JPS607911B2 - 静止形電力変換設備 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、３相電源母線から移相変圧器を介して互いに
位相のずれた電圧を供給される少なくとも２つの３相の
中間母線にそれぞれ単位電力変換装置が接続されている
ような静止形電力変換設備に関する。

大容量の静止形電力変換設備においては、電源系統に生
ぜしめられる高調波電流が常に問題となる。

電源系統に現われる高調波電流の最低次数を高め、しか
も高調波電流の値を小さくするためにいわゆる“多パル
ス整流接続”が行なわれる。この多パルス整流接続を行
う場合に、パルス数が６である三相ブリッジ形変換器ま
たは三相二重星形変換器が基本となり。このような６パ
ルスの単位変換器を２個設けて、電源系統から変圧器を
介して取り出した互いに３０ｏだけ位相のずれた電圧を
これらの単位変換器に与え、かつこれらの単位変換器に
均等な負荷分担をさせることにより、全体として１２パ
ルスの電力変換装置を構成することができる。この場合
には変圧器の星形結線と三角結線とによる３０ｏの位相
差を利用するのがほとんどである。また、１８，２４，
３０，３６、パルスの場合の接続は、整流器用変圧器の
直流側巻線もしくは交流側巻線を１台毎に別々に接続す
る方法か、整流器用変圧器１台毎に１台の移相変圧器を
介して電源母線に接続する方法かのいずれかを行ってき
た。しかしながら前者は単位変換装置の変圧器が単一種
類のものとならないという欠点があり、後者は単位変換
装置毎に１台の移相変換圧器を要する欠点がある。本発
明の目的は複数台の単位変換装置に対して唯１台の結合
移相変圧器を用いることで多パルス化を実現することに
より上述の欠点を除去することにある。

まず、本発明の説明に先立ち、移相変圧器を用し・た２
心ッレス整流接続式の静止形電力変換設備の従来の実施
例を第１図に示し、これについて説明する。

第１図によれば、３相の電源母線１にそれぞれ移相変圧
器２Ａ，２Ｂを介して接続された２つの３相中間母線３
Ａ，３Ｂが設けられ、各中間母線にはそれぞれ１２パル
スの単位変換装置４Ａ，４Ｂが接続されている。

各単位変換装置４Ａ，４８は、それぞれ三角一三角結線
と三角−星形結線の２つの変圧器を有し、各変圧器には
それぞれダイオードないしはサイリスタからなる３相ブ
リッジ変換器が接続されている。各３相ブリッジ変換器
の直流側はそれぞれリアクトルを介して直流母線５に並
列接続されている。移相変圧器２Ａ，２Ｂは、全く同一
構成であるが、電源母線１への接続端子と中間母線への
接続端子とが互いに逆になっているという接続上の相異
がある。

図示の角度ａを７．５０とすることによって、移相変圧
器２Ａを介して中間母線３Ａに与えられる電圧ベクトル
は電源母線１の電圧ベクトルに対して左に７．５ｏだけ
回転し、移相変圧器２Ｂを介して中間母線３Ｂに与えら
れる電圧ベクトルは右に７．５ｏだけ回転する。これに
より、両中間母線の電圧間には所望の１５０の位相差が
生じ、単位変換装置４Ａ，４Ｂは全体として２４パルス
の変換装置を構成することができる。本発明は、上述の
ように単位変換装置毎に設けられていた移相変圧器を、
１台の共通な移相変圧器に置き換えようとするものであ
る。

第２図は本発明による静止形電力変換設備の２４パルス
の場合の実施例を示す。

電源母線１と２つの中間母線３Ａ，３Ｂとの間には１台
のみに移相変圧器２が接続されている点を除けば第１図
の従来の実施例と同じであるので、第１図におけると同
じ構成要素に同じ参照符号を付すだけで、それらの説明
を省略し、移相変圧器２についてのみ詳細に説明する。
第３図には第２図の実施例における移相変圧器２の結線
状態が再び図示されている。

移相変圧器２は中性点○を中心に３相星形結線された主
巻線Ｒ，，Ｓ，．Ｔ，を有し、これらの巻線端子ｒ，ｓ
，ｔは電源母線１（第２図）に接続される。ざらに移相
変圧器２は２組の補助巻線Ｒ２ａ，Ｓね， Ｔ２ａおよ
びＲ２ｂ，Ｓ小Ｔ２ｂを備えている。これらの巻線はす
べて等しい巻数を有する。主巻線Ｒ，の電源接続端子ｒ
にはこの主巻線Ｒ，の相を除く残りの２つの相の補助巻
線Ｓ２ａ， Ｔ２ｂの一端が接続されている。同様にし
て、端子ｓには補助巻線Ｔ凶， Ｒ幼の一端が接続され
、端子ｔには補助巻線Ｒ２ａ， Ｓ２ｂの一端が接続さ
れている。一方の組の補助巻線Ｒね， Ｓ側 Ｔ幻の池
端ａ，，ａ２，ａ３は中間母線３Ａ（第２図）に接続さ
れる。他方の絹の補助巻線Ｒ２ｂ，Ｓか， Ｔ２ｂの池
端ｂ，，ｂ２，Ｑは中間母線３Ｂ（第２図）に接続され
る。第３図に示された角度８／２が７．５ｏとなるよう
に主巻線と補助巻線との巻数比を選定することにより、
端子ａ，，ａ２，ａ３から得られる電圧は端子ｒ，ｓ，
ｔに印加される電源電圧に対して７．５０だけ進み位相
となり、端子広，Ｑ，ｂ３から得られる電圧は端子ｒ，
ｓ，ｔに印加される電源電圧に対して７．５ｏだけ遅れ
位相となる。これによって、中間母線３Ａ，３Ｂ間の所
望の電圧位相差１５ｏが得られ、したがって第２図の装
置は全体として２４パルス式の変換装置を構成する。第
４図は３ふりレス式の場合の実施例の要部を示す。

３ふッレス式の場合にはもう一つの中間母線３Ｃが追加
され、これには図示していないが、他の中間母線３Ａ，
３Ｂ同様に１２パルスの単位変換装置４Ｃが接続される
。

さらに、３つの中間母線３Ａ，３Ｂ，３Ｃに共通な１台
の移相変圧器２はもう一組の三相補助巻線が追加され、
これらの追加された各相の補助巻線の一端はそれぞれ同
じ相の主巻線の電源接続端子に接続され、これら補助巻
線の他端は追加された中間母線３Ｃに接続される。さら
に、２４パルスの場合と異なるところは、中間母線３Ａ
，３Ｂに接続された補助巻線と主巻線との巻数比が第４
図における図示の角度０／２が１ｏｏとなるように選定
されている点である。そして中間母線３Ｃに接続された
補助巻線の巻線は中間母線３Ｃの電圧の大きさが中間母
線３Ａ，３Ｂの電圧の大きさと一致するように選ばれる
。このようにして中間母線３Ａ，３Ｂ，３Ｃの電圧の位
相を１００ずつずらすという所望の電圧位相関係が得ら
れる。補助巻線を追加することによって、さらにパルス
数を増大することも原理的には可能ではあるが、むしろ
、第２図に示された２４パルス式の電力変換装置を単位
変換装置として、これを２組設けて両単位変換装置に対
して、再び本発明により共通化された移相変圧器により
３７５０の移相を行うことにより全体としてパルス数４
８を得るというやり方が好ましい。

移相変圧器２の主巻線の結線は今まで説明した星形結線
に限らず三角結線も可能である。

第５図ないし第８図は主巻線が三角結線である場合の互
いに異なる実施例である。いずれにしても、移相変圧器
２は一組の主巻線Ｕ，，Ｖ，，Ｗ，と二組の補助巻線Ｕ
２ａ， Ｖ側 Ｗ２ａおよびＵ２ｂ， Ｖ２ｂ， Ｗ２
ｂとＺを有する。端子ｒ，ｓ，ｔを電源母線に接続し、
端子ａ．，ａ２，ａ３を一方の中間母線に接続し、端子
広，Ｑ，ｂ３を他方の中間母線に接続すれば、両中間母
線間の電圧位相差はひとなる。（０′は仮相中性点であ
る。）以上のように、本発明によって移相変圧器の共通
化が達成され、設備全体の小形化およびコストダウンを
はかることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の実施例を示す結線図、第２図は本発明の
実施例を示す結線図、第３図は第２図における移相変圧
器の詳細説明図、第４図は本発明の他の実施例を示す結
線図、第５図ないし第８図は移相変圧器の互いに異なる
変形例の説明図である。 １・・・…電源母線、２…・・・移相変圧器、３Ａ，３
Ｂ，３Ｃ・・・・・・中間母線、４Ａ，４Ｂ，４Ｃ・・
・・・・単位変換装置、５・・・・・・直流母線。 才／図 矛２図 汁う図 矛４図 才５図 才ク図 矛ァ図 矛８図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ３相の電源母線から移相変圧器を介して互いに位相
   のずれた電圧を供給される少なくとも二つの３相の中間
   母線にそれぞれ単位電力変換装置や接続されているよう
   な静止形電力変換設備において、３相の主巻線と少なく
   とも二組の３相の補助巻線とを備えた移相変圧器を前記
   中間母線に共通な一台の移相変圧器として設け、主巻線
   と第１の組の補助巻線とで合成される電圧が第１の中間
   母線に、主巻線と第２の組の補助巻線とで合成される電
   圧が第２の中間母線にそれぞれ供給されるように結線し
   たことを特徴とする静止形電力変換設備。