JPS60765B2 - 化合物超電導コイル - Google Patents

化合物超電導コイル

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JPS60765B2
JPS60765B2 JP52022335A JP2233577A JPS60765B2 JP S60765 B2 JPS60765 B2 JP S60765B2 JP 52022335 A JP52022335 A JP 52022335A JP 2233577 A JP2233577 A JP 2233577A JP S60765 B2 JPS60765 B2 JP S60765B2
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compound superconductor
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は化合物超電導コイルに係り、特に、異方性を利
用した大型高磁界発生用化合物超電導コイルに関するも
のである。
高磁界発生用超電導コイルは、臨界磁界の高い化合物超
電導体、例えばニオブ3−錫(Nb3Sn)やバナジウ
ム3−ガリウム(V3Ga)を用いて作られるが、これ
らは機械的に脆いという欠点がある。
一方、大型コイルはコイルのィンダクタンスを小さくす
るため断面積の大きな導体を用いなければならないが、
実際にはコイル巻線の作業性やコイルの占頬率を良くす
るため平角状(矩形)断面の化合物超電導体に加工され
る。ところが、平角状断面の超電導体は磁界と電流の方
向が直角(横磁場)であるように巻回しても超電導体の
幅広面と側面方向では臨界電流異万性が生ずる。この臨
界電流の異方性は、超電導体中の磁束線のピン止め機構
ならびにピン止め力の異万性によるものと考えられ、選
択する超電導体の種類や製法によって異なってくる。最
近、電磁気的に安定な超電導体として例えばニオブ合金
心線を極細多心化した超電導体が開発され、化合物超電
導体においても複合加工、選択拡散法により極細多心化
した化合物超電導体が開発された。
そこで本発明者等は、複合加工、選択拡散法により製造
した平角状断面をもつ化合物超電導体の臨界電流の異方
性を後述の如く測定した結果、次のことが明らかとなっ
た。即ち、断面が平角状をした化合物超電導体の幅広面
と磁界の方向とが直角であるときは臨界電流の電流値は
高く、幅広面と磁界の方向が平行の場合には低くなる。
この場合、塑性変形させて平角状超電導体を得る方法を
用いると、そのアスペクト比(長辺の長さを短辺の長さ
で割った値)が増すとその平角状超電導体の異方性は増
大する。一方、心線の偏平化を行なわず半田付け等によ
って超電導体の断面を平角状にしたものでも、同じ傾向
の異方性を生ずるがその異方性はづ・さし、。
いずれにしても、超電導体の幅広面と磁界の方向が平行
である場合は臨界電流が低下する。第1図は従来の超電
導コイルの構造と機能を説明する断面図である。
ソレノィド状またはパソケーキ状に巻回された超電導コ
イル1は、平角状超電導体2の幅広面を超電導コイルの
中心軸5と平行に巻回されたものである。このような超
電導コイルは、超電導体の磁界と電流特性から経験磁界
の高い領域4で最初に超電導破壊を起し易い性質がある
ので「超電導コイル全体に流す電流密度を高めることが
できずしたがって高磁界が得られないという欠点があっ
た。上記のように従来の超電導コイルは平角状超電導体
の幅広面がコイルの中心軸と平行にフラットワィズ的に
巻回されているが、高磁界を得るためには超電導体の幅
広面と磁界の方向とが直角になるエッヂワィズ的に巻回
すことが望ましい。
その理由は上記のごとく幅広面と磁界の方向が直角とな
り高い電流が流せるからである。しかしこのようにする
ことは機械的に脆い化合物超電導体では実際上不可能に
近い。何故ならば、機械的に脆い化合物層の臨界電流を
減少させないための最小曲げ半径は、曲げ加工を加える
方向の超電導体厚さにほぼ比例するため、コイルの曲げ
半径を大幅に大きくする必要がありコイル寸法が大きく
なると共に高磁界の発生を困難にするからである。また
、異方性のない丸型断面あるいは角型断面の超電導体を
用いる方法もあるが「この場合はコイルの曲げ半径を平
角状超電導体の幅広面をコイル中心に向けて巻くよりも
大きくして巻回する必要がある。あるいは、化合物層を
形成させる前にコイル状に巻回し、このコイルを高温熱
処理して化合物超電導コイルを作る方法もあるが、熱処
理設備や電気的絶縁の関係上大型コイルには適用し難い
。本発明は、化合物超電導体の異万性を有効に利用して
、高性能な大型高磁界を発生できる化合物超電導コイル
を提供することを目的とし、複合加工・選択拡散法によ
って製造された化合物超電導体を巻回してなる化合物超
電導コイルにおいて、平角状断面を有する上記化合物超
電導体を、その幅広面を重ね合わせた側面の長さが上記
幅広面の幅よりも長さなるごとく複数本重ね合わせて化
合物超電導体集合体を形成させ、上記化合物超電導体集
合体の側面と上記化合物超電導コイルの中心軸とが平行
になるごとく巻回してなることを第一・の特徴とし、平
角状断面を有する上記化合物超電導体の幅広面と、この
化合物超電導体以外の物質の薄層とを交互に複数層重ね
合わせ、この重ね合わせた側面の長さが上記化合物超電
導体の幅広面の幅よりも長くなるごとくして化合物超電
導体集合体を形成させ、この化合物超電導体集合体の側
面と上記化合物超電導コイルの中心軸とが平行になるご
とくして巻回してなることを第二の特徴とし、平角状断
面を有する上記化合物超電導体を、その幅広面を重ね合
わせた側面の長さが上記化合物超電体の幅広面の幅より
も長くなるごとく複数本重ね合わせ、その外周部に化合
物超電導体以外の物質を被覆して化合物超電導体集合体
を形成させ、この化合物超電導体集合体の側面と上記化
合物超電導コイルの中心藤とが平行になるごとく巻回し
たことを第三の特徴とするものである。
すなわち、複合加工・選択拡散法によって製造された化
合物超電導体を平角状(矩形)断面を持つように形成し
、幅広面を積み重ねて化合物超電導体集合体としその側
面がコイル中心軸と平行になるように巻回して化合物超
電導コイルを構成したことにある。第2図は従来の平角
状の化合物超電導体のアスペクト比と臨界電流異方性と
の関係を示す線図であり、縦軸は臨界電流をアンペアA
で示し、機軸は超電導体のアスペクト比を示す。
この実験に用いた超電導体は、直径が約10マイクロメ
ータのニオブ線3240本を錫を1の重量%含む鋼マト
リックス中に埋め込んだもので、その断面糟比A(Cu
−Sn)/A(Nb)は約1.5である。この複合材を
700℃で10筋時間熱処理して各ニオブ心線表面に約
1マイクロメータ厚さのニオブ3一錫層を生成させた。
このようにして作ったアスペクト比が異なる5種の短尺
の超電導体を液体ヘリウムに浸潰して横磁界をかけ、磁
界と超電導体中広面とのなす角度が直角の場合(H↓)
と平行の場合(HII)について磁界−臨界電流特性を
測定したものである。磁界を70キロェルステッNこし
たときの臨界電流の強さは、アスペクト比が増大すると
共にH↓は増加し、EIIは減少している。
また、その変化はアスペクト比がほぼ2.5で飽和する
ことがわかつた。第3図は本発明の一実施例である化合
物超電導体集合体の断面図である。
上記実験で用いたと同じ組成の化合物超電導体を、側面
7が幅広面6よりも大きくなるように5本積み重ね、そ
の重ね合わせた面を鉛−錫半田8で接合してある。この
ような構造の化合物超電導体集合体をアスペクト比を変
化させて5種類作り、第2図の場合と同じく液体ヘリウ
ムに浸潰して実験した。第4図は第3図に示す化合物超
電導体集合体のアスペクト比と臨界電流との関係を示す
線図で、アスペクト比が増大すると幅広面6と磁界との
なす角度が直角(H↓)であるとき電流は増加し、平行
で(HII)であるときは減少する。
また、アスペクト比が4以下の場合の臨界電流はHII
の方が大きくなることを確認した。すなわち、第2図は
塑性加工により横断面を平角状にした単位導体の臨界電
流異万性を示し「第4図は第3図の如く単位導体を5層
積層した導体集合体全体の臨界電流異方性を示している
そして、第2図、第4図においてHIIは夫々の単位導
体及び集合体の幅広面に平行に磁界を加えた場合、H」
は夫々の単位導体及び集合体の幅広面に垂直に磁界を加
えた場合を示しているので、単位導体のみに着目すれば
、第2図と第4図のH↓とHIIはそれぞれ逆の関係に
あり、試験すべき最終形状に着目すれば重ね合わせの効
果が得られたことを示している。すなわち、塑性加工に
よって平角状に製作された単位導体は、ただ単に導体の
寸法が変っただけでなく、導体内部の超電導フィラメン
トの形状や磁束線のピン止め力など内部構造も変化して
おり磁界を印加する方向によってこのような臨界電流の
異方性を生じ、集合体の場合は、集合される方向によっ
て夫々の単位導体の臨界電流異方性がほぼ加算されるこ
とを実験結果は示している。本発明はこの結果を基本と
してなされたものである。したがって、この重ね合わせ
た化合物超電導体集合体を使用して第3図の側面7をコ
イル中心軸と平行にしたフラットワィズ巻回を行なえば
大電流を流して強磁界が得られることになる。
なお、ここで化合物超電導体集合体に対して使用される
フラットワィズ及びエッジワィズという表現は、コイル
巻線時における導体集合体の巻線軸に対する巻線方向の
形状を云い、導体集合体全体の幅広面がコイル巻線軸に
対して平行ならばフラットワィズ、直角ならばエッヂワ
ィズとしている。従って、導体集合体を構成する細分化
された単位導体が夫々エッヂワィズ的方向であっても、
集合体全体としてはフラットワイズとなる。この場合、
導体集合体全体で化合物層に加わる歪量をある範囲にす
れば、単位導体がエッヂワィズ的方向であって単位導体
のままでは実際上不可能に近いものを導体集合体とする
ことによって性能劣化を来すことなく巻線することが可
能である。第5図は本発明の他の実施例である化合物超
電導体集合体の断面を示す図であり、第5図aは塑性加
工前、第5図bは塑性加工後の断面を示している。
第5図aにおいて各超電導体の側面7の積み重ね長さが
幅広面6よりも大きくなるように5本の化合物超電導体
を積み重ねて、その外周をニオブ箔よりなるニオブ拡散
防止層12で被覆し、更にその外周を平角状に銅層11
で被覆する。次に、鋼層11の外周よりこの化合物超電
導体集合体の側面が拡大し、幅広面が縮少する方向に力
を加えて第5図bのごとく塑性変形させる。その後70
000で10畑時間加熱処理して、各ニオブ心線9の表
面に約1マイクロメータ厚さのニオブ3一錫層を生成さ
せたものである。第5図bの化合物超電導体集合体につ
いて臨界電流の異万性を測定したが、その測定条件は第
2図、第4図における場合と同様である。
その結果は第4図の場合と同様に、この化合物超電導体
集合体のアスペクト比を増大すると幅広面と磁界とのな
す角度の場合(H」)は増加し、平行の場合(HII)
は減少した。また、臨界電流の電流値は塑性変形後のア
スペクト比4〜5以下でHIIの方が大きくなる。この
場合に付随的に認められた現象として、臨界電流以上の
電流領域において電圧特性が変化した。即ち、電流の増
加と共に発生した電圧は僅かで、常電導の芽が発生して
も安定して通電電流を制御し得ることがわかった。第1
表は本発明による種々の化合物超電導体集合体を巻回し
て構成した超電導コイルと、従釆法による超電導コイル
の特性を比較したものである。
ニオブ3−錫を用いた超電導体は6×2のれ(アスペク
ト比3)を基本とし、その中に5マイクロメータの太さ
のニオブ心線が45790本埋込んである。
このニオブ心線の表面には約1マイクロメー夕厚さのニ
オブ3−錫層が形成されている。第1表において「NO
.1は6×2肌あの大断面の第1図に示すような従来の
平角状超電導体をコイル内径180柳にフラットワィズ
的に巻回したもので、臨界電流の異万性のため最大磁界
部近傍の臨界電流が低く、5.8の中心磁界しか発生し
ていない。
No.2は同じ導体を曲げ歪による劣化がない54仇肌
内径にエッヂワィズ的に巻回したもので、異万性の点で
は高い臨界電流が得られるが、コイル内径が大きく、か
つ巻数が少ないため、3.虹の中心磁界しか発生してい
ない、No。3〜No.6は本発明の化合物超電導体集
合体を使用した場合で、単位導体から見ればエッヂワィ
ズ的であるが、集合体ではフラットワィズであり、集合
体寸法、コイル内径から見た曲げ歪による性能列化はな
く、更に単位導体の臨界電流異万性を積極的に利用して
コイル最大磁界部近傍で高い臨界電流が得られ、6.5
〜6.汀の磁界の発生が得られた。
すなわち、NO.3、4は第3図に示す本発明の実施例
の方法で作られた超電導体を用いたもので、2×1.2
のあの平角状超電導体を5層積み重ねた2×6のあの化
合物超電導体集合体(アスペクト比3)をフラットワィ
ズに巻回したものである。No.3は化合物超電導体を
接着層を用いずそのまま積み重ねたもの、No.4は平
角状超電導体間をハンダ付けして積み重ねたものである
。NO.5、6は第5図で示した本発明の他の実施例の
方法で作られた化合物超電導体集合体を用いたもので、
3×1.0側の平角状化合物超電導体を5層積み重ね、
銅およびステンレス鋼の崖体で外周を被覆したものを塑
性変形して、フラットワィズに巻回したものである。こ
れらのコイルは、超電導体曲げ方向の臨界電流を減少さ
せないよう無理のない曲げ直径を定めて、これを超電導
コイルの内径とした。
性能を比較し易くするため、コイルの高さは30仇帆、
巻回した超電導体の長さは約1舵と一定させた。これら
を液体ヘリウム温度の状態で励磁し、クェンチ電流を求
めてその時のコイル中心の磁束密度を比較したものであ
る。第1表 従来法によるコイルNO.1、NO.2はコ′Tル中心
の磁束密度が5.5テスラーT以下であるのに対し「本
発明のコイルはし、づれも的以上であった。
その原因は、同じ超電導体寸法のものではHIIの方が
大電流を通電し得ること、また、アスペクト比を大きく
した化合物超電導体集合体を巻回したコイルはコイル内
径を小さくすることができHIIも大きくとれることに
よるものである。なお、銅被覆および不銭鋼被覆した超
電導体を用いたNO.5、6のコイルは、今回の実験で
はその効果を十分に発揮していないが、長尺の化合物超
電導体集合体を巻回した更に大型の超電導コイルでは十
分その効果を発揮できるものである。以上のごとく本発
明の実施例の化合物超電導コイルによれば、コイル巻回
法はフラットワィズでありながらコイル中心部近傍の最
も高磁界領域の臨界電流を大中に増加させることがべき
るので、同一寸法のコイルの場合高磁束密度を生じさせ
ることが可能である。また、超電導体のアスペクト比を
大きくすることができるので巻回するコイル内径を小さ
くすることが可能であり、小型のコイルで容易に高磁界
を発生させるという効果がある。したがって必要とする
超電導体の量が少なく、コイルを冷却するための液体ヘ
リウム量も少なくて済むという経済的に大きな利点があ
る。以上の実施例はニオブ3一錫超電導体について説明
したものであるが、複合加工・選択拡散法によって作ら
れたバナジウム3ーカリウム超電導体はその臨界電流の
異方性は同一懐向であるので、同様に高性能な超電導コ
イルを製作することができる。上記の実施例のような構
造を採用したので、大電流を流し得る平角状化合物超電
導体をフラットワィズに巻回しても、異万性を生ずる磁
力線のピン止め力はコイル中心軸に対して平行になり、
最も高い磁界を経験する領域の臨界電流を大中に増加さ
せることができた。
換言すれば、大電流を流し得る平角状化合物超電導体を
分割して製造し、この平角状化合物超電導体の幅広面よ
りも厚くなるように複数本の平角状化合物超電導体を重
ね合わせて巻回することは、同じ複合加工・選択拡散法
によって製造した同一断面寸法の従来の平角状化合物超
電導体を巻回したものに比べて、磁束線のピン止め力の
異万性が全たく逆にすることができる。したがって、コ
イルの曲げ半径を同じくしてフラワィズに巻回したコイ
ルの通常電流が増加する。また、上記のごとく分割され
た平角状超電導体の臨界電流の異万性は或程度大きい方
が重ね合わせ後の化合物超電導体の異方性を大きくする
ことができるので好ましい。
ただし、コイルの曲げ半径とコイル端部での磁束線の方
向の関係からして、極端な異万性を生ずるようなアスペ
クト比は避けなければならない。厳密に云えば、磁束線
のピン止め力の異方性は、平角状化合物超電導体のアス
ペクト比よりも心線の虎平度と康平になった心線の直角
方向に生長する化合物層の結晶成長程度に依存すること
が大きい。しかし、これに関する定量化が困難であるの
で、ここではアスペクト比で便宜的に説明して来たもの
である。発明者等の実験結果に依れば、重ね合わされる
平角状超電導体のアスペクト比は1.1〜2.5の範囲
が最も好ましい。
これ以上のアスペクト比にしても幅広面と直角方向の臨
界電流の増加は僅少である。また、重ね合わせ後の化合
物超電導体のアスペクト比は、異万性電流とコイル曲げ
半径によって変り得るが、1.1〜5.0の範囲が好ま
しい。大型超電導コイルにおいては、コイルの蓄積エネ
ルギーの増大と共に、コイルの一部に常電導が発生した
時のコイルの保護、強大な電磁力を支持するための補強
、電磁力による超電導体の動きを防ぐための固定および
変化磁界による超電導体内の結合電流による電力損失の
防止が重要な問題である。そのために、実際に通電され
る化合物超電導体以外の物質が必要である。本発明の化
合物超電導体集合体の平角状化合物超電導体の間には補
強材、常電導性金属、低融点金属合金および電気的絶縁
物等を層状に挿入介在させることが可能である。また、
平角状化合物超電導体を複数本重ね合わせた後にその外
周部を化合物超電導体以外の物質で被覆することもでき
る。したがって、構造的にも性能的にも大型高磁界発生
が可能な化合物超電導コイルが得られるという利点があ
る。上記の如く、本発明は化合物超電導体の異方性を有
効に利用して、高性能な大型高磁界を発生できる化合物
超電導コイルを提供可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の超電導コイルの構造と機能を説明するた
めの断面図、第2図は従来の平角状超電導体のアスペク
ト比と臨界電流異万性との関係を示す線図、第3図は本
発明の一実施例である化合物超電導体集合体の断面図、
第4図は化合物超電導体集合体のアスペクト比と臨界電
流との関係を示す線図、第5図aは本発明の化合物超電
導体集合体の塑性加工前の断面図、第5図bは第5図a
の塑性加工後の断面図である。 1・・・超電導コイル、2・・・平角状化合物超電導体
、5・・・コイル中心軸、6・・・幅広面、7・・・側
面、8・・・鉛−錫ハンダ、11…銅層、12・・・ニ
オブ拡散防止層、15・・・化合物超電導体集合体。 菊’図第3図 弟z図 弟ム図 弟づ図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 複合加工・選択拡散法によつて製造された化合物超
    電導体を巻回してなる化合物超電導コイルにおいて、平
    角状断面を有する上記化合物超電導体を、その幅広面を
    重ね合わせた側面の長さが上記幅広面の幅よりも長くな
    るごとく複数本重ね合わせて化合物超電導体集合体を形
    成させ、上記化合物超電導体集合体の側面と上記化合物
    超電導コイルの中心線とが平行になるごとく巻回してな
    ることを特徴とする化合物超電導コイル。 2 上記化合物超電導体集合体のアスペクト比が1.1
    〜5.0である特許請求の範囲第1項記載の化合物超電
    導コイル。 3 複合加工・選択拡散法によつて製造された化合物超
    電導体を巻回してなる化合物超電導コイルにおいて、平
    角状断面を有する上記化合物超電導体の幅広面と、この
    化合物超電導体以外の物質の薄層とを交互に複数層重ね
    合わせ、この重ね合わせた側面の長さが上記化合物超電
    導体の幅広面の幅よりも長くなるごとくして化合物超電
    導体集合体を形成させ、この化合物超電導体集合体の側
    面と上記化合物超電導コイルの中心軸とが平行になるご
    とく巻回してなることを特徴とする化合物超電導コイル
    。 4 上記化合物超電導体集合体のアスペクト比が1.1
    〜5.0である特許請求の範囲第3項記載の化合物超電
    導コイル。 5 上記化合物超電導体以外の物質が、補強材・常電導
    性金属・低融点金属合金・電気的絶縁物のうち少なくと
    も一種類である特許請求の範囲第3項又は第4項記載の
    化合物超電導コイル。 6 複合加工・選択拡散法によつて製造された化合物超
    電導体を巻回してなる化合物超電導コイルにおいて、平
    角状断面を有する上記化合物超電導体を、その幅広面を
    重ね合わせた側面の長さが上記化合物超電導体の幅広面
    の幅よりも長くなるごとく複数本重ね合わせ、その外周
    部に化合物超電導体以外の物質を被覆して化合物超電導
    体集合体を形成させ、この化合物超電導体集合体の側面
    と上記化合物超電導コイルの中心軸とが平行になるごと
    く巻回したことを特徴とする化合物超電導コイル。 7 上記化合物超電導体集合体のアスペクト比が1.1
    〜5.0である特許請求の範囲第6項記載の化合物超電
    導コイル。 8 上記化合物超電導体以外の物質が、補強材・常電導
    性金属・低融点金属合金・電気的絶縁物のうち少なくと
    も一種類である特許請求の範囲第6項又は第7項記載の
    化合物超電導コイル。
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