JPS607366B2 - 超電導コイル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は極低温に冷却し、巻線の電気抵抗を零にして電
力損失ないこ励磁することができる超電導コイル装置に
関するものである。

超電導コイルはその全体を液体ヘリウムなどの冷却材中
に浸潰し、極低温に冷却する。

そして超電導状態になった超電導線に電流を流して運転
するものである。このとき、超電導線に大きな電磁力が
発生する。特に電流密度が高いと発生磁界も大きいので
、超電導線には大きな電磁力が鰍らく。このため、超電
導コイルの機械的強度を必要とする。第１図は従来の超
電導コイルを示す断面斜視図である。

同図において、１は超電導線、２はこの超電導線１を合
浸し固めるェポキシ材などの樹脂である。このように、
従来の超電導コイルは超電導線を樹脂に合浸し固めて、
全体として一体構造になるように強固に構成するので、
電磁力に耐えることができる。

なお、樹脂で合浸しない末含浸の超電導コイルでは強度
が弱いので、電磁力によって線が断線したり、性能が低
下する危険性がある。

しかしながら、従来の超電導コイルは使用した超電導線
の潜在的な電流容量よりも可成り小さい電流しか流せな
い。

この現象はェポキシ舎浸超電導コイルのデグラデーショ
ンとして知られている。その原因としては禾だ明確では
ないが、【ａーェポキシ材に生ずるマイクロクラックに
よる歪エネルギーの解放、‘ｂ｝ 超電導線のそＩ性変
形による発熱、‘ｃー ェポキシ材の極低温における小
比熱性、【ｄ’ェポキシ材の熱伝導が小さく冷却効果が
悪いなどに起因すると考えられる。したがって、本発明
の目的は機械強度および冷却効果を向上させて、超電導
通電々流容量を高くした超電導コイルを提供するもので
ある。

このような目的を達成するために、本発明は、超電導線
として巻回された状態で線材の近傍に液体ヘリウムが侵
入しうる隙間を作り出すような構成の電気絶縁をほどこ
した超電導線を用いて巻回されたコイルにおいて、コイ
ル状に巻回した超電導線の隙間に樹脂が入らないように
し、この超電導線の巻線の周辺を樹脂によって強固に一
体化すると共にこの樹脂層に複数個の孔を設け、液体ヘ
リウムが前記超電導線の隙間に侵入するようにしたもの
で、以下実施例を用いて詳細に説明する。

第２図は本発明に係る超電導コイルに適用することので
きる絶縁材を巻回した超電導線を例示したものである。
第２図ａ，ｂにおいては、超電導線１の表面に絶縁テー
プ３を適当な隙間を設けつつスパイラルに巻き付けてい
る。これらの超電導線をコイル状に巻回した場合、隣接
した各超電導線の間には絶縁テープによって隙き間が作
られる。ｃは超電導線１の表面に絶縁材の細い繊維と巻
回ないし被覆したものであり、この細い繊維の層に液体
ヘリウムが浸入できる。第３図は本発明に係る超電導コ
イル装置の一実施例を示す断面斜視図である。

５はェポキシ樹脂などの絶縁樹脂層、６は各超電導線１
の間に形成された隙間、７は前記絶縁樹脂層５を貫通す
る冷却材の流通孔である。

次に、上記横成に係る超電導コイルについて説明する。

コイル状に巻回された超電導線１は樹脂層５によって周
辺を固められ強固に一体化されＬ全体として気機的強度
が向上する。しかも、超電導線１のコイル巻線の内部に
は樹脂が存在せず、超電導線１の隙間６には液体ヘリウ
ムが絶縁樹脂層５，２の流通孔７から浸入する。したが
って、超電導線１と超電導線１の隙間６にはこの液体ヘ
リウムが充填された状態になるから、各超電導線１は液
体ヘリウムに接触する。この発明の超電導コイルにおい
ては、第２図に示すような絶縁をほどこした超電導線を
巻回しているために、隙間６が大きくなり流通孔７から
侵入した液体ヘリウムが隙間６に十分に浸入し蓄積され
て、超電導線の表面に接触冷却する。このため、超電導
線１において発生する微少発熱は液体ヘリウムの良好な
熱伝達性と等価的に高い比熱によって極めて良好に冷却
されるため、超電導電流容量が増大し、高いアンペアタ
ーンあるいは高い磁界を発生できる超電導コイルになる
。なお、前記コイル状に巻回した超電導線の隙間に樹脂
が入らないようにするためには樹脂の粘度の選定が重要
となり、樹脂の粘度は、例えばェポキシ樹脂にシリカな
どのフィラーを混入して調整することができる。

また、流通孔７は樹脂が固化したのちに除去しうる充填
物によって作ることができる。第４図は本発明に係る超
電導コイルの他の実施例を示す断面斜視図であり、巻枠
８と絶縁樹脂層５の両方を貫通する孔９を設けた例を示
す。

ｏ また、第５図は本発明の超電導コイルの他の実施例
を示す断面斜視図である。補強構造物１０が設けられ、
樹脂によってコイルに一体化されて固められている。ま
た第６図は本発明に係る超電導コイルの他の実施例を示
す断面斜視図であり、絶縁樹脂層５の流通孔７の形状は
矩形である。

このように絶縁樹脂層５の流通孔７の形状は円形、矩形
に限定せず任意の形状をとり得ることは勿論である。ま
た、絶縁樹脂層としてェポキシ樹脂に限定されないこと
も当然である。以上、詳細に説明したように、本発明に
係る超電導コイル装置によれば、超電導線によって巻回
されたコイルの周辺を樹脂で強固に固めて一体化するの
で、機械的に強固となり、しかも、絶縁樹脂層に設けら
れた流通孔を通して超電導線の間に液体ヘリウムが浸入
しＬ冷却効果が向上し、超電導電流容量を大きくするこ
とができるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の超電導コイル装置を示す断面斜視図、第
２図は本発明に係る超電導コイル装置に適用しうる超電
導線の絶縁構成の例を示す斜視図、第３図は本発明の一
実施例を示す断面図、第４図第５図及び第６図はそれぞ
れ本発明の他の実施例を示す断面斜視図である。 図中、１・・・超電導線、３・・・絶縁テープ、４・・
・絶縁繊維被覆、５・・・絶縁樹脂層、６・・・隙間、
７・・・流通孔。 なお、図中同一符号は同一もしくは相当部分を示すもの
とする。舞、図 第２図 第３図 第４図 第５図 第６図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 超電導線によって形成されたコイル、上記超電導線
   相互の間に冷却材を流通し得る隙間を有つるように巻回
   された絶縁材、上記コイルのまわりを被覆する絶縁樹脂
   層、この絶縁樹脂層に設けられ、該絶縁樹脂層の外部と
   上記隙間を連通する冷却材の流通孔を備えたことを特徴
   とする超電導コイル装置。 ２ 絶縁材は絶縁テープからなることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の超電導コイル装置。 ３ 絶縁材は絶縁繊維であることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の超電導コイル装置。