JPS608791B2 - 醗酵装置の昇温冷却方法および装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、冷却コイルを内蔵した酌葵浮装置の昇溢冷却
方法および装置に関するものて；ある。

醗蓮蓬装置は、醗酵熱を除去するために冷却装置を有し
ている。最も典型的なものは、糟内に冷却コイルを設置
し、コイル内に冷却水を通して醗鶏糞熱を除去するもの
である。冷却コイルの種類にも種々あるが、トロンボー
ンタイプの立型のコイルがよく用いられている。このタ
イプの冷却コイルは、コイル内の水を空にすることは容
易ではない。たとえ高圧空気で迫出そうとしても、かな
りの量の水がコイル内底部に残ってしまう。醗酵槽では
、必ず殺菌行程があるので、糟内を１２０℃前後に昇温
する。この間にコイル内の水は同時に加熱され、出口が
大気に開放されていると蒸発を始め、通常ほぼ完全に蒸
発乾固されてしまう。昇温後、所定の時間（通常３０分
前後）殺菌温度に保持した後、冷却行程に入る。冷却行
程では、コイルに冷却水を供給する。冷却開始直後は、
コイル内に供給した水は瞬間的に蒸発して、スチームが
発生する。一時に多量のスチームを発生すると、コイル
の振動をともなう恐れがあるので、徐々に水量を増して
行かざるを得ない。また、昇縞行程で冷却コイル内の水
が完全に蒸発乾固されるので、蒸発残澄が管肇に付着し
、スケール発生の原因となる。更に問題となるのは、冷
却水に含まれる塩素イオンが濃縮されて、一般にコイル
材質として使用されるステンレススチールに応力腐食を
引起すことである。例えばＳＵＳ３０４ＴＰを採用した
場合、塩素イオン濃度がＩＱ風を越えると応力腐食割れ
による事故が発生した事例がある。通常の醗錘蓬槽では
、単位張込培地容量あたりの冷却コイルの伝熱面積は１
〜２で／めである。

コイル内の水を蒸発させるため、堵地を昇温するのに必
要な熱量に対して約１０〜２０％の熱量が追加されねば
ならない。本発明は、上述の問題点を解決してよりすぐ
れた昇温冷却方法および装置を得ることを目的としたも
のである。

本発明は、昇温行程において、コイル内部の圧力をコイ
ル内の水が沸騰しない圧力に保持して、蒸発乾固による
塩素イオンの濃縮を防止すると共にコイル内の水の蒸発
潜熱を節約し、冷却工程におけるスチームハンマリング
を防止し、かつ、冷却時間の短縮を可能としたものであ
る。以下、本発明の実施例を図面によって説明する。

第１図は醗酵槽とそのまわりの冷却水の配管経路を示し
したもので、１は醗酵槽本体、２は本体１内に設けられ
た冷却コイル、３は冷却水入口、４は冷却水出口、５，
６，７は開閉弁、８は１次圧調整弁である。培養期間中
、開閉弁７は閉、開閉弁５，６は関とし、冷却水は冷却
水入口３、冷却コイル２、冷却水出口４、開閉弁６を通
って流れる。培養が終了した時点で、冷却水の流れは開
閉弁５を閉じて止められる。培養液が酸鍵菱槽本体１よ
り抜き出され、清掃を終えて次の培地が張込まれる。こ
の間、冷却コイル２には水が満たされたままである。醗
酵槽本体１にスチームを吹込み、培養液の昇溢を開始す
る。糟内温度が１００００以下では、冷却コイル２内の
水は沸騰しないから蒸発量は無視できる量であり、開閉
弁６は開のままでも差支えない。槽内温度が１００００
になる前に開閉弁６を閉じ、開閉弁７を開いて１次圧調
整弁８が働くようにする。冷却コイル２内の水は温度の
上昇と共に膨脹するので、この膨脹分を１次圧調整弁８
を通して排出する。１次圧調整弁８の設定圧力は最高温
度においてコイル内の水が沸騰しない圧力であればよい
。

例えば１２０ｑＣの殺菌温度の場合、１．５ｋ９／仇Ｇ
であれば充分である。

一定時間の殺菌温度を保持した後、冷却行程に入る。こ
の場合、冷却コイル２内の圧力より大きい圧力を有する
冷却水を開閉弁５を開いて流す。つぎに開閉弁７を閉じ
、開閉弁６を開いて冷却を開始する。したがって、昇温
冷却行程を通じて冷却コイル２内の水は沸騰することが
ない。第２図は本発明の他の実施例を示したもので、第
１図の一次圧調整弁の代りに冷却コイルの出口側に膨脹
タンク９を設けて水の物理膨脹分を吸収させるようにし
たものであり、第１図の場合と同様に殺菌中冷却コイル
２内の圧力を水が沸騰しない圧力に保持することができ
る。

本発明は以上述べたようにしたものであるから、昇温殺
菌時に冷却コイル内の冷却水の蒸発乾固による塩素イオ
ンの濃縮を防止することができると共に、コイル内の水
の蒸発潜熱を節約することができ、かつ、冷却行程にお
いて最初から多量の冷却水を流しても振動を発生するこ
とがなく、冷却期間を短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による醗酵槽の昇温冷却装置の一実施例
を示す系統図、第２図は同じく他の実施例を示す系統図
である。 １・・・・・・醗酵槽本体、２・・・・・・冷却コイル
、３・・・…冷却水入口、４・・・・・・冷却水出口、
５〜７・・・・・・開閉弁、８・・・・・・一次圧調整
弁、９・・・・・・膨脹タンク。 矛１図グＺ図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 冷却コイルを内蔵した醗酵槽において、殺菌中冷却
   コイル内に水を満たし、かつ、コイル内の圧力をコイル
   内の水が沸騰しない圧力に保持すようにしたことを特徴
   とする醗酵装置の昇温冷却方法。 ２ 冷却コイルを内蔵した醗酵槽において、冷却コイル
   の醗酵槽入口側および出口側に開閉弁を設け、かつ、殺
   菌中コイル内圧力を一定圧力以下に保持する装置を設け
   たことを特徴とする醗酵装置の昇温冷却装置。 ３ 冷却コイルの入口側もしくは出口側に膨脹タンクを
   設けた特許請求の範囲第２項記載の醗酵装置の昇温冷却
   装置。