
    製造方法。 6 基板およびこれに接着した堆積光導電性結晶コーテ
    イングよりなる物品を製造するに際し、スパツタリング
    室内で堆積すべき光導電性材料のターゲツトと基板を支
    持する陽極との間にプラズマを形成して無線周波バイア
    ススパツタリングすることによって堆積を行い、上記プ
    ラズマにプラズマおよび電極間の1暗空間を設定し、ス
    パツタリングを適当に継続して上記基板上に上記材料の
    結晶層を堆積する物品の製造方法において、プラズマお
    よび陽極間に第2の暗空間を設定することを特徴とする
    電子写真フイルム物品の製造方法。
JP49006351A 1973-01-12 1974-01-12 電子写真フイルム物品およびその製造方法 Expired JPS609260B2 (ja)

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US378180 1973-07-11

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DE2360909C3 (de) 1982-03-11
ATA14574A (de) 1977-04-15
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